いつの間にか、つぐみの祖父・吾妻正義の事務所に新たなバイト事務員が加わっていた。正義の友人である墨田弁護士の孫だという大学生・大介はしかし、墨田氏の希望とは裏腹に弁護士になるつもりはないのだという。どうも訳ありそうなうえ、金次第で客を選ぶ正義のやり方にも刺々しい態度を示してはいるが、弁護士事務所の事務仕事には慣れているらしく、つぐみも様子を見つつ一緒に働くことに。そんな折やってきた依頼人は、夜須という弁護士のもとで事務員をしている女性・柴平。彼女は夜須からパワハラを繰り返されたうえ、依頼人に返すべき金を着服する片棒を担がされたのだというが……。

敏腕だが金に汚いことで有名な弁護士・吾妻正義のもとに持ち込まれる様々な依頼を、嘘をついている人の顔がゆがんで見えるという特殊な能力を持つ孫娘・吾妻つぐみの視点から描く法廷ドラマシリーズ第2弾。

パワハラ&横領、親子間での交通事故慰謝料請求、痴漢冤罪……と、今回の依頼人たちも曲者だらけ。さらに今回から加わった、弁護士になりたくない事務員・墨田大輔による守秘義務違反&SNS炎上も加わり、つぐみの周囲はなんというか本当に厄介ごとがよく起きる……といった感じ。まあこれはつぐみのせいではなく、祖父・正義のせいなのだろうが。ちなみに、個人的には2つ目の「親子間での交通事故慰謝料請求」が一番印象的というか、現実に起きそうなトンデモ事件すぎて目が離せなかった。

そんな中、ますます謎が深まるのが、つぐみの幼馴染兼許嫁?である草司の父親にまつわる件。草司本人が周囲からも言われていたが、証拠捏造の疑惑をかけられ失踪した検察官の息子を、あえて採用し同じ職に就けるというのはどこか奇妙な気も。父親と本人は関係ないというのはもちろん当たり前のことではあるが、公的機関というある種旧弊な組織であればこそ、そういうバイアスはなおさらかけられそうなものなので、そう考えると確かにおかしさが増してくる。そのあたりをはっきりさせるためにも続刊に期待したい。


◇前巻→「法律は嘘とお金の味方です。京都御所南、吾妻法律事務所の法廷日記」