母親の喪に服すため実家に戻った小玉。初対面となる甥とも仲良くなり、なぜか追いかけてきた清喜も含めて穏やかな日々を過ごす小玉だったが、かつて彼女を振った元許嫁が、妻を亡くしたからと再び小玉に求婚してくる。そんな元許嫁、そして今も昔も小玉の気持ちをないがしろにする近所の人々の態度に腹を立てていた幼馴染にして義姉の三娘は、村を捨てることを決意。小玉は文林に依頼して都に義姉と甥の住まいを準備し、その後もなにかと世話を焼いてくれるのだが、三娘はそんな文林の存在に不信感を抱くように。というのも幼い頃、三娘は見知らぬ老婆からある予言を受けていた。ひとつは自分についてのことで、もうひとつは小玉についてのことだった――すなわち、小玉はやがて高き御位へとのぼるが、彼女を愛する4人の男によって不運になる、と。自分についての予言がことごとく当たっていることで、小玉についての予言についても不安を抱く三娘。小玉から聞いた話を総合すると、元許嫁を含めて「彼女を愛する男」はすでに4人現れているはず。となると、三娘の目から見れば小玉に気があると思われる「5人目」文林は、いったい何なのだろう、と……。

軍人皇后・小玉の活躍を描く中華風ファンタジーシリーズの前日譚、第4巻。今回は主に義姉(つまり兄嫁)である三娘の視点から、小玉の将来を見通していくという展開に。

三娘だけが聞き、本人に隠し続けている「予言」が語る未来は、小玉にとっての「幸せ」を意味するのかどうか――高い位に就くことが幸せとは言い切れないし、そもそもあからさまに「不運へ進む」と言われていることもあり、三娘の危惧ももっとものように感じられる。本編では明らかに、彼女に次々と「運の悪い」出来事が起こっているからなおのこと。特に今でもある程度の位には就いているにせよ、まだひとりの軍人に過ぎない彼女を狙っているであろう動きが見え隠れしてくるラストには不安が募るばかり。またこのあたりも文林が関わっていそうな感じで、本当にこの男は……!と言いたくなってくるのだがまだどうだかわからないので保留にしておくことにする(笑)。


◇前巻→「紅霞後宮物語 第零幕 三、二人の過誤」