君キミ!私が持っている「奇跡」を継ぐ気はないですか!

「……スイマセン。急いでますんで」


買い物の途中、目の前に現れたのは、かわいらしい身なりをした女の子だった。
胸に付けた大きなリボンを揺らしながら、まっしぐらに駆け寄り話しかけてきたのだ。

「そう言わないで!ちょっと話を聞いて欲しい!」


めんどくさい奴に話しかけられた。


「は、早く行かないと閉まっちゃうんで」


何が閉まるのかは僕にもわからない。
でも、何かが閉まりそうだったのだ。


「意味わかんないよ~ このお話はあなたにとって、最高に興味のあるお話だよ?」


断わっておくが、この子とは初対面だ。
そう。この子には僕の興味がどこにあるのかなんて絶対にわからない。


僕  「い、今幸せなので……宗教とかはちょっと……」
女の子「誓って宗教ではありません。そして君にとって人生最大のチャンスです」


宗教でないならなんだ。詐欺か?詐欺なんだな?
……毅然と断わらなければ。


「じゃ、じゃー……これからの一部始終を撮影して良いなら……」


これであきらめるはず。
あっちへいけ。しっし。


「やったー!来てもらえるならそれくらい全然問題にならないよ!」


予想外だった。撮影しても良い?なんだそれ?
もしかして、本当にラッキーなことが起きるのか?


募る不安に押しつぶされそうになっている僕を他所に
女の子はスクリュージャンプをキメながらはしゃいでいる。


「あの……すぐに帰れるんですよね?は、早く帰らないといけないので」


女の子はこちらに笑顔を向けると、にこやかに話した。
「君が帰りたいって言えばすぐに帰してあげられるよ~~! 言えるかなーん?」

なんだこれ。すごくバカにされている。


女の子は僕の手を引き、買い物客で溢れるアーケードを走り抜けるのだった。