実はまだ残っていた2021年の読了本3冊。
町田そのこ「コンビニ兄弟2 テンダネス門司港こがね村店」
架空のコンビニ「テンダネス」を舞台にした短編連作集、待ってましたの第2弾。今回も美男美女ぞろいの志波兄妹と関わるうちに様々な問題が解決したりしなかったり、でも抱えている不安はいつの間にか解消されているというハートフルストーリーは健在。個人的に一番面白かったのは、店長の元で働くバイト店員・廣瀬がメインの「廣瀬太郎の憂鬱」。彼ほどあの店長をぞんざいに扱える人間はいないだろう(笑)……というのはともかく、「自分には何もない」という自信のなさがコンプレックスだった太郎は、ツギや樹恵琉と接するうちにその考え方を変えていく。元カノ・椿に声をかけに行く――けれども盲目的に手を差し伸べるわけではない、その新しい関係がいいなと思った。
ちなみに今巻のラストでは、テンダネスに謎の美女・神崎華が現れる。樹恵琉によれば、彼女が「ツギを傷つけた」というのだが、いったい……というところで終わっているので、続編確定の模様。今から楽しみ。
【前巻:コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店】
中山七里「作家刑事毒島」
警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香が、人気ミステリ作家兼刑事技能指導員・毒島真理とコンビを組み、出版業界絡みの事件を解決していく連作集。新人賞の選考に携わっている編集者、担当する本を売るためにどんな手でも使う「敏腕」編集者、文壇の将来を憂う大御所作家、熱狂的ファン多数の人気作家、そして人気小説をドラマ化するために改悪しまくるプロデューサー……殺された人々も、そんな彼らを殺した犯人たちも、なかなか闇が深い。作家である毒島だからこそわかる「業界の常識」には、明日香と同じく読んでいるこちらもびっくりさせられる。確かに業界独自の「慣習」あるいは「常識」がないはずはないのだが、それにしたって……と言いたくなる、まさに「出版業界の闇」が垣間見えるのがなんとも。
「東京マッハ 俳句を選んで、推して、語り合う」
文筆家の千野帽子、作家の長嶋有、俳人の堀本裕樹、ゲーム作家の米光一成が開催している公開句会「東京マッハ」の書籍化。2011年6月に初開催された第1回から、2021年6月にオンラインで開催された第27回までの中から8回分が収録されている。基本的には事前に各自で詠んだ句を作者がわからないようにして公開し、それぞれ特選(ベスト1)1、並選(好きな句)6、逆選(文句をつけてやりたい句)1の計7句を発表し、票が多く集まった句を中心に語り合うというもの。とはいえ「逆選」もただけなすわけではなく、「文句をつけてやりたい」というくらいの爪痕が残ったという点では高評価、という意味合いになることもあるので面白い。ちなみに2回目以降は作家、詩人、歌人など様々なゲストが登場するのだが、その顔触れも池田澄子、川上弘美、穂村弘、谷川俊太郎などなんとも豪華。加えて、選評の前にすべての句が一覧になっているページがあり、読者も一緒に選句できるシステムになっているのもいい。専門知識などもほぼ必要なく、肩肘張らずに「俳句」というものを楽しめる1冊。
町田そのこ「コンビニ兄弟2 テンダネス門司港こがね村店」
架空のコンビニ「テンダネス」を舞台にした短編連作集、待ってましたの第2弾。今回も美男美女ぞろいの志波兄妹と関わるうちに様々な問題が解決したりしなかったり、でも抱えている不安はいつの間にか解消されているというハートフルストーリーは健在。個人的に一番面白かったのは、店長の元で働くバイト店員・廣瀬がメインの「廣瀬太郎の憂鬱」。彼ほどあの店長をぞんざいに扱える人間はいないだろう(笑)……というのはともかく、「自分には何もない」という自信のなさがコンプレックスだった太郎は、ツギや樹恵琉と接するうちにその考え方を変えていく。元カノ・椿に声をかけに行く――けれども盲目的に手を差し伸べるわけではない、その新しい関係がいいなと思った。
ちなみに今巻のラストでは、テンダネスに謎の美女・神崎華が現れる。樹恵琉によれば、彼女が「ツギを傷つけた」というのだが、いったい……というところで終わっているので、続編確定の模様。今から楽しみ。
【前巻:コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店】
中山七里「作家刑事毒島」
警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香が、人気ミステリ作家兼刑事技能指導員・毒島真理とコンビを組み、出版業界絡みの事件を解決していく連作集。新人賞の選考に携わっている編集者、担当する本を売るためにどんな手でも使う「敏腕」編集者、文壇の将来を憂う大御所作家、熱狂的ファン多数の人気作家、そして人気小説をドラマ化するために改悪しまくるプロデューサー……殺された人々も、そんな彼らを殺した犯人たちも、なかなか闇が深い。作家である毒島だからこそわかる「業界の常識」には、明日香と同じく読んでいるこちらもびっくりさせられる。確かに業界独自の「慣習」あるいは「常識」がないはずはないのだが、それにしたって……と言いたくなる、まさに「出版業界の闇」が垣間見えるのがなんとも。
「東京マッハ 俳句を選んで、推して、語り合う」
文筆家の千野帽子、作家の長嶋有、俳人の堀本裕樹、ゲーム作家の米光一成が開催している公開句会「東京マッハ」の書籍化。2011年6月に初開催された第1回から、2021年6月にオンラインで開催された第27回までの中から8回分が収録されている。基本的には事前に各自で詠んだ句を作者がわからないようにして公開し、それぞれ特選(ベスト1)1、並選(好きな句)6、逆選(文句をつけてやりたい句)1の計7句を発表し、票が多く集まった句を中心に語り合うというもの。とはいえ「逆選」もただけなすわけではなく、「文句をつけてやりたい」というくらいの爪痕が残ったという点では高評価、という意味合いになることもあるので面白い。ちなみに2回目以降は作家、詩人、歌人など様々なゲストが登場するのだが、その顔触れも池田澄子、川上弘美、穂村弘、谷川俊太郎などなんとも豪華。加えて、選評の前にすべての句が一覧になっているページがあり、読者も一緒に選句できるシステムになっているのもいい。専門知識などもほぼ必要なく、肩肘張らずに「俳句」というものを楽しめる1冊。























































