2012から2015年の間に連載された「鳥肌と涙目」をまとめたエッセイ集。
タイトルの通り、不意に鳥肌が立つような出来事(想像含む)が綴られている。
例えば、駅のホームで、電車待ちの列の先頭に立つこと。小さな子どもと大きな犬が遊んでいるのを見ること。自分だけが知らない「ルール」があることと、それを知らず知らずのうちに破ってしまっているかもしれないこと。コンタクトレンズが無数に増える夢を見ること。これまで付き合って来た女性のタイプがすべて似通っていたこと。初めてできた彼女が初めて自分の部屋に来た時、突然ベッドの下に手を突っ込んだこと。
コミカルなものから本当にぞっとするようなことまでいろいろと挙げられているが、個人的に共感できるものもあるし、一方で「それは考え過ぎだろう」と思うようなものもある。そのあたりはまあ、この作者らしい考え方といったところだろう。
一番印象に残ったのは「フラグ」の話で、目の前にある出来事に対して、普通に考えればありえない行動を自分がしてしまうのではないか、という内容。例えば演劇を見ている最中に自分が舞台に上がってしまったり、赤ちゃんを手渡された途端放り投げてしまったり。自分のことなのに、自分が何をしでかすか分からないという不安感。そんな感じは私にもある。例えば仕事で電動裁断機を使う時、刃の下に手を差し入れてしまいそうな気がいつもする。実際はしないけど、いつかスイッチが入るかもしれない。けれどそんな予想のつかない部分を抱えているのが人間なのかもしれない、と思ったりもして。











