カスミと碧は高校生の頃からの親友。碧は服装や髪形、小物など、カスミと同じものをそろえ、彼女にべったりとくっつくようになっていた。それはふたりが同じ美大に入ってからも変わらないかと思われたが、いつからか碧はカスミの真似をしなくなっていった。そんなある時、同じく高校時代の友人である睦実から合コンに誘われたカスミ。いつまでも碧と一緒にいるから彼氏もできないのだ、と指摘されたカスミは、碧には内緒で合コンに参加する。しかしカスミの態度から何かを感じ取った碧は、なんと合コン現場に登場。その場はお開きとなったものの、その中のひとりに送っていくと言われたカスミ。しかしひとりで出ていった碧が気になるカスミは、その申し出を断って碧を追うのだった。やがて大学は夏休みに入り、カスミは碧と会うこともなくなっていた。だがあの合コン以来、どうも碧に対してもやもやした気分を抱いていたカスミは経験豊富な祖母に相談。すると祖母は、カスミの碧に対するその想いは恋であると断言し……。
高校時代からの親友との「関係」に悩む女子を描く、ひと夏の物語。
親友というには距離が近すぎる。けれど「親友」としか呼べないこの関係。カスミはひょんなことから「親友」である碧との関係に悩み始める。恋人がほしいとは思うものの、それと碧との関係、どちらを優先させるかと言われれば、きっとカスミは碧を優先させる。けれどそれはなぜなのか。それまでべったりとくっついていたふたりだったが、思いがけず距離を置いたことで、カスミは碧との距離を、そして自分の想いについて思いを巡らせてゆく。
夏の日々は過ぎてゆき、意識すればするほど碧と顔を合わせづらくなるカスミ。揺れ動くその心は恋する乙女そのもので、そんな自分の意識の変化にも戸惑い始めているのがよくわかる。けれど悩んでいたのはカスミだけではなかったこと、そしてそれを互いに告げ合うラストは、ささやかだけどとてもあたたかなもの。ゆるやかな変化を受け入れて、少しずつ大人になってゆくふたりの姿が垣間見えるような結末だった。
















