仙娥に対する呪詛を図ったとして、皇后の位を剥奪されてしまった小玉。協力者として名の上がった綵や清喜と共に、小玉は後宮の最下層に当たる「冷宮」へと送られることに。真桂からの密かな援助もあり、小玉は下働きに励みつつも、これまでの自分の道のりを見つめ返していた。一方、後宮内では小玉救出のため、真桂が情報収集に励んでいた。そこに現れた文林は、同じく小玉を助けるため、ある策を真桂に持ちかけるのだった。しかしその結果はふたりの思惑とは別の方向へと向かい……。
皇后から一転して罪人となってしまった主人公・小玉と、彼女を救おうとする人々の奮闘を描くシリーズ12巻。
この国の女性としては最高位の立場から、一夜にして最下層へ……ということで、さぞかし大変な目に遭うだろうと(小玉本人も)思っていたのだが、ふたを開けてみると逆に腫れ物扱いされ、肩透かしを食らってしまう小玉。もちろん生活環境は劣悪だし、仕事も(皇后や軍人とはまた違って)きついものではあるが、それでも真桂による援助のおかげで多少は余裕ができたようで、小玉はこれまでのことに思いを巡らすように。本人もそう思っているだろうが、やはり「遠いところまで来てしまった……」という思いはぬぐえず、今の状況と、それを導いたこれまでの出来事(主に文林にまつわるあれこれ)は本当に彼女のためになっているのだろうか、と思ってしまう。もはや今となっては、小玉の「幸せ」は文林の未来と共にあるといっても過言ではないだろう。それはそれでいいことなのかもしれないが、そこに小玉にとっての「幸せ」はあるのかと、ふと考えてしまう。
そんな中、ついに仙娥の後宮入りから端を発した問題にもひとまずの決着が。もちろん苦々しい結末ではあるし、この後で小玉がどうやって皇后に返り咲くことができるのかはまだわからない。しかしこの件を経て、小玉がかつて文林の子を妊娠し流産していたかもしれないという件が、おそらくはそうでなかったということが判明する。このことが彼女にとってよかったのか悪かったのかわからないが、けれどずっとその肩に重くのしかかっていたことを、ようやく文林が理解してくれるというシーンがある。そこで彼女が涙を流した理由はなんだったのだろうか――安心か、それとも哀しみなのか。それを推し量る術はないけれど、せめて前者であればいいなと思う。
◇前巻→「紅霞後宮物語 第十一幕」















