phantasmagoria

読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。

カテゴリ: 町田康

ホサナ
町田 康
講談社
2017-05-26

知人の舵木禱子に誘われ、ドッグランで犬を遊ばせながらバーベキューをすることになった主人公の「私」。集められたメンバーは禱子以外知らない人ばかりで、中にはこちらを見下すような態度を取る者もおり、不快な思いをしながらも人生初のバーベキューに参加してみたもののさして面白くもない。と、そんな折に突如光の柱が出現し、彼らのいる場所に近づいてくる。これは栄光だ、と光柱の到来を待ち受けていた主人公だが、それを見た禱子は巨大化し、そばにいた人々の首を鎌で刈り取って柱に投げつけ、さらには自身も突撃するが、柱は消えることなく迫ってきて――そして気付けば散会の時間となっていた。帰り道、口直しに蒸しずしでも食べようと考えていた主人公だったが、そこに「日本くるぶし」と名乗る何者かの声が聞こえてくる。「日本くるぶし」は見えざる力で主人公の足を折りながら、再度バーベキューをするよう脅迫。主人公が観念してその言を呑むと、折れたはずの足はすっかり治っていたのだった。その後、別の事故に遭い体調を崩していた主人公のもとへ禱子から連絡が入る。見舞いも兼ねて仲間たちと訪問したいという禱子を断り切れなかった主人公は、以前「日本くるぶし」に命じられた通り、ここで彼女たちに「正しいバーベキュー」を振舞うべきではないかと考え始め……。

「群像」にて2012〜2016年にかけて不定期連載されていた長編作。約700ページのボリュームで描かれるのは、町田版黙示録ともとれるような世界の終わりと、救いに至ろうとする物語。

あらすじを書いたもののこれは単なる序盤100ページほどの展開で、ここから物語は二転三転どころかまったく予想も想像もつかない方向へと転がり続ける。バーベキューで人々は肉を焼くが、主人公が目にした光の柱もまた、人間のみを選別してその肉を焼き尽くす。犬は主人公にとって愛が動物であり同時に社交のツールでもあったが、その犬を「導く」能力を持つ禱子の娘・草子と、犬の気持ちがわかるようになった主人公は、犬の存在が中心となった彼らの日々においてはまさに「神」に位置することのできる存在となった。しかし草子はいつまでも神として君臨していられたのに、主人公はいとも簡単にその権威を失墜していく。それはなぜだったのか。

やがて主人公は怪しげな地下駐車場に入り込み、そこから奇妙な過程を経て地上へとたどり着くが、その時はもう世界の様相は一変していた。そして同時に、唯一の信頼できる友であった自身の飼い犬と離れ離れになってしまう。殺人毒虫に追われた主人公を救った男は、彼を別の場所に連れてゆく際、これまた奇妙な道筋をたどらせる。屋敷の庭が自然あふれる森から断崖へと続き、かと思えばその先には鉄板を打ち付けられたバーに入り込む……といった具合。かつて「宿屋めぐり」でも描かれていたが、現実とも異界ともとれる道程を経ることで、主人公は自身の意識と何度も何度も向き合うこととなる。それは存在意義や世界の在り方といった深い思索ではなく、あくまでも理解しがたい現状に自分の意識を添わせるための行為。あるいは自分の意識を正として、周囲の異様さをあげつらう行為。もちろん彼に非があってこの状況に陥っているわけでは(おそらく) ないと思うが、それにしてもこの主人公の被害妄想ぶりは度を越しており、剥き出しにされた自意識がこれでもかというくらいに描写されてゆく。やがて再会した飼い犬との意識のもつれ、そして救いを求める言葉のみが余韻として残るラストがとても印象深い。

ゴランノスポンゴランノスポン
町田 康

新潮社 2011-06-29
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フリーターの「僕」は、常に世界に感謝しながら生きていく。ポジティブな考えで、いいバイブレーションに満たされて日々を過ごす。金がなくても、職がなくても、友達が死んでも、悪い方に考えてはいけない。人間は個人のエゴを捨て、そうやって生きていかねばならないのだ……。(「ゴランノスポン」)

2000〜2011年にかけて「新潮」などに発表された作品7本を収録した短編集。

表題作「ゴランノスポン」は、語り手である「僕」が日々のことを肯定的に、前向きに綴っていく。貧乏だけど金持ちを羨まないのは、金持ちはその状態を維持するために金を稼がねばならず、ゆえにストレスを抱えてしまうからだということ。バイトを休めば金は入ってこないけど、その代わりに精神的ゆとりが得られること。前向きな仲間たちに囲まれて、彼らのライブを見て、映画を観て、とにかく「すごいなあ」「楽しいなあ」と思う。けれどそこで描かれるポジティブさはどこまでも薄っぺらくて、空虚。まるでそう自分に言い聞かせないと生きていけない、とでもいうような。

どこまでも身勝手な中年男性が主人公の「一般の魔力」や、勝ち組企業に就職したフリーターが主人公の「二倍」などもそうなのだが、この短編集の主人公たちはみな、根拠のない希望に満ちていて、そしてどこまでも前向きに生きている。それが公衆の道徳に反していたり、常識的には到底受け入れられないような思考回路であったとしても。

「ゴランノスポン」の「僕」の独白と同様に、彼らはみな、「それぞれがそれぞれであること」を大事に生きている。一般的に考えて自分が正しいとか間違っているとかそういうのはどうでもよく、とにかく日々を乗り越えようとしている、ただそれだけ。ただ彼らの持つ「前向きさ」の、その「前」というのが、一般的な方向とはちょっと異なっているだけ。その「ちょっと」具合が滑稽ではあるのだが、そんな自分の思考も、もしかしたらどこか「ちょっと」歪んでいるのもしれないと、そう思ったりもする。

おっさんは世界の奴隷か―テースト・オブ・苦虫〈6〉おっさんは世界の奴隷か―テースト・オブ・苦虫〈6〉
町田 康

中央公論新社 2008-11
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ますます苦み走っていくエッセイシリーズ6巻は、「ヨミウリウイークリー」2005年3月から2006年1月掲載分を収録。

このシリーズ、タイトルが「テースト・オブ・苦虫」ということで、筆者の周囲で起こる、なんか苦虫な出来事(全部がノンフィクションではないとは思うが……)がメインの内容になっているのだが、たまに時事ネタが混じったエッセイがあったりもする。

例えば「知性の渦潮」というエッセイでは、冒頭にその当時世間をにぎわせた「堀右衛門」なる人物の言葉「カネさえあれば女にモテる」を引用するところから始まる。
まあこの「堀右衛門」が何者かは、この名前の読み方さえ分かれば簡単なのだが(笑)、いきなりそんな当て字をされるとは思わず、ついくすりと笑ってしまう。
ちなみにこの後、本当に女性にモテるためにはカネより知性、という話になっていく。カネは使えばなくなるが、知性は死ぬまで当人のものだから、という理屈らしい。

けれど知性を表現するための、その方法がいけない(笑)。
四字熟語を使おう、というのはいいのだが、それ以降出てくる四字熟語はすべてデタラメ。でもなんだか、ものすごくもっともらしかったりもして、最終的にはなにやら煙に巻かれた感も。最後に「一知半解」ならぬ「一知半壊」(生半可な知識で間違っていることを得意げに吹聴していると、バチが当たって家が半壊する……という意味、らしい)という熟語で締められるのもまたおかしい。なんという風刺。


◇前巻→「おそれずにたちむかえ テースト・オブ・苦虫5」

テースト・オブ・苦虫〈4〉テースト・オブ・苦虫〈4〉
町田 康

中央公論新社 2007-05
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苦虫の味が口の中いっぱいに広がる――けれどそれがクセになってきた気もするエッセイ(?)集第4弾。「ヨミウリウイークリー」2003年6月から2004年4月までの掲載分を収録。

ドンキホーテのテーマソングが好きだという告白(?)から始まる「近況を随筆風に」では、「どんきいだあ」と歌いながらドンキでやたら買い物をした結果、クジで白玉イチゴを当てたという話。それだけなら「ああ、おめでたい」で話が終わってしまうのだが、そこで終わらないのが町田康。食べるためには自然解凍せねばならない白玉イチゴに振り回され、心神耗弱していくというオチがついてくる。まったくおめでたくない。そして失礼ながら、そんな姿がおかしくて仕方ない。

とにかく一事が万事そんな調子で、真面目に物事に当たった結果がなんともはや、なオチ。面白い。


◇前巻→「テースト・オブ・苦虫3」

テースト・オブ・苦虫〈3〉テースト・オブ・苦虫〈3〉

中央公論新社 2006-11
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人生の深淵を見つめつつ苦虫を噛むエッセイシリーズ第3弾。「ヨミウリウイークリー」2002年7月〜2003年5月までの掲載分を収録。

パンク歌手兼作家という肩書きについて言及するエッセイが多いのだが、とかく「パンク歌手」というものをなぜか必要以上に貶めて書くのが作者のスタイル。嘘だとわかっていてもその描写は面白い。
例えば「未来がないぜ、泥鰌がうまいぜ、踊り」では、「パンクロッカー」に対する世間一般のイメージとして、以下の点を挙げている。

・無駄に凶暴
・やたらイガイガの付いた革服を着て、人ごみの中でぶつかってくる
・ポケットにナイフ、花火、寸胴鍋、うなぎなどを隠し持っている
・ところかまわずジェリードイールを拵えておつまみにする
・カナッペの上の部分だけ食べてしまう
・食べ散らかして汚れた手指を他人の服で拭く
・ちょっと金が入ると酒やドラッグに使う
・電気代が払えないので、室内にも関わらず冬はたき火、夏は水浴びをする
・氷を抱いて「馬あー」と叫ぶ
・「ノーフューチャー」などと叫ぶ

……などなど。とりあえずどこから来たのか分からないイメージが羅列されるが、ここで作者が否定するのは「寸胴鍋など持ち歩いていない」「どこででもジェリードイールを作ったりはしない」ということくらい。あとは肯定してしまう。なにやらよくわからない(笑)。

テースト・オブ・苦虫〈2〉テースト・オブ・苦虫〈2〉
町田 康

中央公論新社 2006-05
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やっぱり口中に広がるのは苦虫の味――「ヨミウリウイークリー」に連載されている、なんとなく苦々しい現実、世の中、そして自分を描き出すエッセイ集第2弾。2001年8月から2002年6月頃のものを収録。

よくわからないことをぐるぐると考えては羅列。羅列しているうちに紙幅が尽きる。そんな語り口はいつものこと。

例えば「男の随筆」。
エッセイの書き出しを「この原稿を今**で書いている」とするのはよく見られる手法。**の部分には地名が入る。ただそれだけのことについて町田康は1本エッセイを書く。
場所の説明やら状況の説明やら、あと思いついたことをどんどん書くうちにわけがわからなくなって終わってしまう。どうでもよさそうなことを微に入り細を穿ちえんえんと書く。
そのぐるぐる感が良い。やめられなくなる味。

真説・外道の潮騒真説・外道の潮騒
町田 康

角川グループパブリッシング 2008-10-31
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パンク歌手で作家のマーチダ・コー氏は、いわゆる「長幼の序」を実践するために、目上の人が勧めてきた気の乗らない仕事を引き受けることにした。それは氏がアメリカに向かい、好きな作家・ブコウスキーをテーマに「精神の旅」をするというテレビ番組を作るというもの。しかし、そこで現れたプロデューサーと監督がどうしようもなく「外道」な人物で……。

前作から5年、おめき声をあげて吶喊してくる外道を避けきれないマーチダ・コー氏の信じられない体験を描く「外道」もの第2弾。

今回の「外道」もとにかくひとの話を聞かない。そんな彼らに押し切られて渡米するものの、行った先でもやっぱり話を聞かない。それは「テレビ業界」という特殊な空間が生み出した弊害でもあるだろうし、現在の世の中の状況をばっちり反映したものなのかもしれない。とまれ、そんな「外道」の思考にいつの間にか毒される主人公。マーチダ氏が一番まともなようにも見えるが、たまに危ないときもある。実は登場人物みなが「外道」なのかもな、とか思ってしまう自分ももしかしたら外道かもしれない。そんな思考のループ。

実録・外道の条件 (角川文庫)実録・外道の条件 (角川文庫)
町田 康

角川書店 2004-12
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パンク歌手でたまに俳優業もこなし、最近は文筆業も手掛けるようになったマーチダ・コー氏。そんな彼に、想像もつかない行動・発言を繰り返す「外道」たちが襲いかかってくる。これは氏と外道たちとの恐るべき攻防を描いた短編4本を収録した作品集である……。

実話が元ネタではないか、と疑ってしまうような「外道」たち。彼らのありえないようでありえそうな理不尽な行動の描写には、腹が立つと同時に、行き過ぎていて滑稽さすら感じてしまう。ななめ45度上を行く「外道」の発想にはただただ嘆息するばかり。

例えば「ファッションの引導鐘」では、主人公に写真撮影を依頼されるのだが、撮影場所がスタジオではなく、どう見てもぼろいアパートの1室。スタッフは主人公には不愛想なのにメイクさん(外人)には愛想よく、スタイリストはシャワーを浴びていて遅刻したあげく、主人公に女ものの服をあてがってくる。怒った主人公は女装はできないとつっぱねたが、編集長のとりなしで再度撮影をすることに。しかし指定された撮影場所は遠く集合時間は早すぎる。3時間かけて朝10時にたどりついたものの、例のスタイリストはなんと6時間も遅刻する始末。

仕事を何だと思っているのか。それ以前に人としてどうか。

……なんてことを思い腹も立つのだが、その悪びれない姿を見るにつけ、逆におかしくなってくる。怒りを通り越して笑いが止まらない、という見本のような展開。

こんな調子の話があと3作。不可思議なおもしろさについついページを繰る手が止まらなかった。

テースト・オブ・苦虫 5 (5)テースト・オブ・苦虫 5 (5)
町田 康

中央公論新社 2007-11
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世の中のあらゆることに恐れず立ち向かう、でも真っ向勝負ではなく、妙なひねりを入れるものだから結局どうなってんだかわからない……そんな苦虫エッセイ集。「ヨミウリウイークリー」連載の「テースト・オブ・苦虫」シリーズ第5弾。

例えば「ただの半端なやつじゃないのか?」というエッセイ。
失敗が許されないというのは、社会では当たり前の事実。失敗すればたちどころに現在の立場を失いかねない昨今に対し、筆者は「軽」「半」という方法論をぶち上げてみる。
経理がミスをしたらそれはおおごとだし誰も大目にはみてくれないが、あらかじめ「軽経理」と名乗っておけば、たとえ失敗しても「軽だから仕方ないな」ということになるはず!
……ということなのだが、はてさて。

こんな調子のエッセイ集、読んでいるとなんとなく心が軽くなるというか、どうでもよくなるというか、じゃあ私も「軽」で……(笑)。

宿屋めぐり宿屋めぐり
町田 康

講談社 2008-08-07
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怖かった。
読み終わって真っ先にそう思った。

町田康の最新作は「群像」に7年もの期間をかけて掲載された長編小説。約600頁。

「主」の命により大権現に太刀を奉納する旅に出た鋤名彦名は、謎の「くにゅくにゅの皮」に包まれ、別の世界とおぼしき場所にはまり込む。欺瞞と偽善にまみれた嘘の世界で、彦名は西へと向かっていく。

彦名の精神を良くも悪くも支えているのは、彼にとって神に等しい「主」の存在。自らの正義を重んじ、その意志を貫き通す「主」に、彦名は逆らわないし、逆らえない。だがそんな「主」のため、と言いつつも楽な方へ流され、道中では大小様々な罪を犯し続ける。
だから最終的に彦名に下された罰は自業自得としか言いようがないが、それなのに彦名には同情を禁じ得ない。それほどの恐ろしい結末。

誰かに寄り掛かって生きているつもりでも、結局、人はひとりで生きているにすぎない。誰かの命令だから、と他者の言葉に従って行動したとしても、そうすることを決めたのは自分自身。だから指針を問う彦名を「主」は突き放す。自分で考えろ、と。――「宿屋めぐり」というタイトルの意味が重くのしかかってくる瞬間。

圧倒と畏怖。
そんな単語が浮かんでは消え、また浮かんでくる。ただ恐ろしいほどの余韻が残った。

破滅の石だたみ破滅の石だたみ
町田 康

角川春樹事務所 2008-06
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過去10年にわたって各所に掲載されたエッセイをまとめた1冊。デビュー話や芥川賞受賞時のエピソード、新刊紹介、解説・評論など、内容は多岐にわたる。

新刊紹介なんかを読むと、まだ積みっぱなしの「告白」やら「真実真正日記」なんかを読まんければ、という衝動に駆られるがひとまず置いといて。

特に気に入ったのは、PC雑誌に連載されていたコラム「伊八のいる風景」。
新型PCを手に入れた作者だったが、設置でひと苦労、スイッチ入れてまたひと苦労。とりあえず「伊八」という名前を付け、音声入力が出来るということで喜び勇んでやってみたところ、全く意味不明な文章がつづられる始末。それでも根気よく「伊八の精神の闇」(笑)と向き合い、その文章を連載3回分にわたって解読しようと試みる。
まずその「精神の闇」という例えに、さらにその解読に心血を注ぐ姿にいたく感銘を受けた。ひらたく言うと大爆笑したのだった。そういうことを延々とやってしまうところが町田康らしい、と思う。

フォトグラフールフォトグラフール
町田 康

講談社 2008-02-15
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嘘だらけの世界で唯一信じられるのが写真――てなわけで、様々な写真に町田康が忠実に文章をつけていく。……ということになっているSS集。

例えば表紙に使われているのは、山羊から人間の手が生えているような写真。ここから作者は、人間の手を持つがゆえの苦悩を、山羊の視点(!)で綴っていく。人間の手があるとうかつに地面に手をつけない、手が汚れれば洗わないと気が済まない……というような。

動物の写真やら古い映画のシーンなど、多岐にわたる写真と、奇妙かつ軽妙な掌編を収録。

チンパンジーが自転車に乗っている写真のエピソードが特にお気に入り。新種の芸人(古今東西の様々な芸をミックスさせた芸をしながら飯をふるまう老芸人)が来ると思ったら、なぜか自転車に乗る猿が来ただけだった、というもの。さてなぜでしょうか(笑)。

テースト・オブ・苦虫 1 (1) (中公文庫 ま 35-1)テースト・オブ・苦虫 1 (1) (中公文庫 ま 35-1)
町田 康

中央公論新社 2007-11
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苦虫を噛み潰すSSあるいはエッセイ?集。
フィクションなのかノンフィクションなのか分からないまま読み進める。パンク歌手である語り手は家で、車中で、街で、様々な場所で苦虫。よくあるある、いやないだろう、いややっぱりあるな、てな共感をしたりしなかったりしつつ苦虫。この内容自体がパンクだよなあと思いつつ苦虫。

口中に広がる苦虫の味。

でもなんだかやめられないのです。

シュノーケル、チャットモンチー、Base Ball Bearの3バンドによるライブツアー「若若男女ツアー」が決まったとか。うわあ行きたい!日程的に無理そうだけど……(T_T)


*購入本*
瀬尾つかさ「クジラのソラ03」(富士見ファンタジア文庫/富士見書房)
三浦しをん「きみはポラリス」(新潮社)


*読了本*
東京飄然東京飄然
町田 康

中央公論新社 2005-10
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飄然とするのは難しい。

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