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読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。

カテゴリ: 霜島ケイ

封殺鬼 クダンノ如シ 下 (ルルル文庫)封殺鬼 クダンノ如シ 下 (ルルル文庫)
霜島 ケイ

小学館 2012-08-24
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女学院に巣食う怪異の中心――穂積妙子の「正体」を突き止めた桐子。このまま妙子が予知を続ければいずれ死ぬということに気付いた桐子は、彼女を救うため、兄の穂積逸人に接触を図る。逸人を説得して妙子を連れ出した桐子は迦具也の案内で、竹取の一族の聖域へと向かう。だが妙子は桐子に感謝しつつ、何か思いつめているようで……。

桐子の女学院編もこれにてクライマックス。サブタイトルにもあるように、これまでは予知をするという怪異「件」の存在が示唆されてきたが、妙子は「件」とは別の存在であることがはっきりする。そしてその正体が「件」以上に厄介なものだということも。それでも桐子は諦めず、友人である妙子のために全力を尽くすことを約束する。友人とは多少の無理を言っても許される相手のこと――とは桐子の「友人」の定義だが、まあ間違ってはいないのかも。初めての学校通いでできた友人のため、桐子は「神島家当主」以上に「妙子の友人」として動き始める。そんな彼女の姿を見守り、支えてやりたいと思う聖や弓生の姿には共感してしまう。そしてそのふたりと同様、見守りながらも彼女が求めるならば手を貸したい、だから彼女の側にいることを決めたという志郎にも。

というわけで迦具也が介入したせいかどうかはさておき、桐子と志郎の関係にも(まさかの)進展が。どこまでも余裕な志郎に歯噛みする迦具也もかわいいが(笑)、とりあえずよく言った志郎!ということで。

ところで今巻で「神島桐子編完結」とあるのだが、ここで本当に終わり……?
だとしたら非常にもったいないので、できれば続編希望。


◇前巻→「封殺鬼 クダンノ如シ(中)」

封殺鬼 クダンノ如シ 中 (ルルル文庫)封殺鬼 クダンノ如シ 中 (ルルル文庫)
霜島 ケイ

小学館 2012-04-26
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術者の素養を持つ者たちが集められ、結界が張られ、その中枢に謎の「闇」を棲まわせている帝華女学院――その鍵を握る少女・穂積妙子が桐子の前に現れた。抱えている底知れぬ「闇」とは裏腹に、どこにでもいそうな純真かつ素朴な娘である妙子に面食らう桐子。清香と共に妙子を問い詰めた桐子だったが、妙子本人は自分が何者なのか全く知らないのだという。桐子が学院内で、弓生と聖が外で情報を集めるも、謎は深まるばかり。そんな中、京都から側近のひとり・片桐が、桐子のための見合い写真を山のように持ってくる。片桐とそりの合わない桐子はしぶしぶそれらに目を通すが、その中に信じられない人物が混じっていて……。

女学校に通い始めて女子力アップめざましい桐子がなんともかわいらしい中巻。
学校長である陸軍将校・穂積逸人の目的や妙子との関係は相変わらず不透明ではあるが、どうやら妙子は穂積家の養女であることが判明。そんな彼女が持つ能力とはなんなのか――桐子はそれを突き止めるため、妙子との接触を図ることに。

そうやって術者として情報収集をする一方、清香に教えられていた恋愛成就の房飾りをようやく完成させた桐子は、志郎にそれを手渡すことに。もうそのくだりの桐子が可愛くて可愛くて……それをしれっと受け取りつつも、桐子が帰った後で内心の動揺を口にする志郎がまたなんというか、もうどうしたらいいか(などとこちらも動揺中)。

そんな感じで桐子の恋心も高まる中、持ち込まれた見合い話はなんとも頓狂なもの。さらにそれを知っての志郎の対応もあいまって、桐子の怒りは収まらない。志郎としては桐子の立場や彼女に対する自身の想いを踏まえたうえでの対応なのだが、それを桐子が理解しているはずはないし、また理解しろというのも難しい話。桐子ではないが、男共はそろいもそろっておおたわけばかりとしか言いようがないのがなんとも。


◇前巻→「封殺鬼 クダンノ如シ(上)」

封殺鬼 クダンノ如シ 上 (ルルル文庫)封殺鬼 クダンノ如シ 上 (ルルル文庫)
霜島 ケイ

小学館 2012-03-23
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見合い話から逃げたい神島桐子は、東京のとある女学校の話を聞き、それを口実に上京してきた。その女学校――帝華女学院には、神職関係の血筋の娘が集められていること、陸軍と何らかの関係があるということ、そして年に何度も、気が触れた生徒が家に帰されているということ。桐子は自らこの女学校に入学を試みるが、手続きのために訪れた際、妙な気配と視線を感じて……。

久々の新章、開始早々まさかの展開。つまり、桐子が女学生になるの巻。
その特殊な立場ゆえに義務教育を受けていない桐子にとって、これは初めての学生体験。したらば入学早々、筒木清香というクラスメイトに懐かれて気付けば「親友」になってしまい、一緒にお弁当を食べたり、恋のおまじないと称してビーズ細工を作ったり、とにかくキャッキャウフフな展開。……まあそこまで桐子がハイテンションになっているわけではないのだが、それでも清香と親しくなってはいるし、楽しそうで何より。

とはいえ、楽しいばかりではないのも確かで。
女学校にかけられている結界の正体は何なのか――外部から学校を守るためのものなのか、それとも学校にいる何かを封じるためのものなのか。さらに桐子が感じた視線の正体、精神を病む生徒が頻繁に発生する理由、学校の理事である穂積一族の狙い、そしてこの流れに関係あるのかどうかは分からないが、ここ何年かの間に「件」が生まれているという噂。学院に隠されているものは一体何なのか、続きが気になるところ。

そして気になると言えば相変わらず鈍感なふたり、桐子と志郎の関係も。
志郎の鈍感さ加減は平常運転のようだが、それでも桐子に興味を示す不死木の長・迦具也(まさか女だとは……)に釘を刺すあたり、やっぱり桐子のことを大事に思っているのは確か。一方、桐子はと言えば、志郎と比べると一歩リード(?)中。東京に出たいのも、おまじないに勤しむのも、迦具也が志郎の家に出入りするのが気に食わないのも、すべて志郎のことが気になるから。本人は無自覚だったようだが、さすがになにかしら気付き始めているような……いいぞもっとやれ(笑)。


◇前巻→「封殺鬼 帝都万葉」

封殺鬼 帝都万葉 (ルルル文庫)封殺鬼 帝都万葉 (ルルル文庫)
霜島 ケイ

小学館 2011-01-26
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ひょんなことから志郎が手にしたいわくありげな簪には、黒い蛇のような影が常にまとわりつき、消えることはなかった。久々に上京してきた聖はその簪が、今回桐子が追っている霊障と関わりがあるのではないかと考える。すると今度は、その簪に覚えがあると語る達磨が志郎の前に現れる。元庭師だったというその達磨(の中身)は記憶喪失だったが、勤め先の息子に頼まれ、芸者にその簪を渡すよう頼まれたのだと語る。桐子たちはその簪の持ち主と芸者の行方を追おうとするが、そこに簪を渡してほしいという謎の虚無僧が現れて……。

というわけで久々の新エピソード。
京都にいるはずの桐子の状況の理由、それは帝都を騒がせる霊障の謎を解くため……というのもあるが、もうひとつは神島家当主である桐子に結婚問題が持ち上がりつつあるということ。お年頃だが恋愛沙汰に興味がない――というよりはよくわからない桐子だけに、単に見合い話が面倒で逃げてきたのでは、というのが聖と弓生の共通見解だったりして。だからその話を志郎にした時も、思いつきで自分と志郎が恋仲ということにすればいい、なんて口走ってしまい、志郎を怒らせてしまう。

志郎は志郎で桐子のことを憎からず思ってはいるが、これまでは妹のようなものと考えていた――というよりは、そう割り切っていた様子。けれどこのたびの話だとか、あとは弓生との会話の中で、自分の本当の想いに気付く。そして桐子もまた、達磨(の中の人)が巻き込まれた駆け落ち騒動の当事者・芸者の音吉との会話の中で、恋がどんなものなのかを考え始めるように。……ああ、ふたりともかわいいなあもう……!

とまあそんなふたりの関係の進展もさることながら、今回の霊障の顛末というのはなかなか後味の悪いもので。ここで現れた謎の虚無僧――もとい、帝都の護りのひとつ、「不死木」一族は、今後も桐子たちに関わってくるようになるのだろうか? こちらも気になるところ。


◇前巻→「封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ5」

カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)
霜島ケイ

ソフトバンククリエイティブ 2010-04-15
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ある日、クラスメイトの高坂が太一に突然話しかけてくる。いわく、幽霊を見たことがあるか、と。特に親しくもない高坂から、しかも幽霊絡みの質問に驚きつつも「ある」と答えた太一。何か言いたげにしつつも去って行った高坂のことが、太一はどうも気になってしまう。その帰り道、太一は采奈から、高坂が1年前に彼女を交通事故で亡くしていることを聞かされる。数日後、再び相談にやって来た高坂を伴い、太一は空栗荘へと向かうが……。

季節は廻ってシリーズ4巻、これにて完結。
人の感情の機微がわからず、人との接触を極力避けてきた太一。しかし空栗荘にやってきてから、その想いは次第に変化してきた――太一は知らず知らずのうちに、他人を気にかけるようになってきていた。だから今回、亡くなった彼女からのメールが届くようになったという高坂のことを気にかけ始める。彼女が事故に遭う直前にケンカ別れをしたことが、いまだに高坂の中では消えない澱となって残っていた。だから事故の瞬間に時間が止まったままの彼女の呼びかけに、高坂は抗わずついて行こうとする。
そこに踏み入ろうとして、そして彼を引きとめた太一は、1巻の時の彼とは全く違う。他人のことを想い、案じるという心が確かに生まれている。

本音でぶつかってくる空栗荘の人たちや妖怪たち、そして采奈とのふれあいは、太一の心を溶かし、変えていってくれた。人との距離を測れなかった少年は、いつしか「おひとよし」と言われるのに違和感がなくなるほどの優しさ、人の良さを持ち合わせていたのだと気付かされる。春を呼ぶ風は、少年の心にも雪解けをもたらしてくれる。そんな少年の成長があたたかく描かれた、すてきなシリーズだった。


◇前巻→「カラクリ荘の異人たち3〜帰り花と忘れ音の時〜」

封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈5〉 (ルルル文庫)封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈5〉 (ルルル文庫)

小学館 2009-07
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志郎の元にやって来た鵺――真明は、見せ物としては最後の「人喰い」出現を示唆して去ってゆく。それを聞いた桐子は「魔人」乙夜たちとの決着をつけようとするが、彼らが一部の軍人と組んでいることを知り、その反対勢力に接触して……。

シリーズ5巻にして完結編。
青い目の魔人・乙夜と真明の正体、そして彼らがなぜこの日本に、そして桐子に執着していたかが明らかになる。

陰陽道 vs 錬金術というある意も異種格闘技戦的な戦いの決着や、桐子たちを取り巻く軍部の思惑なんかも気になるが、それ以上に面白かったのは何と言っても桐子と志郎の関係。意味がちょっと違うような気もするが、志郎を「友達」として認めた桐子と、そんな桐子の扱い方をよく知っている志郎の関係がなんとも微笑ましい。後日結ばれるふたりだが、この後どうなって結婚までこぎつけたのかが気になって仕方ない(笑)。

カラクリ荘の異人たち 3 ~帰り花と忘れ音の時~ (GA文庫)カラクリ荘の異人たち 3 ~帰り花と忘れ音の時~ (GA文庫)
霜島ケイ

ソフトバンククリエイティブ 2009-04-15
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冬になり、相変わらずの太一のもとに、義母から手作りのクッキーが届く。明らかに失敗作なそのクッキーに対して疑問を覚える太一は、空栗荘の面々のクッキーに対する好意的な感想が理解できない。そんなある日、義母と気まずいため家に戻りたくない太一は正月を空栗荘で過ごしたいと発言するが、突然レンが反対し始める。普段からの太一の態度に怒りはじめたレンに対して動揺した太一は、かっとなってレンと喧嘩してしまい……。

3巻ではついに太一の感情が動き始める。
今までは他人のことが理解できない、する気もない、とばかりに暮らしてきた太一だったが、義母・鈴子さんとの関係をついに見つめ直すことになる。かつて実母に拒絶されて以来、他人と深く関わることができなくなっていた太一だったが、温厚と思われたレンの突然の激昂に大きく動揺してしまう。だがクッキーのこと、采奈のこと、そしてひょんなことからとり憑かれてしまった雪女との触れ合いの中で、太一は次第に、人との接し方、そして感情の機微といったものを思い出してゆく。ようやく動き出した太一の時間。少年の成長がじっくりと書かれていてとても良い。

さて、春を迎える次巻で本シリーズは完結とのこと。太一は家に戻ることになるのか、そして采奈は太一に想いを伝えられるのか?

カラクリ荘の異人たち 2 ~お月さんいくつ、十三ななつ~ (GA文庫)カラクリ荘の異人たち 2 ~お月さんいくつ、十三ななつ~ (GA文庫)
霜島ケイ

ソフトバンククリエイティブ 2008-08-15
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彼岸と此岸のあわいにあるアパート「空栗荘」にもそろそろなじみつつある、人付き合いが苦手だけど「おひとよし」な高校生・太一。お彼岸が近づいたある日、彼の部屋の窓から妖怪の類が飛び込んできて、他の住人たちはそのありえない事態に首をかしげる。やがて1日経ち、2日経ち、皆が異変に気づく――境界守である太一の叔父にして空栗荘の大家が眠り続けたまま、まったく目を覚まさないのだ。そのために裏の賽河原町は大家の夢と同じようにずっと夕暮れが続いていた。さらに空栗荘の周りに、何かの足跡のように彼岸花がぽつぽつと咲き乱れて……。

シリーズ2巻の舞台は秋。大家の異変はすなわち裏の世界の異変。突然起こった事態に困惑する面々だが、結末では意外な真相が明かされる。その結末はとても優しく、温かい。

そうして空栗荘、そして妖怪たちの存在に対してまたひとつ理解を深め、ここにならいつまでもいたいという思いが芽生えつつあった太一だったが、そんな彼を見透かすように、空栗荘の住人である古都子は告げる――この場所を逃げ場所にしてはならない、と。その言葉は重く太一の心に沈みこむ。彼がこの言葉をどうとらえ、どう活かすのか。次巻でどのような行動に出るのかが気になるところ。

封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈4〉 (ルルル文庫)封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈4〉 (ルルル文庫)
霜島 ケイ

小学館 2008-11-28
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真術会のトップ・大山が桐子に見せたのは、満身創痍で横たわる聖の姿だった。魔人・乙夜は聖を使って「人喰い」を作ろうとするが、目覚めた聖の攻撃により実験は中断。聖は現れた鵺――真明を追い、一方で桐子は弓生を聖の加勢に向かわせて単身で乙夜と対峙する。乙夜は、彼女が探す使用人・宇和野ミキの魂を桐子の裡に隠したと告げ、桐子に賭けを申し出る。乙夜の術で桐子の魂を彼女の裡に導き、ミキの魂を探させる。見つかれば桐子の勝ち、見つけられなければ桐子は目を覚ますことができず、乙夜の勝ちとなる――その賭けに桐子は乗ることになり……。

シリーズ4巻。
ミキの魂を探すために自分の深層心理の中に入り込む桐子――それは、彼女が捨ててきた過去と向き合わねばならないことを意味する。すなわち、自ら手にかけた兄との思い出を見ること。それを知っているからこそ、弓生は「友達」の志郎を呼んだのだし、彼に過去の事件を語りもした。そして志郎もそれに応え、桐子が蓋をして見ないようにしてきた「きれいな思い出」の欺瞞を暴き出す。今までの桐子ならそのプライドの高さからキレてそれでおしまい、だったのかもしれないが、実際はそうではなかった。それこそが鬼たちやミキの、そして志郎がもたらした変化。神島の上に立つ者として、彼女は新しい道を踏み出せるようになった。

そして志郎もまた、桐子の抱える――ひいては、日本の抱える「闇」の部分に立ち向かう決意を固めることに。母の出自、自分の能力と折り合いをつけ、乙夜に対峙する決意。
桐子には志郎が、志郎には桐子が必要――とまではまだ完全には言い切れないが、それでも互いを意識しながら動き出すことになる。いよいよ物語も佳境といったところ。

封殺鬼鵺子ドリ鳴イタ 3 (3) (小学館ルルル文庫 し 2-5)封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 3 (小学館ルルル文庫 し 2-5)
霜島 ケイ

小学館 2008-04
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神島邸を襲撃した謎の軍人は、桐子の目の前で突然首を落とし絶命。血の穢れによって結界が弱まったことで、その軍人の魂がまだ屋敷に留まっていることに気付いた桐子は、武見志郎を使って情報を引き出すことに成功。ある程度の情報を得た桐子は、弓生を連れて真術会の大山との接触を図る。さらに聖を単身、大山の屋敷に向かわせるが……。

桐子ピンチかと思いきや今度は別方面がピンチになってしまったシリーズ3巻。さりげに後書きに、キャンバス文庫版未読者にとってはネタバレになりうることが書かれているので注意。

桐子に訪れた心境の変化――家人たちを邪魔者と切り捨てるのではなく守ろうとする姿勢を見せたのは、宇和野ミキと、そして志郎の存在が大きいのだろう。ここまで桐子を対等に扱い、くってかかることのできるのは、ふたりの鬼を除いては志郎しかいないのだから。その成長ぶりがなんとも可愛らしい。

封殺鬼鵺子ドリ鳴イタ 1 (1) (小学館ルルル文庫 し 2-1)封殺鬼鵺子ドリ鳴イタ 1 (1) (小学館ルルル文庫 し 2-1)
霜島 ケイ

小学館 2007-05
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封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ (2) (小学館ルルル文庫 (ルし2-2))封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ (2) (小学館ルルル文庫 (ルし2-2))
霜島 ケイ

小学館 2007-10-02
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昭和5年。古くから連綿と続く陰陽道、その表の顔が土御門家ならば、影の存在として存在してきたのは京都の神島家。普通ならば存在自体が知られることのないこの家に、真術会という心霊団体が接触してきた。当主である14歳の少女・桐子は、自分の不在時に真術会の手による襲撃を受けたことで怒り心頭。使役鬼2人のみを連れ、突如上京する――。

ルルル文庫での新章スタート。キャンバス文庫版からは遠く離れた過去、神島の先々代である桐子が主人公。とはいえ年を取らない使役鬼の聖と弓生は今と変わらず。
帝都を騒がす人食い事件と政界に蠢くオカルト集団。すべての鍵を握るのは青い瞳の存在と、神島の遠縁にあたる武見家の長男・史郎? どんどんきな臭くなっていますが、さて桐子はどう出るのか? で、つづく。

カラクリ荘の異人たち~もしくは賽河原町奇談~ (GA文庫 し 3-1) (GA文庫 し 3-1)カラクリ荘の異人たち~もしくは賽河原町奇談~ (GA文庫 し 3-1) (GA文庫 し 3-1)
ミギー

ソフトバンククリエイティブ 2007-07-12
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周囲に関心が持てず、さらに家でも継母とぎこちないため、居場所がなくただ漫然と日々を過ごす高校生の太一。夏になった頃、父の勧めで賽河原町にある「空栗荘」という古びたアパートで下宿をすることに。だがバスに乗って降り立った賽河原町は普通の町ではなくて……。

クラスメイトに「異世界に行く方法」を問われて「バスに乗って」と答え、つまらないと言われた太一。けれど実際そうなってしまうあたりが、意表を突かれる感じで面白い。
空栗荘の面々も「異人」――奇妙な人ばかり。妖怪モノ(?)として目新しい感じは特にないけれど、ほのぼのとしてて良いです。せっかく空栗荘の変な人々もいろいろといることだし、ぜひ続編希望。

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