2024年06月21日

【Amazon Go】、NYミッドタウン店を密かに閉鎖!結局、昨年は10店舗を閉鎖していた?

240621アマゾンゴーNY
■ネット通販最大手のアマゾンのレジなしコンビニエンス・ストア「アマゾンゴー(Amazon Go)」をアップデートしたい。なぜなら筆者は最近、アマゾンゴーの店舗数が減少していたことに気づいたからだ。

昨年9月時点でアマゾンゴーは23店舗だった。

アマゾンゴー最新店は昨年9月、ワシントン州サウス・ヒル地区のショッピングセンター内(15518 Meridian Ave E, Puyallup, WA 98375)にオープンした。シアトルから南にクルマで1時間弱のところで、タコマの中心地からも南東16マイル(約26キロメートル)前後の場所だ。

これにより郊外型アマゾンゴーは2022年4月にオープンしたシアトル郊外ミルクリーク店に加え、同年9月にオープンしたロサンゼルス郊外ウィッティア店、同年11月オープンのトーレンス店、同年12月オープンのウッドランドヒルズ店、昨年2月のシアトル郊外ピュアラップ地区にオープンした店舗に9月オープンの店舗で6店舗目となる。

一方、都心部にあるアマゾンゴーはNYマンハッタンでスターバックスと提携した2店舗を含め8店舗、シカゴ市内に5店舗、シアトル市内の4店舗の展開だった。

最近、アマゾンゴーのホームページにあるロケーションで調べてみるとNYマンハッタンの店舗が7店舗となっていることが判明。

さらに調べると閉鎖されたのがレキシントンアベニュー沿いにあるアマゾンゴー(405 Lexington Ave New York, NY 10174)であることがわかった。

クライスラービル1階にあった同店舗はホームページのロケーションに表示されないばかりか、グーグルでは"閉業"となっている。

レビューサイトのイェルプ(Yelp)でも「イェルパー(レビューワー)はこのロケーションが閉鎖されたと報告しています(Yelpers report this location has closed)」とある。

さらに同店のイェルプ最新レビューは昨年11月9日にアップされており「この場所は恒久的に閉鎖されたようです」に「閉鎖の理由については窓に何の掲示もありません」と記されている。

また「窓にはビニールがかけられており、スペースが改装されていることを示唆しています(アマゾン用か他のテナント用かは不明です)」と記述だ。

どうやらワシントン州サウス・ヒル地区のアマゾンゴー最新店をオープン直後となる昨年の9月〜11月初め辺りでレキシントンアベニューのアマゾンゴーはスクラップとなったのだ。

 アマゾンは昨年4月、シアトル市内にあるメイシーズ・ビル6階にあった450平方フィート(13坪)のアマゾンゴー(300 Pine St, 6th floor, Seattle, WA 98101)とシアトルの観光名所でもあるパイク・プレイス・マーケットから徒歩で5分と近距離にある四番街(フォース・アベニュー)沿いのアマゾンゴー(1423 4th Ave. Seattle WA 98101)を閉鎖した他、サンフランシスコ市内にある全4店舗にニューヨーク市内の2店舗の計8店舗を閉鎖した。

続く6月にはシアトル市内にあるマディソンストリートと5thアベニューにある36階建てのオフィスビル「マディソンセンター(Madison Centre)」の1階にあるアマゾンゴー(920 5th Ave, Seattle, WA 98104)を閉鎖。

そして今回、判明したニューヨークのクライスラービルの店舗と合わせると昨年は10店舗を閉鎖したことになる。閉鎖されたアマゾンゴーはすべて都市部のビジネス街にある店舗となる。

 レジなしアマゾンゴーには自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」がある。

アマゾンは今年4月、ジャスト・ウォークアウトを導入している食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」を改装し、スマートショッピングカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」を導入すると発表した。

ジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド型アマゾン・フレッシュからダッシュカートやセルフレジの店舗に順次切り替えていくのだ。

この発表直後にはジャスト・ウォークアウトのみの店舗を含むアマゾン・フレッシュ3店舗を閉鎖した。

 ビジネス街にあるアマゾンゴーは全て閉鎖したいところだが、ジャスト・ウォークアウトを外部の小売業者等に外販している手前、難しいようだ。

トップ画像:昨年10月前後にひっそりと閉鎖したNYクライスラービルのアマゾンゴー。  続きを読む
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2024年06月20日

【ウォルマート】、半年で11店も閉鎖!チェーンストアの原理原則に縛られてタブー?

240620ウォルマート・ネイバーフッドマーケット
■チェーンストア最大手のウォルマートは第2四半期も不採算店の閉鎖を続けている。今期となる2月〜4月期の6店閉鎖に加えて、直近の閉鎖や閉鎖発表を加えると二桁の閉鎖数に上るのだ。

ウォルマートは14日、ジョージア州アトランタ郊外にある2店舗の閉鎖を発表した。

7月12日に閉鎖となるのはダンウッディ地区のスーパーセンター(4725 Ashford Dunwoody Rd Dunwoody, GA 30338)とマリエッタ地区のネイバーフッドマーケット(3101 Roswell Rd, Marietta, GA 30062)だ。

ウォルマートは今月7日もコロラド州オーロラ地区にあるネイバーフッドマーケット(14000 East Colfax Aurora Co 80011)を閉鎖している。

また先月も2店舗の閉鎖を行っているのだ。5月17日に閉鎖となったのはウイスコンシン州ミルウォーキー地区にあるネイバーフッドマーケット(7025 W Main St, Milwaukee, WI 53214)だ。

カリフォルニア州フリーモント地区にあるディスカウントストア(40580 Albrae St, Fremont, CA 94538)も5月24日で閉鎖された。

全ての店舗のスクラップについてウォルマートは不採算店であることを理由にあげている。

ウォルマートは2月9日、カリフォルニア州サンディエゴのウォルマート・ネイバーフッド(2121 Imperial Ave San Diego, CA 92102)とサンディエゴ郊外エルカホン地区にあるディスカウントスト(605 Fletcher Pkwy, El Cajon, CA 92020)を閉鎖。

2月16日にはオハイオ州コロンバスにあるディスカウントストア(3579 S High St, Columbus, OH 43207)が閉店した。

3月29日にはロサンゼルス郊外ウエストコビナ地区にあるスーパーセンター(2753 E Eastland Center Dr Ste 5555, West Covina, CA 91791)を閉鎖した。

4月5日にはメリーランド州タウソン地区にあるディスカウントストア(1238 Putty Hill Ave Suite 5, Towson, MD 21286)と4月16日にはカリフォルニア州サクラメント郊外のグラニットベイ地区のネイバーフッドマーケット(4080 Douglas Blvd, Granite Bay, CA 95746)がそれぞれ閉鎖したのだ。

これによりウォルマートは第1四半期中(2月〜4月期)にスーパーセンター1店舗、ディスカウントストア3店舗、ネイバーフッドマーケット2店舗の閉鎖となる。

第2四半期(5月〜7月期)はいまのところスーパーセンター1店舗、ディスカウントストア1店舗、ネイバーフッドマーケット3店舗となる。

第1四半期で6店舗の閉鎖、第2四半期中は5店舗で11店舗の閉鎖になる。

 ウォルマートは先月21日、ネットスーパーに最適化された店舗を2店舗オープンしている。

ウォルマートは1月に向こう5年間で150店をオープンすることを発表しているが、その一環として、フロリダ州サンタ・ローザ・ビーチ地区とジョージア州アトランタ地区にそれぞれネイバーフッドマーケットをオープンした。

新たに開店したネイバーフッドマーケットがユニークな点は広さだ。

1998年から始動したネイバーフッドマーケットの平均店舗面積(ウォルマートの年次報告書10K)は42,000平方フィート(約1,180坪)となっているが、サンタ・ローザ・ビーチ店(6861 US-98, Santa Rosa Beach, FL 32459)は57,000平方フィート(約1,600坪)にもなる。400坪以上も広くなっているのだ。

驚くのはアトランタ地区バインシティのネイバーフッドマーケットだ。

2022年12月までウォルマート・スーパーセンター(火事で閉鎖)があったところに75,000平方フィート(2,100坪)のネイバーフッドマーケットをオープンしたのだ。

ネイバーフッドマーケット・バインシティ店(835 M.L.K. Jr Dr NW, Atlanta, GA 30314)は通常の2倍弱にもなる。

治安の悪い場所にあるバインシティ店は盗難が多かった。食品以外の商品も多く占めるスーパーセンターでは万引が横行していた。

そこでスーパーセンターから食品中心のネイバーフッドマーケットに業態を転換した経緯がある。

また巨大になったネイバーフッドマーケットはデリやベーカリー、金融サービスのマネーなど扱い品目数やサービスを大幅に増やしただけではない。

伸び続けるネットスーパーに対応してピックアップ用となる一時保管場所を広く確保し、売り場の通路も広くとったのだ。

ウォルマートに視察すると目にするのは信じられないほど増えたピッカーだ。ネット注文品を生鮮品等の売り場でスタッフがピッキングする光景を必ず目にする。

問題なのはネットスーパーが増え続けると増員したピッカーが買い物客の邪魔になることだ。

したがってシン・ネイバーフッドマーケットは広くなりネットスーパーに最適化された店舗となっている。

 また閉鎖といえばスーパーセンターに併設していたプライマリー・ケア・クリニックで診療所の「ウォルマート・ヘルス(Walmart Health)」をすべて閉鎖することを5月に発表。

低所得者層に向けたウォルマート・ヘルスは1年前、75ヶ所まで増やすと発表。アーカンソー州など5州に51ヶ所で展開しているウォルマート・ヘルスは地元医療機関の医師や歯科医、診療看護師(ナース・プラクティショナー)、医療技師などが常駐し、健康診断や日常的な疾患や軽度の怪我の初期診療や予防接種、眼科検診までを行っていた。

スーパーセンターとは入り口を別にするヘルスケア・クリニックではプライマリ・ケア医師による一般診療から歯科、聴覚、視覚、栄養指導などのカウンセリングやフィットネスを含むヘルス&ウエルネス・クラスまで健康にかかわる様々なサービスを提供していた。  続きを読む
2024年06月19日

【ターゲット】、ドライブアップでスタバ出前!研修価値もパーソナライゼーションへ?


■米国流通視察の研修参加者にとってターゲットのドライブアップは必須カリキュラムだ。

ドライブアップの研修価値には3つあり、一つはDXが進む米国のチェーン大手で、ネットスーパーのカスタマージャーニーを確認できることがある。

2つ目に最低注文額など条件がなく2時間程度あれば当日で注文ができる簡便さがある。3つ目はスターバックスをモバイル注文できることでの利便性を確認できるのだ。

またオマケとしてターゲット店内にスタバがあることで、参加者は後で限定タンブラーなどのお土産も購入できる。米国に来た際には必ずターゲットでネットスーパーを体験し、スターバックスもモバイル注文すべきなのだ。

 ターバックスのモバイルオーダーはドライブアップで注文品を受け取る直前に始める。ターゲットのアプリを開くとネット注文の受け取りリマインダーがポップアップ表示される。

注文品を取りに行く直前にポップアップに表示されるのだが店内で受け取る「注文品ピックアップ(Order Pickup)」と「ドライブアップ(Drive-Up)」の2つの選択タグが表示される。

ドライブアップを選択し、タグの下にあるスターバックスの「メニューをみる(View Menu)」をタップしてコーヒーなどを選んでいく。

メニューをカートに入れた後に「注文する(Place your order)」をタップしてチェックアウトしておく。ここでポイントになるのがレッドカード。

ターゲットのクレジットカード(デビットカードも)のレッドカードを事前にアプリに登録しておくとスターバックスの決済は自動的にレッドカードで行われる。

同時に注文したスターバックスのコーヒー等も5%引きの対象となるのだ。決済後はターゲットのポップアップに戻り、1度目のドライブアップで登録しておいたクルマの色や受け取る際のクルマの席なども表示されるのだ。

ターゲットのドライブアップ・スペースに到着したらアプリにある「到着しました(I'm here)」をタップして、次ページにある駐車番号を入力する。

受け取る際の確認番号となる「コードを表示(Show my code)」をタップすると4桁の番号が表示されることになる。スターバックスのコーヒーを注文していれば4桁の番号の下に「お客様のスターバックス注文(Your Starbucks order)」に「スタッフが注文品を積む前にお渡しします(The team member will hand you this before loading your vehicle)」と表示されるのだ。

筆者の場合、数分もしないうちに雨の中でカフェラテを手に持ったスタッフが現れて手渡してくれた。筆者は雨に濡れることなく受け取り、ネット注文品は助手席においてもらったのだ。

 ターゲットは1999年からスターバックスとライセンス契約し、1,900店のうち1,300店以上で店内にスターバックスを展開している。一昨年だけでコーヒー等、実に1.7億杯も販売した実績があるという。

ドライブアップ客に向けたスターバックスの出前サービスは一石二鳥のサービスで、利用者はターゲットに行く前後にわざわざ店内のスターバックに寄る必要がない。

ターゲットでは昨年4月より、多くの店舗で降車せずに返品できるストレスフリーのサービス「ドライブアップ・リターン(Drive Up Return)」も始めている。

しかもターゲットの返品制度はウォルマートより寛大だ。未開封もしくは未使用の商品なら返品期間が90日間にも拡大されるのだ。

買っては見たものの使わなかったのなら返品できる期間が3ヶ月間にも延長されるのだ。

アスレジェー・ブランド「オール・イン・モーション(All in Motion)」などのターゲット・プライベートブランドなら未開封・未使用を条件に返品期間が1年にもなる。

 米国に流通視察を行う際、ドライブアップのスタバ出前を是非とも体験してもらいたいサービスなのだ。  続きを読む
2024年06月18日

【マクドナルド】、ドライブスルーのAIスタッフをクビ!ポンコツ過ぎてAIも鉄くず?

240618マクドナルド
■IT大手アップルは先週、iPhoneなどの基本ソフトに生成AIを導入することを発表した。オープンAIと提携して、チャットGPTを利用できるようにすることも明らかにしたのだ。

このように生成AIがどんどん身近に入ってくるが、はじかれるAIも出てきている。

外食チェーン最大手のマクドナルドが3年前からテスト展開しているAIボットによるドライブスルー受注サービスを撤去することが明らかになったのだ。

マクドナルドは2021年10月からIBMと提携し、同社の自然言語処理技術を用いてドライブスルーに自動注文受付テクノロジーをテスト導入した。

AIスタッフがドライブスルー客にスピーカーを介して、通常のドライブスルーのように受注するシステムだ。

つまりマクドナルドは試験導入を経て事実上、AIスタッフをクビにした。

マクドナルドCRO(Chief Restaurant officer:最高レストラン責任者)のメイソン・スムート氏は、フランチャイジーに宛てたメールで「これまで成功例もありますが、音声注文ソリューションをより幅広く検討する機会があると感じています」とし「慎重に検討した結果、マクドナルドはIBMとの提携を終了することを決定し、テスト中の全店舗で7月26日までに同技術を停止します」としたのだ。

ドライブスルーAIボットのスクラップ理由については明らかにしていないがマクドナルドCEOのクリス・ケンプチンスキーは以前「音声認識技術の正確さは約85%であるが5件に1件程度の割合で人間のスタッフがサポートしなければならなかった」と語っていた。

つまり20%のエラーがあることからAIスタッフをクビにする理由として推測されるのだ。

実際、何の問題もなくスムーズに注文できるドライブスルー客もいる一方で、喋ったことを正しく理解しないなどのトラブルも多いことは明らかにされている。

そのためSNSには笑い話になるようなAIドライブスルーの出来事が多数アップされているのだ。

例えばTikTokにアップされた「マクドナルド・ロボットとの戦い(Fighting with McDonald's robot)」の投稿者(@themaddivlog )がマクドナルドのAIドライブスルーで水とヴァニラ・アイスクリームを注文したものの、確認画面では「バター2個とケチャップ4個」の表示となっていた。

「マクドナルドのロボットはワイルドだぜ(The McDonald's robot is wild)」のTikTok投稿者(@typical_redhead_)は、チキンマックナゲットのセットを頼もうとして数量を間違えられてしまった動画を投稿。

確認のスクリーンには「255.52ドル(約3万3,000円)」というありえない料金が映し出されており、ポンコツすぎて大爆笑という動画になっている。

笑い話ではなく、聞き間違いにイライラさせるような動画もアップされている。

TikTokユーザー(@That_usa_guy_)はマウンテンデューを注文したが、勝手にコカコーラと注文を変えていた。

マクドナルドのドリンクメニューにマウンテンデューはないので、止む終えないところもあるものの投稿者が間違いを訂正しようとするとAIがスルーするため注文をやり直すはめになっていた。

途中からは女性スタッフに引き継がれたところも映し出され、見ている方もストレスを感じる内容となっている。

 一方でマクドナルドはサービスやオペレーションへのAI導入を諦めてはおらず引き続き人工知能で生産性アップを図りたい考えだ。

マクドナルドに限らずファストフードチェーンはAIによる合理化には貪欲だ。なぜならファストフード業界は慢性的な人手不足に加えて最近では人件費が大幅にアップされているからだ。

カリフォルニア州では4月、ファストフード店のスタッフの最低賃金が時給16ドルから時給20ドル(約3,100円)に引き上げられた。

大人気のハンバーガーチェーンのイン&アウト・バーガーでさえ直近で値上げを発表している。

このためハンバーガーチェーンのウェンディーズやカールスJr、メキシカン・ファストフード・チェーンのタコベルもドライブスルーでのAI導入をテストしている。

AIさえ導入できない零細飲食店の場合はレジ係りを賃金の安い他国にアウトソーシングしている事例さえある。

NYマンハッタンのイースト・ビレッジとクィーンズ地区で唐揚げを販売する「サンサン・チキン(Sansan Chicken)」では、接客注文がパソコンのモニター越しとなる"バーチャルレジ係(Virtual Cashier)"となっているのだ。

フィリピンにいるスタッフが遠隔で接客をしているのだ。

ファストフード店のレジ係りにリアルに人はおらず、ズームを介して注文等を案内しているのだ。メニュー案内などのレジ接客以外では、フィリピンのスタッフがリモートで出前注文を仕切ったり、飲食店にかかってきた電話に応対したり、店のレビューページをチェックしているという。

スタッフのアウトソーシングも人件費の圧縮だ。大都市にあるファーストフード店はインフレによる原材料費の高騰に家賃の上昇にもあり、頭を悩ませている。AIも導入できない零細飲食店では少しでも切り詰めたいため、接客をアウトソーシングしているのだ。

 大手から零細まで外食業界は生産性アップの最適解をまだ見つけられないでいるが、様々な方法でデジタル・トランスフォーメーションが最適化されていくことは確かだ。

AIも日進月歩以上の速さで進化していることで、ドライブスルー受注もいずれAIに置き換わる日も近い。  続きを読む
Posted by usretail at 01:29Comments(0)その他
2024年06月17日

【ウォルマート】、熱狂のネットスーパー!プラス会員はアマゾン客の購買行動に酷似!

240617ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートではネットスーパーを含めたEコマースの成長が特に著しい。

ウォルマートCFOのジョン・デビッド・レイニー氏は直近の決算発表時にネットスーパー等が最短2年で黒字化することに言及し、その理由としてデリバリーコストの大幅改善を挙げた。

昨年から自身のビジネスをオムニチャネルリテーラーと定義したウォルマートではEコマース売上と店舗売上が融合しながら売上を伸ばしている。

ウォルマートではEコマース事業が8四半期連続して二桁成長し、既存店ベースを牽引しているのだ。

ウォルマートのEC売上高前年同期比率は2022年5月〜7月期の第2四半期の12%増から16%増、17%増と推移。2023年の第1四半期の27%増から24%増、24%増、17%増となり直近の今年第1四半期の22%増まで8四半期の平均伸長率は20%となっている。

ウォルマートのEコマースを支えているマーケットプレイスであり、カーブサイド・ピックアップや宅配サービスのネットスーパーだ。

生鮮品を含むネットスーパーでは朝から夜まで利用時間帯を拡大しており、これまでウォルマートで買い物しなかった富裕層まで引きつけている。

熱狂的に躍進するネットスーパーにより幹部役員の発言にも注目すべき点が浮きぼりになっている。

 ジョン・デビッド・レイニー氏は12日に開催されたエヴァーコアISIコンファレンスにて同社のサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」でアマゾン顧客のような購買行動になりつつあると言及した。

調査会社のニューメレーター(Numerator)によるとアマゾン顧客は平均で年間72回注文し、平均注文額が37ドルとなる。年間では2,662ドルにも及ぶのだ。

一方、ウォルマート顧客はアマゾン顧客より注文頻度は若干少ないものの注文金額は大きくなり、お店の売り場でも買い物をするため総支出額はアマゾン顧客を超える。

レイニー氏によるとウォルマート・プラス会員は平均の注文額の2倍に達するのだ。プラス会員に富裕層が重なるのかアマゾン顧客に似た購買行動で客単価が徐々に少なくなる傾向という。

同氏はネットスーパー注文はこれまではカーブサイド・ピックアップが中心だったが、ここ数カ月間は宅配を選択するお客が増えていると述べた。

レイニー氏は「この傾向は今後も変わらないと思います」とし「顧客がウォルマートを利便性という要素で選んでいることを物語っています」と指摘した。

また11日に開催されたオッペンハイマー・コンシューマー・グロース&Eコマース・コンファレンスに出席した国内ウォルマートCEOジョン・ファーナー氏はネットスーパー注文の急成長から説得力のある気づきを得られていると力説した。

ファーナー氏は「お客様が買い物をするチャネル別に商品を分析すればその違いが理解できます」と言う。また「売れている原材料を見れば意図が分かります」と胸を張るのだ。

言い換えれば顧客のショッピングカートで何が起こっているかを知ることで顧客の心の中で何が起こっているかを知る良い手がかりになり得るのだ。

 ここで思い出されるのが今年4月に発表した新食品プライベートブランド(PB)「ベターグッズ(bettergoods)」だ。

約30年ぶりとなる新PBはミレニアムやZ世代を意識して開発されている。ベターグッズはレシピ用、植物由来、グルテンフリーなどフリーフロムの3つのカテゴリーに分類されている。

アップグレードされたレシピ用では例えば5.24ドルのカルダモン・ローズ・ラズベリー・ジャム(Cardamom Rose Raspberry Jam)やカレー・チキン・エンパナーダ(Curry Chicken empanadas)がある。

植物由来では3.44ドルのノンデイリー・オートミルク・フローズン・デザート(Oatmilk Non-Dairy Frozen Desserts)に植物ベースのチーズ代替品など。

フリーフロムにはグルテンフリーの他、抗生物質不使用、人工香料や人工甘味料の不使用、さらにシュガーフリーなどの食品となる。

ベターグッズは直近のネットスーパーの注文品の傾向を分析して開発したと言えるのではないだろうか。

ウォルマートではインフレを背景に1〜2年前から富裕層客が増えてきている。カーブサイド・ピックアップや宅配サービスを利用しながら安い食材をネット注文している。

ファーナー氏が指摘しているように売り場とは異なるトレンドがネット注文に反映しているのだ。そこからベターグッズが生まれたとしても不思議ではない。言い換えれば新PBは熱狂から生まれた新生児といえる。

 トレーダージョーズ・キラーともいえるベターグッズは不可逆的に進化するネットスーパーから次世代に向けた新ブランドになっているのだ。

トップ画像:ウォルマートのカーブサイド・ピックアップ。ウォルマートCFOによるとネットスーパー注文はこれまではカーブサイド・ピックアップが中心だったが、ここ数カ月間は宅配を選択するお客が増えている。  続きを読む
2024年06月16日

【冤罪】、セルフレジでスキャンせずに盗難!も実は宅配ドライバーのスキャン&ゴー?

240616ワークショップ@ウォルマートセルフレジ
■アメリカではスーパー等で万引きが横行している。特にセルフチェックアウトレジを使って盗難をする輩が後を絶たない。

チェーンストア最大手のウォルマートは4月、ミズーリ州シュルーズベリー地区とオハイオ州クリーブランド地区の店舗からセルフレジを撤去した。盗難多発を理由にこれらの店舗を含む5店舗からセルフレジが撤去されているのだ。

48州に2万店近くを展開するダラーチェーンのダラーゼネラルも2024年度中、300店舗からセルフレジを撤収し、他の9,000店からは一部のセルフレジを有人レジに変更する。

また4,500店ではセルフレジ使用で5アイテム以下の買い物に制限するポリシーに変更したのだ。

スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーもコロナ禍となった3年前に開始したセルフレジのみのスーパーのテストを中止した。

ダラスのクローガー・フレッシュフェア店は2021年2月の改装から、35州に2,700店以上の食品スーパーを展開するクローガーにとって唯一のセルフチェックアウトレジ・オンリー店になった。

コンタクトレス・レジのテストでは新型のセルフチェックアウト・レジも導入されていたのだ。

しかし相次ぐ顧客からのクレームを受けセルフレジオンリーを止め、通常の食品スーパーのようにフルサービスとセルフレジを組み合わせたものに戻したという。

全米に約2,000店を展開するターゲットも3月、セルフレジ「エクスプレス・セルフチェックアウト(Express Self-Checkout)」として利用を10アイテム以下の買い物客のみとする制限を発表している。

先月、サンフランシスコ市近郊にあるモール内のターゲットで6万ドル(約900万円)の万引きをした女性が話題になっていた。

ターゲットのセルフレジで2020年10月〜2021年11月にかけて120回以上も来店して盗難を繰り返したというものだ。

1回で平均500ドル(約7.5万円)相当の商品を盗んだことになるが、ターゲットの商品で500ドル分ならショッピングカートがそれこそ山盛り状態になる。

女は商品をスキャンせず買い物袋のエリアにも置かないようにしたり、管理スタッフの死角でジャケットの内ポケットに入れたり、カートの隅っこに商品を見えないようにジャケット等で隠したようだが、金額の大きさから首をひねりたくなる。

日本の万引きからすればレベチだ。

またセルフレジでの盗難のニュースは毎日のように流され、YouTubeでも万引き等を映した動画がどんどんアップされている。

こんなときにウォルマートのセルフレジで男がスキャンせずに買い物袋にどんどん商品を詰めている光景に出くわしたなら、どんな反応となるだろうか?

人によってはスマートフォンを取り出して撮影する。そしてXなどにアップロードするだろう。

ハイテク且つSNSの時代、撮影者の思い込みから真面目な中年男性が万引き犯に仕立てられたことが話題になっている。

 イリノイ州ベルビル地区のウォルマートで母の日(5月11日)に撮影された14秒の動画「男がウォルマートのセルフレジでスキャンせず買い物している(Man doesn't scan a single item at Walmart self checkout)」がXにアップされた。

中年男性がセルフレジでスキャンもせずに黙々と商品を袋に詰めている映像に撮影者が「こいつは文字通り全てを盗んでいます(This man is literally just stealing everything)」の声が入っている。

「全くスキャンしていません。レジを起動後はスクリーンを見ただけでレジに記録されていないのです(He ain’t scanning shit. So open about it, look at the screen, nothing ringing up)」とつぶやく撮影者。

この動画はすぐに拡散され1,600万回以上も再生された。

しかしこれが大いなる勘違いだとあとで判明する。ウォルマートの宅配サービス「スパーク(Spark)」のドライバーであるビル・アストレさんが仕事をしていた動画なのだ。

彼が使っていたのはアプリ機能「スキャン&ゴー(Scan & Go)」。セルフレジではQRコードを読み取ってレジとアプリを同期後、売り場でスキャンした商品を袋詰していたのだ。

撮影者が最後まで撮影していれば誤解であることがわかったはずだ。アプリを介しレジで決済を行うからだ。

またアストレさんは宅配注文とは別に母の日用に自分の奥さんと母親にバラの花束2つを購入しスキャンしていたのだ。

しかし撮影者は勘違いからアストレさんを万引き犯だと思い違いをし動画を拡散させてしまった。

アストレさんを避難するコメントの他に彼がアメリカンフットボール・チーム「セントルイス・バトルホークス (St. Louis Battlehawks)」のTシャツを着ていたことから「自分たちのファンをなんとかせぇ(Please control your fans)」のコメントもあった。

おかげでアストレさんは友人・知人から注意をうけることになり最終的には地元のニュース番組に出演し身の潔白を証明しなければいけなくなった。

アストレさんはデジタル上にあるレシートを見せながら一夜にしてSNS上で自分が万引き犯に仕立てられた悪夢を語ったのだ。

 行動経済学では、最近起きた出来事や印象深かった事件など、記憶のなかでアクセスしやすい情報から早急に判断してしまうことを「利用可能性ヒューリスティック」という。

この利用可能性ヒューリスティックに一般的ではないイノベーション(スキャン&ゴー)が重なり、"セルフレジでスキャンしない"光景を撮影者が勝手に盗難だと思い込んでしまった。

SNSの拡散力からある意味、本当に恐ろしい世の中になったものだ。

トップ画像:ウォルマート・セルフレジでスキャン&ゴーのワークショップを行う研修参加者。


万引き犯と誤解されSNSで拡散されたビル・アストレさん。気の毒としか言いようがない。  続きを読む
2024年06月15日

【ジョーVs】、ダラスに倉庫型ディスカウントスーパーがオープン!円安でも超激安感?


■テキサス州に地盤を置く食品スーパーのHEBが12日、ダラス近郊に倉庫型ディスカウントスーパーの「ジョーヴィーズ・スマート・ショップ(Joe V’s Smart Shop)」をオープンした。

ヒューストン周辺に10店舗を展開しているディスカウントスーパーが240マイル(約380キロメートル)も離れたダラスに出店したのだ。

場所はダラスの中心地から南西に10マイル(16キロメートル)のところにあるネイバーフッド型ショッピングセンター「ウィートランド・ビレッジ・ショッピングセンター(Wheatland Village Shopping Center)」内。

1985年〜2004年までアルバートソンズがあった場所(4101 W Wheatland Rd, Dallas, TX 75237)で、車で2〜3分の距離には同じく倉庫型ディスカウントスーパーのウインコフーズ(Winco Foods)もある。

ジョーヴィーズ・スマート・ショップはHEBのグルメスーパーマーケット「セントラル・マーケット(Central Market)」に続く、第3のフォーマット。

競合アルディをモデルにしたジョーヴィーズは、余分なサービス等を提供しない55,000平方フィート(約1550坪)となる簡素な倉庫型販売となる。店名の由来はHEBの出店戦略の役員であるジョー・ヴィラリアル(Joe Villarreal)氏からだ。

HEBの標準フォーマット(約100,000平方フィート)より半分程度の店舗面積でダラス店では250人が働き、品目数は約1万点を揃える。営業時間は午前7時〜午後10時まで。

競合店より15%〜20%も安く提供することで低所得者層などから高い人気を得ているのだ。

2010年5月にオープンしたジョーヴィーズ・スマート・ショップ1号店から昨年12月にオープンした10店目のケイティ店まで、すべてヒューストン地区のみとなる展開。

ヒューストンからダラスに進出することは、東京を地場にするチェーンストアがいきなり岩手県盛岡市にオープンするようなことだ。東京から西へ400キロメートルとなる兵庫県神戸市近くに出店するようなものだろうか。

 ダラス郊外の新店でも2010年の1号店のオープン時から変わらないロスリーダーも提供している。
ジョーヴィーズのロスリーダーとなる目玉商品はバナナとボリヨ(メキシコのパン)と食パンだ。

バナナは3ポンド(450グラム)1ドルとしており1ポンドがわずか33セントというびっくり価格。33セントは円安となっている日本円にして50円強で、100グラムにすれば10円ちょっとの値段になる安さだ。

日本でいうところのコッペパンとなるボリヨはさらに驚きの価格となる。インストアベーカリーで店内で焼き上げるボリヨはなんと8つで1ドルで訴求しているのだ。

中南米系スーパーもひしめき合うスーパーマーケット激戦区の南カリフォルニアでも見たことのない超低価格を提示しており、しぶとい物価高でもコストコの4.99ドルのロテサリーチキンや1.50ドルのホットドッグセット(サムズクラブでは1.38ドル)のようにロスリーダーにしているのだ。

薄切り食パンも88セントと超特価を維持している。

直径16インチ(40センチメートル)チーズピザが自宅で焼く冷凍でも、店で焼いた"できたてアツアツ"も4ドルという価格もびっくりだ。

コストコ・フードコートのピザは直径18インチ(46センチメートル)と大きいとは言っても10ドル弱する。いかにジョーヴィーズが安いのかがわかるだろう。

ジョーヴィーズ店内は倉庫型で簡素なつくりといっても、ハデなPOPでお客の目を楽しませる工夫は行っている。

びっくりするような特価品には"売り切れ御免"を意味する「今日はここにあるけど、明日はないかも(Here today gone tomorrow)」で訴求している。

ダラス新店の今週の広告ではトップにポーク・スペアリブが1ポンド67セントになっている他、イチゴ1ポンドが67セント、鶏むね肉が1ポンド77セント、スイカ1個が1.97ドルと驚き価格を提示している。

また明日にはなくなるという"売り切れ御免"商品には25ドルのラグを3ドルでオープン記念にエントランス前に用意していた。

ダラスの新店ではHEBのデリショップ「スシヤ(Sushiya)」も導入しており、店内で握る寿司やアジア系料理まで提供しているのだ。

 ジョーヴィーズが価格攻勢をしかけることで(車移動で)10分圏内にあるサムズクラブやクローガー、トムサム、コストコ、ウォルマート・スーパーセンターなど大手の競合店チェーンも影響を受けるだろう。

 なおHEBではダラスから東に8マイル(約13キロメートル)の場所にジョーヴィーズ2号店目(5204 S Buckner Blvd, Dallas, TX 75227)も来年春のオープンを予定している。

サンアントニオに本社のある1905年創業のHEBがダラス郊外にHEB本体を初進出したのは2022年とつい最近だ。フリスコ地区についで、プレイノ、マッキニー、アレンと出店が拡大している。

なおHEBはアップスケール型スーパーマーケットのセントラルマーケットをダラスに3店舗、プレイノとサウスレイク、フォートワースに各1店舗展開している。

HEBはテキサスとメキシコに435店を展開し、売上高は430億ドル(約6.8兆円)になる。

トップ動画:ダラス郊外にオープンするジョーヴィーズ・スマートショップのコマーシャル。安いだけでなくフレッシュさも訴求している。コッペパンのようなボリヨ(メキシコのパン)が8個で1ドル。14年前から変わらない価格だ。  続きを読む
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2024年06月14日

【Amazon Fresh】、1年9ヶ月ぶりにオープン!パーソナライゼーション最適化で成功?

240614アマゾン・フレッシュ@ラバーン
■ネット通販最大手のアマゾンは自社が開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」の新店をオープンする。

同社のスマート・ショッピングカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」のホームページで13日、新店のロケーションを確認できたのだ。

1年9ヶ月ぶりとなるアマゾン・フレッシュはニュージャージー州イートンタウン地区となる。

トイザらスの跡地(137 Route 35 Eatontown NJ 07724)で大通りを挟んで向かい側にはディスカウントスーパーマーケットのリドルがある場所だ。

また2.7マイル(4キロメートル強)離れたところにはショップライトやアルディもある。

アマゾン・フレッシュ・イートンタウン店はニュージャージー州では2ヶ所目。

カリフォルニア州パサデナに2022年9月にオープンして以来の新店はニューヨーク市マンハッタンのタイムズ・スクエアからは1時間の距離になる。

なおニュージャージー州では1ヶ所目となるアマゾン・フレッシュは2022年9月にパラマス地区に39ヶ所目でオープンした店舗(30 E Ridgewood Ave, Paramus, NJ 07652)。

 アマゾンは昨年2月、当時44店舗を展開していたアマゾン・フレッシュの新規出店を凍結を発表。50ヶ所以上あったアマゾン・フレッシュの出店予定地では建設工事もストップしたのだ。

一部の出店予定地は他のスーパー等に売却され、ファサードもそのままの状態で残った未完成は「ゾンビ」と揶揄されるようになっていった。

一方、8月にはシカゴ郊外のアマゾン・フレッシュ・シャンバーグ店とオーク・ローン店を改装し、クリスピー・クリーム・ドーナツのカウンターを導入し内装も一新したのだ。

11月にはカリフォルニア州の3ヶ所(ウッドランドヒルズ店、アーバン店、パサディナ店)もクリスピー・クリーム・ドーナツ・カウンターを導入した店舗に改装。

パサディナ店は自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」からダッシュカートに切り替える大胆なアップデートになったのだ。

アマゾンは今年4月、アマゾン・フレッシュにあるジャスト・ウォークアウトを撤廃し、ダッシュカートにする方針転換を発表した。

直後にはワシントン州シアトル市内のキャピトルヒル地区にワシントンDCのローガン・サークル地区、バージニア州アーリントン地区にあるアマゾン・フレッシュをそれぞれ閉鎖した。

アマゾン・フレッシュは41店舗になり、イートンタウン店のオープンにより42店舗となる。

 アマゾン・フレッシュ・イートンタウン店がクリスピー・クリーム・ドーナツ・カウンターを導入した店舗になるのかは明らかではない。が、ダッシュカートを導入した店舗になるのは確かだ。

アマゾンはダッシュカートの外販を開始しており、他のスーパーにもスマートカートを導入してもらいリテール・メディアで広告収入等を得たいと考えているからだ。

 なおアマゾン・フレッシュでは返品に際してクーポン・キャンペーンを実施している。アマゾンでネット購入した商品をアマゾン・フレッシュで返品するとクーポンが進呈されるのだ。

「10ドル以上の買い物で2ドルオフ」もしくは「40ドル以上なら25%オフとなる10ドル引き」クーポンだ。

 アマゾンCEOのアンディ・ジャシー氏はフィナンシャルタイムズ紙のインタビューでリアル店舗展開について「私達は多くの実験を素早く行う歴史があり、チャンスを見つけたらそこに集中しているのです」と明言。

不採算店など一部を閉鎖するもののアマゾンにとってアマゾン・フレッシュはまだ発展途上であり店舗展開は今後も拡大することを確認していた。

 2021年9月の1号店オープン以来、ほぼ1ヶ月に1ヶ所以上の出店ペースを行っていたアマゾン・フレッシュは再び出店を加速させるのだろうか?

トップ画像:2022年5月にオープンしたアマゾン・フレッシュ・ラバーン店。ジャスト・ウォークアウト導入のハイブリッド型だったが、すでにダッシュカート導入店となっている。この"Just Walk Out"Tシャツが欲しい。  続きを読む
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2024年06月13日

【コストコ】、全米一の万引き店!悪いマジシャン会員に本気出されダイソン掃除機も被害?

240613レジ@コストコ00
■メンバーシップ・ホールセール・クラブのコストコでは万引きとは無縁だと思われている。なぜならコストコで買い物するには会員に加入する必要があり、個人情報を収集できる立場にある。

また年会員費もゴールド会員の60ドルとエグゼクティブ会員の120ドルと決して安くはない。気軽に加入できないほどの年会費であれば、良からぬことを考える家計の苦しい世帯を寄せ付けないのだ。

またコストコの入り口ではスタッフが常駐し非会員の入店をブロックしている。会員が連れてくる同伴客についてもコストコの会員規則で厳しく制限をもたせてあるのだ。

昨年からはさらに厳格に目を光らせるようになり、身分確認のため抜き打ちで免許証まで提示させたりする。

一部のコストコではエントランスにスキャナーを導入し会員カードの有無を徹底して監視している。

店の出口では常駐スタッフが複数人でレシートとカートにある商品を確認している。

この結果、コストコCFOのリチャード・ガランティ氏は昨年5月、(万引きを含む在庫の減少である)シュリンケージの変化はほとんどないとした。

「我々のシュリンケージに大きな変化は見られない。その点では幸運だった」とガランティ氏は決算説明会で胸を張ったのだ。

 全米小売業協会(NRF)が昨年9月に発表したデータでは集団略奪が増加していることで、すでに圧迫されていた利益をむしばんでいるとレポートしている。

盗難や商品ダメージなどの在庫ロスは2022年、総額で1,121億ドル(約17.4兆円)にも上っており前年の939億ドルから大幅に増加しているのだ。

NRFのデービッド・ジョンストン副会長は「小売店に対する犯罪が横行する中で業者は未曾有レベルでの盗難を目の当たりにしており、 状況はいっそう酷いものになっている」と述べた。

一部のアナリストは「窃盗の増加ペースが売上高の伸びを上回っている」と指摘。ディックス・スポーティング・グッズやファイブビロウ、ダラーゼネラル、TJX等の大手チェーンストアも決算声明で組織的犯罪集団による略奪が急増していると警鐘を鳴らしていた。

ターゲットのCEOであるブライアン・コーネル氏は昨年5月、「将来を見据え、私たちは今年の収益性が前年に比べて5億ドル以上減少すると予想しています」とし「在庫の縮小には多くの潜在的な要因がありますが、盗難や組織犯罪がこの問題の重要な要因となっています」と述べた。

そしてターゲットは窃盗犯罪による損失を抑えるために4州に展開する9店舗を閉鎖した。

チェーンストア最大手のウォルマートも不採算店を理由に2019年以降、150ヶ所の店舗を閉鎖しているのだ。売上不振の不採算店というよりも盗難が多すぎて採算が合わないという意味となる。

ウォルマートCEOのダグ・マクミラン氏は2022年12月、万引きの多さから閉店も辞さない考えを示していたからだ。

 "万引き天国"の米国で特別区になるコストコでも場所によっては万引きから逃れられないところもある。

巨大掲示板のレディット(Reddit)でスタッフルームに貼り出された「2024年度トップ・シュリンケージ・アイテム(Top Shrink Items of FY24)」の画像が掲示され議論を呼んでいる。

万引き等で盗まれた商品に金額まで表示しているのだ。この画像はニューヨーク市マンハッタンに唯一あるコストコ内で撮影されたもの。

このコストコがあるイースト・ハーレムの「イースト・リバー・プラザ(East River Plaza)」は昨年10月までターゲットがあった場所だ。

万引き多発により昨年10月21日に閉鎖したターゲットの隣に、問題のコストコがある。

このことから600店以上あるコストコでもトップクラスの高シュリンケージ店だと推測できるのだ。

トップ・シュリンケージで目を引くのは450ドルのダイソンのコードレス掃除機だ。コストコ・イースト・ハーレム店では6210ドル(約96万円)分となる14台のダイソン・コードレス掃除機が万引き等で紛失した。

1ヶ月に1台強は他のチェーンに比べればかなり少ないとはいえ、あの厳格なチェック体制をどのように突破できたのか不思議でならない。

また大きな商品では23ドルのカークランド・ペーパータオルも5021ドル分がやられている。

12本のペーパータオルが入った商品は218個分に相当。1週間で4個の割合でペーパータオルが紛失していることになる。

この2つ以外は万引きされやすそうな小さいものが目立つ。

32ドルのジレット替刃が6,189ドル(193個)、デュラセル乾電池で21ドルの単3が3,527ドル(168個)と単4が2,916ドル(139個)、24ドルのビタミンD3が1,694ドル(71個)、25ドルのマルチビタミンが3,407ドル(136個)との紛失額になる。

 シュリンケージなのでレジ係りのスキャンミスなども含まれ必ずしも全てが盗難で紛失にはならないが、会員でも手癖の悪いスティッキー・フィンガー(sticky finger)がいるのだ。  続きを読む
2024年06月12日

【アマゾン】、ダッシュカート導入Amazon Freshが27店に!ストアマップで利便性が向上?

240612ダッシュカート@アマゾン・フレッシュ
■ネット通販最大手のアマゾンは10日、クラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のブログで同社が開発したスマートショッピングカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」についてアップデートした。

アマゾンは4月、ダッシュカートを他社のスーパーにも外販展開していくことを発表。

同社の食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」にある自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を撤廃し、代わりにダッシュカートを導入することも公表している。

日本ではAIレジカートとも呼ばれているスマートショッピングカートは端末とスキャナーやセンサー等を搭載したショッピングカートで、買い物の利便性を高めることを目的にしている。

セルフレジ機能を搭載したスマートカートを使って買い物することでレジ待ち行列やレジ付近の混雑を解消する。カート上でユーザーが会計も行うことで食品スーパーの課題である人手不足も緩和できるのだ。

AWSブログではダッシュカートの外販用に「リピーターが増加し、お買い物支出額10%増」と紹介している。

ダッシュカートの「満足度98%」や「リピーター率80%」、そして「買い物支出額10%増」はアマゾンの自社データからはじき出された数値であり、以前から明かされていたもの。

ダッシュカート第2世代の画像に各パートの特徴まで描写しているのだ。

アマゾンは今年1月からダッシュカートをアソシエイテッド・ホールセール・グローサーズの加盟スーパーでテストを開始。

ミズーリ州とカンザス州に展開するマキーバーズ・マーケット(Mckeevers Market)とプライスチョッパー(Price Chopper)の5店舗が3月末からダッシュカートの専用ページに表示されている。

またダッシュカートを導入したアマゾン・フレッシュは昨年夏までは16店舗(当時の全店舗数は44店舗)だったが、カリフォルニア州パサデナ店やラバーン店にも導入され現在までに27店舗への導入となっている。

全41店となるアマゾン・フレッシュではほぼ1〜2週間ごとにジャスト・ウォークアウトから改装してダッシュカートに切り替えている。

 AWSブログで紹介されているダッシュカートの特徴にはまだアップデートされていないフューチャーもある。

スクリーンのホーム画面の左側には「買い物リスト(Shopping List)」「セール品(Sales & Deals)」等のタブがあるのだが、筆者はまだ「ストアマップ(Store Map)」を確認できていない。

ストアマップとはダッシュカート第2世代から搭載された機能でスクリーン端末上にあるカメラが天井にある幾何学模様のコードを読み取り、カートの現在位置をストアマップで表示する。

スクリーン上にストアマップを表示しセール品などのロケーションを表示することで商品へのアクセスが容易になる。

買い物リストからナビゲーションも可能になるのだ。ストアマップによりダッシュカートの分かりやすいUIがさらに利便性を増すことになる。

ダッシュカート2.0とも呼べる2世代目バージョンは初代から大幅に軽量化がされている。

バスケットの容量も初代より約2倍に拡大しているのだ。これまでは買い物袋が2つだけしか入らなかったが新カートでは4袋も搭載できる。

バスケットの下には通常のショッピングカートのような棚が設けられており、ビールケースなどのかさばる商品も置けるようにも工夫されている。

スキャナーやスクリーン等を内蔵するデバイスの下にも、バッグなどの所有物が収納できるスペースが設けられている。

最新のダッシュカートは屋外にもだせるよう全天候型に改良されているのも初代と異なる特徴。風雨に耐えられるほか、重量のあるものをバスケットに落下させるなど10万回に及ぶ耐久テストも行っており、これまで以上に頑丈にデザインされている。

オリジナル・バージョンではダッシュカートを店の外に持ち出そうとするとスタッフから注意されたり、出口でロックがかかる仕組みでクルマのところまで行くことができなかったのだ。

 AWSブログにダッシュカートを掲載するのは外販に力を入れたいことでもあり、プライスチョッパー5店舗からスケールできていないことも意味する。  続きを読む
Posted by usretail at 01:21Comments(0)スーパーマーケット
2024年06月11日

【ウォルマート】、ネットスーパー含むECが2年で黒字化!ネットワーク効果で儲けろ?

240611ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートは7日、傘下でメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブがEコマース事業部で黒字化を達成していることを明かした。またネットスーパーを含めウォルマート本体のEコマースも早ければ2年以内で黒字化することに言及した。

アナリストとの質疑応答セッションでウォルマートCFOのジョン・デビッド・レイニー氏が直近でデリバリーコストが大幅に改善したことを理由に黒字化の根拠を挙げたのだ。

ウォルマートではEコマースとブリック&モルタル(店舗)がどんどん融合していることでセクションごとの収益分析が難しくなっているものの「計画期間内の数年中に、黒字化できることが見えています( I think within the planning horizon over the next couple of years, we can see that we have the potential to be in the black there)」と述べたのだ。

ウォルマートではEコマース事業が8四半期連続して二桁成長している。

ウォルマートのEC売上高前年同期比率は2022年5月〜7月期の第2四半期の12%増から、16%増、17%増と推移。2023年の第1四半期の27%増から24%増、24%増、17%増となり直近の今年第1四半期の22%増まで8四半期の平均伸長率は20%となっているのだ。

ウォルマートのEコマースを支えているマーケットプレイスであり、カーブサイド・ピックアップや宅配サービスのネットスーパーだ。

生鮮品を含むネットスーパーでは朝から夜まで利用時間帯を拡大しており、これまでウォルマートで買い物しなかった富裕層まで引きつけている。

Eコマースの利用者が増えれば、集まってくるのがウォルマート・マーケットプレイスに出品する業者だ。

マーケットプレイスが扱う品目数が増えれば価格も抑えられて、さらにネット集客できるため「はずみ車(Flywheel)」効果が働いていく。

言い換えればウォルマートのネットスーパーが強力なネットワーク効果を構築する武器になっているため、利益が出やすい体質に変わってきているのだ。

またマーケットプレイス業者の一部が納入を早める際にコスト負担をシェアしていることも黒字化を助けている。

 ここで筆者が強調しておきたいのは、日本のチェーンストア展開では現在からの延長線上にウォルマートがいないということだ。

日本のチェーンストア経営者の中には「売り場とは小売業にとっての唯一の収益実現場所」だとしている。

こういった古くなったチェーンストア理論にしがみついていれば、大衆が手にするスマートフォンを小売業のディスラプター(破壊者)とは考えられないかもしれない。

しかしゲームチェンジャーというのは多くの場合、予想もしえない場所から生じる。小売では従来型チェーンストア理論を覆す形で生まれるのだ。

スマートフォンがあらゆる産業を再定義している。スマートフォン・アプリは買い物の仕方さえ変えラスト・ワン・マイルも再構築されているのだ。

いつまでも店の売り場を顧客との唯一無二のタッチポイントと囚われていればウォルマートのようにオムニチャネル化をすすめる企業には勝てないことになる。

とくにネットワーク効果を知らずして生き残りはできない環境になりつつある。多くの人が利用すればするほどサービスや商品の価値が高まり成長も加速するネットワーク効果を自社に取り入れなければ顧客からそっぽを向かれブランド価値まで毀損する。

顧客はいつも便利なもの(サービス)を求めているからだ。  続きを読む
2024年06月10日

【ウォルマート】、アプリに生成AIを実装中!「どうせお前こんなん好きやろ」はダメ?

240610ウォルマート・アプリ
■日本の大手チェーンストアでは、生成AIなどのイノベーションもお店の売り場に導入するものと思い込む傾向だ。

「小売の現場は店の売り場」という偏った思いが強すぎるのだ。したがってお客とのタッチポイントは店しかないという囚われた考えになる。

一方、アメリカでは顧客の旅となるカスタマージャーニーでお客の行動の流れで捉えようとする。お店での購入は一つの接点でしかないのだ。

したがって流通イノベーションもいかにカスタマージャーニーにナチュラルに組み込むのかに集約されるのだ。

具体的にいえば日本では小売とITの融合も売り場でのスマートカート等に限定されたりする。

アメリカでは売り場のスマートカートだけでなく、生成AIなどのイノベーションはカスタマージャーニーに組み込むのだ。

最もわかりやすい事例がチェーンストア最大手のウォルマートだ。ストアアプリに生成AIを導入しているウォルマートは6日、直近のAI実装の進捗状況について言及した。

ウォルマートは現在、自然に流れるように会話できるAI接客をアプリで試みている。アプリでテストしているのは「生成AI活用ショッピング・アシスタント(Gen AI-powered shopping assistant)」だ。

アプリの検索窓に「いつもサッカーを見るけど、どのテレビを買えばいい?(What kind of TV should buy?I watch a loto of soccer)」と入力。

すると「わかりました。サッカー観戦でテレビを選ぶポイントは以下の通りです(Got it! For Watching soccer. here some key things to keep in mind when choosing a TV:)」とあり リフレッシュレートやレゾリューションなど専門用語に分かりやすい解説を教えてくれるのだ。

さらに「こちらがお客様にピッタリのテレビです(Here's TVs that would be a great fit for you:)」とベストセラーやセール品などのテレビをサジェスチョンしてくれるのだ。

生成AI活用ショッピング・アシスタントでは他に「テレビを置く際、部屋の証明はどうすればいい?(How is the lighting in the room where you'll place the TV)」に「五歳児のちょうどよいプレゼントは何?(What's the ideal present for a 5 year old?)」など質問できるのだ。

生成AIは利用されればされるほど時間の経過とともにより高度な機能へチューンアップする。

最終的には信頼できる接客スタッフとして更新されるようになり、生成AIもシームレスにカスタマージャーニーに組み込まれることになるとウォルマートは期待しているのだ。

しかし行き過ぎると問題も発生しやすい。

生成AIではユーザープロファイリングとしてお客の購買履歴や好み、行動に基づいてプロファイルを作成し商品提案するのだが、プライバシーの問題に直面することがある。

プロファイリングからAIがお客にリアルタイムで商品を提案しても逆にお客から「なぜ自分の趣味・好みを熟知しているのか?」と不審がられてしまうことになる。

あくまでもお客からの問い合わせに対応する形で生成AIを機能させなければならないのだ。

購買・閲覧履歴から深層学習して「どうせお前こんなん好きやろ」と見透かされている商品サジェスチョンは不快になるということだ。

 かりに「港区女子にはどんなプレゼントが好まれる?」と質問したことで生成AIが「港区女子を相手にする人」→「企業のトップもしくはお金持ち」→「年齢高め」→「モテない」→「ぶさいく」とミリセカンドのディープラーニングで加齢臭対策グッズを提案するようになるかもしれない。

 米国流通では生成AIもお店ではなく顧客の生活の一部としてパーソナライズされるように導入しようとしているのだ。  続きを読む
2024年06月09日

【ウォルマート】、アプリにドローン宅配を統合!エベレスト清掃中の野口氏に熱燗を空輸?


■チェーンストア最大手のウォルマートはテキサス州ダラス地区でドローンによる宅配サービスを拡大しているが、本格的なスケールフェーズに入ったようだ。

ウォルマートは6日、ドローン宅配のオプションを同社のアプリに統合すると発表した。

ウォルマートは今年1月、テキサス州ダラス・フォートワース都市圏にある75%の世帯にドローン宅配を開始することを明かし、対象世帯数を180万世帯にまで拡大するとした。

ウォルマートはドローン宅配でIT大手アルファベット(グーグル)の関連企業のウイング(Wing)と2014年創業のジップライン(Zipline)と提携。

これらのスタートアップと提携しウォルマートのドローン宅配実績はすでに3万件以上となっている。

ところがウォルマートのドローン宅配は現在ウイング機の場合、ウイング・アプリから行うことになる。またジップラインならジップラインのアプリを介してのネット注文だ。

今月末から空輸対象地域に住む住民はウォルマート・アプリからシームレスに注文できるようになる。

注文方法の詳細は不明だが、ウォルマート・アプリで生鮮品を含む食品などドローン宅配の対象品目を注文するとオプションとして空輸を選択できるようになるようだ。

わざわざドローン・メーカーのアプリを立ち上げサイン・アップやサインインの手続きの必要がなくなる。

手間なくストレスフリーで注文から30分程度で急ぎの品などを空から受け取れるのだ。

ウォルマートは4月29日現在、テキサス周辺にある4つのスーパーセンターからドローン宅配をおこなっている。

一つは昨年8月にウイングと提携して空輸を行っているフリスコ店(8555 Preston Rd, Frisco, TX 75034)。

スーパーセンター・フリスコ店はダラス中心地から北に28マイル(約45キロメートル)のところにある。

ダラスから北西に26マイル(約42キロメートル)にあるスーパーセンター・ルイスビル店(801 W Main St, Lewisville, TX 75067)からもドローン空輸が行われている。

ドローン宅配の3店舗目、4店舗目はダラス・フォートワース国際空港近くのノース・リッチランド・ヒルズにあるスーパーセンターだ。

一つは州間高速道路820号線沿いにあり隣にはサムズクラブのあるスーパーセンター(6401 NE Loop 820, North Richland Hills, TX 76180)だ。

もうひとつは広い駐車場を挟んでターゲットと対峙するスーパーセンター(9101 N Tarrant Pkwy, North Richland Hills, TX 76182)となる。

いずれも近隣に大手チェーンの競合店が揃うほど周囲は住宅街に囲まれており、空輸対象地域は6マイル(約10キロメートル)圏内。

ウォルマートによるとウイングとジップラインの2社は連邦航空局(FAA)から目視外飛行(BVLOS:Beyond Visual Line of Sight)の認可を受けている。

有人地帯の完全自律・自動飛行によるBVLOSが可能になったことでダラス・フォートワースのような広域に及ぶドローン宅配が可能となっているのだ。

 ウォルマート・アプリに新たなサービスが統合するのは4年前のグローサリーアプリ以来となる。

コロナ感染拡大による外出禁止令がでる直前の2020年3月初め、ウォルマートは当時"オレンジアプリ"と呼ばれていたネットスーパー用のグローサリーアプリと"ブルーアプリ"のメインのアプリの統合をしたのだ。

買い物によってアプリを切り替える必要がなくなり、継ぎ目のないシームレスなショッピングがウォルマート・アプリ一つでできるようになったのだ。

コロナ禍によるネットスーパー需要の急拡大も追い風となりウォルマートのネットスーパーは急成長した。ウォルマートのEC成長率が直近の8四半期で20%となる熱狂ぶりを呈している。

ウォルマートのサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart+)」の会員特典にする前、スキャン&ゴーは別のアプリとして提供していた。

お客が商品バーコードをスキャンしながら買い物する機能もプラス特典としてメインにアプリに統合されたのだ。

 ドローン宅配もメインのアプリに統合されたことで、ウォルマートはダラス以外の都市圏にも空輸サービスをスケールさせるのだ。

トップ動画:ウォルマート・スーパーセンターの駐車場にあるハブから飛び立つウイングのドローン。  続きを読む
2024年06月08日

【ウォルマート】、電子棚札を2,300店で導入!変動価格EDLPへゲームチェンジャー?

240608DPL@ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートは6日、商品の店頭価格を表示するプライスカードを廃止してデジタルの電子棚札(デジタル・プライス・ラベル:Digital Price Labels:DPL)を導入することを発表した。

DPLの導入により商品補充にネット注文品のピッキングなど作業効率を大幅にアップする。

ウォルマートによるとフランス資本でIoTソリューションを提供するビュジョングループ(Vusion Group)と提携した電子棚札を2026年までに2,300店舗に導入する。

同社は現在、全米で約4,600店舗を運営しており、そのうち3,500店舗以上となるスーパーセンターでは約12万アイテムの商品を取り扱っている。

プライスカードの価格をアップデートするのに2日かけているところをDPLにすることで、スタッフ用モバイルアプリ「ミー@ウォルマート(Me@Walmart)」を介して数回クリックするだけで2分以内に価格を更新できるという。

またウォルマートのDPLにはフラッシュライトが搭載されており「ピカっと補充(Stock to Light)」機能により補充が必要な商品を迷うことなく見つけることができるのだ。

ネットスーパー用のピッカー向けにも「ピカっとピッキング(Pick to Light)」機能で、スピーディ且つ間違いなく注文品をピッキングできるようになっている。

ウォルマートは先月末、留守宅の冷蔵庫に宅配する「インホーム・デリバリー(InHome Delivery)」のサービス対象地域を拡大することを発表しており、ピッキングでも効率化の向上を目指しているのだ。

ウォルマート広報担当によるとウォルマートは通常、週単位で価格更新を行っているがDPLを導入することで一晩で表示価格を更新できるどころか即座にアップデートも可能だ。

つまり料金を商品やサービスの需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略を「ダイナミック・プライシング(Dynamic Pricing)」も店内で実現可能になるのだ。

 日本語では「動的価格設定」「変動料金制」「価格変動制」とも呼ばれるダイナミック・プライシングはホテルの料金や航空券の価格に反映されている。

一般的に旅行業界では「シーズン」という概念があり、「オン・シーズン(繁忙期)」と「オフ・シーズン(閑散期)」の価格差が昔から存在している。

日本の場合であれば、4月末から5月頭のゴールデンウィークに8月のお盆、クリスマスから年末年始にかけてがオン・シーズンになり、ホテルや航空券の利用料金が高くなる。

他にも野球などのプロスポーツ競技に音楽ライブのチケット、ユニバーサル・スタジオやディズニーランドなどのテーマパークの入場券も価格変動性を取り入れられている。

アメリカで日常的に目にするダイナミック・プライシングといえば、配車サービスのウーバー(Uber)やリフト(Lyft)がよく知られている。

配車サービスは従来のタクシーよりも安価に利用できることからアメリカでは爆発的に利用者数を伸ばしている。

同時に2014年の夏頃からは「サージ・プライシング」と呼ばれるダイナミック・プライシングも導入。

サージ・プライシングでは地域別に利用動向をリアルタイムでモニタリングし、需要(利用者)が混み合っている時間には基本料金に割増料金の倍率(サージ乗数)が掛け合わされる仕組みになっているのだ。

その設定はウーバーのシステムが各地域の求車状況をモニタリングすることにより秒単位で変動していく。

一部に課題があるもののウォルマートもダイナミック・プライシングに挑戦可能となる。

少なくとも例えば天候不順でお客が少ない平日の夕方にデリ商品等を"店長スペシャル"でセールもできるだろう。

店長は仕入れ商品についてある程度の決定権を持ち、売り上げを伸ばすために工夫をこらすことができる。

大量に仕入れるも売れ行きが悪い場合など店長が独自の判断で価格を工夫することによる売上増進も図れるのだ。

 ウォルマートのEDLPにダイナミック・プライシングを組み合わせることが可能となればまさに流通業界のゲームチェンジャーになる。

トップ画像:テキサス州グレープバイン地区にあるスーパーセンターに導入された電子棚札(デジタル・プライス・ラベル:Digital Price Labels:DPL)。補充やピッキングの作業でDPL左側のライトがフラッシュするようになっている。


ウォルマートDPLのニュース用動画。補充やピッキングでDPLがピカッと光っているのを確認できる。  続きを読む
2024年06月07日

【ウォルマート】、店長の年収が8,000万円!気絶しそうな年俸はアプリを使わせたから?

240607ウォルマート
■ニュースサイトの日本語版ブルームバーグは3日、「ウォルマート店長、年収50万ドル超えも夢じゃない−離職阻止で大改革」という記事を掲載した。同記事では高かった離職率を削減するためにチェーンストア最大手が行った大改革を取り上げている。

最大53万ドル(約8,330万円)の年収を稼げることが可能となった店長の「年俸を知ったときには(驚きすぎて)気を失いかけた」という言葉を紹介しながら、ウォルマートの生産性アップの秘密を紹介しているのだ。

テキサス州グランドプレーリー地区のスーパーセンター店長のグレッグ・ハーデンさんは週6日働き、早い時間には午前5時から店に入り毎日10時間の勤務を続けている。

ウォルマートは2010年代後半から管理職を削減し、残った人がより多くの仕事と長時間労働を強いられたことで離職者が増加した。

しかしウォルマートは大改革を行い離職率が大幅に低下した。ハーデンさん等の店長はその違いを「夜と昼ほども違う(It's been night and day)」と表現しているほどだ。

離職率の低減にウォルマートは何をやったのか?それは従業員用にアプリ「ミー@ウォルマート(Me@Walmart)」を導入したのだ。

スタッフ用アプリを導入し、便利な機能を増やしたことで従業員の「スキル(技術)」と「ウィル(意志)」の大幅な改善に成功したのだ。

何をやったのかの詳細は記事を読んでいただくとして、一言で言えばアプリは働き方さえもパーソナライズしたのだ。

ウォルマートはここ10年でストアアプリを導入し常にアップデートしていた。データを活用しながら買い物をパーソナライズできるようにしたのだ。

買い物のパーソナライゼーションが功を奏して2014年8月〜10月期から39四半期連続で既存店ベースが前年を上回る快挙を成し遂げているのだ。

またネットスーパーを含むEコマース売上高は8四半期連続で二桁成長し、平均伸長率は20%にも及んでいる。

パーソナライゼーションを身近にあるものに例えればカーシートがある。クルマのシートは運転手の背丈に合わせて、前後にスライドさせでき、高さを上下し、背もたれの角度も自由に変えられる。

ヘッドレストの高さや角度も微妙に変えられる。ハンドルの向きや高さにドライバーとの距離も細かく調整できる。正しく運転できるようにミラーの角度も自由自在だ。

シートベルトも苦しくないように調整できる。これらは標準の機能となる。最近ではシートが暖かくなったり、冷たくなったり、背もたれのサイドが膨れて包み込むようにもできる。

マッサージ機能も付きマッサージの種類も腰痛持ちに合わせて変化も自在だ。バックモニターも一般化されるだけでなく、ドライバーが死角をつくらないよう「360度モニター」も定番化しつつある。

一人ひとりの体重や体型に合わせてシート自体が変形する機能も装備されるだろう。

買い物のパーソナライゼーションとはカーシートのようにその人にあった買い物を提供することになる。

いわば買い物客の"クセ"をデータとして活用し、アプリなどに反映しているのだ。それをウォルマートは働き方にも応用し、技術が向上し、やる気もましたのだ。

はずみ車(フライホイール)のようにアプリを介したデータ活用による生産性向上で、売上高も飛躍的に上がれば従業員へ賃金として還元も可能となる。

アフリカ系米国人のハーデンさんが気を失いかけるほどの報酬を店長を含め従業員に支払えるのだ。

データ活用は新たなはずみ車を回そうとしている。

データ事業部のウォルマート・ルミネート(Walmart Luminate)は4日、食品メーカー等のサプライヤーに顧客データをシェアすることを発表したのだ。

データ共有はこれまでのような売上高や利益率等ではない。なんと顧客が商品を購入する前のデータだ。

ウォルマートのデジタル・ランドスケープ(Walmart Digital Landscape)は提携するサプライヤーに顧客のプライバシーを保護しながら「顧客をどうやって製品を探したのか?」「いつ見つけたのか?」「他と比較したときの行動は?」「購入するまでの過程はどうだったのか?」と購入前の消費者行動データをシェアする。

購入前のデータ共有で食品メーカーなどは自分たちの顧客行動を知ることになり、例えば販促などのマーケティングに生かせるようになる。

サプライヤーが顧客を熟知すればより効率的な広告を出稿でき、ウォルマート・コムでも商品スポンサーをしやすくなる。

ウォルマートのデータ活用で従業員や店長だけでなく、取引先も生産性を向上できるのだ。

 アプリをアップデートしたことでウォルマート店長には「アメリカン・ドリーム」がもてるようになった。取引先も夢を持てるようになったのだ。


ウォルマート店長が最大で年収8,330万円を稼げる、という記事がブルームバーグにアップした直後にウォール・ストリート・ジャーナルがアップした「Why Japan’s Economy Is So Fiercely Inefficient(日本経済はなぜ激しく非効率なのか?)」動画。はんこにFAXを具体事例にあげながら、日本人の細かすぎる「こだわり」が非効率化を招いていると指摘している。  続きを読む
2024年06月06日

【ロウズ】、大手チェーンがApple Vision Pro利用!キッチンデザイン1on1セッション?

240606アップル・ビジョン・プロ@ロウズ
■ホームセンター大手チェーンのロウズが3日、アップルが発売した複合現実(MR:Mixed Reality)デバイス「アップル・ビジョン・プロ(Apple Vision Pro)」を使ったキッチン・デザインのセッションを期間限定で開催することを発表した。

あくまでも実験的なセッションとしているものの空間コンピューティングを利用した革新的サービスは、大手チェーンストアでは初となる試みだ。

頭に装着するゴーグル型端末のビジョン・プロは現実の空間と仮想空間を融合させるMR端末で、目や手の動きだけで操作できるのが特徴。

世界初となる空間オペレーティングシステム「ビジョンOS(visionOS)」を搭載し、ユーザーのいる空間に映像や写真、ゲームといったデジタルコンテンツをあたかも物理的に存在しているかのように三次元でリアルに映し出す。

アップル・ビジョン・プロは今年2月に米国内のみ販売され、日本を含むその他の国や地域では2024年後半からの販売を予定。直感的な操作と没入感を生むパススルー機能を実現したデバイスの価格は3,499ドル(約54万円)〜となっている。

ロウズではアップル・ビジョン・プロを理想的なキッチンのデザイン・デバイスとして利用する。

ロウズは今年2月、ビジョンOS用に「ロウズ・スタイル・スタジオ(Lowe's Style Studio)」をリリースしており、同アプリを利用して専任スタッフと1対1となる1on1(ワン・オン・ワン)セッション形式にて行う。

無料のロウズ・スタイル・スタジオ・インストア・セッションでは時間が一人45分間のみと制限され(午前11時〜午後8時まで)事前のアポ予約が必要となっている。

ユーザーはアップル・ビジョン・プロを装着し専任スタッフからの指示を基にプリセットされているスタイルを利用しながら理想的なキッチンをデザインしていく。

したがってユーザーが所有する既存キッチンからデザインしていくというものではなさそうだ。

アップル・ビジョン・プロでデザインした、いわゆる「ドリーム・キッチン」はPDF等にしてメールやエアドロップを介して家族・知人、さらにデザイナーや施工業者などのコントラクターともシェアできるようにもなっている。

同セッションを行う日時と場所は6月8日〜12日までがノースカロライナ州セントラル・シャーロット店、6月22日〜25日までニュージャージー州ノースバーゲン店とカリフォルニア州サニーベール店の3店舗となっている。

 ロウズは10年前、拡張現実(AR:Augmented Reality)を応用したリフォーム・シュミレーションの「ホロルーム(HoloRoom)」を発表している。ホロルームは、ARマーカーが床と壁に記された6メートル四方の小部屋だった。

ユーザーはタブレットなどのコンピューター端末で部屋の大きさやデザイン、インテリアを指定した後、ホロルームでリフォーム後の映像をタブレット上に3Dで再現して確認できるというものだったのだ。

また、専用アプリとプリントアウトしたARマーカーを使うことで、ホロルーム以外での場所でもシュミレーションを可能としていた。

ホロルームはリフォーム後の部屋の様子を様々な角度から確かめながら調整することで、ユーザーイメージとの差異を最小限にするのが狙いとなっていたのだ。

2016年にはマイクロソフトと提携しゴーグル型デバイス「ホロレンズ(Hololens)」で3D映像を現実に重ねる拡張現実(AR:Augmented Reality)を発表した。

同テストは顧客にホロレンズを装着してもらい、キッチンのキャビネットやカウンタートップ、アイランド、冷蔵庫などキッチン大型家電、バックスプラッシュ(シンクの奥にある汚れ防止の壁)などを自由に変更しながらリフォーム後のキッチンの様子を3Dで確認してもらうというもの。

ホロレンズでシュミレーションしたキッチン映像はオンラインでも共有可能となっていた。ホロレンズはリフォーム後のキッチンを見せながら、サイズや形状、カラーなどを様々なアングルで調整することで、イメージとの差異を最小限にするのが狙いとなっていたのだ。

ロウズのイノベーション開発事業部「ロウズ・イノベーション・ラボ(Lowe Innovation Labs)」がこういった知見を得ながら部屋測定ツール「メイジャー・ユア・スペース(Measure Your Space)」等、革新的なアプリ機能もリリースしている。

 あくまでも場所や期間も限定されたテストイベントだが、アップル・ビジョン・プロの進化により将来的には空間コンピューティングによるリフォーム需要を喚起する考えだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:43Comments(0)ホームセンター
2024年06月05日

【AI調理ロボ】、再び挑戦者現る!もハイテクレストランの問題点は飲食店経営が素人?


■「未来のレストラン」「無人(ファストフード)レストラン」「日本にも進出しヒット確実」等と7〜8年前、日本のメディアで話題になっていたファスト・カジュアルの「イーツァ(Eatsa)」があった。

2015年に1号店をオープンしたイーツァは注文から決済、受け取りまで全てセルフサービスで行われ、スタッフと接することなく全てが完結するロボットレストランで話題になっていたのだ。

メニューはキヌアをベースとし肉を一切使用しないヘルシーで低カロリーなサラダボウルが中心だった。メインメニューの価格は一律7.95ドル(初期は6.95ドルだった)となっていた。

革新的・画期的ともいえるイーツァは一時期8店舗まで増やしたものの人気は続かず、オープンから1年と持たずに次々に閉店していった。

サンフランシスコ市内の2店だけとなったがこちらも続かず、2019年7月には最後の店舗も撤退となったのだ。

イーツァの失敗に懲りずロボットレストランはいくつかオープンしているが、2022年8月も新たなロボットレストランが開業した。

スタンフォード大卒のエンジニア3人が創業者となりプロのシェフと共同で作ったのがロボットレストランの「メズリ(Mezli)」だ。

巨大自販機のようなメズリはサンフランシスコ市内にある屋台村「スパーク・ソーシャル」にデビュー。

キッチンカーと並んでオープンしたメズリは無人というだけあって、全く人の手を介さないことをウリにしていたのだ。

コンテナの外観に3つのタッチスクリーンが搭載されたメズリは「メディテレーニアン・グレイン・ボウル(Mediterranean grain bowls)」を提供していた。日本語メニューで訳すれば「地中海風穀物どんぶり」になっただろうか。

メディアが報じた内部の調理映像を確認すると、四角い容器に玄米?などの穀物がパラパラと注がれ、その上にトッピングのようにチキンやラム肉、炒めた野菜等が落とされていく。最後にソースがかけられるという具合だ。

どんぶりでもカスタム注文で食材を色々と変えることで6.5万種類のメニューを提供できるというのだ。またロボットによる調理なので1時間に75食もできていた。

ポテトチップスなどのサイドや飲み物もオーダーでき、注文はタッチパネルで行う。支払いはクレジットカードのみ。

決済し料理ができがるとコンテナの横にある窓口から受け取るのだ。価格は6.99ドル〜と人を介していない分、コストがかからずかなり抑えているのがわかるだろう。

 優れたイノベーションにもかかわらずロボットレストランはどうもうまく行かない。メズリもメディアから興味深く注視はされていたものの、コストを上回るだけ集客できるのかという問題があった。

イーツァは結局、家賃を払えず撤退となった。原因はお客が来ないからだ。

当初は珍しさから利用者を集めるが贔屓するお客はいない。ロボットレストランはサステナブルなビジネスモデルでないため、コストを回収できず続かない。

 筆者は一度、イーツァを利用したことがあるが1度食べれば十分という感想だった。人もしくはロボットにかかわらず作っている様子を確認できなければ、美味しさを感じないという印象だ。

中が見えないブラックボックスとなるメズリもイーツァと同じような運命をたどるような気がしてならなかった。

果たしてメズリもイーツァと同じ命運となった。いつのまにか撤退し同社のホームページも閉鎖されていたのだ。

 そんな中、ロサンゼルス近郊のパサデナ地区にAIレストラン「カリエクスプレス・バイ・フリッピー(CaliExpress by Flippy)」が昨年末から営業を開始した。

フライドチキンを含め揚げ物を専門に調理するロボ開発のスタートアップ、ミソ・ロボティクス(Miso Robotics)がロボットアームが動かしてハンバーガーを焼くロボ業態だ。

コンピュータービジョンを持ったAIロボットがフライドポテトやオニオンリングを揚げるだけでなく、ハンバーガーをグリルする。ただしハンバーガーは焼くだけでバンズや野菜を挟んだりするのはスタッフが行う。

同レストランでは注文はキオスクで行いキャッシュレスというのも特徴となる。

失敗したイーツァにメズリなどの事例があるものの、ロボットレストランへのチャレンジはまだまだ続いていると言えるのだ。

トップ動画:NBCニュースが報じたロボットアームでハンバーガーを焼くAIレストラン「カリエクスプレス・バイ・フリッピー(CaliExpress by Flippy)」。調理ロボ開発のスタートアップによるハイテクレストランの問題点はシンプルに飲食店経営に慣れてない?  続きを読む
Posted by usretail at 00:49Comments(0)その他
2024年06月04日

【トレーダージョーズ】、LA郊外に新規8店!翻訳アプリでニュースレターを読み込め?

240604トレーダージョーズ
■42州に550店を展開するトレーダージョーズが南カリフォルニアに新たに8店舗を出店することがわかった。

オープン日等のスケジュールは明らかにしていないが、ロサンゼルス郊外モンロビアに本社を置くトレーダージョーズは地元での足場をさらに強固にする。

出店となるのはロサンゼルス群内にあるサウスパサディナ、ノースリッジ、シャーマンオークス、サンタクラリタ。

またロサンゼルス郊外でオレンジ郡のラデラランチ地区にリバーサイド郡のムリエタ地区も含まれており、さらにサンディエゴ郊外のパウウェイやサンティーにもそれぞれ出店する。

南カリフォルニア以外ではフロリダ州やネバダ州、ニューヨーク州、テキサス州にも出店を予定しており明らかになっているロケーションは24ヶ所に及んでいる。

トレーダージョーズは年間で30〜35店舗を新規出店していることが知られているため、それほど多くはない。

ただトレーダージョーズは以前にも増して出店する風向きになっている。一つはコロナ禍以降に撤退する大手チェーンストアが増え出店候補先が増えていることだ。

例えばサウスパサディナ地区はアルバートソンズ傘下のボンズの跡地に出店、ラデラランチもオフィススーパーストアのステープルズの跡地、ムリエタもオフィスマックスの跡地だ。

ショッピングセンターなど不動産業者にとって空きテナントをそのままにしておくのは無駄になるため、集客力のあるトレーダージョーズに出店してもらいたいとの思いも強いのだ。

実際のお客からの出店要望も少なくない。なぜなら頑固なインフレにより食品価格を含め生活費が上昇しており、トレーダージョーズのようなプライベートブランドが8割以上を占める食品スーパーが重宝しているのだ。

ナショナルブランドに比べてPB商品はそれほど値上げしていない。PB以外でもトレーダージョーズの値上げはそれほど目立たない。

一方で20年以上も価格を変えなかった人気青果物をついに値上げしたと逆にニュースになるほどだ。

1本19セントのバナナを今年3月、23セントにしたのだ。4ペニー高くなったのだが、値上げ率にすると21%になる。20年以上にわたりトレーダー・ジョーズではバナナを値上げしなかったという。

しかしトレーダー・ジョーズの広報担当者は大手メディアに「費用が変わったときにのみ販売価格を変更しています」とし「バナナの価格は20年以上1本19セントに据え置いてきましたが、価格変更が必要なポイントに達しています」と説明していた。

他者はもっと値上げをしていることもあり、トレーダージョーズの価格は消費者に良心的に映るのだ。

トレーダージョーズは出店方法について社長でCOOのブライアン・パルバーム氏は「地域住民からのリクエストにディストリビューションセンターとの距離、そして商圏が重要」と述べている。

新規24店舗のうち8店舗が南カリフォルニアが占めているのはサプライチェーンで有利なところもある。

またトレーダージョーズが積極的に出店するのはビジネスモデルにも起因している。

トレーダージョーズのコアバリューは「誠実さ(Integrity)」「商品力(Product Driven Company)」「カスタマーサービス(Wow customer service)」「非官僚主義(No bureaucracy)」「カイゼン(Kaizen)」「実店舗こそブランド(The store is our brand)」「私たちは全米に展開する近所のスーパー(We're a national chain of neighborhood grocery stores)」と7つある。

顧客から頻繁にリクエストされるオンラインストアについては「実店舗こそブランド(The store is our brand)」であるため、ネットスーパーに今後も非参戦を宣言している。

ネットスーパー投資がないことでコストを抑えられ、プライベートブランドの商品戦略等と絡んでローコストで運営できる。つまり価格を安く提供できるのだ。

ネットで購入できないのなら店に行くしかなくなるため、顧客の利便性を高めるため出店数を増やすしかない。昔ながらの売り場に根ざした食品スーパー展開のビジネスモデルになるのだ。

 ただネットスーパー非参戦のトレーダージョーズに懸念点がある。ネットスーパーでダントツの集客を誇るウォルマートがトレーダージョーズ・キラーになるプライベートブランドを開始したのだ。

ウォルマートの新食品PB「ベターグッズ(bettergoods)」は若い世代をターゲットにしており、約30年前に発売された食品PB「グレートバリュー(Great Value)」以来の大規模ローンチだ。

ベターグッズはアップグレードされたレシピ用、植物由来、グルテンフリーなどフリーフロムの3つのカテゴリーとなる。

ウォルマートは最近、物価高や金利高を背景に節約したい富裕層客を集客し売上を伸ばしている。健康に気を使う富裕層客に向けて新たな食品PBが必要となったと判断したのだ。

ベターグッズを求める客層とトレーダージョーズ客が重なる。

トレーダージョーズの顧客は白人もしくはアジア系であり既婚者。年齢は25〜44歳となる。典型的なトレーダージョーズ客は1年に13回トレーダージョーズに行き、買い上げ点数は15アイテムで客単価は47ドルとなる。

顧客の学歴は大卒で年収は8万ドル(約1,300万円)以上となっている。

トレーダージョーズの典型的な顧客は忙しいし、健康にも留意する。ウォルマートの新PBに目が行きやすく、しかもコスパばかりかタイパ(タイムパフォーマンス)のよいネットスーパーも利用可能だ。

 したがって非常に強い商品力・ブランド力をもっているトレーダージョーズも安心してはいられない。ネットスーパーの成長によっては難しい選択を迫られるのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:16Comments(0)スーパーマーケット
2024年06月03日

【ウォルマート】、冷蔵庫への宅配が4,500万世帯に!ネットワーク効果で収益を上げる?

240603インホームデリバリー00
■チェーンストア最大手のウォルマートは31日、留守宅の冷蔵庫に宅配する「インホーム・デリバリー(InHome Delivery)」で、サービス対象地域を拡大することを発表した。

ウォルマートのインホーム・デリバリーは冷蔵・冷凍が必要な食品も留守時に配達でき、配達員が冷蔵庫に直接入れることで利便性を高めるサービス。

今回の拡大ではマサチューセッツ州ボストン、ミシガン州デトロイト、ミネソタ州ミネアポリス、ペンシルベニア州フィラデルフィア、カリフォルニア州リバーサイドなど1,000万世帯が追加されたのだ。

インホーム・デリバリーは2019年10月、ミズーリ州カンザスシティやカンザス州カンザスシティ、フロリダ州ベロビーチ、ペンシルベニア州ピッツバーグで開始。

2021年はアーカンソー州北西部やフロリダ州パームビーチ地区、ジョージア州アトランタ、アリゾナ州フェニックス地区でも開始された。

600万世帯までサービス対象を拡大したのち2022年1月にはロサンゼルスやシカゴ、ダラス、ヒューストン、ナッシュビル、インディアナポリスなど一気に3,000万世帯まで拡大すると発表。

サービス拡大によりインホーム・デリバリー専用の配達スタッフも増員。大都市を中心に徐々に対象地域を増やしながら今回で米国国世帯(1.27億世帯)の3分の1をカバーすることになる。

 インホーム・デリバリーはスマートフォン・アプリの遠隔操作でドア(もしくはガレージドア)を開錠・施錠できるレベル・ホーム(Leve Home)のスマートロックを購入する必要がある。

ドアノブに取り付けるスマートロックは235ドル〜299ドルと高額だが、スマート・ガレージ・コントロールは30ドル程度でプロモコードで無料となる販促もある。

ウォルマート・アプリとは別にインホーム・デリバリーの専用アプリもダウンロードする。

同サービスの配達員は万が一事故を起こしたり、利用者宅に損害を与えた場合に備え、最大100万ドル(約1.1億円)が支払われる損害賠償保険にはいっている。

インホーム・デリバリーの宅配時間は午前9時〜午後6時まで。

配達員は利用者宅で専用のアプリを使ってドアを開錠する。

シューズカバーに手袋・マスク姿の配達員が利用者宅に入り、(顧客の都合に合わせて)注文品を冷蔵庫に詰めたり、ドアを開けて内側においていたり、ガレージの冷蔵庫に配達したりするのだ。

配達員はカメラを装着しており、利用者は宅配の様子をリアルタイムでスマートフォンで確認できる他、録画(録画データの保存期間は宅配から最大7日間)でも専用アプリを介してチェックできることになる。

返品がある場合は配達員が持って帰ってくれるサービスも含まれており、梱包したり宛先ラベルを貼る必要はなく、ドアの近くに置いておけばOKとなっている。返品処理も翌日には完了する。

 インホーム・デリバリーは月額12.95ドル(年額98ドル)のサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」に加入後、月額7ドル(年額40ドル)を追加することでサービスを受けられる。配達員へのチップは不要となっている。

 ウォルマートは今年1月、インホーム・デリバリーにAIを使ってアップグレードすることを発表した。開発中として明かされたのはパーソナライズされた補充システムだ。

「インホーム・リプレニッシュメント(InHome Replenishment)」は顧客の注文データから購入パターンをAIが分析し、注文する可能性が高い商品をショッピングカートに自動的にのせる仕組みだ。

各家庭には牛乳や卵、パンなど定期的に購入している生鮮品や食品等がある。これまでの注文から消費パターンをアルゴリズムで割り出して牛乳や卵など適宜にカートに乗せるのだ。

若干気味の悪さを感じるが、自分の消費行動をわかっている自分の分身がカートに商品を乗せるようなものだろうか。

注文のし忘れがなくなり、毎日の食生活や買い物の安心感につながる。直近の購入履歴のデータからAIがリアルタイムでアップデートしカートの商品内容を調整するとしている。

 ウォルマートでは最近、新規客に富裕層を集客している。根強いインフレや金利高による住居費アップで節約したい富裕層がウォルマートのネットスーパーで買い物をしているのだ。

インホーム・デリバリーに一度囲い込めば、利便性から富裕層も同サービスから抜け出せない可能性が高くなる。ウォルマートのインホーム・デリバリーの対象地域の拡大は今後も続きそうだ。  続きを読む
2024年06月02日

【ケイパーカート】、新型スマートカートは廉価版で量産型!リテールメディアのカート?

240602ケイパーカートM3スキャン00
■オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカートの傘下でスマートカート開発のケイパーaiは26日、新型のスマートカートを発表した。

インスタカートは先月発表した決算発表で最大1,000台となるスマートカート展開の目標を掲げており、アップデートしたスマートカートで提携先スーパーに多数導入する。

スマートカートとは端末とスキャナーやセンサー等を搭載したショッピングカートで、買い物の利便性を高めることを目的にしている。

日本でAIレジカートとも呼ばれているスマートカートはセルフレジ機能を搭載したショッピングカート。AIを搭載したショッピングカートによりレジ待ち行列やレジ付近の混雑を解消する。

カート上でユーザーが会計も行うことで食品スーパーの課題である人手不足も緩和できるのだ。

インスタカートは昨年、次世代版のスマートカート「ケイパーカート3(Caper Cart 3)」をローンチ。直近ではケイパーカート3を「ケイパーカートM3(Caper Cart M3)」と改称している。

モデル3(Model 3)を略したM3は前世代より容量を拡大し全天候型から耐久性もアップ。屋外での使用も可能となる。

M3はカートの4隅にそれぞれカメラを内蔵し商品スキャニングの認識率も向上している。スクリーンに映し出されるユーザーインターフェイスも改善し顧客からの評価も上々という。

ケイパーカートM3は一台一台をバッテリーチャージングする手間はなく、ポータブルチャージャーを搭載したカートにケイパーカートを重ねるようにつなげておけば充電できる非接触仕様で、店側にとっても使いやすくなっている。

1回の充電で最大14時間の稼働が可能だ。またオプションとしてかさばるものをカート下にも置けるような棚を設置できるようなデザインになっている。

今回、新たに発表されたのは「ケイパーカートM3スキャン(Caper Cart M3 Scan)」だ。M3の廉価版となるM3スキャンはバーコードスキャナーと内蔵カメラをそれぞれ1つにしている。

M3の四隅にあるカメラを1つにしたことでコストを抑えているのが特徴になる。リリースされた画像から前方にあったカメラがなくなっていることがわかる。

カメラ数以外はM3と変わらないため、量産型を目指したマイナーアップデートといえるだろう。

 筆者はNYマンハッタンのフェアウェイ・マーケットと南カリフォルニアで展開するブリストルファームにあるケイパーカートM3を使って何度か買い物をしている。

フェアウェイ・マーケットでは同店のロイヤリティカードと紐付けるため携帯番号を入力して買い物を始める。

一方、ブリストルファームではロイヤリティカード等と紐付けずに買い物ができるようになっている。

カートの四隅にあるカメラで商品バーコードを読み取らせながら買い物する。

またカート自体が計量器となっているため、同じものを2つ以上購入すると質量から個数を判断し、商品数に合わせた価格で計算する。

生鮮品など量り売りは4桁のPLUコードを入力後に商品名を確認し、カートに商品を入れると質量を計算して価格を割り出すようになっている。

買い物が終わるとフェアウェイ・マーケットでは専用のレジでスタッフの指導の下でカートとレジを同期させ決済を行う。

ブリストルファームではカートにあるクレジットカード端末を使って利用者が決済を終了できるようになっている。

同じケイパーカートM3でも店によって決済方法が異なるのは、万引きがある。

富裕層向け食品スーパーであるブリストルファームは盗難などが少ないため、スタッフなしでも決済が可能となっているようだ。

 インスタカートがコストを抑えた量産型M3スキャンをリリースしたのはアマゾンとのスマートカート拡大競争も背景にある。

アマゾンは4月、同社のスマートカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」を他社のスーパーにも展開していくことを発表した。

今年1月にはダッシュカートをアソシエイテッド・ホールセール・グローサーズの加盟スーパーでテストを開始。

ミズーリ州とカンザス州に展開するマキーバーズ・マーケット(Mckeevers Market)とプライスチョッパー(Price Chopper)の5店舗が3月末からダッシュカートの専用ページに表示されている。

アマゾンは生体認証決済システム「アマゾンワン(Amazon One)」や自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」の外販を進めているが、ダッシュカートも外販しようとしているのだ。

各社がスマートカートを拡大する要因はリテールメディアによる広告収益があるのだ。スマートカートが成長の主要エンジンになるのはケイパーカートのスクリーンに映し出される広告にある。

スマートカートにあるスクリーンのホーム画面では新商品や新ブランド品、セール、シーズナル・プロモーションなどを映し出せる。

例えばシリアルの売り場でバレンタインデーを前には期間限定販売のゼネラル・ミルズ「チョコレート・ストロベリー・チェリオス(Chocolate Strawberry Cheerios)」をスクリーン上に映し出す。

カート利用者のリアルタイムの買い物行動やカートに入っている商品内容を分析し、パーソナライズされたお得品を推奨し、売り場を案内するのだ。

利用者がアイスクリーム・コーンをカートに入れるとドレイヤーズのアイスクリームが推奨され、店内マップ等で現在地から売り場まで案内するという具合だ。

いわばスクリーン上で行うクロスセルであり、日本の食品スーパーの精肉コーナーで焼肉のタレが並べられているようなことをスマートカートのスクリーン上で行う。

スマートカートが数千台以上ともなれば現実世界の買い物データを大量に入手でき利用実績をAIが学習する。買い物のアルゴリズム解析が進めば、これまでにない効率的な広告を提案できるようになる。

様々な買い物客が様々な売り場でどのような動線で買い物しているのか、という買い物データを無限に収集できるようになるのだ。

しかも大量データをAIが解析し、例えば%別の値引きから"1つ変えば2つ目を○○値引き"するボリュームディスカウントなどAIが効果のあった販促を判断できるようになる。

データ宝庫を食品メーカー等に提案すれば、広告のマーケティング費用だけでなく協賛金等まで惜しみなく出してくれることになるのだ。

スマートカートを配置すればするほど、広告収益が増大することになる。

 導入コストを落としたケイパーカートM3スキャンはスポンサード広告など広告収益を目標としているのだ。

トップ画像:新たに発表された「ケイパーカートM3スキャン(Caper Cart M3 Scan)」はバーコードスキャナーと内蔵カメラをそれぞれ1つにしている。下の画像にあるM3と比較して欲しい。  続きを読む
Posted by usretail at 01:26Comments(0)イノベーション
2024年06月01日

【コンサルタント】、自ら変化しない3つの認知バイアス!見分け方はSkin in the game?

240601ワークショップ研修@ウォルマート
■米国で流通研修を行うコンサルタントは必ずといっていいほど変化の重要性を説く。変化の激しいアメリカで店舗視察を行うと変化を目の当たりにするのだ。

「変化だ」「変革だ」「革新だ」とコンサルタントが説いても実際いは最も変化しないのは流通コンサルタント自身だったりする。

何度も何十回も何十年にも渡ってアメリカを視察しているにも関わらず、自分自身が変化しようとしない。見方を変えれば変化しないコンサルタントを分析できれば変化できる術をしることが可能かもしれない。

今日はこの変化しない流通コンサルタントを考察してみたいと思う。

米国流通視察で必ず訪れるのがチェーンストア最大手で世界一の小売り店であるウォルマート。ウォルマートの売り場に行くと信じられないほど多くのピッカーを目の当たりにする。

ネットスーパーの注文品を売り場でピッキングするスタッフを「見るな」といっても目に入るほど目立つ存在になっている。

それもそのはずでウォルマートではネットスーパーが熱狂している。ウォルマート・アプリを介して生鮮品をネット注文するトレンドが熱狂状態にあるといっていいほどホットなのだ。

オンライン売上は過去8四半期連続して二桁成長となっており、平均では20%という躍進を示している。

驚くほどピッカーを目にするのに、流通コンサルタントはウォルマートのネットスーパーを研修に加えることはしない。

その理由は経済学のモデル理論に心理学的に観察された事実を取り入れていく研究手法「行動経済学」から分析できるのだ。

流通コンサルタントが変化せよといっても自分の視察ではネットスーパーやアプリを使った研修にせず、旧態依然のままなのは行動経済学から説明できる。

 1つ目が「確証バイアス」だ。人は誰しも無意識のうちに自分の行動は合理的であると考えて、自分を正当化しようとする。

一度自分の考えを決めると、それを裏付ける情報ばかりを集めて、自分の考えにはんする情報を無視してしまう。

確証バイアスとは自分にとって都合のよい情報ばかりを集めて自分の考えの正しさを強化する傾向のことで、逆に自分の考えに反するような、邪魔になる事例は見ようとしないことだ。

確証バイアスに老化が加われば、偏った考え方や思い込みをさらに信じ込もうと躍起になる。ウォルマートの生鮮品売り場でピッカーが忙しくピッキングしていても「大したことではない」と事実を湾曲して捻じ曲げ、研修にネットスーパーを取り入れない。

カーブサイド・ピックアップで宅配ドライバーによる往来の忙しさも気にならないのだ。

5年〜10年先をいくアメリカの現実より、売り場の基本は商品構成グラフの作成だと研修参加者にグラフの作成を強いる。参加者の隣でピッカーが忙しく働いていても気にもならない。

また"ウォルマートの強さはローコスト・オペレーションだ"の考えに囚われているコンサルタントなら、そもそもピッカーの存在が目に入らないことにもなる。

高齢化すればするほど自分の考えに固執するのだ。

 コンサルタントの変化を阻む2つ目が「現状維持バイアス」だ。特に頑固な人でなくても多くの人は変化を避けようとする。未知なもの、未体験のものを受け入れず現状を保とうとするのだ。

例えばレストランでいつも同じメニューを選んだり、飲みに行くのも必ず行きつけの居酒屋だったりする。気に入ったファッションを長く着続けるのはあるあるだ。これらの行動は現状維持バイアスに影響をうけている。

人は小さなことでも変化を嫌う。したがって未知のリスクにさらされないように振る舞う。何か変化があると、損をする可能性が生まれるため、無意識に避けようとするのだ。

米国流通研修で今も5年前も10年前も同じように店舗を見て回っている。ときどき店長インタビューを行うし、料理大会を行う。さらにはわざわざアメリカに来てまですることはないのだが筆記テストまで行ったりする。

どんなにネットスーパーが盛んでも流通コンサルタントは現状の内容を変えない。ウォルマートCEOのダグ・マクミラン氏が「お客様には常に店内でアプリを開いてもらいたい」と語っても、自分の研修にはアプリを使わせない。

なぜならウォルマート・アプリは高齢コンサルタントにとっては未知なもので、一度アプリをつかわせれば若い参加者は感動してしまう。

既存の研修が見劣りすることが判明してしまうのだ。結果、どんなにウォルマートが変化してもコンサルタントは現状を維持しようとする。

 流通コンサルタントが自身で変わらない3つ目の理由が「損失回避性」だ。損失回避性はプロスペクト理論とも呼ばれ、簡単に言えば人は損失を避けようとする習性があるということ。

2002年ノーベル経済学賞受賞者であるダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏によって提唱された理論であり「損失は利得よりも大きく感じる」という、行動経済学で最も重要な理論となる。

流通コンサルタントが合理的な行動をとるなら米国研修をする以前にネットスーパーを自分で体験する。ストアアプリを使ってAIやARなどの買い物に便利な機能も調べるはずだ。自分で経験しないことには参加者に説明できるはずはない。

一方でこれまで掛かったことのないコストが生じてしまう。結果、目先の損を避けようとして費用のかかることはやらない。損をしたくないため、身銭を切らない。そしてネットスーパーもどんなに市場が拡大していようが無視を決め込む。

大手チェーンストアが莫大な投資をして改良しているストアアプリも見て見ぬ振りをする。研修参加者がスマートフォンアプリのメモ機能を使って商品単位のフェイス数等を記録しても見向きもしない。

一度アプリについて触れてしまうとウォルマート・アプリなど世界最先端の事例を説明しなければならなくなる。そもそも知らないので解説などできるわけがない。

損失を回避するため、コンサルタントは流通DXさえ言及しないのだ。

 変化するとは未知なことをすることであり、言い換えれば学習だ。流通コンサルタントの多くは学習を嫌がる。

例えば英語。何十年も前から米国に来ていると豪語するも店長インタビューでは通訳を同伴する。楽天やユニクロなどここ数年で英語を社内公用語にして定着している企業もあるにもかかわらず、自分は英語を学習しない。

居心地がよく、慣れ親しんでいるコンフォートゾーンからでないため、コンサルタントは人には変化せよというが自分は変化しない。ラーニングゾーンにでるのが怖いのだ。

 誰にも認知バイアスはある。第三者の視点で流通コンサルタントを見ることで「人のふり見て我がふり直せ」から、客観的に変化に対する自分の立ち位置を確認するのだ。

トップ画像:当社のワークショップ研修。ウォルマートのアプリを使ってスキャン&ゴーと決済方法を試す。これまでになかった米国流通視察だ。  続きを読む
2024年05月31日

【ベストバイ】、インフレに金利高では家電品を買えない決算!ただし株価はバク上げ?

240531ベストバイ
■家電店チェーン最大手のベストバイが30日に発表した第1四半期(2月〜4月期)決算では長引くインフレなどの影響で販売不振が続いており売上を落とした。一方、収益性の改善が好感されて決算発表直後の株価は高騰した。

昨年度に20店舗以上を閉鎖したことで売上高は88.5億ドルとなり、前年同期の94.7億ドルから6.5%の減少となった。純利益は2.46億ドルと前年同期比で0.8%の微増となった。

粗利益率は23.3%と前年同期の22.7%から0.6ポイント増加した。また一般販売管理比率は19.6%と前年同期から0.1ポイントの上昇にふみとどまった。これにより営業利益率は前年同期の3.3%から3.5%と0.2ポイント増加した。

既存店・売上高前年同期比は高水準のインフレと金利上昇の中、高額な家電製品などの裁量消費を切り詰めていることで6.1%の減少となった。前年同期の既存店ベースは10.1%減だった。

国内店の売上高は82.0億ドルとなり前年同期の88.0億ドルから6.8%のマイナス。国内店の既存店ベースは6.3%の減少だった。

白物家電にホームシアター、ゲーム、スマートフォンなどのモバイルが全体の足を引っ張った形だ。

売上高の約3分の1ほどを占めるオンライン売上は6.1%の減少だ。なおベストバイではネット注文の4割がカーブサイド・ピックアップやボピスなど店在庫からの出荷を占めているという。

ベストバイではストアアプリの顧客体験を大幅に改善していることで、アプリを介したネット売上比率は過去3年間で2倍に増加し、オンライン売上の約20%以上に達していると前期の決算で明かしている。

またベストバイ・アプリは昨年9月末、数量限定の時限セール「ベストバイ・ドロップ(Best Buy Drops)」を開始した。アプリのみで行なわれ時限セールは事前に告知されたセール品をユーザー登録しておくことで、セール開始と同時にアラートされ完売すれば「売り切れ御免」となるディープディスカウントだ。

アプリからの購入を促すことでアプリの利用率が上昇しユーザー体験も向上するのだ。

 商品カテゴリー別の既存店売上前年同期比では売上の44%を占める「コンピューターとモバイルフォン(Computing and Mobile Phones)」がマイナス2.2%となり、前年同期の13.3%減少から改善している。

売上全体の29%を占める、ホームシアターなどの「コンシューマーエレクトロニクス(Consumer Electronics)」は前年同期から8.3%の減少だった。前年同期はほぼ二桁減となる9.8%の減少だった。

全体の13%となる白物家電の「アプライアンス(Appliances)」は金利高による住宅市場の不活発で18.5%減と二桁になる大幅な減少に見舞われた。前年同期も15.5%の減少だった。

全体の6%となる「エンターティメント(Entertainment)」は11.3%減少となった。

売上全体の7%を占める「サービス(Services)」は9%の増加。1%の「その他」となるカテゴリーは18.2%の増加だ。

ベストバイは3月、大型フォーマットとなる20〜30の店舗を閉鎖し、アウトレット10ヶ所を新規にオープンすることを発表している。

また本社のあるミネソタ州の地元紙は1ヶ月前、ギーク・スクワッドのスタッフなど多数を解雇していると報じた。数年前に想定していたよりも売上高が減少することでベストバイは事業の一部を縮小しているのだ。

その一方でサービス部門に生成AIを導入し、よりパーソナライズ可能なサービスにしようと試みている。

今夏にはアプリやコールセンターにトラブルシューティングや配達の変更、ソフトウェア管理などをAIアシスタントで任せるというのだ。

またギーク・スクワッドをベストバイ・ヘルスのサービス・スタッフにアップデートする目的もある。

例えば、退院した患者に必要な医療機器(家庭用心電図モニターなど)をギーク・スクワッドが自宅に赴いて設置し、バーチャル病室にする。安心できる自宅で治療を行えることができ、医療機器を通じて医者もリモートでモニタリングが可能となるのだ。

ただし医療機器を扱うためギーク・スクワッドも家電品設置とは異なるスキルセットのアップデートが求められることになる。

トップ画像:ベストバイのサービス部門のギーク・スクワッドでは1ヶ月前、大量解雇が行われていた。アップデートされるギーク・スクワッドも近い将来、医療機器を設置するサービスも始める。  続きを読む
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2024年05月30日

【ウォルマート】、サブスク特典にペットオンライン診療を追加!今もペット市場は熱い?

240530ペットサービス@ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートは21日、同社のサブスクリプション「ウォルマート・プラス」にペットのオンライン相談を特典に加えることを発表した。

コロナによりリモートワークやハイブリッドワークが増えた結果、犬や猫を飼う人が急増しており拡大するペット・ヘルスケアを特典にすることでサブスク会員を囲い込む。

ペット・オンライン・プロバイダーのポープ(Pawp)と提携したサービスはスマートフォンやパソコンのビデオ通話機能を利用し動物病院の先生にリアルタイムで相談できるというものだ。

ペットの症状をいつでもどこでも獣医療従事者と無料でアドバイスをもらえる。ウォルマートの調査によるとプラス会員の75%がペットを飼っている。

期間限定で同サービスをプラス会員に無料提供したところ好評だったためペット・オンライン相談を正式に特典とするのだ。

ただプラス特典のペット・テレヘルスの開始日は「今年後半から」とあるだけで、詳細な日時は明かされていない。

 コロナ禍以降にペットオーナーの増加に伴いペット市場は急拡大している。

アメリカペット用品協会(APPA:America Pet Prduct Association)が最近発表したレポートによると、アメリカ国内のペット市場の規模は2023年、前年(1,368億ドル)から7.5%増加し1,470億ドル(約23兆円)となった。

二桁成長となった2021年と2022年からは成長が若干鈍化しているものの引き続きペット市場が強いことがわかるだろう。

ペット関連支出の内訳を見ると、全体の約4割を占めるペットフード&おやつは昨年、インフレの影響もあり10.8%も増加し644億ドル(10.1兆円)になった。

オーガニックなど高額なペットフードや高級ペット用おやつへの関心がペットフード支出を押し上げているのも要因だ。

またペット医療(獣医医療)への支出は2022年から6.7%の増加となる383億ドル(6.0兆円)となったのだ。これは2023年のペット市場規模全体でみると4分の1となる26.1%となるのだ。

犬や猫といったペット購入の市場規模は前年から1.6%と微増して320億ドル(4.8兆円)にとどまった。2021年は15.1%の増加、2022年は17.8%の増加から比べると鈍化の具合が分かるだろう。

見方を変えればコロナ禍にペットを購入した人が一定期間を経て犬猫の健康にも気をつけだしているとも言えるのだ。

一方、コロナ禍では寂しさからペットを飼い始めた人が急増したものの、最近の物価高の影響がありお金がかかるペット購入を控える傾向が強まっている。

グルーミングなどのペット関連サービスも増加し7.9%増となる123億ドル(1.9兆円)となったのだ。

ペットホテルやしつけ教室などのトレーニング、デイケア(一時預かり)も2021年の17.3%の増加から、2022年は8.3%の増加となり、昨年は7.9%と鈍化している。

ペット支出ではこういったサービスでの費用が厳しくなっている様子が見え隠れする。

 ペット市場の拡大でウォルマートは昨年9月、同社では初となるペットサービスを店舗併設でオープンした。

犬用にセルフウォッシュルームまで完備した「ペットサービス(Pet Services)」センターはアトランタ郊外ダラス地区にあるスーパーセンター(3615 Marietta Hwy, Dallas, GA 30157)にある。

専用のエントランスをもつウォルマート・ペットサービスではペットサービスを提供するペットIQ(Pet IQ)と提携し獣医サービスにグルーミング等のサービスも提供。

ペットサービスでもウォルマートはエブリデー・ロープライスに明瞭会計プランで顧客にワクチン等を提供しているのだ。

例えば狂犬病ワクチンは25ドル、定期検診は70ドル、医療サービス等をトータルにパッケージしたサービスは97ドルとなっている。

詳細は明かされていないもののペットサービスのサービスリストには子犬サービス(77ドル)や子猫サービス(85ドル)も表示されている。

グルーミングでは爪切りが15ドル、シャンプーが24ドルからとなっており、シャンプーやトリミングを含めたグルーミングは42ドルからとなっている。

専用ルームで飼い主がセルフでシャンプーを行う場合は9ドルという価格設定だ。生鮮品など食品を扱う売り場にペットなどの動物を持ち込むことが禁止されているため、ペットサービスでは買い物中のペットの一時預かりも行うとしている。

ペットサービスを開業した際、期間限定でプラス会員にテレヘルス・サービスも特典にしていたのだ。

 月額12.95ドル(年額98ドル)のウォルマート・プラスはスーパーセンターにある食品や日用品、オモチャ、家電品などを対象に無制限で無料で当日宅配を受けられるサブスク。

ウォルマート・プラスにはガソリン割引や処方箋割引、店内での買い物時でのセルフスキャニング・チェックアウト「スキャン&ゴー(Scan & Go)」の特典もある。

そのほかの特典にはエクソンモービル等のガソリンの値引きに音楽配信サービスのスポティファイ6ヶ月間無料利用にブラックフライデーなどのセールイベントでのアクセス優先権もある。

さらに年額40ドル(月額7ドル)を追加支払いでアップグレードすると、自宅のキッチンやガレージの冷蔵庫に直接、生鮮品等を届ける「インホーム・デリバリー(InHome Delivery)」のアドオンもある。

トップ画像:ジョージア州ダラス地区に昨年9月オープンしたペットサービス。オープン時にサブスク会員に提供した期間限定のペットオンライン相談・診療が好評だったため正式に特典に加えたのだ。  続きを読む
2024年05月29日

【マクドナルド】、新店「CosMc's」にモバイル注文&ポイント開始!行列もなく失速か?

240529コズミクス@モバイル
■外食チェーン最大手のマクドナルドは28日、新コンセプトストア「コズミクス(CosMc's)」にロイヤリティプログラムを発表した。

カスタマイズ・ドリンクを販売する新ブランドは1980年代後半から1990年代前半のマクドナルドの広告に登場した宇宙人キャラクター「コズミック(CosMc)」が由来だ。しかし名前だけで宇宙人キャラクターを模したアイコン等は店やネットで不在となっている。

コズミクスは外食の巨人がファーストフード店の「午後3時のスランプ(the 3 p.m. slump)」を解消する目的となる。来客数が減少する午後の時間帯に人気のカスタマイズ可能なドリンクやコーヒーを若い消費者を引きつけるのだ。

なお日本のニュースメディア等はコスマックスと表記しているが、アメリカ人の発音はコズミクスが近いためここでは発音に近いほうで表記する。

現在までに4店舗となるコズミクスのロイヤリティプログラム「コズミクス・クラブ(CosMc's Club)」は、1ドル使うごとに10ポイントを獲得でき、400ポイント貯まると2ドル分のリワードとして還元できる。

コズミクスではモバイル注文も開始しているが、アップルのアップストア(App Store)での専用アプリのリリースはまだなく、グーグルストアの専用アプリをダウンロードするか、ブラウザを介しての注文となっている。

モバイル注文に対応することでドライブスルーでの待ち時間が短縮されるのだ。

 コズミクス1号店は昨年12月、イリノイ州シカゴ郊外のボーリングブルック地区にオープン。コズミクス2号店(6033 Campbell Rd, Dallas, TX 75248)は3月、ダラス市内にオープンしている。

コズミクス3号店は先月2日、テキサス州ウォートーガ地区(7304 Denton Hwy, Watauga, TX 76148)にオープン。4月9日にはフォートワースとダラスの中間にあるアーリントン店(300 E Abram St, Arlington, TX 76010)がオープンした。

ドライブスルーのみの1号店と異なり、2号店以降は店内にウォークアップウィンドウが導入されている。

また4店舗目となるアーリントン店はドライブスルーがなく、ウォークアップウィンドウのみとなっている。

ドライブスルー・オンリーのコズミクス1号店(ボーリングブルック店)には4つのレーンのドライブスルーがあり、そこで注文した後に支払いを終えピックアップ窓口で注文品を受け取る。

複数のレーンからピックアップ窓口用にレーンが一つになることでフォーク並びの逆向きとなるドライブスルー。

一方、ダラス店とウォートーガ店はドライブスルーに加えて受け取り用のカウンターが導入されている。ただ注文用メニューボードはなくレジ接客もない。セルフ注文端末のキオスクから注文と決済を行う仕組みなのだ。

営業時間は4店とも午前6時〜午後9時まで。

コズミクスは今後、別のフォートワース地区の出店先(5341 McPherson Blvd Fort Worth, TX 76123)を予定しており、オースティン地区での出店もあることで今年10店舗の展開となる計画だ。

 全世界が注目したコズミクス1号店から客数は落ち着きつつある。リサーチ会社インタッチ・インサイト(Intouch Insight)によると、今年1月と2月での調査ではドライブスルーの列に並んでからスピーカーに注文するまでの平均待ち時間は11分13秒だった。

数時間待ちであったオープン直後から、かなり混雑が軽減している。

また注文後の平均サービス時間はわずか4分1秒となり、業界のベンチマークよりわずか6秒程度の遅れでしかなった。

またCNBCのレポーターが今月、1号店に訪れた際にはドライブスルーに行列はなかったという。

ただ「マクドナルドの新店の熱狂が冷めつつある」とは時期尚早かもしれない。なぜならマクドナルド本体の客離れが深刻になりつつあるからだ。

主要な顧客層である低所得者の客足が、値上がりの続いているマクドナルドから遠のいているという事実がある。

1月〜3月期の既存店売上高は前年同期を上回るものの市場予想を下回り、4月は来客数の減少で横ばいとなっているのだ。

直近ではあらゆる所得層で買い控えが見られるなかで特に低所得者層に顕著に見られる。コズミクスが主要顧客とする若年層も含まれるのだ。

ひとつにマクドナルドのイメージも問題になる。ハンバーガーの相次ぐ値上げにより"庶民のファストフード"の印象から乖離している。

値段が上昇する外食から、コズミクスも含めて現在、「気軽にマクドナルドに行こう」という気持ちにならないのかもしれないのだ。

コーヒーチェーン最大手のスターバックスでも売上が減少しており、割高なコールドドリンクへの見方も冷めつつあるようだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:14Comments(0)その他
2024年05月28日

【ウォルマート】、次世代物流4ヶ所目オープン!次世代社員に古い教えを押し付けるな?

240528グリーンキャッスルFC
■チェーンストア最大手のウォルマートは21日、4ヶ所目となる次世代フルフィルメントセンター(Fullfillment Center:FC)を正式にオープンしたことを発表した。

店に商品を納入するための物流拠点のディストリビューションセンター(DS)と異なり、FCはEコマースにおける商品の管理やピッキング、配送を行う拠点。熱狂状態で急成長を維持するEコマースに対応するのだ。

17日に正式オープンとなったのはペンシルベニア州グリーンキャッスル地区のFCだ。

2ヶ月前から一部にテスト稼働を開始していたグリーンキャッスルFC(1915 Ebberts Spring Court Greencastle, PA 17225)は150万平方フィート(約4.2万坪)にも及ぶ。フル稼働時には1,000人以上を雇用することになる。

またAIで効率化されたロジスティクスでもあり倉庫の保管能力を向上させ、配達までのスピードを高めているのが特徴となる。

ウォルマートはロボットを活用した次世代型FCを続々とオープンしている。

ウォルマートは2022年9月、ロジスティクス開発でオーストリアに本拠を置くクナップ(KNAPP)と提携したFCをイリノイ州ジュリエット地区にオープンした。

ジュリエットFCは110万平方フィート(約3.08万坪)でインディアナ州やイリノイ州、ケンタッキー州、オハイオ州で2日以内の配達を対象にカバーする。

昨年6月にはインディアナ州インディアナポリスから20マイル(32キロメートル)北東にあるマコーズビル地区に3階建てで広さが220万平方フィート(6.16万坪)にも及ぶFCをオープンした。

最大規模になるマコーズビルFCではインディアナ州にイリノイ州、ケンタッキー州、オハイオ州が配達の対象となる。

昨年10月にはテキサス州ランキャスター地区に150万平方フィート(4.2万坪)のFCをオープンした。

次世代FCとしては3ヶ所目となるランキャスターFCはテキサス州の全域にオクラホマ州もカバーする。

今回オープンしたグリーンキャッスルFCはペンシルベニア州にメリーランド州、デルウェア州、ニュージャージー州が対象となる。

5ヶ所目となるハイテク物流施設は2026年、カリフォルニア州ストックトンにオープンが予定されている。

 合計で4,000人以上が働く4つのFCが稼働することでマーケットプレイスを含む数百万アイテムの2日以内配達が国内人口75%に可能となるという。

ウォルマートは2022年「(次世代FCと)31ヶ所の既存FCと合わせると国内の95%をカバーでき、当日配達も80%で可能となる」と強調していた。

ウォルマートによると最新のロジスティクスはマニュアルでは12の工程を自動化により5つに集約できるとしている。

5つのステップとはアンロード(Unload)に荷受け(Receive)、ピック(Pick)、パック(Pack)、シップ(Ship)。

アンロードではメーカーから出荷された商品ケースをスタッフがトレーラーからベルトコンベアに載せる作業だ。

荷受けではスタッフがケースから商品を取り出してトート(専用のコンテナ)に載せ替える。商品が入ったトートは数百万もある棚に自動ストレージのロボットで収納される。

注文を受けるとピックの工程だ。商品を梱包するピッキング・ステーションにトートが運ばれてスタッフが商品をピックしてダンボール箱に詰めるのだ。

ロボットがスタッフが働くピッキング・ステーションに運ぶことで歩く必要がなく、これまで1日最大9マイル(14.4キロメートル)あったピッキングに要する歩行距離がなくなるのだ。

注文内容から必要なダンボール箱を計測し、自動で組み立てるのがパックの最初の工程となる。

ピッキングエリアでは一人のスタッフが最大で同時に4つの注文を捌くことができることで、注文から30分以内に出荷状態にできるとしている。

シップは注文品が入った箱をテーピングされ宛名ラベルを貼られて所定のローディングゾーンに運ばれるのだ。

 ハイテク物流施設の建設はウォルマートの設備投資費にも表れている。

海外事業部を除いたアメリカ国内の設備投資費は2024年1月通期で176.95億ドルとなり前年の142.32億ドルから24%も増加した。

国内の設備投資費は「サプライチェーン、顧客対応の取り組みとテクノロジー(Supply chain, customer-facing initiatives and technology)」「店舗改装(Store and club remodels)」「新規出店等(New stores and clubs, including expansions and relocations)」の3つに分けている。

目立ったのはDX等を含む「サプライチェーン、顧客対応の取り組みとIT」で前年の920.9億ドルから30%近くの増加となる28.4%増となった。

金額にして118.28億ドル。1ドル155円計算で1.83兆円になる設備投資は日本のチェーンストアにとって途方も無い投資額に映るだろう。

店舗改装の投資額は前年の49.90億ドルから16%増加し57.92億ドル(約9,000億円)となった。

他の2項目と比べ極小となる新規出店等の投資額は7,500万ドル(約116億円)で前年(3,300万ドル)から2倍強となる127.3%だった。

 ウォルマートではネットスーパーを含むEコマースがまさに"熱狂"している。コロナ明けでも8四半期連続二桁増を維持しているのだ。

生鮮品など食品のネット販売が功を奏しマーケットプレイスも活況して、平均で20%の成長となっている。

サプライチェーンに投資することで食品のネット販売でさらにアマゾンとの差を広げながら、アマゾンの牙城となるECシェアを侵食しているのだ。

トップ画像:次世代フルフィルメントセンターとしては4ヶ所目となるグリーンキャッスルFC。150万平方フィート(4.2万坪)はAIを駆使した最先端の物流施設となる。  続きを読む
2024年05月27日

【クローガー】、万引き防止にスーパーもレシートチェック!店内にスーツケースを禁止?

240527サムズクラブのチェッカー行列
■メンバーシップ・ホールセール・クラブのコストコで買い物すると出口でレシートの提示が求められる。

そこに常駐するスタッフがレシートとカートの商品が一致しているかどうかをチェックしているのだ。

競合でウォルマート傘下のサムズクラブでも同様なチェッカーをおいて万引きを防いでいる。サムズクラブは最近、AIを使ったレシートチェッカーを拡大しつつある。

出口でのレシートチェックをスーパーマーケット最大手チェーンのクローガーが始めたことで話題になっている。

クローガーの本部があるオハイオ州内の6店舗のみの実施だが、すでに顧客から文句が上がっているのだ。

コロンバス地区にあるクローガーに行くと入り口に「お店を出る際にレシートが求められます(Receipt Required when you exit the store)」と告知している。

またスーツケースやダッフルバッグ、キャリーバッグの持ち込みを禁止することも表示されているのだ。

さらに案内板には「バックパック(リュックサック)やバッグ類、容器などを調べる権利を私達は有しています」と記載されているのだ。

対象となったスーパーでは万引きや盗難に対して新たな方針を掲げている。

日本でスーパーの万引きと言えば、万引きGメンが万引き犯を捕まえるYouTube動画をイメージするかもしれない。万引き犯は多くの場合、高齢者であり、盗んだものは2〜3アイテム程度の食品が一般的だ。

しかしアメリカの場合は生活苦によるシニアの万引きでは済まない。いくつかのグループに分かれて複数のスーツケース持参でやってくる組織的犯罪集団によるものになる。

万引きとは名ばかりで棚にある商品すべてを奪うような略奪となるのだ。

彼らは生活苦でやっているのではなく、盗品の転売を目的とした闇ビジネスでやっている。しかも手先となる実行役の人間は金銭や薬物依存症のために盗みを働いている可能性がある。

指示役のもとで万引きした商品を盗品売買業者や質屋、違法業者に転売して現金やドラッグを手に入れているのだ。

“ルフィ”などと名乗る指示役が2022年〜2023年にかけて日本全国で引き起こした広域強盗事件がニュースになっていたが、それの全米版と言えばいいだろうか。

したがって例えばホームセンター最大手チェーンのホームデポでは20万ドル(約3,000万円)分の電動工具が組織的犯罪集団によって持ち去られることになる。

ホームデポの店内に赴くと以前とは異なり物々しい防犯対策を見かけることになる。

「防犯カメラ稼働中」や「盗難が減れば価格を低く抑えられる」と注意を促すポップに防犯カメラが目立つ場所に設置されていたりする。

電動工具類は商品はスパイダーラップがかけられ、商品が抜き取られるとアラームが鳴るようになっている。高価格帯の電動工具では商品自体を盗まれないように南京錠がかけられたケージに入っているのだ。

お客はパッケージを眺めることもできず、購入する場合はスタッフが商品をレジに運ぶようにしている。ケージに入ったバッテリーパックなど一部の商品には防犯用のRFタグが取り付けられていたりする。

一部の電動工具では購入時に店側が起動しないと電動工具が使えない対策を取るなど、何十にも防犯対策を立てているのだ。

ホームデポなどホームセンターからウォルマート、クローガー等の駐車場にも明らかに目立つよう防犯カメラが360度でクルマを監視している。

ライブビュー・テクノロジー(LiveView Technologies)やロットコップ(Lot Cop)の移動式ソーラー電源型防犯監視カメラが目立つように設置されているのだ。

コンセントなどの固定電力やケーブルがなくても太陽光エネルギーで電源をまかなえるため、いつでもどこでもリアルタイムで駐車場を360度で監視できるのだ。

全自動でカメラやセンサーが働き、クルマだけでなく、人やペットなどの動物もAIのディープラーニングで分析できるようになっている。

全方位型カメラやセンサーがついたポールの高さはアナログで自由に変えられるので駐車場の広さに応じて変動させる。カメラやセンサーにはアラームやフラッシュライトが内蔵されているため、不審な動きがあれば即座に反応するようにもなっている。

移動式ソーラー電源型防犯監視カメラは導入が低コストでサブスクベースなのですぐにでも稼働できる利点があり、急激にチェーンストアの駐車場を中心に展開が広がっている。

 しかしこういった程度の防犯システムも略奪後に仲間が待っている車に飛び乗って速攻で駐車場を後にすれば捕まる可能性は低い。

したがってクローガーではそもそも略奪した商品が入ったスーツケースなどを持ち出されないように出口チェッカーをおいているのだ。

 問題は多くの顧客にとって確認のために再び行列に並ぶことが苦痛であることだ。特に忙しい週末では顧客数も増える以上に購入点数も増え確認に時間が取られてしまう。

どうしても出口付近から行列が伸びてしまうのだ。待ち時間が長くなることで気軽に買い物というわけにはいかない。

組織的犯罪グループによる盗難は大手チェーンストアにとっては頭の痛い問題なのだ。

トップ画像:サムズクラブでは出口のレシート確認で行列ができることもある。スーパーで同じことをやればさらに長い行列となってしまう。  続きを読む
Posted by usretail at 01:00Comments(0)スーパーマーケット
2024年05月26日

【立ったまま接客】、アメリカの座ったままレジ係り!食品スーパーでは一般的ではない?

240526座るレジ係@アルディ
■スーパーマーケットのレジ打ちなどで「立ったままの接客」を強いられていることについて厚生労働省が24日、事業者にヒアリングをして実態把握に乗り出すことを明らかにしたと日本のメディアが伝えている。

食品スーパーなどの接客業では、労働者が椅子の設置を求めても「座ることを許可していない」などの理由で事業者側が拒否するケースがあるという。

一方、座ったままのレジ打ちは海外では一般的だが、日本では普及していないとも伝えている。

しかし日本の流通業より5年〜10年先をいくアメリカではレジ係りが座っている事例は実は少数派になる。しかもレジ係りが座っているのは米国資本ではなく、ドイツ資本の食品スーパーなのだ。

このスーパーとはディスカウントスーパーのアルディ。

米国にはチェーンストア最大手のウォルマートからスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーやその系列、さらに地場の食品スーパーからエスニック系のスーパーまで数多くのスーパーマーケットがある。

生鮮食品も扱うコストコやサムズクラブなどのメンバーシップ・ホールセール・クラブ、一部に食品を扱うダラーチェーンやコンビニまで含めればかなりの数に及ぶのだ。

労働組合が強い一般的なスーパーもあるのだが、座ったままのレジ係りはアルディ以外はない。

 アルディではレジ係りが立ったまま作業するより、座ったままのほうがより速くスキャンできることをこれまでの計測から理解している。

アルディは常にレジ係りのチェックアウトスピードを測定している。一方、レジ係りにはノルマが課されており、1分間あたりのスキャン点数スピードがKPIとしてモニタリングされているのだ。

元従業員によるとレジ係りを研修で学んだ後、1分間あたり平均50点未満となる83%スピードならレイオフの対象となる。

ノルマとなるスキャニングスピードは95%の速度で、1分間あたり平均57点のスキャニングとなる。つまり100%のスピードとは1分間に60点のスキャニングになっている。

1時間あたりにすると(支払い等の時間が必要なため)約1,200点をスキャンすることを期待されており、シフトの終わりには速度を示す業績評価レポートもスタッフに渡されている。

レジ係りには猛者もいて、1時間あたり1,600点をスキャンするようなプロフェッショナルもいる。

アルディ・レジ係りのスピード・スキャニングには例外もあり、高齢者などから「せかせないでください」「遅くしてください」との要望があれば、効率性よりカスタマーサービスを優先し速度を落とすことを許可されている。

レジで追い立てられるような印象がついてしまうと年配者を遠ざけてしまうからだ。

なお決済完了後、次のお客のスキャニング開始までは3秒以下が努力目標とされていることも付け加えておきたい。

なぜならレジ係りの中には高いスキャンスピードを維持するため、お客がベルトコンベアに商品をすべて載せるまで待つ人もいるからだ。

 さらに指摘するなら、PB商品のパッケージにはパーコードがマルチサイドにつけられているのも作業効率を上げるアルディの工夫だ。

表面部分だけでなくパッケージの裏面や側面、底面にまで商品バーコードがついていることでスキャニングミスがなくなり、レジ係りのオペレーション効率を上昇させるのだ。

 38州に2,360店を展開するアルディはローコストオペレーションで知られている。

代表的なのが25セントのレンタル式(デポジットで返却時に返金)ショッピングカートだ。レンタル式にすることでショッピングカートはいつも指定された場所に戻されることで盗難コストが減少する。

駐車場に無造作に放置されて、ダメージを受けることもないのでメンテナンスも不要だ。スタッフがカートをあつめる手間も省けて人件費の圧縮にもなっている。

店内のインテリアが実質本位で余分な装飾は一切しないノーフリル(no-frills)もローコスト運営の工夫の一つ。店内ではライセンシングフィーのあるBGMを流していないのもアルディ流だ。

商品陳列も段ボール箱を開けて積むだけのオープン・カートン・ディスプレイ(open carton display)を採用し、スタッフが商品を一つ一つ棚に並べる必要がない。対面のデリ・精肉コーナーもなく、袋詰めのスタッフもいない。

その結果、卵に牛乳やパンなど毎日の食品が劇的に安い。

実際、最近の調査でも食品の必須アイテムでアルディがプライスリーダーであることが証明されているのだ。

オンライン・セービングガイドのブラボーディール(Bravo Deal)によると、アルディが最も安いとの分析結果を発表した。

このリサーチでは牛乳に卵、パン、炭酸飲料、シリアル、冷凍ピザ、ポテトチップス、洗濯洗剤、ピーナッツバター、ジェリー、ハム、鶏むね肉で大手のチェーンストアの価格を調査したもの。

1位がアルディで43.48ドル、2位がリデルで54.24ドル、3位がトレーダー・ジョーズで60.58ドルだった。

4位がアルバートソンズの63.18ドルで5位がウォルマートで64.98ドルだったのだ。アルディはウォルマートよりも20ドル以上も安価だったことになる。

 座ったままの"接客"アルディはインフレを追い風に絶好調となっているのだ。

トップ画像:アルディではレジ係りは座ったままで作業を行う。レジ係りで座ったままは米国小売業ではむしろレアだ。  続きを読む
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2024年05月25日

【ウォルマート】、店舗数が再び減少!2倍弱の広さとなる新ネイバーフッドマーケット?

240525ウォルマート・ネイバーフッドマーケット
■チェーンストア最大手のウォルマートは今週初め、第1四半期(2月〜4月期)決算に合わせて店舗数のアップデートを発表した。

期末時点となる4月30日のウォルマートUSは4,609店舗と前期末(2024年1月31日)時点から6店舗の減少となった。

内訳はスーパーセンターが3,559店となり前期の3,560店から1店舗減少。前年同期からも1店舗の減少となったのだ。

ネイバーフッドマーケットは673店舗となり前期からは2店舗の減少。前年同期(677店)からは4店舗の減少だ。

またディスカウントストアは357店舗となり3ヶ月前から3店舗の減少、1年前の361店からは4店舗の減少となった。

小型店舗となるスモール・フォーマットは前期と変わらず20店舗。2023年4月30日時点だった77店舗からは57店の減少となっている。

直近の既存店・売上高前年同期比は3.8%の増加となった。これにより2014年8月〜10月期から39四半期連続で前年を上回っている。

店舗数が減少しているにも関わらず既存店ベースで成長を維持しているのはEコマース事業が8四半期連続して二桁成長していることが要因にあるのだ。

ウォルマートのEコマース売上高前年同期比率は2022年5月〜7月期の第2四半期の12%増から、16%増、17%増となった。

2023年の第1四半期の27%増から24%増、24%増、17%増となり直近の今年第1四半期の22%増まで8四半期の平均伸長率は20%となる。

ウォルマートのEコマースを支えているのはカーブサイド・ピックアップや宅配サービスのネットスーパーだ。

生鮮品を含むネットスーパーの朝から夜まで利用時間帯を拡大しており、これまでウォルマートで買い物しなかった富裕層まで引きつけているのだ。

Eコマースの利用者が増えれば、集まってくるのがウォルマート・マーケットプレイスに出品する業者だ。

マーケットプレイスが扱う品目数が増えれば価格も抑えられて、さらにネット集客できるため「はずみ車(Flywheel)」効果が働いていく。

言い換えればウォルマートのネットスーパーが強力な武器になっているため、ネット通販最大手のアマゾンも手が出ない状況となっている。

 ウォルマートは21日、ネットスーパーに最適化された店舗を2店舗オープンした。

ウォルマートは1月に向こう5年間で150店をオープンすることを発表しているが、その一環として、フロリダ州サンタ・ローザ・ビーチ地区とジョージア州アトランタ地区にそれぞれネイバーフッドマーケットをオープンしたのだ。

新たに開店したネイバーフッドマーケットがユニークな点は広さだ。

1998年から始動したネイバーフッドマーケットの平均店舗面積(ウォルマートの年次報告書10K)は42,000平方フィート(約1,180坪)となっているが、サンタ・ローザ・ビーチ店(6861 US-98, Santa Rosa Beach, FL 32459)は57,000平方フィート(約1,600坪)にもなる。

400坪以上も広くなっているのだ。

驚くのはアトランタ地区バインシティのネイバーフッドマーケットだ。2022年12月までウォルマート・スーパーセンター(火事で閉鎖)があったところに75,000平方フィート(2,100坪)のネイバーフッドマーケットをオープンしたのだ。

ネイバーフッドマーケット・バインシティ店(835 M.L.K. Jr Dr NW, Atlanta, GA 30314)は通常の2倍弱にもなる。

治安の悪い場所にあるバインシティ店は盗難が多かった。食品以外の商品も多く占めるスーパーセンターでは万引が横行していた。

そこでスーパーセンターから食品中心のネイバーフッドマーケットに業態を転換した経緯がある。

また巨大になったネイバーフッドマーケットはデリやベーカリー、金融サービスのマネーなど扱い品目数やサービスを大幅に増やしただけではない。

伸び続けるネットスーパーに対応してピックアップ用となる一時保管場所を広く確保し、売り場の通路も広くとったのだ。

ウォルマートに視察すると目にするのは信じられないほど増えたピッカーだ。ネット注文品を生鮮品等の売り場でスタッフがピッキングする光景を必ず目にする。

問題なのはネットスーパーが増え続けると増員したピッカーが買い物客の邪魔になることだ。したがって"シン"ネイバーフッドマーケットは広くなりネットスーパーに最適化された店舗となる。

 ウォルマートは1年程度で47州にある650店を改装するのだが、新しくオープンしたネイバーフッドマーケットのようにネットスーパーに最適化された店にアップデートすることになるのだ。

トップ画像:21日にオープンしたネイバーフッドマーケット・サンタ・ローザ・ビーチ店。7,000平方フィート(約1,600坪)にもなり、通常より400坪以上も広くなっている。  続きを読む
2024年05月24日

【コストコ】、ロテサリーチキンがバッグになり会員確認で厳しく店数で競合を上回った?

240524コストコ
■メンバーシップ・ホールセール・クラブのコストコはここ1年、些末に見えるけれども歴史的に見れば大きく変化したところがある。

1つ目は今年に入って大人気のロテサリーチキンの容器がプラスチックバッグに変更になったことだ。

2009年以来、価格を4.99ドルを維持しているロテサリーチキンはインフレが続く中、昨年には世界で1.37億個も売れた大人気商品だ。

丸鶏を低温のオーブンで回転させながらじっくり焼いたチキンの容器をハードなコンテナからバッグに変えたことで経費削減しながらも価格を上げないコストコの意地が伝わってくるようだ。

2つ目の変化は会員カードのチェックが厳格化したことだ。

物価高になる以前からコストコでは、家族や友人間などで会員カードの貸し借りが行なわれていた。激安のロテサリーチキンや安価で人気のカークランド商品を購入するなどに使われていた。

特にここ数年のインフレで富裕層さえウォルマートで買い物して節約志向となるほど倹約ムードになるなか、会員カードの不正シェアリングでコストコで買い物をする人が増えたのだ。

コストコには一般会員となるゴールドスター会員(年会費60ドル)と上位の会員資格となるエグゼクティブ会員(年120ドル)の2種類がある。

コストコでは2019年ころから、これらの会員カードを家族や友人などの非会員に貸したりするシェアリングが目立つようになっていた。

そもそもコストコの会員カードは「顔写真付き」で、利用できるのは本人のみ。会員でない人(非会員)が会員カードを借りても、店舗を利用できないルールになっている。

店舗に入る際、入り口でスタッフが会員カードの有無をチェックする。非会員が、誰かから借りたカードを持っていても入店はできないようになっているのだ。

レジで会計する際にもレジ係が会員カードをチェックすることになっている。しかし実際には会員カードのチェックは「極めて甘かった」というのが実情だった。

会員カードの貸し借りが規約で禁止されていても、実際には非会員が会員から会員カードを借りて「お試しで買い物をするケース」があり、店側としても「商品に満足して、会員になってくれるのでは」との期待から“目をつぶっていた”側面があったのだ。

コストコは平日でさえ広い駐車場が満杯になるほどの人気を誇る。入り口での会員カードのチェックを厳しくすれば、店舗に入るのにも長い行列ができてしまう。

そのため入り口でのチェックは、会員カードをちらと見せる程度だったのだ。

長引くインフレで不正利用が横行し始めたことでコストコでは昨年7月、会員カードの抜き打ちチェックを始めた。一部には免許証などIDも同時に確認するほど厳格に対応するようになった。

コストコは今年1月、ワシントン州イサクアにある本社隣のコストコでは入り口で専用デバイスによる会員証スキャニングが求められるようになった。

Xにアップロードされた画像では会員が入り口で止められ、スタッフが端末で会員証をスキャンしているところが映っている。

また画像には「倉庫に入る前にメンバーシップをスキャンすることを求められます(You will be asked to scan your membership before entering the warehouse)」と表示されているのだ。

一部のニュースサイトがコストコに確認したところ、会員証スキャニングの事実を認めて数店舗でのテストとしている。

会員カードの確認が厳格化しても、むしろ人気に箔をつけている感すらある。

コストコの勢いが止まらないのだ。コストコの2023年9月通期(2023年9月3日時点)の売上高(会員費含む)は2,422.9億ドルで前年比6.8%の増加となる。

日本を含め海外など全861店舗の会員数は1,279万人となり前年の1,189万人から90万人の増加となり、加入ペースが増えているのだ。

既存店ベース(為替調整済み)はインフレの影響により4%増となり、前年の10%増、前々年の14%増と成長率を落としているものの出店ペースは加速している。

つまり3つ目の直近の変化として店舗数がコストコ・ホールセールとして初めて競合のサムズクラブを上回ったのだ。

コストコの国内店舗数は2023年9月〜11月の第1四半期で599店となり、サムズクラブと肩を並べた。

12月31日時点でコストコは600店になったのだ。5月8日時点には604店舗に増え、サムズクラブとさらに差が開いている。

コストコは1993年、プライスクラブと合併して以来、店舗数でサムズクラブを抜いたことはない(プライスクラブは1980年代、サムズクラブより店舗数で勝っていた)。

今回の出店ペースの加速でチェーンストア最大手ウォルマート傘下のメンバーシップ・ホールセール・クラブを初めて上回ったことになる。

 ただコストコとサムズクラブは同じ業態にも関わらず戦略は大きく乖離しつつある。サムズクラブはECなどを含めDXやイノベーションに非常に熱心なのだ。

米国内に展開するサムズクラブの売上高は2024年1月通期で861.79億ドル。数字ではコストコより見劣りするものの、戦略的に優れておりスキャン&ゴーなど参考にもできるのでサムズクラブは必ず視察しているほどだ。

言い換えればコアコンピタンスをどこに置くのかでメンバーシップ・ホールセール・クラブもポジショニング(戦略的立ち位置)が大きく変わり戦い方も違ってくるのだ。

トップ画像:昨年末、国内店舗数で競合サムズクラブを初めて上回ったコストコ・ホールセール。現在までにサムズクラブ599店に対して604店舗になっている。  続きを読む
2024年05月23日

【ターゲット】、ウォルマートとは対照的!減収減益に既存店は4四半期連続のマイナス?

240523ターゲット
■ディスカウントチェーンのターゲットが22日発表した第1四半期(2月〜4月期)は既存店ベースが減少し、4四半期連続してマイナスとなった。

先に発表されたウォルマートの決算内容とは対照的で減収減益と厳しい業績になっている。

売上高は前年同期から9店舗ふえているものの3.1%の減少となる245.31億ドルだった。純利益は前年同期の9.50億ドルから0.8%減となる9.42億ドルの減益となった。

粗利益率は前年同期の27.7%から1.4ポイント増加したものの、一般販売管理比率が前年同期の19.8%から1.3ポイントも増加し21.1%になったことでほぼ相殺した。営業利益率は前年同期の5.2%から5.3%と微増。

既存店・売上高前年同期比は3.7%の減少となった。前年同期の既存店ベースは横ばい。

既存店ベースは前年の第2四半期(5月〜7月期)の5.4%減少、続く第3四半期(8月〜10月期)が4.9%の減少になり、第4四半期(11月〜1月期)も4.4%の減少とマイナス幅は減少傾向となる。

なおターゲットが4四半期連続してマイナスとなったのは2016年の5月〜7月期から4四半期連続した以来となる。

既存店ベース3.7%の減少の内訳は客数が1.9%の減少、客単価も1.9%の減少。既存店ベースのうち店舗によるものは4.8%の減少だったが、オンラインを介した既存店ベースは1.4%の増加になっている。

高止まりするインフレに金利の上昇、クレジットカード負債の増大まで様々な形で家計を圧迫しており、ターゲットの顧客はアパレルから食品まで裁量支出を減らし節約しているのだ。

 ターゲットのネット販売でも店頭在庫から出荷されるオンライン売上は97.7%を占めた。これには当日宅配サービスや店舗の専用駐車スペースで受け取るカーブサイド・ピックアップ・サービス「ドライブ・アップ(Drive Up)」、ネット注文品を店内のカウンターで受け取るボピスの「オーダー・ピックアップ(Order PickUp)」がある。

 売上全体に占める店売上は81.7%(前年同期は82.5%)と売り場よりデジタルにシフトしているのが伺える。これでオンライン売上は全体の18.3%となり、前年同期の17.5%から増加しているのだ。

ターゲットは先月から開始したサブスクリプション「ターゲット・サークル360(Target Circle 360)」に際して自社カードの「レッドカード(RedCard)」を「サークルカード(Circle Card)」を変更しているが利用率が減少。

金利高が影響して利用率は前年の19.0%から18.0%と1ポイントも落ちているのだ。

 ターゲットは国内に1,963店を展開しており、その内訳はスーパーセンター業態など4,760坪以上の大型店が273店(前年同期から1店舗減少)、1,400坪〜4,760坪未満の通常のディスカウントストア・フォーマットは1,547店(前期から5店舗増、前年同期からは17店舗の増加)となっている。

一方、「フレキシブル・フォーマット(flexible format)」と呼ばれている1,400坪以下の小型店は前年同期から7店舗減少し143店舗となった(前期からは2店舗増加)。

 ターゲットは20日、購入頻度が高い約5,000品目を値下げすると発表した。しつこいインフレで家計が逼迫している顧客を呼び戻すのが狙いとなる。

上記の決算内容からも明らかなように依然として高い食品物価に加え金利高で家計は一段と圧迫されている。節約志向を強める消費者は、店舗やオンラインで低価格の商品を探し回っているのだ。

競合ウォルマートには富裕層まで買い物きている現状がある。それに対抗するためターゲットは食品や日用品の値段を順次さげていき、夏場にかけて別の商品も値下げする計画だ。

 ネット通販最大手のアマゾンの「アマゾン・プライム(Amazon Prime)」やウォルマートの「ウォルマート・プラス(Walmart +)」に対抗したターゲットのサブスクリプションは加入者数が100万人を上回ったとしている。

4月7日にローンチしたサークル360は5月18日までにサインアップすると年会費が49ドルだった。それ以降は年会費99ドル。

サークル360の主な内容は当日宅配が35ドル以上の注文で手数料が無料となり最短で1時間で届く。またフルフィルメントセンターからの発送となる商品については最低注文金額の条件がなく2日間シッピングで手数料が無料となっている。  続きを読む