謹慎が解け、冗官として復帰を果たした秀麗。しかしその直後に言い渡されたのは、冗官に対する解雇通知だった。ただし1か月以内に所属部署が決まればクビを回避できるということで張り切る秀麗だったが、同じ立場でありながらまるでやる気のない、家柄だけで管理になった同僚たちを放っておけなくなり、先の事件で知り合った「タンタン」こと蘇芳と共に彼らの面倒を見ることに。一方その頃、自邸で使っている塩が少しずつ値上がりしていることに気付いた秀麗。これまでの伝手を辿ってどこかの部署に拾ってもらおうと一時は考えていたものの、それがこれまでの「特別扱い」によるものだからと躊躇していた秀麗は、潮の不審な値上がりに隠された陰謀を暴き、その結果をもってどこかの部署に採用してもらおうと考えるが……。
大人気の中華風ファンタジーシリーズ10巻。冗官(=無位無官のヒラ官吏)となった秀麗に突然リストラの危機!?となる本編に加え、茶州の事件が解決した直後、めでたく両想いとなった茶克洵と春姫とのその後を描く番外編「初恋成就大奔走!」が併録されている。
自身もリストラの危機だというのに、大勢のボンボン冗官たちは放っておけないし、町で起きている塩の値上がりも気になるしで、また自分ではなく他人のために奔走しまくる秀麗。彼女が官吏を目指した理由が理由だけに仕方ないことではあるが、そんな彼女を「面白い」「興味深い」と感じ、周囲の人々は手を差し伸べてきた。しかしここにきて、それだけではない人物たちが現れ、秀麗の前に立ちふさがることになる。
これまでは前述の通り、彼女の周囲にはその頑張りや熱意に動かされてきた人々がたくさんいた。しかもその人々はだいたいが高位の人物であり、自分の生き方や職務に対して誠実かつ忠実な人々ばかり。しかし今回は、生まれながらにたくさんのものを手にしている高位貴族たちではなく、自分の努力と才覚で這い上がってきた人々ばかり。なんとか新たな所属先を見つけた秀麗だったが、「甘い」と言われる今までの彼女のやり方が果たして通用するのかどうか気になるところ。
◇前巻→「彩雲国物語 九、紅梅は夜に香る」
















