消燈グレゴリー

短歌修行中(by牛隆佑)

2011題詠

001:初
いかんせん初めてのことなのでしてどうにも上手く生きられません

002:幸
なだらかな幸せのことゆっくりと紅茶にとけてゆく角砂糖

003:細
電燈は時に暴力的なもの闇のか細さ 君に似ている

004:まさか
昔々(13日の金曜日)まさかりかついだ金太郎という

005:姿
生き急ぐあなたを乗せてびょうびょうと地球は前傾姿勢で走る

006:困
窓際の君の机に花びらを降らせて少し困らせてやろう

007:耕
遠くから君が来るのを待っている月の砂漠を耕しながら

008:下手
世渡りは下手ではないが生き方が不器用なのだあなたも僕も

009:寒
寒がりなぼくたちのこと魂が寄り添いながら暖めあって

010:駆
空っぽの私の中をどこまでも駆ける貴方は貴方のままで

011:ゲーム
ゲーム機の電源を切る要領で今日の私を終わらせてゆく

012:堅
いつもより堅い気がするデスクチェア今から僕は少しだけ寝る

013:故
故障した僕を抱えたまま君はどこまで行けるつもりでいるの

014:残
いつだって最後に残るものよりも無くなるものを信じてしまう

015:とりあえず
ひとまずととりあえずとを糸にして編んだミトンをあなたにあげる

016:絹
さざ波があなたを包む時それは薄絹のようにひどくやさしい

017:失
僕もまた誰かにとっての失ったものでありえて宙を漂う

018:準備
夕食のカレーの準備もそこそこに君は昨日を捜しに行った

019:層
いくつもの流せなかったかなしみが次第に冷えて層になるまで

020:幻
ここにいたかもしれなかった僕たちが幻になり消えゆくところ

021:洗
あなたかと間違えたほど飛んでゆく洗濯物を見送るばかり

022:でたらめ
でたらめに強い真夏の日射しから逃れるように君を忘れた

023:蜂
この夜にぼくらは溶けて蜂蜜になるからパンを買っておこうか

024:謝
ごめんなと僕は謝り続けるが君は許さなくていいんだよ

025:ミステリー
読みさしのミステリーから脱け出して真実だけの世界に還る

026:震
寒いねえ寒いよねえと言いあってベッドにもぐる 甘く震える

027:水
何回も諦めかけたしあわせを逃げ水と知りなお追いかける

028:説
目に見える繋がり方が欲しくって宮沢賢治の小説を読む

029:公式
公式で解けないことを知っている どんな言葉も届かぬことも

030:遅
一光年約束していた時よりも遅れたけれどいま会えるから

031:電
僕だって電車に乗ればどこへでも行けるよこれは春の歌です

032:町
耳の奥響くハローとグッバイに合わせて町をジグザグ歩く

033:奇跡
また同じ朝を見たんだでも君はそんなことさえ奇跡と言うの

034:掃
シンデレラ(掃除は僕が)宮殿に早く行きなよすべてを置いて

035:罪
世界一強い目を持つあの人はあらゆる罪を見つめるつもり

036:暑
少年は誰の胸にもある機能/残暑の中を走る 走るよ

037:ポーズ
ねえ僕は僕のままでいていいか僕から僕にするプロポーズ

038:抱
抱きこんだままのさよなら何回も君の家へと花を散らして

039:庭
こんにちは/さようなら/またこんにちは/この箱庭で繰り返すだけ

040:伝
地球には風ってものがありたまに誰かの初夏を伝えたりする

041:さっぱり
さっぱりと晴れた大空ぼくたちが強い心であればと思う

042:至
たおやかな夕暮れ時が終わったら電気仕掛けの夜へ至るの

043:寿
「寿」という字をきれいに書ききってこれで君とは会わないだろう

044:護
もう誰も救えはしないだけどまだ護られるべき君はいるはず

045:幼稚
目を閉じて三つ数えたなら春だ幼稚園児よ互いにキスを

046:奏
心音が光と影を奏でているあなたのそれはどちらもやさしい

047:態
あいわずぼーんゆーわーぼーんイキモノは受動態にて生まれ来るもの

048:束
一人きり佇む 夜は暗いという約束事に救われている

049:方法
ちょっとずつ読み解いてゆく空になるためのあなたの方法論を

050:酒
契約が切れる七月十五日発泡酒でも体は酔える

051:漕
一匹の裸が音を響かせて自転車を漕ぐ(海に出ました)

052:芯
黒板の文字を写せば減ってゆく心という字を含んだ芯が

053:なう
ジャスコなうローソンなうと着実ににじり寄りつつある花子さん

054:丼
牛丼を食ったら今日がどんなでもキン肉マンの心で眠れ

055:虚
灰色の虚空を裂いて現れるカラフルカラフルはつなつの人

056:摘
若草をひとつ摘んでは君のため我が衣手に罪は降りつつ

057:ライバル
傷つかぬよう争わぬまま生きた(誰か私をライバルと呼べ!

058:帆
速くあれ スタートを切るランナーは船の帆を張る様子にも似て

059:騒
真夜中の自動車とばす国道の音 ぼくだけの潮騒として

060:直
ああそれなら真っ直ぐ行ったその先を右に曲がれば青空ですよ

061:有無
有有有有有有有有有有有無無無無―――)消える消えるちくしょう(

062:墓
スカイツリー雄雄しく聳え立つ頃に東京タワーは昭和の墓標

063:丈
(大丈夫大丈夫だよ平気だよ)ちがう私はくるっていたい

064:おやつ
僕の胃に合わないらしいこれまでに食べたおやつを吐き出している

065:羽
見テ人ガ羽ノヨウダワ 崩れゆく城を眺めて少女は言った

066:豚
幸せの青い豚には分からない己が青い豚であること

067:励
過去の僕を慰めることも未来の俺を励ますことも出来ないなんて

068:コットン
ああそれはコットンの風 君のいない世界に君が融けだしている

069:箸
割り箸はお使いですかそうですか使えばいいんじゃないですかね

070:介
新しい集まりに行き紹介をされないままに会合終わる

071:謡
夕暮れの都会に謎の童謡が流されていて空襲警報

072:汚
大人って汚い)(君はもしかして自分がきれいとでも思うのか

073:自然
自然主義なんぞ知るかよ百個でも比喩を並べて君を誉めてやる

074:刃
千人とすれ違っても誰ひとり刃物を振りかざさない不思議さ

075:朱
朱色とは学校からの帰りみち交差点での(じゃあまた)の色

076:ツリー
クリスマスツリ―を飾る住宅の前は若干早足気味で

077:狂
獣でもまして王でもないけれど君は狂っていると思うぞ

078:卵
守りつつまた割ることができるような卵の殻のかたさで僕は

079:雑
焚き火には短歌雑誌をくべるといい怨嗟はとてもよく燃えるから

080:結婚
「絶対に君を不幸にしますので僕と結婚してほしいのです」

081:配
それぞれの人に自由は配られてどう使うかを迫られている

082:万
夕焼けはくたびれ果ててその下で眠る 天皇陛下万歳

083:溝
届かずに終わる祈りがサラサラと宇宙の溝を流れるところ

084:総
幸せの意味を棄てた日モニタには総書記が手を叩いて嗤う

085:フルーツ
絞り器にグレープフルーツ押し当てる果肉潰れる潰れる潰す

086:貴
革命家又は独裁者又は詩人 貴重種なので保護しなくては

087:閉
安心が引き剥がされる最近のエレベーターはゆっくり閉まる

088:湧
倒されるためにゾンビは湧いてくる湧いたら僕に倒されにくる

089:成
コノ歌ノ成分分析:分離感(37)承認欲求(29)不機嫌(19)模倣(15)

090:そもそも
決めるべき事も決まって日溜まりにそもそも論を遊ばせている

091:債
ローソンが故郷になる/肉体の全てが負債でも抱きしめる

092:念
旅に出た残念くんは道端で残念さんに出会いましたとさ

093:迫
迫害の理由は楽しかっただけ多分これから先もずうっと

094:裂
いつか君が破裂する時その白い光で僕を焼き消してほしい

095:遠慮
美しい拒絶であった遠慮という仕方で彼女はひとりにされた

096:取
手に取ってみるまで分からないことがある君の手のあたたかさとか

097:毎
でも僕が死んでも君の毎日が続いていくと思えば あああ

098:味
君に似合う言葉を手繰る意味なんて後から勝手にやって来るから

099:惑
惑星がひゅうるりうるりぐ~るぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるだっっぴょぉぉっんっ

100:完
ぼくたちは誕生以来海だった(現在完了継続用法として!)

完走報告(牛隆佑)

ばてましたが今年も完走することができました。五十嵐さま、他のランナーの皆さまに感謝です。

100:完(牛隆佑)

ぼくたちは誕生以来海だった(現在完了継続用法として!)

099:惑(牛隆佑)

惑星がひゅうるりうるりぐ~るぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるだっっぴょぉぉっんっ

098:味(牛隆佑)

君に似合う言葉を手繰る意味なんて後から勝手にやって来るから

097:毎(牛隆佑)

でも僕が死んでも君の毎日が続いていくと思えば あああ

096:取(牛隆佑)

手に取ってみるまで分からないことがある君の手のあたたかさとか

095:遠慮(牛隆佑)

美しい拒絶であった遠慮という仕方で彼女はひとりにされた

094:裂(牛隆佑)

いつか君が破裂する時その白い光で僕を焼き消してほしい

093:迫(牛隆佑)

迫害の理由は楽しかっただけ多分これから先もずうっと

092:念(牛隆佑)

旅に出た残念くんは道端で残念さんに出会いましたとさ

091:債(牛隆佑)

ローソンが故郷になる/肉体の全てが負債でも抱きしめる

090:そもそも(牛隆佑)

決めるべき事も決まって日溜まりにそもそも論を遊ばせている

089:成(牛隆佑)

コノ歌ノ成分分析:分離感(37)承認欲求(29)不機嫌(19)模倣(15)

088:湧(牛隆佑)

倒されるためにゾンビは湧いてくる湧いたら僕に倒されにくる
うたらば
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