旅行などで家族が出払っている隙を見計らい、千鶴が電話を掛けたのは出張シェフサービス「エデン」だった。やってきた出張シェフの青年・海斗は千鶴の「洋食」というリクエスト通りにハンバーグを作ってくれるのだが、千鶴にはどうしてもその「美味しさ」がわからずにいた。いったいなぜそうなってしまったのかもわからないまま、再び海斗を呼んだ千鶴だったが……。
出張シェフサービス「エデン」からやって来る青年たちの料理のおかげで、悩みを抱えていた女性たちが救われていく姿を描く、短編連作集第2弾。
ある日突然料理の味がわからなくなってしまった千鶴、母が死んだことに屈折した想いを抱える芽衣子、美しく仕事もできる「自分」そのものにコンプレックスを抱える砂羽、そして別れた夫に引き取られ外国に行ってしまう娘との「最後の食事」に悩む翔子――彼女たちの抱える問題や悩みを解決するのはもちろん、「エデン」のシェフである海斗、悠然、右京、そして相馬。彼らの料理とさりげない言葉は、かたくなだった彼女たちの心を解していく。彼らにしてみればただ当たり前のことを言っているだけのかもしれないが、その料理は彼女たちひとりひとりを想って作られたもので、だから彼らの言葉もその料理と同じように、彼女たちのささくれた心に寄り添ってくれるのだ。食べることは生きること――前巻もそうだったが、そんなことをしみじみと感じさせられる作品だった。
◇前巻→「エプロン男子 今晩、出張シェフがうかがいます」
















