クリスマスを間近に控える中、クジは兄や古来の知識を借りながら、カンラン先生を元の世界に戻す方法を探っていた。しかし本人はどちらでもいいと考えているようで、クジは困惑を隠せない。そんな中、地下鉄の駅で何者かがカンラン先生に接触。別の次元に隠していたはずの彼の杖を無理やり奪って逃走し、カンラン先生はその場で昏倒してしまうのだった。杖がない状態では魔法が使えるかどうかわからないというカンラン先生のために、クジは魔法庁の施設でデータを取ることを提案しつつ、杖を奪った犯人の手掛かりを探すが……。

電子オリジナルとなるシリーズ4巻。魔法使いにとっては半身ともいえる杖を奪われてしまい、カンラン先生大ピンチ!の巻。

なにもかもがまったく違う存在のクジとカンラン先生は、それでも協力しつついろいろなトラブルを解決する中で、少しずつ互いを理解してはいたはずだったが、今巻ではまだまだ知らないことがたくさんあるということが改めて浮き彫りに。やはりクジにとっては「無理やり自分たちの世界にしまった引き擦り込んでしまった」という負い目があるためにカンラン先生を元の世界に返そうと必死だし、けれど一方で魔法使いの好奇心ゆえか、あるいはネオンジウムをどうあっても持ち帰れない現状に対して(一応)責任を取るためか、この世界に留まってなにかしらの新発見をしようと考えている模様。何度目かわからないそんなすれ違いもここまでくれば微笑ましく映ったりもするのだが、それはそれとして、カンラン先生は「新発見」の対象として「魔王」の存在を求めようとしていた――もちろん、その対象は「サリタ・タロッタワーク」だったもののことなのだろう。ここにもまた、かの魔王との因縁――あるいは呪縛のようなもの――がいまでも根深く残っている。サリタを知る者たちにとっては、彼が死んでしまうよりもなお残酷な出来事だったのだ。

しかしそんなふたりの前には、またしてもカンラン先生の杖を――というよりは、ネオンジウムを狙う輩が現れる。彼らの狙いは一体何なのか。そして残るネオンジウムの持ち主ふたりはもちろん「大丈夫」とは言うが、相手がどのくらいの力量を持っているのかまだわからないので、本当に大丈夫なのかどうか。


◇前巻→「ちょー東ゥ京3〜月の光ワルツ〜」