phantasmagoria

読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。

タグ:支倉凍砂

狼と香辛料 17 (電撃文庫 は 8-17)狼と香辛料 17 (電撃文庫 は 8-17)
支倉 凍砂

アスキー・メディアワークス 2011-07-08
売り上げランキング : 22

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
「太陽の金貨」の事件から数年後。開業祝いも兼ねた宴を開くことになっていたロレンスは、ホロが各地で出会った女性たち――エーブやノーラたちに招待状を出していたことを知り、頭を抱えていた。ホロがなぜそんな手紙を出したのかまったく心当たりがないロレンスは、彼女がなにかとてつもなく怒っているのではないかと考える。しかしホロはそんなことどこ吹く風、機嫌も良さそうに日々を暮らしていて……。

今度こそシリーズ最終巻……というよりかは、シリーズのおまけ巻という感じ。16巻の後日談である「Epilogue」に番外編を加えた短編集。

なんと言っても目玉は「Epilogue」。宴というか、つまるところホロとロレンスの結婚式(!)なわけで……しかも最後の最後でさらに幸せな結末に。エーブたちを呼び付けたホロの真意もわかり、なんだかとてもすっきりとした後日談。

ロレンスがひとりで行商していたころに出会った老騎士の物語「行商人と鈍色の騎士」や、ホロとロレンスの仲良しっぷりがなんともいえない「狼と灰色の笑顔」も楽しいが、最後に置かれた「狼と白い道」は、シリーズの締めくくりとして書かれたんじゃないかというくらい、幕引きにぴったりの短編。行商中の話ではあるが、そのままふたりの未来を示しているような結末におもわず頷いてしまう。明日もまだまだ旅の途中――ふたりの旅はこれからもつづく、ということで。


◇前巻→「狼と香辛料16 太陽の金貨〈下〉」

狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)
支倉 凍砂

アスキーメディアワークス 2011-02-10
売り上げランキング : 12

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
デバウ商会の作り上げた活気ある街に、ロレンスは念願の店を構えようと考えていた。しかしそんなロレンス、そしてホロの前に現れたのは、デバウ商会の会計人だという兎・ヒルデだった。デバウ商会の内部分裂に巻き込まれたふたりは、ヒルデの依頼で禁書を探す旅に出ることになってしまう。ホロが禁書探しに向かう一方、ロレンスは抗争に敗れたヒルデの策略で、ミューリ傭兵団と共に北の町・スヴェルネルへと向かうことになるが……。

ついにシリーズ本編、最終巻。
最後の最後でまたしても大事件に巻き込まれることになったロレンスとホロ。しかもここにきて離ればなれで、さらにロレンスは雪山越えで大ピンチ。勝ち目のない事態を前に、ロレンスは最後まで戦おうという姿勢を見せるが、ホロはそんな彼を止めようとする。これまでいろいろなものを諦め続けてきたホロだからこそ言えるその言葉は、ロレンスに重く響いていく。そうやって絆を確かめ合ったふたりだからこそ、この事態を収拾させることができたのだろう。

ここからまたふたりの旅が始まる。それはきっと困難なものかもしれないけれど、このふたりならきっと大丈夫。そう思わせてくれるラストだった。
今夏刊行予定だという短編集には後日談も収録されるようなので、そちらも楽しみ。


◇前巻→「狼と香辛料15 太陽の金貨〈上〉」

狼と香辛料〈15〉 太陽の金貨<上> (電撃文庫)狼と香辛料〈15〉 太陽の金貨<上> (電撃文庫)
支倉 凍砂

アスキー・メディアワークス 2010-09-10
売り上げランキング : 13
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ホロの仲間の名を冠した「ミューリ傭兵団」に会うため、ロレンスとホロは北の町・レスコを訪れる。戦を起こすという噂のあるデバウ商会が牛耳っているという町は、しかし平和そのもの。どころか活気がある明るい町で、ふたりは拍子抜けしてしまう。ともかくふたりは、ミューリ傭兵団の若き団長・ルワードと会うことにするが……。

まさに最終章突入なシリーズ15巻。
旅の終わりを噛みしめながら、ふたりはレスコへと向かう。かつての仲間・ミューリの手掛かり。そしてデバウ商会の黒い噂と、それにそぐわない活気あふれる町。その中でロレンスは思い描き続けてきた夢の一端を見ることになる。

両想いにはなったものの、旅の終わりが近いこともあってなんだかぎくしゃくするホロとロレンス。けれどわだかまりはいつしか解け、ふたりは手を取り合って歩き出す。その穏やかな関係にこちらもふと和まされる。

デバウ商会の目論みに気付き、そのおかげで夢をつかみかけたロレンスだったが、終盤で謎の人物が現れる。レスコに来る前に別れたはずのコルの荷物を持っていたこの人物は一体何者なのか。そしてロレンスの夢は本当に叶うのか。なにやら不穏な雰囲気を漂わせつつ、下巻へ続く。

◇前巻→「狼と香辛料14」

狼と香辛料〈14〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈14〉 (電撃文庫)
支倉 凍砂

アスキーメディアワークス 2010-02-10
売り上げランキング : 65
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
銀細工師フランに北の地図作成を依頼したロレンスたちは、再びレノスへと立ち寄ることに。そこで彼らが出会ったのは、以前テレオの村で出会った少女エルサ。そんな彼女の連れとして現れた商人ル・ロワがロレンスに持ちかけてきたのは、北方に眠っていると言われる「ある技術」を記した禁書を売買するということ。禁書のために北方に――ひいてはホロの故郷でもあるヨイツに危険が及ぶことに気付いたロレンスは、その話に乗った上で、ホロと別れる決意をするが……。

シリーズ14巻ではあんまり話は進んていないが、その分「賢狼」である――あるいは「賢狼たろうとする」ホロのスタンス、そしてホロとロレンスの関係がじっくりと描かれている。ヨイツにたどり着く前に彼女と別れようとしたロレンスの想い、そしてそれを告げられたホロの想い――そんなふたりの想いを、ロレンスがこのたびの商談でとった反則的な方法そのものが際立たせる。だからこその結末には思わず拍手(笑)。


◇前巻(本編)→「狼と香辛料12」
◇前巻(番外編)→「狼と香辛料13 Side Colors3」

狼と香辛料 13 (電撃文庫 は 8-13)狼と香辛料 13 (電撃文庫 は 8-13)

アスキー・メディアワークス 2009-11-10
売り上げランキング : 9

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ホロとロレンスがようやく立ち寄った町は活気にあふれていたが、なぜかその日はどの宿も満員。町の外で野宿か、と諦めかけていたふたりだったが、近くの薬屋に桃のはちみつ漬けがあると知ったロレンスは、ホロのご機嫌取りもかねて買いに行くことに。だが予想以上の高値に手も出せず、困ったロレンスはホロを置き去りにして日銭を稼ぐことにするが……。(「狼と桃のはちみつ漬け」)

13巻は短編集第3弾。ホロとロレンスの道中をつづる短編3本に加え、シリーズ2巻に登場した羊飼いの少女・ノーラのその後を描く書き下ろし作を収録。

ホロとロレンスが登場する3本は、もうどうしようもないくらいいつも通り。とにかく「仲良し」なふたりの関係があますことなく描かれるエピソードばかり。特に3本目「狼と銀色のため息」は、珍しくホロの視点からつづられたエピソードで、彼女が普段、ロレンスのことをどうとらえているかがよくわかって面白い。

ノーラのその後を描く中編「羊飼いと黒い騎士」では、なぜかノーラではなく、彼女につき従う忠実なる「黒い騎士」な黒犬・エネクが語り手となる。疫病で荒れた町に職を求めて向かうノーラだが、ここで彼女を待っていたのはどうしようもない成り行き。奇妙な流れに翻弄される彼女を精神的に支えるエネクが可愛らしいが、それ以上に「けしからん」――とは作者の弁(笑)。

狼と香辛料〈12〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈12〉 (電撃文庫)

アスキーメディアワークス 2009-08-10
売り上げランキング : 3
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ウィンフィール王国を出たロレンスたちは、ホロの故郷である北方の地図を探しにケルーベに戻る。そこで紹介された銀細工師・フランは地図が描けるのだというが、彼女は法外な金貨を要求。ひるむロレンスに、フランはある条件を提示する――天使が現れたという小村に一緒に行って、そこでの情報収集を手伝い、有益な情報が得られればそれでよい、と。かくしてロレンスたちはフランと共にタウシッグという村に向かうが、実は天使の伝説が残っている森には、魔女が棲んでいるとの噂もあって……。

シリーズ12巻は、なぜかロレンスの行商はお休み。ヨイツへ向かうための地図探しがいつしか伝説の謎ときに。とはいえ、天使の伝説と魔女の噂の真相、そして村との関係など、いろいろな謎がはっきりする結末は読み応えがある。

新たな女性キャラ・フランの登場でそわそわするのはやっぱりホロ。うっかり彼女に足元を見られたロレンスに対し不機嫌になったホロだが、その本当の理由が明らかになる場面はなんとも微笑ましい。でもだからこそ、いずれ来る別れの時が予感されてやるせなくもなる。地図を手に入れてしまったことで、旅の終わりはさらに近付く――そのときホロとロレンスはどうなるのだろうか?

狼と香辛料 11 (11) (電撃文庫 は 8-11)狼と香辛料 11 (11) (電撃文庫 は 8-11)
支倉 凍砂

アスキー・メディアワークス 2009-05-10
売り上げランキング : 1
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
シリーズ11巻は短編集第2弾。すでに雑誌に発表されていた短編2本に、女商人エーブの過去を描く書き下ろし中編を収録。

短編2本は、まだコルと出会うよりも前の、ふたりの道中でのエピソード。とは言え、本筋に関わってくるような話ではなく、むしろロレンスとホロのあまあまな関係(笑)がメイン。このふたりの微妙な関係が好きな人にはたまらない。

書き下ろし中編「黒狼の揺り籠」は、ロレンスを翻弄した女商人エーブの過去話。エーブがまだ「フルール・ボラン」だった頃――商売のいろはもまだほぼ知らなかった頃の、けれど今の「エーブ・ボラン」が生まれるきっかけとなったエピソード。こんなことがあったからこそ、現在の彼女があるのだと納得させられる、読み応えのある一篇だった。

狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)
支倉 凍砂

アスキーメディアワークス 2009-02
売り上げランキング : 6244
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
「狼の足の骨」が、海を渡った島国・ウィンフィール王国のブロンデル大修道院にあるという話を聞いたロレンスたちは、さっそくそこへ向かうことに。雪国であるウィンフィールの寒さに悩まされつつたどり着いた先で一行が聞かされたのは、羊毛取引で裕福なはずの修道院が貧窮にあえいでいるという意外な事実だった。修道院との取引などを狙う、ルウィック同盟なる商会組織が修道院に滞在していることを知ったロレンスたちは、そのツテをたどって修道院に潜り込むが……。

シリーズ10巻はまたしても大事件に巻き込まれる編。今回は北国の修道院の存続に関わるハメに。だがそこに例の「狼の足の骨」が関わっているとあらば、どうにかしなければならないのがロレンスたち。ここで、前巻でも発揮されたロレンス・ホロ・コルの「3人揃えば文殊の知恵」的なやりとりが生きてくることになる。

そして今回のもうひとつの目玉が、ロレンスたちが出会った老羊飼い・ハスキンズ。彼の正体は言わずもがなだが、それ以上に気になるのが、別れ際にロレンスにだけ伝えたある事実。それが何なのかはまだ提示されていないが、今後の旅に大きく関わってくることは確か。旅の終わりは意外と遠くない――それを感じさせる結末だった。

狼と香辛料〈8〉対立の町(上) (電撃文庫)狼と香辛料〈8〉対立の町(上) (電撃文庫)
支倉 凍砂

アスキーメディアワークス 2008-05-10
売り上げランキング : 1630
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

狼と香辛料 9 (9) (電撃文庫 は 8-9)狼と香辛料 9 (9) (電撃文庫 は 8-9)
支倉 凍砂

アスキー・メディアワークス 2008-09-10
売り上げランキング : 1472
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
行商人のロレンスが旅の途中で耳にした「狼の足の骨」の噂話。仲間の可能性を考えていてもたってもいられないホロと共に、ロレンスはエーブを追って港町のケルーベへ向かう。だがその町は、街を横断する三角州をめぐって、北側と南側が対立している厄介な土地柄。エーブはその橋渡しのような役目を負わされていた。そんな彼女のツテで彼らと同じく「狼の足の骨」を追っている町商人・レイノルズに話を聞いたロレンスだったが、彼が何か隠しているような素振りを見せるのが気になり、翌日からホロとコルも交えて情報収集に乗り出す。だがそんな矢先、町を文字通り二分する大事件が起こり……。

シリーズ8・9巻は上下巻にわたる長いエピソード。
その正体は賢狼として崇められる少女・ホロだけでなく、勉強熱心で素直な放浪少年・コルも加え、にぎやかになったロレンスの道中。しかしそんな和やかな雰囲気をぶち壊すかのような大事件が彼らの身に降りかかってくる。旅を続けるうちに増えていったたくさんの「関係」が、ロレンスの立場をより複雑なものに変えてゆく。

大事に翻弄されて自分を見失いそうになったロレンス。だがそんなロレンスの目を覚まさせてくれるのがホロの存在。陰になり日向になり彼を支えてくれるホロの存在はまるで女房役。しかも尻に敷くタイプ(笑)。いつも手玉に取られ、たまにやりこめたと思ってもあっという間にまたひっくり返される、そんなふたりの関係が微笑ましい。

そして今回のもうひとりの主役は女商人・エーブ。元は貴族である彼女がなぜここまで冷酷非道な商人になったのか、彼女の一連の振る舞いを見ていると気になって仕方ない。
そんな彼女の、商人の顔の陰に隠された本心が垣間見えるのは、なぜかロレンスの前でだけ。ホロが気をもむのも仕方ないが、それ以上にロレンスの「魅力」というものが気になってしまう(笑)。

狼と香辛料 6 (6) (電撃文庫 は 8-6)狼と香辛料 6 (6) (電撃文庫 は 8-6)
支倉 凍砂

メディアワークス 2007-12-10
売り上げランキング : 740
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

前回の事件によるホロの怒りは凄まじく、とりあえずロレンスはエーブを追うことに。川を下ることにしたふたりだったが、途中の関所で役人ともめる少年に遭遇する。のっぴきならなくなった少年はとっさにロレンスに助けを求めてひと芝居打ち、ロレンスもつい少年を助けてしまう。その少年・コルがあり金と引き換えにした書類の束に不審な点を見つけたロレンスはホロに相談するが、そのことで彼女の機嫌を損ねてしまい……。

インターミッション的なシリーズ6巻。最後まで旅を続けることにしたふたりが、さてこれからどうするか、という話。
とりあえずホロとロレンスがいつにも増してイイ感じではある(笑)。主導権を握っているのは、さて、本当にホロの方なのか。

狼と香辛料 (7) (電撃文庫 (1553))狼と香辛料 (7) (電撃文庫 (1553))
支倉 凍砂

メディアワークス 2008-02-07
売り上げランキング : 782
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

続く7巻は番外編にして、シリーズ初の短編集。

ロレンスと出会う前のホロを描く「少年と少女と白い花」。
1巻の後日譚というか旅支度の「林檎の赤、青い空」。
そして2巻の後日譚、体調を崩したホロをロレンスが看病する「狼と琥珀色の憂鬱」。

特筆すべきはやはり書き下ろし、3本目の「狼と琥珀色の憂鬱」。シリーズ初のホロ視点の話ということで、彼女がロレンスに対してどんな感情を抱いているのかがよくわかる。これを読むと、ホロとロレンスの関係がまた違った風に見えてくる。やっぱり強いのはどちらかと言えば……。

狼と香辛料 5 (5) (電撃文庫 は 8-5)狼と香辛料 5 (5) (電撃文庫 は 8-5)
支倉 凍砂

メディアワークス 2007-08
売り上げランキング : 872
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

アニメ化も決まった行商人ファンタジー(?)5巻。
毛皮で有名な町・レノスにたどり着いた商人・ロレンスと賢狼・ホロ。ホロの故郷の伝承を探るためにレノスの年代記作家に接触を試みていたロレンスは、教会の施策に対抗して、町が毛皮の売買方法を転換しようとしていることを知る。大きなもうけ話の予感に期待しつつ、だが慎重に当初の目的を遂げようとするロレンス。そんな彼に、女商人・エーブが接近し、このチャンスをものにしようと持ちかけてくる。さらに、その資金を得るためにホロを質草にするという条件を出されてしまう。一方ホロは、突然ロレンスに旅を止めようと言い出して……。

女難の相が出ているロレンス(笑)。
ホロの言い分もわからんでもない。始まりが来れば終わりは来るし、どんなことでもピークを過ぎればあとは冷めてしまうだけ。永い時を生きてきたホロにしてみれば、永遠なんてありえないということを肌で感じてきているはずだから――今回のホロの発言で、改めてどうしようもない現実の厳しさがあらわになってしまう。
けれどふたりが出した結論は、今回起こった大きな事件も吹き飛ばせる力を持っているはず。次巻からのふたりの動向と旅の行く末がますます気になります。

このページのトップヘ