組織犯罪対策課に所属しながら、中国黒社会の組織「義水盟」の幹部である沈と兄弟の契りを交わした「黒色分子」である沢渡。そんな彼がこのたび大抜擢されたのは、警視総監の命令で極秘裏に組織された、中国への機密情報漏洩ルートの捜査チームへの出向だった。中国語の能力を買われてのことだと考えていた沢渡だったが、その辣腕ぶりから「一人Gメン75」とあだ名される指揮官・滝口は、最近の沢渡の情報収集能力――実際は沈から流れてくる情報――に目を付けており、沢渡に期待を寄せているのだという。とはいえ、相棒となった公安の広川と共に捜査に当たったものの、沢渡たちの標的はあまりにもクリーンすぎて突破口が見当たらない。そこで沈は恩人の息子だというインドネシア人の青年実業家・ラウタンを呼び寄せる。インドネシアでの開発事業の関係者としてラウタンを送り込み、日本の政財界と中国黒社会との繋がりを洗い出そうというのだ。果たしてラウタンは瞬く間にその交友関係を広げていく。そんな中、彼の前にシンシアと名乗る美女が現れた。彼女が中国お得意のハニートラップ要員であることに気付きながらも、ラウタンは彼女との駆け引きに進んで乗ってゆき……。
中国黒社会との繋がりを持つ警官が、再び国家の闇に潜む陰謀事件を追うことになるシリーズ第2弾。
前巻では沢渡・波多野・沈の警察・ヤクザ・中国黒社会トリオによる活躍(ただし波多野は早々に退場させられたが……)だったが、今回はインドネシア人のイケメン青年実業家・ラウタンが登場。ラウタンが表舞台で情報を集め、それを沈が精査しつつ沢渡に流すという華麗なる連携プレイで、情報漏洩ルートを探りつつ贈賄事件まで摘発!……といけばいいのだが、そんなにも簡単に事が進むはずもなく、最終的には苦々しい結末を迎えることに。
ラウタンとシンシアによる「男女の駆け引き」や、沢渡たち特別チームの面々が所属の垣根を超えて協力し合うさまなど、今巻でも重たい話の中にもハラハラさせられたりすっとしたりするような展開が含まれていたのが唯一の救いか。ただ今回の顛末を経て、沢渡と沈の関係は微妙なものになってしまったのがなんとも残念。沈がまた日本に戻ってきたとして、ふたりの関係が修復されるということはありえるのだろうか。このまま終わってほしくないなあ、というのが正直なところ。
◇前巻→「黒警」










