2023年09月22日

【ビッグY】、中小スーパーがスマホレジを全店展開!中西部のハイヴィーは万引で中止?


■チェーンストア最大手ウォルマートの傘下でメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブでは2016年から全店で「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を行っている。

日本で最近、セブンイレブンなど一部のチェーンストアで「スマホレジ」と呼んでいるものだ。

スキャン&ゴーもしくはスマホレジは、買い物においてレジを介さずに顧客のスマートフォンで商品のスキャンから決済までが完結できるサービス。

スマホレジには、まずスマートフォンに専用アプリをインストールし、クレジットカード情報の登録等を行なうことで準備が完了となる。

店舗の売り場では、アプリを起動して商品バーコードをスキャンし最後に任意の決済方法でスマホレジ決済を行う。

このスマホレジについてはサムズクラブのように全店に導入しているチェーンもあればテスト途中で止めたチェーンもあり、アメリカでは2極化しているのだ。

直近では東部地区にある中堅スーパーがスマホレジの全店導入に踏み切っている。

マサチューセッツ州やコネチカット州に73店舗の食品スーパーを展開するビッグYは20日、「マイエキスプレス・チェックアウト・スキャン&ゴー(myExpress Checkout Scan & Go)」を全73店に拡大すると発表した。

1936年創業のビッグYでは2021年9月から29店舗でスマホレジのテストを開始。2年間におよぶ実証実験でスマートフォンを使った便利な購買体験を全店で展開するのだ。

多くのスマホレジと同様にビッグYでもスマートフォンにダウンロードした専用のストアアプリを店で起動して買い物を開始する。

カメラの状態にして商品バーコードをスキャンしていけばアプリ内にあるショッピングカートに商品が載ることになる。

アプリは顧客のリワードカードとも連動しているので会員用ディスカウントも自動的に適用される。

野菜や果物などの量り売りでは専用のデジタルスケールに商品を置き、タッチスクリーンで商品のPLU番号もしくはオレンジ等の商品名を入力する。

質量と価格とともにバーコードが表示されるので、それをスキャンすれば商品がカート一覧に掲載されるのだ。

買い物後の決済は「チェックアウト」ボタンを押して、専用チェックアウトエリアにあるQRコードをスキャンすれば決済が完了するのだ。

 スマホレジを全店で展開しているのはサムズクラブに2019年に全店で解禁したマイヤーがある。

ミシガン州を中心に中西部6州にスーパーセンター250店を展開するマイヤーは「ショップ&スキャン(Shop & Scan)」を全店に導入したのだ。

なおウォルマートではサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」の会員特典としてスマホレジを全店で展開中。

 一方で、テスト途中でスマホレジを止めたのはスーパーマーケット最大手チェーンのクローガーがある。

クローガーや傘下のスーパーで行っていた「スキャン、バッグ、ゴー(Scan Bag Go)」は2019年に公には発表せずに密かに中止した。

ニューヨーク州などの約110店を展開する食品スーパーのウェグマンズも1年前、「ウェグマンズ・スキャン(Wegmans SCAN)」を中止することを発表した。

ウェグマンズ・スキャンの停止理由を「万引き」としていたが、ロスによる損失額は発表していない。

中西部ではアイオワ州など8州に285店舗近くを展開するハイヴィーも「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を今年2月に中止したのだ。

ハイヴィーはビッグYと同じフューチャープルーフ・リテール(FutureProof Retail)のスマホレジを使ったシステムだったが、万引き多発を理由に中止した。

 スマホレジを数年にわたってテスト展開している中堅クラスの食品スーパーは数多い。

ニューヨーク州を中心に162店舗のスーパーを展開するトップス・フレンドリー・マーケットが2020年末から「トップス・ショップ・プラス・スキャン(Tops Shop + Scan)」のテストを開始。

ニュージャージー州に300店以上を展開するショップライトも「モバイル・スキャン(Mobile Scan)」を導入しているが、万引き被害を防ぐため抜き打ち検査も同時に行っている。

ペンシルベニア州など5州に220店近くの食品スーパーを展開するジャイアント・イーグルも「スキャン・ペイ&ゴー(Scan Pay & Go)」をテスト中だ。

コネチカット州など5州に400店以上を展開するストップ&ショップでも専用アプリとスキャニング端末の「スキャン・イット(Scan It)」でおこなっている。

ミシガン州で140店展開するスーパーマーケットのスパルタンナッシュも「チェックアウト・ナウ(Check Out Now)」をテスト中だ。

テキサス州などに約400店舗のスーパーを展開するHEBも「HEBゴー(HEB Go)」で行っている。

 食品スーパーではないもののダラーゼネラルやセブンイレブンのスマホレジを導入している。スマホレジについてはロス率と顧客からのリクエストで今後も二極化しそうだ。

トップ動画:ビッグYのスマホレジ「マイエキスプレス・チェックアウト・スキャン&ゴー(myExpress Checkout Scan & Go)」のPR動画。同じシステムをハイヴィーがテストしていたものの今年2月に中止している。スマホレジの課題は万引きだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:30Comments(0)スーパーマーケット
2023年09月21日

【ウォルマート】、初となるペットサービスをテスト展開!セルフシャンプー室まで完備?

230921ペットサービス@ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートは20日、同社では初となるペットサービスをオープンしたことを発表した。

コロナによりリモートワークやハイブリッドワークが増えた結果、ペット市場が急成長しており、利益率の高いペットサービスに本格的に乗り出す。

犬用にセルフウォッシュルームまで完備した「ペットサービス(Pet Services)」センターはアトランタ郊外ダラス地区にあるスーパーセンター(3615 Marietta Hwy, Dallas, GA 30157)にある。

専用のエントランスをもつウォルマート・ペットサービスではペットサービスを提供するペットIQ(Pet IQ)と提携し獣医サービスにグルーミング等のサービスも提供しているのだ。

ペットサービスでもウォルマートはエブリデー・ロープライスに明瞭会計プランで顧客にワクチン等を提供するとしている。

例えば狂犬病ワクチンは25ドル、定期検診は70ドル、医療サービス等をトータルにパッケージしたサービスは97ドルとなっている。

詳細は明かされていないもののペットサービスのサービスリストには子犬サービス(77ドル)や子猫サービス(85ドル)も表示されている。

グルーミングでは爪切りが15ドル、シャンプーが24ドルからとなっており、シャンプーやトリミングを含めたグルーミングは42ドルからとなっている。

専用ルームで飼い主がセルフでシャンプーを行う場合は9ドルという価格設定だ。

生鮮品など食品を扱う売り場にペットなどの動物を持ち込むことが禁止されているため、ペットサービスでは買い物中のペットの一時預かりも行うとしている。

ウォルマートでは2016年から獣医サービスを開始しており、現在までに65店舗で展開している。ウォルマートにある全薬局ではペット用の医薬品も扱っており、処方箋にも対処できるのだ。

ウォルマートでは同社のサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」の会員に期間限定オファーとして、ペット保険のパープ(Pawp)のサービスも特典に加えディスカウントも提供する。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で自宅で過ごす時間が増えた結果、コロナ禍でペットフードやペットケアなどのペット市場が急成長している。

空前のペットブームでペット関連の市場規模は毎年拡大を続けていたところにパンデミックによる巣篭もり需要でさらに押し上げてしまったのだ。

アメリカペット用品協会(APPA:America Pet Prduct Association)が今年4月に発表したレポートによると、アメリカ国内のペット市場の規模は2022年、1,368億ドル(約20.2兆円)となった。

APPAでは2021年からペット市場が二桁成長となる10.8%も増加したと明かしているのだ。

リモートワークやハイブリッドワークが増加したことでコロナ禍から2,300万世帯が新たに犬や猫などのペットを飼い始めたという。

特にミレニアム世代やZ世代がペットを家族以上の存在に押し上げているため、高額なペットフードやサービスが売れている。

2025年には一世帯あたりのペット支出が1,320ドルになり、2030年には1,897ドルになるとの試算だ。

この結果、2030年までにペットフードやペット医療、グルーミング等のサービスを含めたペット市場が2,770億ドル(約41兆円)規模に達すると予想されているのだ。

いまのところウォルマートはペットサービスをテストとしているが、3,500店以上となるスーパーセンターの店舗網を駆使して巨大なペットサービス市場に進出しようとしているのだ。

ウォルマートはインフレが加速して新規客として富裕層を取り込んでいる。これまでは敬遠していた富裕層客が節約で買い物しているのだ。

売り場に行かずとも買い物ができるネットスーパーは重宝されており、ペットサービスの提供でさらなる囲い込みで集客を盤石にできる見込みだ。

 リアル店舗を活用したサービス展開は、2019年から始動しているヘルスセンター(現在までに48ヶ所)を含め徐々にウォルマートで拡大していく。


ウォルマート・ペットサービスのニュース用の素材動画。ペットサービスでもウォルマートはエブリデー・ロープライスに明瞭会計プランで顧客にワクチン等を提供している。  続きを読む
2023年09月20日

【アマゾン】、ジャスト・ウォークアウトにRFIDタグを併用したチームショップ始動!

230920ジャスト・ウォークアウト00
■ネット通販最大手のアマゾンは19日、同社が開発した自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」にRFIDを組み合わせたアパレルショップ展開していることを明かした。

カメラやセンサーで買い物客の動きをトラッキングし人工知能(AI)のディープラーニングを駆使して決済するジャスト・ウォークアウトにICタグを追跡するシステムも併用することで決済の精度を向上する。

RFID(Radio Frequency Identification)は電波を用いて商品タグのようなICタグのデータを非接触でフォローするシステム。

デジタルIDソリューションのエイブリー・デニソン(Avery Dennison)と提携したRFIDを併用したジャスト・ウォークアウトはワシントン州シアトル市にある屋内競技場のクレイメット・プレッジ・アリーナ(Climate Pledge Arena)でテストを行っている。

ジャスト・ウォークアウトを導入したショップで、衣料品やシューズ、キャップ帽などの商品それぞれにRFIDタグを付けて自動決済システムを稼働しているのだ。

カメラやセンサーを通じてお客の動きをトラッキングするだけでなく、ICタグで商品の動きも追跡している。

すでにプロアイスホッケーチームのシアトル・クラーケン(Seattle Kraken)の試合で何度か実証実験を行ったという。

またナショナル・フットボール・リーグのシアトル・シーホークスが本拠地にするルーメン・フィールド(Lumen Field)のチームショップ「シーホークス・プロショップ・アウトレット(Seahawks Pro Shop Outlet)」でもジャスト・ウォークアウトとRFIDを併用したシステムを導入。

Tシャツ等のチームグッズの購入でファンはレジに並ぶことなく、好きな商品をそのまま持ち出せるのだ。
 
アマゾンによるとルーメン・フィールドにはジャスト・ウォークアウトを導入した売店が8ヶ所ある。

昨シーズン中、これらの売店でのカスタマー・スループット(一定時間あたりの顧客の処理能力)が非導入に比べて60%増加したとしている。

以前に比べてジャスト・ウォークアウト導入店では売上高が倍増したとも報告している。

今年初めのシーズン終了時には一試合あたりの処理件数が85%に増加し、一試合あたりの売上高は112%も増加した。

 ジャスト・ウォークアウト導入店では入り口にあるゲートでアプリに表示したQRコードを読み込ませるか、クレジットカード(デビットカード)を挿入するか、もしくは手のひらをかざして入店する。

買い物が終われば商品をもってレジを通らず、そのままゲートから出る。QRコード等と紐付いたアマゾン・アカウントで決済を終えることができるのだ。

一方でジャスト・ウォークアウトにはデメリットもあり、商品をいくらでどのくらい購入したのかがすぐには分からないのだ。

大抵の場合、ジャスト・ウォークアウトでの買い物が終わってから(ゲートを出てから)レシートを受信するまで最短でも数十分待たなければならない。数時間程度待たされることも珍しくないのだ。

RFIDを併用したジャスト・ウォークアウトではレシートを受信できるスピードがどれほど向上するかは明かしていない。

 ジャスト・ウォークアウトには致命的な欠点もある。それは頻発するエラー等の計算ミス。取ってもいない商品を決済されていたり、逆に購入した商品が決済されていないことがしばしば起こるのだ。

筆者は生活者としてジャスト・ウォークアウトを利用して買い物することに加え、研修参加者と一緒に買い物をすることがある。

経験則からレジなしシステムの買い物では2回の1回の割合で何かしらのミスを起こしている。直近でもアマゾンゴーに加えて、同じ日に行ったアマゾンフレッシュでも取ってもいない商品をレシートにつけていたりとエラーを起こしていた。

 RFIDタグは年々低価格化しているとはいえ一定のコストが発生するため、低価格商品の販売には不向きだ。

チーム公認ショップのアパレル品などは高額になるためRFIDタグのコストは商品に載せ人件費を削減できることになる。

 アマゾンによるとジャスト・ウォークアウトを導入した店舗はアメリカ国内、イギリス、オーストラリアに直営で70ヶ所を展開している。

空港やアリーナなどのスポーツ施設、テーマパーク、キャンパス内の売店では85ヶ所で展開されているという。  続きを読む
Posted by usretail at 01:30Comments(0)イノベーション
2023年09月19日

【銃社会】、ウォルマートでは毎月3人の割合で命を落とす!平和すぎて日本人は勘違い?

230919ウォルマート00
■銃社会のアメリカでは生活圏内で銃による殺人事件が起こることが珍しくない。

ロサンゼルス国際空港から10分程度のところにあるアマゾン・フレッシュ・ラデラハイツ店は筆者がよく利用する食品スーパーだ。アマゾンが開発したスーパーの駐車場で今年5月末、殺人事件が起こったのだ。

この近くに住む83歳の黒人男性が31歳の中南米系の男性を銃撃したというもの。両者はアマゾン・フレッシュのスタッフでもなければお客でもない。

あおり運転か何かの問題でアマゾン・フレッシュの近くにあるアパートに住む女性と、ヒスパニック系の男性とのあいだで口喧嘩が勃発した。それをアパートのバルコニーから見ていた高齢者が仲裁(女性とは知人だったようだ)に入ったのだ。

しかし中南米系の男性から差別用語のNワードを言われたことで至近距離から銃でうった。ケンカの仲裁に銃を持っていくというのも問題だが、後期高齢者が差別用語を言われた程度で拳銃の引き金を引くというのはアメリカの日常でもある。

今年1月にはロサンゼルス近郊のモントレーパークで旧正月を祝うダンスパーティで男が銃を乱射し男性5人、女性5人の合わせて10人が死亡し、10人がけがをした事件があった。

この銃乱射事件からおよそ12時間後、警察はロサンゼルス郊外トーランス地区にあるショッピングセンター駐車場で男が乗っていた車を発見。車内から銃声が聞こえた後で、特殊部隊を突入させたところ男が死亡しているのを確認したという。

乱射事件の犯人が自殺した場所も筆者の生活圏。

日系スーパーのトーキョーセントラル(親会社はドン・キホーテ)に百均のダイソー、ドラッグストアチェーンのライトエイドもテナントに入っているショッピングセンターだ。大通りを挟んだ向かい側にはアマゾンゴー郊外型店もある。

アメリカの日常生活と銃は切ってもきれない。

その証拠にチェーンストア最大手のウォルマートで検索すると銃にまつわる事件が毎日のようにおこっているのがわかる。

英語版のGoogle Newsで「Walmart」「Gun」で検索するとほぼ毎日のように銃に関しての事件がおこっていることがわかるのだ。

 ウォルマートで起こった凄惨な事件は直近では昨年11月にあった。バージニア州チェサピーク地区のウォルマートで銃乱射事件が発生し、当局によると6人が死亡し少なくとも4人が負傷。

容疑者は現場で自殺した。銃事件をデータ化しているガン・バイオレンス・アーカイブ(Gun Violence Archive)によると、チェーンストアではウォルマートで銃事件が圧倒的に多いのが分かる。

ガン・バイオレンス・アーカイブは2020年1月からチェサピークの銃乱射事件(2022年11月)までのチェーンストアでおこった銃犯罪をランキング形式でまとめている。

 銃犯罪件数ではウォルマートがチェーンストアでダントツとなる363件となっている。銃犯罪件数で2位となったスーパーマーケット最大手チェーンのクローガー45件の8倍に上る。

しかも全12社で起こった銃犯罪件数の全536件の実に7割(68%)がウォルマートで起こっている。ウォルマートでは毎月10件の割合で銃犯罪が起こっているのだ。

さらに銃による死者数もウォルマートは112人とクローガー20人の6倍近くにもなり他社を圧倒している。35ヶ月間で112人となれば1ヶ月あたり3.2人となる。

ウォルマートで銃犯罪が起こるのは傘下のサムズクラブを含め国内に5,200店を展開していることが理由だ。週の客数は1.4億人にも上り、中心顧客は低所得者層となることも要因だろう。

3,500店以上を展開するスーパーセンターは5,000坪にもなる広い売り場で、その多くが24時間営業。広大な駐車場をもっているのも銃の事件が起こる原因だ。

 その結果、毎日のようにどこかのウォルマートで銃犯罪以外でも様々な事件が起こることになる。ナンバー1チェーンストアの現実でもある。  続きを読む
2023年09月18日

【ウォルマート】、ネットスーパー宅配で深夜便!武器・兵器のアップデートは不可欠?

230918宅配@ウォルマート00
■チェーンストア最大手のウォルマートは12日、注文から90分以内に宅配する「エクスプレス・デリバリー(Express Delivery)」で遅い時間帯の注文にも対応することを発表した。

ネットスーパー需要が拡大するウォルマートではサービスの利便性を向上し、サブスクリプションなど顧客の囲い込みを図る。

ウォルマートの専用アプリやウェブサイトから注文することで、午後9時半までの注文で午後10時までに宅配の利用が可能となるのだ。

専用アプリにあるライブショッパー機能を使うと、利用者は担当者とテキストでリアルタイムコミュニケーションができ、注文の追加や代替商品の相談も可能となる。

 ウォルマートの店舗から宅配されるエクスプレス・デリバリーはコロナ禍にあった2020年4月、2時間以内の宅配サービスとして100店舗から始動。翌月には1,000店まで拡大し、すぐに2,000店に展開した。

当時の時短宅配の対象商品は食品や日用品、家電、おもちゃなど16万アイテムだった。現在までに4,000店舗以上から宅配され、対象商品も20万アイテムにも増加している。

ウォルマートはエクスプレス・デリバリーと同じ頃に始めたサブスクリプション「デリバリー・アンリミテッド(Delivery Unlimited)」を2020年9月、「ウォルマート・プラス(Walmart +)」に名称を変更している。

年間98ドル(月額12.95ドル)となるウォルマート・プラスはアマゾン・プライムに対抗する有料のメンバーシップ・プログラム。スーパーセンターにある食品や日用品、オモチャ、家電品などを対象に無制限で無料で当日宅配を受けられる他、ガソリン割引や店内での買い物時でのセルフスキャニング・チェックアウトも特典となっている。

ウォルマート・プラスはセールイベントのアーリーアクセス権などの特典を増やしながら昨年7月には留守宅の冷蔵庫等に直配する「インホーム・デリバリー(In Home Delivery)」をアドオンに加えたのだ。

インホーム・デリバリーの利用料金は年会費148ドルもしくは月額19.95ドル(サインアップから30日間は無料)だったが、ウォルマート・プラス会員が申し込むと年額40ドル(月額7ドル)を追加支払いでアップグレードできるようになったのだ。

つまり年会費が139ドル(月額19.95ドル)となる。なお1回の注文は35ドル以上となっており、下回れば5.99ドルがチャージされる。

 インホーム・デリバリーはスマートフォン・アプリの遠隔操作でドア(もしくはガレージドア)を開錠・施錠できるレベル・ホーム(Leve Home)のスマートロックを購入する必要がある。

ウォルマート・アプリとは別にインホーム・デリバリーの専用アプリもダウンロードする。

同サービスの配達員は万が一事故を起こしたり、利用者宅に損害を与えた場合に備え、最大100万ドル(約1.1億円)が支払われる損害賠償保険にはいっている。配送には配送用EVバンを100%使用する。

配達員は利用者宅で専用のアプリを使ってドアを開錠する。シューズカバーに手袋・マスク姿の配達員が利用者宅に入り、注文品を冷蔵庫に詰めたり、ガレージの冷蔵庫内に置いたりするのだ。

配達員はカメラを装着しており、利用者は宅配の様子をリアルタイムでスマートフォンで確認できる他、録画(録画データの保存期間は宅配から7日間)でも専用アプリを介してチェックできることになる。

返品がある場合は配達員が持って帰ってくれるサービスも含まれており、梱包したり宛先ラベルを貼る必要はなく、ドアの近くに置いておけばOKとなっている。返品処理も翌日には完了する。

インホーム・デリバリーの宅配時間は毎日午前9時〜午後6時まで(午後1時からの1時間は除く)。

インホームはマイアミやダラス、サンフランシスコなど46都市、3,500万世帯をカバーしている。

 ウォルマートは先月発表した第2四半期(5月〜7月期)決算でネットスーパーを含めた国内のEC売上高が前年同期比で24%の増加となった。

ウォルマートCFOのジョン・デビッド・レイニー氏は「(ネットスーパーの利便性向上により)当社の専用アプリを頻繁に利用する、Eコマースのトレンドを気にいっています」と述べた。

ウォルマートは1年前、ネット注文を専用の駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップの返品バージョン「カーブサイド・リターン」も全店で開始しており、ネットスーパーのサービス競争も激しさを増している。  続きを読む
2023年09月17日

【ハロウィン】、3.6メートルの巨大ガイコツは定番化!コストコは歌うパンクロッカー?

230917巨大スケルトン組み立てインストラクション
■新学期商戦も終わりとなり、次のイベントに向けて秋の季節商戦が始まっている。10月31日(日曜日)はハロウィンだ。

子供達はこの日、好きな仮装をして暗くなってから近隣の家を回り「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ(Trick or treat:トリック・オア・トリート)」と唱えながらチョコレートやキャンディを貰う。

クリスマスに次いで子供達に人気のイベントになっている。ハロウィンでは仮装をする人たちに注目が集まるが、クリスマスのように自宅や庭にジャック・オー・ランタン(カボチャのランターン)などを熱心に飾り付けする人もいる。

ハロウィンの飾り付けで一般的なのはカボチャやゴースト、クモ、クモの巣、魔女など。オブジェに熱心になればなるほど不気味さを感じさせ、お化け屋敷の雰囲気を醸し出す。

ホームセンターではこういったデコレーションやオブジェがハロウィン商戦に欠かせないのだ。

アメリカ国内に約2,000店を展開するホームセンター最大手チェーンのホームデポは2020年秋、巨大なガイコツを販売した。

頭まで12フィート(約3.6メートル!)にもなるガイコツの巨体は、すぐにソールドアウトになるほど大人気となったのだ。

気を良くしたホームデポは翌年の7月中旬からオンラインで先行販売。ホームデポで「スケリー(Skelly)」と呼ばれる299ドルの巨大スケルトンは即座に売り切れてしまった。

人気商品を仕入れて高値をつけて売る転売屋にスケリーは目をつけられ、オークションサイトのeBayでは最大1,249ドル(約18.5万円)で出品されてしまっていたほどだ。

2022年もインスタ映えする巨大ガイコツのオブジェは大人気でオンラインや店頭でもソールドアウトでなかなか手に入らない希少性となっている。

 すでにYouTubeにはホームデポにより組み立て動画もアップされている。

映像では極めてカンタンに組み立てられるように見えるのだがインストラクションPDFで確認すると「最低でも大人2人必要」とあり「推奨は大人3人」となっている。

台座から両足を組み立てるのは一人でもできるのだが、両足に骨盤をはめるあたりから大人二人は必要になってくるのだ。

完成した下半身をダンボールに向かって倒し、胴体を組み立てるとなれば大人3人は欠かせない。横にしたガイコツに頭部を装着後、再び立たせるには複数の大人がいないと不可能だろう。

いずれにしても一人での組み立てはリスクがあり、カンタンではないのだ。

88.7ポンド(約40キロ)は手間もかかるがホームデポでのカスタマー・レビューは1,500件を超え、5ツ星評価で4.7という高評価になっている。

レビューワーも誇らしく飾るガイコツ画像を160件ほどアップロードしているのだ。人気が衰えない理由は組み立ての達成感に圧倒的な存在感がありそうだ。

 ホームデポでは今年も4月と7月に販売したが即座にソールドアウトとなっている。

発売から4年目を迎えても大人気を維持しているのだ他のチェーンストアでも扱い始めている。チェーンストア最大手のウォルマートではオンラインで10フィート(3メートル)巨大ガイコツを259ドルで販売。

ウォルマートでは巨大ガイコツを含めほとんどの商品を90日間の返品保証を付けているが、この商品に関しては返品はないはずだ。なぜならリセールで購入した価格で高く売れそうだからだ。

メンバーシップ・ホールセール・クラブのコストコでは巨大ガイコツではないものの赤いモヒカンガイコツ6フィート(1.8メートル)サイズを販売中だ。

墓石をかたどったギターを抱えて歌う「ガイコツ・パンクロッカ0(6' Punk Rocker Animated Skeleton)」は159ドルとなる。ガイコツ・パンクロッカーはTikTokでも人気だ。

コストコでは3メートルのガイコツ死神やガイコツ魔女、さらには2メートルのミイラまで扱っている。

チェーンストアでもテキサス州に400店を出店する地場スーパーのHEBも巨大ガイコツ販売に参戦している。

10フィート(3メートル)サイズはHEBで260ドルとホームデポより若干背は低いもののお値段も抑えている。

テキサスでも巨体ガイコツは大人気でオンライン販売はソールドアウトだ。したがって店頭在庫を探すしかない。

 3メートルを超えるガイコツは日本でもインスタ映えするが、都会の住宅街では無理だろう。田舎の田んぼならプーチン、キンペー、黒電話仕様のガイコツがバエそうだ。

トップ画像:巨体スケルトンの組み立てインストラクション。映像では極めてカンタンに組み立てられるように見えるのだがインストラクションを確認すると「最低でも大人2人必要」とあり「推奨は大人3人」となっている。  続きを読む
2023年09月16日

【アルバートソンズ】、アプリがオール・イン・ワン!ジャニーズタレント除外ボタン?


■電車を待っていたり電車の中などでも人は止まっている際、スマートフォンの画面をずっと見入っている。SNSなのかゲームなのか、デジタル本なのかわからないが、スマホ画面に釘付け状態になっているのだ。

歩きスマホという言葉もあるほど、歩いているときですらスマートフォンを覗き込んでいる。

高いところから全体を俯瞰するように見える「鳥の目」、低い位置にいるからこそ上からは見えなかったことが見える「虫の目」、目に見えない海や川の流れが見える「魚の目」と3つの目から見ても現在においては常にスマートフォンが見える。

同様にどこからみているのかという「視点」や、どこまでをみているのかの「視野」、さらにどの高さから見ているのかの「視座」にもスマートフォンが映り込む。

それほど現代人の中心にスマートフォンがある。

アメリカ流通業では買い物でもスマートフォンの存在を無視することはできない。

モバイルアプリ・マネジメント・プラットフォームのエアシップ(Airship)の調査では、アプリで買い物をする人は78%にも達している。

高収入層など富裕層は81%とスマートフォン・アプリを使って買い物をしているのだ。

アプリを使って買い物する割合の高い層は生活上で何かと消費が著しいミレニアム世代で81%、次にその上の世代のジェネレーションXで79%になっているのだ。若い世代のZ世代や高齢化するベビーブーマーは72%と追随している。

消費者にどれほど呼応してアプリを開発しているのだろうか?

チェーンストア最大手のウォルマートでは月に最大10回もアプリを更新しており、買い物に便利になるように、使いやすくなるようにバージョンアップし続けているのだ。

売り場にも例えられるアプリを店舗に喩えれば、アプリ更新頻度がいかに異常なことかが理解できる。1ヶ月間に売り場やフォーマットをマイナーチェンジを含め10回も変えるようなものだからだ。

 アメリカ小売業ではいかに便利且つ顧客のライフスタイルにあったアプリを開発できるかの競争が盛んだ。直近でも大手食品スーパーが画期的なアプリ機能を発表した。

34州に2,300店近くのスーパーマーケットを展開するアルバートソンズが14日、ホームページやアプリに食事のオール・イン・ワン機能「ミール・プラン&レシピ(Meal Plan & Recipt)」を公開した。

ミール・プラン機能には食費予算のトラッカーに8,000以上のレシピをもつライブラリ、ショッパブル(買い物可能な)食材リスト、ステップ・バイ・ステップのハンズフリー調理モードが含まれている。

食費予算トラッカーは、1週間分の食費予算や食事の合計、さらに人数分まで指定することでレシピを提案してくれるのだ。

レシピがミールプランツールに追加されると食材のコストが指定した予算から差し引かれ、利用者は食事の合計価格と1食あたりの食費まで確認できることになる。

ミールプランのレシピ画面では画面を触れずに手をかざすだけでページをめくれるとしている。

つまりレシピも1ページにまとめたものではなく料理の段階ごとにページ分けされ、簡単に調理できるように工夫されているのだ。

またタイマーもアプリに内蔵していることで別にタイマーを準備する必要もない。

発表と同時にYouTubeにアップロードされたPR動画では、アプリからヴィーガンやベジタリアンなどのダイエットに食物アレルギーの指定、嫌いな食材、1回あたりの人数分のオプションも用意されているのがわかる。

さらに好きな食材からレシピを選んでマイリストに加えることも容易になっている。ショッパブル・レシピであるため食材を選択しながら、アルバートソンズのネットスーパーを介してシームレスに注文できるのだ。

 アルバートソンズのミール・プラン&レシピは発表直後の初期段階であり例えば一人分のレシピが用意されていないなど不完全ではある。

しかしアプリがアップデートされるようにレシピ機能等も洗練され、今後はどんどん使いやすくなっていく。

トップ動画:アルバートソンズ(セーフウェイ)のミール・プラン&レシピのPR動画。  続きを読む
Posted by usretail at 01:20Comments(0)アプリ
2023年09月15日

【アルバートソンズ】、時短ネットスーパーのフラッシュ!ウォルマートは90秒でゲット?

230915ドライブアップ&ゴー@アルバートソンズ00
■スーパーマーケットチェーンのアルバートソンズは13日、ネットスーパー注文から最短30分で宅配したりピックアップできるサービスを開始したことを発表した。

業界大手の食品スーパーチェーンが時短カーブサイド・ピックアップを実施したことで競合大手も時短の流れに加わりそうだ。

アルバートソンズの「フラッシュ(Flash)」は同社のカーブサイド・ピックアップ「ドライブアップ&ゴー(Drive Up & Go)」で最短30分でピックアップできるネットスーパー注文だ。

アルバートソンズに傘下のセーフウェイやボンズを含め2,000店舗以上で展開されているフラッシュ・サービスは最大35アイテムまで注文できるとの条件がつく。

地域によって最大アイテム数は異なるほか、アルコール飲料やタバコ、一部の冷凍食品、準備に時間のかかる食品はフラッシュ対象品から除外されている。

手数料は3.95ドル。対象時間は午前8時〜午後5時まで。

フラッシュを利用した宅配サービスでは宅配時間が30分〜50分とされ手数料は11.95ドルとなっている。

一方、2021年8月から開始された宅配サブスクリプション「フレッシュパス(FreshPass)」に加入している会員ならフラッシュのフラッシュのドライブアップ&ゴーの手数料が無料となる。フラッシュ宅配サービスの手数料も2ドルに値引きされる。

年会費99ドル(月額は12.99ドル)のフレッシュパスはドライブアップ&ゴーと2時間宅配サービスが手数料無料(最低購入額30ドル)で何度でも受けられるサブスク。

ウォルマートのサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」でネットスーパー以外に特典があるようにフレッシュパスでは、アルバートソンズのオーガニック食品のプライベートブランド「オウ(O)」や無添加食品PB「オープン・ネイチャー(Open Nature)」ペット関連PB「シグネチャー・ペットケア(Signature Pet Care)」が5%引きとなる。

初回のみだがフレッシュパスに加入すると75ドル以上の買い物には20ドルの値引きとなる特典もある。スーパーに併設するガソリンスタンドで会員が給油するとリワードポイントが2倍つくのだ。

またフレッシュパス会員用に毎月、値引きも実施されることで年間に395ドルを節約できるとしている。

フレッシュパスもフラッシュもアルバートソンズ専用アプリ「ディールズ&デリバリー(Deals & Delivery)」を介して注文できる他、同アプリには決済のウォレットや値引きのクーポン、備忘録としてのショッピングリストなど買い物に便利な機能を満載している。

「ジャスト・フォー・ユー(Just for U)」から「アルバートソンズU(Albertsons U)」に名称を変更したロイヤリティ・プログラムでは、支払い金額に応じて還元するポイントプログラムとしてアプリに統合されている。

貯まったポイントは買い物時に値引きに使えるほか食品スーパー併設型のガソリンスタンドでも利用が可能となる。

無料の会員制プログラムとなるアルバートソンズUは、毎月の無料品進呈や誕生日プレゼントなどの特典があり、加入すると初回のみで25ドル以上の買い物で5ドル引きとなるオファーも含まれている。

 アルバートソンズの時短宅配では、飲食店からの出前を中心に展開するオンデマンド・デリバリーサービスのドアダッシュが昨年2月から始めている。

アルバートソンズや傘下のジュエル・オスコやアクメ・マーケット(ACME Markets)、トムサム(Tom Thumb)などから宅配される「ラピッド・グローサリー(Rapid Grocery)」は、生鮮品や乳製品、冷凍食品、スナック・菓子など6,000アイテムが対象。

ドアダッシュの月額9.99ドルとなる有料会員「ダッシュパス(DashPass)」は手数料が無料となり、飲食店の注文と同様に最低注文金額も12ドルとなっている。

30分宅配の利用の仕方はドアダッシュの専用アプリから行い、「ラピッド・グローサリー(Rapid Grocery)」でアルバートソンズを選択後、「30分以内(Under 30 Min)」のフィルタリングで対象商品を選んでいく。

 フラッシュやフレッシュパスなどでアルバートソンズ専用アプリから注文する場合、商品価格はマークアップされていないが、ドアダッシュ・アプリからの利用ではマークアップされている。  続きを読む
Posted by usretail at 00:43Comments(0)スーパーマーケット
2023年09月14日

【クローガー】、オカドと提携したネットスーパー物流拡大を凍結!CFCは黄信号?

230824クローガーCFC@モンロー00
■スーパーマーケット最大手チェーンのクローガーは8日、オカドと提携しているネットスーパー物流の拡大を一時的に凍結することを発表した。今年3月、クローガーのネットスーパー物流展開が減速と報じられていたことを裏付けたかたちだ。

クローガーの第2四半期(4月〜6月期)決算で、CEOのロドニー・マクマレン氏は「(ネットスーパー物流展開で)私達は進捗していますが、既存のシェドに明確な道筋を確信するまで、シェドの拡大に注力しません」と述べたのだ。

小屋を意味するシェド(Shed)とは「オカド・シェド(Ocado Shed)」のことであり、ネットスーパー専用物流倉庫「カスタマー・フルフィルメント・センター(CFC:Customer Fulfillment Center)」を指す。

最大では40万平方フィート(1.12万坪)にもなるクローガーCFCは生鮮品から日用品まで3.5万品目の在庫を保管・処理する能力を持ち、最新の人工知能(AI)やロボティクスの技術を活用しながら24時間稼働している。

オカド・シェドでは最大では1,000台以上にもなるロボットが50アイテムを最短3分でピッキングできる。

マクマレン氏はまた「稼働中のカスタマー・フルフィルメントセンターにスポークと呼ばれるピックアップ拠点まで、すべての労力を(既存のネットスーパー物流に)集中する」と話しているのだ。

クローガーではネットスーパー物流でハブ&スポーク方式で展開している。

ハブ&スポーク方式とは、車輪やプロペラなどの中心部となるハブ(hub)と、車輪の中心軸と輪を繋ぐ棒のスポーク(spoke)から命名されたネットスーパーの物流ネットワークだ。

ちょうど自転車の車軸のハブから何本もの輻(や)であるスポークが放射線状に伸びている形をイメージするとわかりやすいだろう。

ハブとなる中心拠点にネットスーパーで注文となる貨物を集約させ、スポークの配送拠点でそれらを仕分けて利用者宅に運搬する効率的な物流システムとなる。

クローガーではズーム(Zoom)と呼んでいるスポーク拠点ではクロスドッキング方式の小型フルフィルメントセンターとして注文品が仕分けされ、バンを使って利用者宅に宅配するのだ。

スポーク拠点のズームにも生鮮食品や日用品を含め在庫1万品目を保持していることで、ズームから30分程度のスピード宅配を可能にしている。

ハブとなるCFCでも冷蔵や冷凍などの温度管理の可能なバンやトラック約400台を使って、90マイル(140キロメートル)圏内にある店や利用客に届けるようになっている。

 クローガーはオカドと協力して自動注文フルフィルメントセンターを構築する計画を2018年に発表。

オハイオ州モンロー地区に2021年3月、33.5万平方フィート(9,380坪)で初のCFCを開設。37.5万平方フィート(1.05万坪)のフロリダ州グローブランドCFC(2021年6月)、37.5万平方フィート(1.05万坪)のジョージア州フォレストパーク(2022年2月)がある。

昨春にオープンした35万平方フィート(9,800坪)のテキサス州ダラスCFCに加え、5ヶ所目で34万平方フィート(9,800坪)のウィスコンシン州プレザント・プレイリーCFC、35万平方フィート(9,800坪)のミシガン州ロムルスCFCもすでに稼働しているのだ。

7ヶ所目のCFCは35万平方フィートのメリーランド州フレデリック地区(7106 Geoffrey Way Frederick, MD 21704)となっている。

建設中などを含め地域が明らかになっているCFCは10ヶ所近くもある。アリゾナ州フェニックスCFCやオハイオ州クリーブランドCFCにノースカロライナ州シャーロットCFC、さらにカリフォルニア州の中型と小型のCFC、フロリダ州南部2ヶ所のCFCも計画されているのだ。

他にも地域名は明らかになっていないが、アメリカ北東部やアメリカ太平洋岸北西部も候補地となっている。

なお8ヶ所目となるCFCはコロラド州オーロラ地区(6125 N Jackson Gap Way, Aurora, CO 80019)に30万平方フィート(8,400坪)の面積で3月には建設を完了。

同CFCではコロラド州デンバーにあるクローガー傘下のキングスーパーズ(King Soopers)やシティマーケット(City Market)のネットスーパーに対応を予定していた。

つまり今回の発表により8ヶ所目となるオーロラCFCから稼働を保留することになるのだ。

スポーク拠点のズーム展開では、ハブとなるモンローCFCから4.8万平方フィート(1,300坪)インディアナポリス(インディアナ州)、5.0万平方フィート(1,400坪)のルイビル(ケンタッキー州)、6.1万平方フィート(1,700坪)のロックボーン(オハイオ州)がある。

グローブランドCFCに対してスポーク拠点はタンパやジャクソンビル、オーランドにそれぞれズームがあるのだ。

ダラスCFCではオースチン(テキサス州)、サンアントニオ(テキサス州)があり、クローガーの傘下スーパーさえないオクラホマ州オクラホマシティでもネットスーパー展開を可能にしている。  続きを読む
Posted by usretail at 01:04Comments(0)ネットスーパー
2023年09月13日

【インスタカート】、スーパー等のアプリ注文が2億件!世界最強レベルのDX&CX?

230913ネットスーパー@ワークショップ
■オンデマンド買い物代行&宅配業者のインスタカートが11日に提出した新規株式公開(IPO)で最大93億ドルの評価額を目指していることがわかった。ただし新型コロナウイルス感染拡大時につけたピークからは4分の1程度の水準に落ちている。

投資家からは非公開の成長企業に対する期待値が以前より大きく落ちているのだ。

一方で日本の流通関係者ならここで思考停止になってはならない。

ショッパーと呼ばれる代行者がスーパーマーケット等に行き、代理に購入して利用者の自宅に届けるビジネスモデルがいかに米国で定着しているかを探る必要がある。

実は日本では考えられないぐらいにインスタカートのビジネスモデルは浸透しているのだ。

インスタカートが先月25日、証券取引委員会(SEC)に提出した文書によると1月〜6月期の売上高は前年同期比31%の増加となる14.75億ドル(約2,200億円)だった。

日本の食品スーパー関係者ならインスタカートの注文実績数が極めて重要な数字となる。2021年の注文数は2億2,340万件で2022年は18%増加し2億6,260万件にも上っている。

日本人全員が年2回、宅配やカーブサイド・ピックアップのネットスーパーを利用して買い物したことになるのだ。

インスタカートではアプリ上での食品などの取引が7割としており、アプリを介して2億件弱が注文されていることになる。

今の買い物客はインスタカートのアプリでウェグマンズやHEB、パブリクス等で生鮮品が購入されているのだ。

 レンズの向きを変えてチェーンストア最大手のウォルマートを見てみよう。

調査会社ブリック・ミーツ・クリック(Brick Meets Click)が30日に発表した推計によると、ウォルマートのネットスーパー(Online Grocery)のシェアが第2四半期で35.5%になり、前年同期から約5ポイントも伸長した。

ウォルマートのネットスーパーは全体の3分の1以上となり、スーパーマーケット全体のネットスーパーシェアの29.8%を大きく引き離しているのだ。

昨年8月に食品インフレ率は1年間で13.5%とピークを記録したことで「ウォルマートはネットスーパーでのプライスリーダーの役割を強化している」とブリック・ミーツ・クリックは分析している。

直近の決算からウォルマートでは富裕層を含め、価格に敏感になっている消費者がウォルマートのネットスーパーを利用しているのだ。

ウォルマートCEOのダグ・マクミラン氏は昨年11月、「私達のアプリはお客様やプラス会員にとって生活の一部になっています」とまで言い切った。

インスタカートと同様、ウォルマートのネットスーパー利用者は同社のアプリを通じて食品を購入しているのだ。

ウォルマートは実際、アプリのアップデートに余念がない。少しでも使いやすくするためウォルマート・アプリは月に最大10回もアップデートしている。

  ウォルマート・アプリの専用ページにも、ウォルマートが顧客にアプリをいかに簡単に使ってもらいたいかが溢れている。

「アプリで簡単(It' easier in the app)」に「ボイスショッピング(Voice shopping)」「バーチャル試着(Virtual try-on)」「ビュー・イン・ユア・ホーム(View in your home)」などのアプリ機能で使いやすさを訴求している。

特にネットスーパーにおけるウォルマート・アプリの使い勝手はチェーンストア中、最強レベルとなっている。

ストアアプリに触れたことのない主婦でも生鮮品等のショッピングを直感的に楽しめるようになっているのだ。

特に若い世代にとってショッパブル・レシピからのウォルマート・アプリへの自然な流れは秀逸だろう。

レシピサイト「テイスティ(Tasty)」等から特に意識することなく必要な食材だけをウォルマートのショッピングカートに入れることができるのだ。

自然なカスタマージャーニーをデザインした注文後のオーダートラッキングもストレスフリーでフォロー可能となる。

カーブサイド・ピックアップの際にはチェックインをすることで店側が利用者の居場所をフォローしながらピックアップ時間枠内で迅速に注文品を渡せるよう工夫されているのだ。

ウォルマート店内でもストアモードが起動することでストアマップや利用者作成のショッピングリストに対応して買いやすいプラットフォームに変化を遂げている。

 ウォルマートに対抗してインスタカートはアプリの検索窓にオープンAIの「チャットGPT(ChatGPT)」を導入し、会話型検索機能も追加しようとしている。

ウォルマートでは昨年末からチャットボットAI「テキスト・ツー・ショップ(Text to Shop)」を提供している。

 インスタカートの注文実績2億件からもわかるように、毎日の食品の買い物は主戦場がアプリになっている。

見方を変えれば莫大な研究開発費をつぎ込みながら、米国小売業は日夜アプリを使いやすいように洗練さしている。日本の流通業者はインスタカートのアプリからも多くを学べるのだ。

トップ画像:アプリを介して生鮮品をネット注文するワークショップ研修の参加者。当社の米国流通視察では、CXに優れたアプリを介してネットスーパーを体験することで研修"価値"を最大化しているのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:12Comments(0)ネットスーパー
2023年09月12日

【Amazon Fresh】、ジャスト・ウォークアウトをスクラップ!ダッシュカートを導入する?

230912精肉・シーフード@アマゾン・フレッシュ
■ネット通販最大手のアマゾンは先月初め、自社開発の食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」で既存店を新たに改装していくことを発表した。

この発表前には数百人規模のリストラをアマゾン・フレッシュで実施しており、店舗改装によりリアル店舗の再建を目指しているのだ。

アマゾンのブログではすでに改装したシカゴ郊外の店舗を紹介。2021年1月にオープンしたシャンバーグ店、その翌月にオープンしたオーク・ローン店が以前の黒を基調にした内装からより明るいものに変更されている。

両者はスマートカートを導入している店舗であり、一部のホールフーズ・マーケットや他のアマゾン・フレッシュでも導入されている次世代「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」になっている。

目立ったところでは新装アマゾン・フレッシュにはクリスピー・クリーム・ドーナツのカウンターが導入され、作りたてのドーナツにアイスコーヒーやフローズン・ラテなどコーヒーの種類も拡大している。

品揃えでは乳製品やスナック類、ホームケア、ヘルス、ベーキングなどナショナル・ブランドからプライベートブランドまで1,500アイテムを新たに導入したという。

サンドイッチなどのグラブ&ゴーに温めるだけのレディ・ツー・ヒート商品も括りをかえて提供している。

またバナナにリンゴ、オレンジの果物を子供に無料で提供する「フレッシュ・フリービー・フォー・キッズ(Fresh Freebies for KIds)」も開始したのだ。

アマゾン・フレッシュでは初となるセルフレジも改装店に設置された。アマゾンではシカゴ郊外やロサンゼルス郊外のアマゾン・フレッシュにも新規改装を水平展開していくとしている。

アマゾン・フレッシュで初となる今回の店舗改革は英食品スーパー大手テスコの元幹部であるトニー・ホゲット氏が指揮をとっているという。

 他の店舗はどうなのだろうか?筆者は最近、近隣にあるアマゾン・フレッシュ4ヶ所の店舗を視察する機会があった。

店舗改装の発表を受けて最も大きく変わったのは精肉・シーフード(Meat & Seafood)の対面販売コーナーを閉鎖したことだ。

冷蔵ショーケースから肉や魚介類がなくなりブッチャー等の専用スタッフもいなくなった。シーフード・精肉コーナーがもぬけの殻となった後、冷蔵ショーケースはカバーされてしまった。

改装を待たなければならないが、シーフード・精肉コーナーにクリスピー・クリーム・ドーナツのカウンターが導入される可能性がある。

もう一つの変化は自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を止めて、ダッシュカートを導入した店舗を変えていることだ。

ダッシュカートを導入したアマゾン・フレッシュはカリフォルニア州の8店舗を含め全部で16店舗だったが、ダッシュカート専用サイトで導入店を確認すると17店舗に増えている。

昨年3月にオープンしたシアトル近郊にあるアマゾン・フレッシュ・オーロラ店(13201 Aurora Ave N Seattle, WA 98133)がリストに加わっていたのだ。

シアトル市内では4店舗目(全体では26店舗目)となるアマゾン・フレッシュは、温室効果ガス排出量の実質ゼロとなる「ネットゼロ・カーボン」を追求した店舗。

オーロラ店はジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド店で筆者は昨年2度にわたって視察しこれを確認している。

先月発表された改装店舗がダッシュカート導入店であったため、ジャスト・ウォークアウトのシステムをスクラップしてダッシュカートに置き換える可能性が浮上しているのだ。

ジャスト・ウォークアウトでは買い物直後に商品や合計金額等を確認できないほか、レシートも遅れて送信される課題がある。

ジャスト・ウォークアウトは天井から無数につられているカメラやセンサーで買い物客の動きをトラッキングし、人工知能(AI)のディープラーニングを駆使して正確に決済する。

筆者はこれまで何度も買い物を実施しているが、小売店では考えられないほどエラーが多い。

プライムデーのセール日では誰もジャスト・ウォークアウトを使いたがらず、皮肉にもフルサービスレジに長いレジ待ち行列ができるほどだ。

なおジャスト・ウォークアウトとダッシュカートの両方を導入した店舗はない。

 出店を凍結しているアマゾン・フレッシュでは、工事が途中でストップしゾンビ化した店舗が注目を集めている。一部には大家から訴訟も起こされている。

予定していた一部店舗のスクラップもなくアマゾンのリアル店舗展開ではまだ迷走が続きそうだ。

トップ画像:アマゾン・フレッシュ・ハンティントンビーチ店。精肉・シーフードの対面カウンターにある冷蔵ショーケースはカバーされて、ブッチャー等の専任者もいない。  続きを読む
Posted by usretail at 01:27Comments(0)スーパーマーケット
2023年09月11日

【クローガー】、アルバートソンズとの合併で413店売却を発表!シカゴのマリアノスも?

230911マリアノス
■アルバートソンズとの買収合併を目指しているスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは8日、食品卸売り大手C&Sホールセール・グローサーズ(C & S Wholesale Grocers)に400店舗以上の食品スーパーを売却することで合意したと発表した。

食品市場の寡占化につながる大型合併で、反トラスト当局の承認を得やすくするのが狙い。

店舗売却により「ピグリーウィグリー(Piggly Wiggly)」や「グランド・ユニオン(Grand Union)」などの食品スーパーも展開するC&Sの存在感が一気に高まることになる。

 クローガーとアルバートソンズが売却するのは17州とワシントンDCに展開する413店のスーパーマーケットに8ヶ所のディストリビューションセンター。

さらに2つのオフィスに5つのプライベートブランドが含まれている。売却額は19億ドル(約2,800億円)。

売却される食品スーパーには、イリノイ州シカゴで展開されているグルメスーパーのマリアノス(Mariano's)にワシントン州のQFCなど比較的よく知られた店舗名も含まれる。

また売却される店舗の半数以上がワシントン州やカリフォルニア州、オレゴン州の西海岸に集中している。

ワシントン州: 104店舗
カリフォルニア州: 66店舗
コロラド州: 52店舗
オレゴン州: 49店舗
テキサス州/ルイジアナ州:28店舗
アリゾナ州: 24店舗
ネバダ州: 15店舗
イリノイ州: 14店舗
アラスカ州: 14店舗
アイダホ州: 13店舗
ニューメキシコ州: 12店舗
モンタナ州/ユタ州/ワイオミング州: 12店舗
DC/メリーランド州/バージニア州:10店舗

1918年創業のC&Sはアリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、ワイオミング州の4州でアルバートソンズの店名を使用できるライセンシングも得ることになっているという。

なおC&Sはホールセールとして地域の独立系食品スーパーや大手チェーンストア、軍事施設や機関など7,500ヶ所に10万種類以上の商品を卸している。

非上場のC&Sは商品卸しの他に店内什器や設備機器のサプライヤーでもある。プレスリリースによると食品スーパーはピグリーウィグリーにグランド・ユニオンなど160店舗以上の展開となっている。

 クローガーは昨年10月、業界第2位のアルバートソンズを買収することを発表。しかし発表直後から州の司法長官からの訴訟にあい合併の雲行きが怪しくなっていた。

スーパー大手2社の合併により店舗数がおよそ5,000店で年間売上高約2,000億ドル、従業員数が70万人超のメガ・スーパーマーケットチェーンが誕生。両社の合計時価総額も約470億ドルとなり、最近の小売りセクターで屈指の買収案件となっていたのだ。

買収発表時、クローガーがアルバートソンズを一株当たり34.10ドルで買収することで、総額では47億ドルの負債を含む246億ドルに達する。

クローガーは35州に傘下のスーパーであるラルフスなどを含む2,750店を展開し、アルバートソンズは34州にセーフウェイなど2,200店を展開。

合併となれば従業員数は71万人となり店舗数は4,996店となる他、ディストリビューションセンター(物流センター)も66ヶ所になる。薬局も3,972ヶ所、ガソリンスタンドも2,015ヶ所にもなる。

調査会社のニューメレーター(Numerater)によるとクローガーの食品マーケットシェアは第1位のウォルマート(20.9%)に次ぐ9.9%で、アルバートソンズは3位のコストコ(7%)に次ぐ5.7%となっていた。

クローガーとアルバートソンズが統合すると単純計算でも15.6%になり、ダントツのウォルマートに肉薄することになるのだ。

メーカー側との仕入れ交渉で立場が強まり、ウォルマートとの競争が容易になるとの指摘されていた。

一方で両社の店舗は南カリフォルニアやコロラド、ワシントン州シアトルなどで多数重複しており最大375店を競合等に売却する計画もあったのだ。

 クローガーとアルバートソンズが合併統合となれば一部地域では商品価格を大きく支配するようになると当局は見ており、今回の当初の計画以上の店舗売却により規制が和らぐかどうかは不透明となっている。

トップ画像:シカゴ近郊や郊外に展開するグルメスーパーのマリアノス。クローガー傘下のマリアノスも一部が売却となる。  続きを読む
Posted by usretail at 01:30Comments(0)スーパーマーケット
2023年09月10日

【チックフィレ】、ダイニングルームがないドライブスルーと窓口のみ!モバイルスルー?

230910チックフィレ@ハンティントンビーチ00
■買い物をより便利にする流通DX(デジタル・トランスフォーメーション)を例えるなら、テレビとテレビリモコンの関係になる。

テレビを視聴しながらテレビリモコンを使ってソファやこたつから離れることなくテレビを操作する。

それと同様に流通DXでは店や売り場に行かなくてもモバイルアプリを使って買い物ができるのだ。

流通DXを小売店より先に進化させているが飲食チェーン。アプリを介したモバイルオーダーによりレジ行列に並ぶことなく、いつでもどこでも注文でき、宅配はピックアップに利用できる。

国内47州とカナダに2,800店近くを展開するチキン・サンドウィッチ・チェーンのチックフィレ(Chick-fil-a)では早くからモバイルオーダーを導入し店舗コンセプトにも生かしている。

 1店舗あたりの売上高(中間値)が800万ドル(約12億円)にもなる超繁盛店ではDXを導入して効率的な運営が求められているのだ。

なぜなら競合を圧倒する客数のチックフィレではドライブスルー行列が店の外にまで続くのだ。長く続くドライブスルーで渋滞を招き、住民や近隣の事業者に大きな迷惑となっている。

例えばロサンゼルス郊外サンタバーバラ地区にあるチックフィレでは毎日、来客数が1,700〜2,200人にもなることで交通渋滞どころか事故まで多発。

交通整理係りなどスタッフを増員しても改善しないことでドライブスルーレーン増設の工事までおこなって対処しているのだ。

しかしフランチャイズ展開となるチックフィレでは工事で善処することは稀で近隣の事業者から訴訟を起こされているケースもある。

 敷地内のドライブスルーレーンを少しでも長くするため(敷地外でクルマの行列を作らせないため)最近ではダイニングルームを持たない店舗も増やしている。

チックフィレ・ウォークアップ・コンセプトは、店内にイートインスペースがなく注文用の窓口とピックアップ専用の窓口のみとなるドライブスルー店舗だ。

注文用の窓口は3ツに、モバイル注文したお客や宅配サービス業者がピックアップ窓口で注文品を受け取れるようにもなっている。

ロサンゼルス郊外ハンティントンビーチ地区にオープンしたチックフィレではドライブスルーの横に注文用・ピックアップの窓口があり、その手前には業者用の専用駐車スペースが設けられている。

 一方、チックフィレはドライブスルー行列を緩和するため「モバイルスルー(Mobile Thru)」レーンを増設する。

約60店で昨年よりテストを行っていたモバイルスルーを全店の10%以上となる300店に増設するのだ。

ドライブスルーレーンにモバイルスルーレーンを増設することで、最大75台のクルマ行列に対応できるとしている。

なおチックフィレのモバイルオーダーではジオフェンシング機能がモバイルレーンでも利用される。ジオフェンシング(geo-fencing)はGPSにより利用者が店のエリア内にいなければ決済ができない機能だ。

メニューを注文後、敷地内などの特定のエリアに入ってくるとチェックインのボタンが表示される。それを押すことで決済が完了し注文が厨房に行くことになる。

言い換えればエリア外からのモバイルオーダーではチェックアウトしても仮決済の状態にあるのだ。

 チックフィレではさらにイノベーティブな店舗もオープンしようとしている。ピックアップ拠点となる店舗には、上階のキッチンからベルトコンベア等で運ばれる仕組みとなるコンセプト。

厨房を2階にすることで作業スペースを拡大でき、生産性を増すことになるのだ。

この仕組は全米に7.615店を展開するメキシカン・ファストフードのタコ・ベル(Taco Bell)が昨年6月にミネソタ州プルックリン・パーク地区でオープンした新コンセプト店「タコベル・デファイ(Taco Bell Defy)」と似ている。

 なおチックフィレでは一般的にマイクとスピーカーを介したドライブスルーではなく、スタッフがドライバーに直接注文を受けるスタイルとなっている。

チックフィレではアナログを残しながらもDXを大胆に導入して効率化を高めている。DX化で先をいく飲食チェーンを日本の小売チェーンは見習うべきポイントも多くなる。

トップ画像:ロサンゼルス郊外ハンティントンビーチにオープンしたチックフィレはダイニングルームを持たない新コンセプト店だ。ドライブスルーの横に注文用・ピックアップの窓口があり、その手前には業者用の専用駐車スペースが設けられている。  続きを読む
Posted by usretail at 01:01Comments(0)その他
2023年09月09日

【ウォルマート】、交番のある店舗がオープン!銃犯罪で命をなくす人はダントツ112人?

230909ポリス用専用駐車スペース@ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートで、警察の派出所を併設した店舗をオープンすることがわかった。

ウォルマート役員を招いた地域のタウンミーティングで先月29日に明かされたところによると「交番」つきウォルマートはジョージア州アトランタ近郊にあるバインシティ地区。

昨年までスーパーセンターがあった場所(835 M.L.K. Jr Dr NW, Atlanta, GA 30314)に来年5月、ネイバーフッドマーケットをオープンするという。

このスーパーセンターは2度の放火により、一時的に閉鎖となっているのだ。

なお75,000平方フィート(2,100坪)のネイバーフッドマーケットでは売り場となる60,000平方フィート(1,680坪)にネットスーパー用の専用倉庫であるフルフィルメントセンターも施設されるのだ。

マイクロ・フルフィルメントセンター(Micro Fulfillment Center:MFC)と呼ばれる店舗併設型の小型物流倉庫は15,000平方フィート(420坪)。AI等ロボットを導入したネット倉庫だ。

ウォルマートではネイバーフッドマーケットにMFCと交番まで併設するという極めて珍しい店舗になる。

ウォルマートにとってMFCと同様に交番は全店に導入したいところだろう。なぜならウォルマートと犯罪等の事件は切っても来れない縁になるからだ。

日本人にはあまり知らていないがウォルマートは犯罪多発店舗となる。

 傘下のサムズクラブを含めると国内に5,200店を展開するウォルマートの中心顧客は低所得者層である。しかも週の客数は1.4億人にも上る。

また広大な駐車場に3,500店以上のスーパーセンターは5,000坪にもなる広い売り場で、その多くが24時間営業というのも違反行為が無くならない理由となる。

その結果、毎週のようにどこかのウォルマートで様々な事件が起こっている。

記憶に新しいウォルマートで起こった凄惨な事件は昨年11月にあった。

バージニア州チェサピーク地区のウォルマートで銃乱射事件が発生し、当局によると6人が死亡し少なくとも4人が負傷したのだ。容疑者も現場で自殺を図った事件だ。

ウォルマートが犯罪多発店舗なのは、国内の銃による事件をデータ化しているガン・バイオレンス・アーカイブ(Gun Violence Archive)の資料からもわかる。

ガン・バイオレンス・アーカイブは2020年1月からチェサピークの銃乱射事件(2022年11月)までのチェーンストアでおこった銃犯罪をランキング形式でまとめているのだ。

銃犯罪件数ではウォルマートがチェーンストアでダントツとなる363件となっている。

銃犯罪件数で2位となったスーパーマーケット最大手チェーンのクローガー45件の8倍に上る。しかも全12社で起こった銃犯罪件数の全536件の実に7割(68%)がウォルマートで起こっているのだ。

さらに銃による死者数もウォルマートは112人とクローガー20人の6倍近くにもなり圧倒している。

これだけ犯罪が起きれば、例えば富裕層はウォルマートに買い物には行かなくなる。

しかしこれが最近、事情が大きく変わってきている。なぜならウォルマートは宅配やカーブサイド・ピックアップのネットスーパーの展開を積極的にすすめているからだ。

モバイル・アプリを介して生鮮品などを注文すれば、売り場で低所得者層と一緒に買い物する必要がない。

カーブサイド・ピックアップを利用することで、広い駐車場にクルマを停めた際に犯罪に会うリスクもないだろう。

筆者は先日、研修参加者とネットスーパーを利用しカーブサイド・ピックアップでネット注文した生鮮品を受け取るカリキュラムを行った。

クルマを停めて指定した駐車番号をアプリに入力して、わずか1分30秒で商品をスタッフから受取ることができたのだ。

カーブサイド・ピックアップではスタッフやクルマの往来も多いので犯罪に巻き込まれることが少ないのだ。

また年額98ドルのサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」に入会しておけば宅配サービスを利用するときに返品も配達員に渡すだけの便利さだ。

カーブサイド・ピックアップで返品も可能となっている。ウォルマートでは店舗とネットスーパーの商品価格は同じなので頑固なインフレにより家計を節約したい富裕層も利用したくなる。

ネットスーパーを含め国内のEC売上高は直近の決算で前年同期比24%の増加と二桁の成長を維持しているのだ。

 MFCに交番まで併設したウォルマートが増えれば、大幅な犯罪抑止につながることになるのだ。

トップ画像:ウォルマートに行くと店の前の駐車場に「(特定の人のために確保された)専用駐車場(RESERVED PARKING)」スペースを設けられている。ポリス用にパトロール車両を停めておく駐車スペースで、犯罪抑止のために目立つところにある。アトランタに再オープンする店舗では交番が併設されるのだ。  続きを読む
2023年09月08日

【インスタカート】、食品スーパーに会話型AI検索!スマートカートからデリ注文も?

230908ケイパーカート2
■オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカートは7日、生成型AIを導入したプラットフォーム「インスタカート・ストアフロント(Instacart Storefront)」とスマートカート「ケイパーカート(Caper Cart)」の進化バージョンを発表した。

インスタカートは提携する中小の食品スーパーのDX化で独自に開発したツール等で支援することでビジネスモデルの再定義化を図る。

インスタカート・ストアフロントはAIを利用し買い物に便利なアプリ機能を提供するイニシアチブ。

 その一つがチェーンストア最大手のウォルマートが早くから導入していたストアモードだ。インスタカートの「インストア・モード(In-Store Mode)」はGPSを利用することで店内での買い物情報をアップデートする機能。

商品の店頭在庫に食品の栄養情報、商品がEBT SNAP(生活保護者向けの給付)対象であるかなどを確認できる。商品レコメンデーションや店内プロモーションやセール等にアクセスさせるだけでなく、顧客の買い物リストに沿って通路を表示させることも可能という。

食品スーパー側には顧客のネットスーパー利用に店舗での買い物状況、その両方のデータを提供することで、顧客をより深く理解できるようになる。

インストア・モードはインスタカート・アプリを介してゲルソンズやスチューレオナードなどのスーパーでテストを行っている。

 またアプリの検索窓にはオープンAIの「チャットGPT(ChatGPT)」を導入し、会話型検索機能も追加する。

アプリの検索窓に例えば「ランチ(Lunch)」とキーワードを入力することで「ランチは何を食べようか?(What should I have for lunch?)」に「昼食の安い選択肢は?(What are some affordable lunch options?)」とキーワードが入った検索されやすい質問が自動的に生成される。

他にも「調理がかんたんな昼食は?(What are some easy to make lunch ideas?)」「子供たちのための栄養価の高いランチは何ですか?(What’s a nutritious lunch for my kids?)」「フィッシュタコスを作るには何が必要ですか?(What do I need to make fish tacos?)」等、様々な会話型の質問にも対応できるのだ。

 アップデートしたケイパーカートではカメラと重量センサーの反応速度と精度を向上。

インスタカートの注文管理システム「フードストーム(FoodStorm)」をケイパーカートに搭載し、オーダーメイドの食品をカートから注文する機能も追加される。

フードストームを通じてオーダーすることで、例えばデリのサンドイッチも売り場で買い物しながらカスタム注文できることになる。

スマートカートの利用者は店のポイントや店やメーカーが提供するクーポンを利用したり、買い物頻度や支出額により顧客を階級化するバッジも得られる。

つまりケイパーカートでは毎日の買い物にゲーム要素を応用したゲーミフィケーションも取り入れるのだ。

ケイパーAIがすでに発表されているが次世代版「ケイパーカート3(Caper Cart 3)」はこれまでのように各カートを充電コードでつなげる必要がなく、カートを重ねて並べておくことでコードレス充電に対応する。

 サンフランシスコで2012年に創業したインスタカートはウォルマートやクローガー、アルバートソンズ、コストコ、サムズクラブ、アホールド、パブリクスなど北米で展開する大手食品スーパー15社以上と契約。

ウェグマンズやプライスチョッパーなど中堅食品スーパーとの提携も増え北米にある中小の食品スーパーやお店など1,400社以上と契約を結んでいる。

インスタカートは現在、北米市場の約8万店からネットスーパー展開していることでアメリカ国内世帯だけで95%をカバーしている。

トップ画像:高級スーパーのブリストルファーム(Bristol Farms)のフードホールを持つスーパー「ブリストルファーム・ニューファウンド・マーケット(Bristol Farms Newfound Market)」で実験されているケイパーカート。近日中にも導入される次世代版は機能が充実、コードレス充電に対応しデリの注文もカートから可能となる。  続きを読む
Posted by usretail at 01:40Comments(0)イノベーション
2023年09月07日

【ウォルマート】、会員専用のレジレーンに並べ!広いスペースの理由は不正が多いから?

230907メンバー・ファスト・レーン@ウォルマート00
■チェーンストア最大手のウォルマートではスーパーセンター等にサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」会員用の専用セルフレジ「メンバー・ファスト・レーン(Member fast lane)」が導入されている。

月額12.95ドル(年額98ドル)のウォルマート・プラスはスーパーセンターにある食品や日用品、オモチャ、家電品などを対象に無制限で無料で当日宅配を受けられる定額購入サービス。

プラス会員だけが使える専用のセルフレジがオープンしているのだ。

ここではプラス会員の特典となる決済システム「スキャン&ゴー(Scna & Go)」での買い物ができる。

ウォルマートのメンバー・ファスト・レーンは米国流通で視察をするグループにとっては素晴らしい機会を与えている。なぜならば長いレジ行列に並ばなくとも決済ができるからだ。

週末のウォルマートではフォーク並びとなる行列が長くなりやすい。視察時間が限られる研修参加者にとって、レジ行列での待ち時間は節約したいところだ。

忙しい土曜日の午後でもほとんどレジ行列ができないメンバー・ファスト・レーンを利用することでタイム・パフォーマンスのよい研修になるのだ。

しかもプラス会員の専用レーンは極めて広く取られている。10人程度のグループでも他のお客に迷惑をかけず、セルフレジでの決済を視察できるのだ。

セルフレジ2台あるメンバー・ファスト・レーンには必ずスタッフ一人が常駐している。チェックアウト時に何かトラブルがあってもすぐに対応できるのだ。

メンバー・ファスト・レーンでウォルマートのスキャン&ゴーを利用する。

お客がスキャンしながら買い物を行うスキャン&ゴーは実はウォルマートで過去2度ほど単独サービスとしてテストしていた。が、いずれも失敗に終わっていた。

コロナ禍では人との接触を最小化でき、レジ待ちも時短できることでスキャン&ゴーはサブスク特典として復活したのだ。

ウォルマートのスキャン&ゴーは傘下のサムズクラブの同サービスとどのような違いがあるのかを確認するのだ。

 サムズクラブのスキャン&ゴーはアプリのみで決済が完了するが、ウォルマートではセルフレジで決済を行う必要がある。

使い方は簡単だ。セルフレジでスクリーンにあるチェックアウトのボタンをタップしカメラの状態にして、セルフレジ・スクリーンのQRコードを映すとレジとアプリが同期する。

最後に支払い確認のボタンを押せば、決済を終えることになる。

一方でウォルマートのスキャン&ゴーでは量り売りの野菜・果物等はセルフレジで質量を計ることになる。

青果コーナーで量り売りとなる野菜等のバーコードをスキャンすると「計量用野菜(Weighable produce)」としてカートに入る。

同時に「セルフ・チェックアウト・レジで計量します」と説明文も表示される。

リンゴやバナナ、生姜、玉ねぎなどの商品名の横にもそれぞれ「お値段はセルフレジで計量して計算します」と赤い文字となっている。

アプリと同期したセルフレジでは、計量器に載せる野菜をスクリーンで次々に示されることになる。順々に量り売り商品を載せていくだけで自動的に計算されていく手順だ。

レジ台の量りに載せて価格を計算し決済が完了する。

最後にレジ画面に「ウォルマート・アプリでの支払いが完了しました(Confirm payment in the Walmart app)」が表示され、アプリにもバーコードに「全てが完了しました。スキャン&ゴーのご利用ありがとうございます(You're all set - thanks for using the scan & go)」と表示されるのだ。

あとは店を出る際、商品とアプリの表示を見せるだけとなる。

 他の多くのスーパーが行っているモバイルチェックアウトの量り売りでは、売り場にあるデジタルスケールで計量し、価格表示のステッカーをプリントアウトしスキャンしていく。

ウォルマートのスキャン&ゴーはプリントアウトはせず、全てレジで行うのが一番の特徴となっている。

 ウォルマート視察では必ずメンバー・ファスト・レーンでスキャン&ゴーで決済すること。それが米国流通視察で必須カリキュラムになる。

トップ画像:サブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」会員用の専用セルフレジ「メンバー・ファスト・レーン(Member fast lane)」。プラス特典のスキャン&ゴーでは不正が多いから、広いスペースに2台のセルフレジに専任スタッフ一人が常駐しているのかもしれない。  続きを読む
2023年09月06日

【出前ロボ】、やるのと聞くのは大違い!出前ロボと記念撮影すると自然な笑顔になる?

230906出前ロボ00
■ことわざに「見ると聞くのは大違い」がある。実際に見るのと人から聞いたのとでは大きな違いがあるということだ。

当社のワークショップ型流通視察では「やるのと聞くのは大違い」になる。研修参加者が実際にスマートフォン・アプリを使って流通DXの実際を体験するからだ。

世界最先端のITを導入した流通で買い物を経験するのは、ニュース等で知ったり話を聞いたりするのとは全く異なる。

これまでのワークショップで参加者から最も意外な反応が返ってくるのはロボ出前を使ったモバイル注文したときだ。

当社の研修日程にある、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にてロボ出前で注文するカリキュラムだ。

163の建物があるUCLAキャンパスは419エーカーの広さがあり、東京ドームにして36個分にもなる。

広大なキャンパスの8割以上を対象エリアに、ロボット開発のスターシップ・テクノロジーの出前ロボットが縦横無尽にピザやコーヒー等を届けている。

 出前ロボットの利用は専用アプリ「スターシップ-食品宅配(Starship - Food Delivery)」をスマートフォンにダウンロードするところから始まる。

無料アプリをダウンロード後、起動すると国内キャンパス30ヶ所近くのデリバリー地域が表示される。そこからUCLAを選択するのだ。

なおカリフォルニア州ではUCLAにカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)のキャンパス内でも配達をおこなっている。

UCLAを選択後はキャンパスの地図(航空写真も)を指で動かし、ピックアップポイント(delivery point)のピンを設定することになる。

次に学食店のページからメニューの選択を行う。参加者の多くはここでアイスコーヒーなどを購入することになる。

事前に登録したクレジットカードを使って、配達手数料(2.49ドル)を含んだ合計金額でチェックアウトする。

届くまではピックアップポイントと進捗状況を示したマップ画面になる。

その後は到着予定時間に「注文を承りました(We've got your order)」「調理中(Prepairing order)」、そしてマップ上で移動するロボットが示される「ロボットのお届け中(Robot on its way)」のステータスを示すのだ。

ロボットが到着するとショートメッセージに画面が「ロボット到着(Robot arrived)」となり、「隣にロボットがいます(I'm next to the robot)」の確認ボタンが表示されることになる。

確認ボタンをタップ後に「解除(Unlock)」ボタンを押す。「こんにちは!配達品です(Hello!here's a delivery)」との音声が聞こえるのでカバーをマニュアルで開け、注文品をピックアップする。

ただしここで終わりではない。マニュアルでカバーを閉めたあと、画面は注文品を受け取りましたか?となる。

最後にロボットを「送り出します」のボタンを押すことで「ありがとうございました!(Thank you, have a nice day)」と言ってロボットが再び動き出すことになるのだ。

 研修参加者はこれらの手順を自分たちで行うのだが遠くからヘッドライトを灯した出前ロボが見えると全員一様に笑顔になる。

同時に小走りぐらいの予想外に速いスピードでやってくるのに驚くことにもなる。キャンパス内を歩く、多くの生徒をうまく回避しながら進む様子に撮影しながら感動する。

指定した場所にロボットが止まるとアプリを使って注文品の取り出しにかかる。

なおスターシップのデリバリーロボットは高さが約40センチメートル、横幅が30センチメートル。重量が80ポンド(36キログラム)となる、大きめのクーラーボックスのような形状だ。

このロボットにはカメラやセンサー、制御システム、通信機器、LED、バッテリーを搭載している。

時速4マイル(6キロメートル)で走行し6つの車輪で風・雨の強い日でも稼働できるようになっているのだ。

上部にあるカバーを開けると注文品を入れるスペースが用意されており最大20ポンド(9キログラム)を運ぶことができる。スターシップの容量は食品スーパーの買い物袋で1台3袋程度の容量となる。

コーヒーなどの注文品を取り出したあとは参加者全員で記念撮影となるのだが、出前ロボを囲むと自然とニコニコ顔にもなる。

 スターシップによると4月には累計走行距離が1,000万キロメートルに到達し、累計出前注文実績も500万件を超えている。こういった数字で聞くよりは実際に注文してみると全く見えなかったものが見えてくるのだ。

トップ画像:出前ロボを使ってUCLAでアイスコーヒーを注文。遠くからヘッドライトを灯した出前ロボが見えると全員一様に笑顔になるのだ。キャンパス内を歩く、多くの生徒をうまく回避しながら進む様子に撮影しながら感動していた。  続きを読む
Posted by usretail at 01:07Comments(0)イノベーション
2023年09月05日

【ターゲット】、お母さんも「エッ!なんだって?」子供服の返品期間が365日に延長?

230905キャット&ジャック@ターゲット
■日本では餃子などの無人販売店がブームとなっており、一部の地域ではすでに競争も加熱しているという。

無人販売店とは商品やサービスを無人で販売するビジネス方法であり、よく知られているのは農家が野菜などの農産物を売る販売所だろう。

お店に商品と料金箱だけおいてある無人販売ビジネスは消費者を信頼するシステムで、治安がよく民度の高い日本だからこそ成り立つビジネスモデルといえる。

自販機ごと盗まれるようなアメリカで無人販売店を行えば、特に都心部では犯罪が多発することが考えられる。商品が盗まれるどころか料金箱が速攻でなくなるのだ。

不正を働く人たちを注意した際に怪我をすれば一部には「犯罪に巻き込まれた」と提供元を訴えることもあるだろう。

一方でアメリカでは顧客を信用して成立しているビジネス慣習もある。それは「100%満足度保証」と謳う返品制度だ。

返品制度は指定された期間内であれば購入した商品を返品でき、100%で返金される慣習だ。

アメリカではカタログ販売が主流だった100年以上前からあり、返品等にかかるコストも価格に折り込んでいる。

返品条件も店によって様々で例えばトレーダージョーズでは無期限で返品が可能となっている。つまり賞味期限切れであろが、腐っていようが100%返品を受け付けるのだ。

こういったリスキーな返品制度を行うのはアメリカ流通業が顧客の生涯価値の最大化を狙っているからだ。

英語でカスタマー・ライフタイム・バリューという顧客生涯価値とは、一人のお客が一生をかけて支払ってくれる総額だ。

お客が「気に入らない」と数品を返品しても100%満足度保証により永遠と購入してくれることで顧客の生涯価値を最大にできると踏みこんだリスキーな施策といえる。

100%満足度保証にチャレンジングでリスクの高い返品を始めたチェーンストアがある。

ターゲットは現在、2016年から始動したプライベート子供服ブランド「キャット&ジャック(Cat& Jack)」で返品期間を1年間に延長している。

小さい子供をもつ母親なら「エッ!?」と誰もが驚くような寛大な返品条件だ。

購入から365日以内なら「満足できない」で返品できれば子供服はいくらでも返品できるだろう。なぜなら子供は成長が著しい。子供が成長することで半年もしないうちにして子供服が小さくなってしまうのも珍しくない。

「長袖の丈が短くなって気に入らない」との理由でバンバン返品ができてしまう。しかもプライベートブランドといってもターゲットではすでに30億ドル(4,400億円)以上を稼ぎ出す人気ブランドだ。

子供服の寛大な返品条件を乱用しようと思えば簡単だろう。ターゲットもそれを見越して返品の際には身分証明書の提示を義務付けているという。

何十回、何百回にも及ぶような返品にならないよう身分証明書からフラッグが立つようになっている。一応、一人の顧客が返品できる総額は1年で100ドルとしている。

それでもターゲットのキャット&ジャックの返品制度は母親にとっては嬉しい。

ターゲットの寛大なサービスはそれだけではない。なんとクルマに乗ったままで返品も可能となっている。

ネット注文品を専用の駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップをターゲットでは「ドライブアップ(Drive Up)」と呼んでいるが、返品もドライブアップで受け付けるようになっているのだ。

つまりキャット&ジャックをネット注文してドライブアップでクルマから降りずに受け取れ360日後、子供が成長し着れなくなったキャット&ジャックをドライブアップでスタッフに渡して返品完了となる。

そんな仰天サービスにターゲットではコーヒーまで注文できるようになっている。

ターゲットのドライブアップでスターバックスのコーヒーも同時に受け取れるサービスを約1,700店に拡大しているのだ。

一石二鳥となる同サービスではクルマから降りてわざわざ店内のスターバックに寄る必要がなくなる。

ターゲットは昨年秋に12店舗で始めた「ドライブアップ・ウィズ・スターバックス(Drive Up with Starbucks)」の実証実験が大成功したことで今春までに250店に拡大した。

車から降りることなくターゲットの注文品と一緒にフラペチーノも受け取れる同サービスは今年10月までに約2,000店舗のうち8割以上に展開することになる。

 キャット&ジャックをネット注文しドライブアップで受け取る際にフラペチーノを注文してクルマまで出前してもらいその場で1年近く前に購入したキャット&ジャックを返品ができるのだ。

 関西人から「考えられへん!」と言われるようなサービスを武器にターゲットは若い母親のハートをゲットしカスタマー・ライフタイム・バリューを最大化する。

トップ画像:ターゲットのキャット&ジャックの特設ページ。2016年から始動したプライベート子供服ブランドで返品期間を1年間に延長しているのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 00:45Comments(0)
2023年09月04日

【ジャスト・ウォークアウト】、DX失敗はモヤモヤ感!研修参加者の目の前で間違えた?

230904アマゾンゴー・ウィッティア店
■ネット通販最大手のアマゾンが開発した自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト」は店舗運営としてはほぼ使えないシステムだ。

誰がどの商品をいくつ手に取ったかなどを自動認識するシステムがポンコツだとの感想を持ったのは、数回の買い物だけではない。

アマゾン本社のあるワシントン州シアトルに2018年にレジなしコンビニエンスストア「アマゾンゴー(Amazon Go)」1号店がオープンしてから、数え切れないほどの買い物体験により得たものだ。

ジャスト・ウォークアウトの最大の問題点はどの商品をいくらでどのくらい購入したのかがすぐには分からないことだ。

クーポン等の割引もジャスト・ウォークアウトで利用可能となっているのだが、ディスカウントも価格に反映されているのか即座には分からない。

大抵の場合、ジャスト・ウォークアウトでの買い物が終わってから(ゲートを出てから)レシートを受信するまで最短でも数十分待たなければならないのだ。数時間程度待たされることも珍しくない。

最悪なのはクーポンを使っても価格に反映されていない場合だ。レシートを受信後に例えば「50ドル以上の買い物で10ドル引き」のクーポンが価格に反映されていないと確認したら、もうどうすることもできないのだ。

レジ行列に並ぶ必要がないといっても、合計価格等をすぐに確認できない上にクーポン・ディスカウントされなければ誰も使いたがらない。

したがってモヤモヤ感がお客に残るためにポンコツシステムといえる。

もう一つのモヤモヤ感はジャスト・ウォークアウトにとって致命的な欠点だ。それは頻発するエラー等の計算ミス。

取ってもいない商品を決済されていたり、逆に購入した商品が決済されていないことがしばしば起こる。

筆者は生活者としてジャスト・ウォークアウトを利用して買い物することに加え、研修参加者と一緒に買い物をすることがある。

経験則からレジなしシステムの買い物では2回の1回の割合で何かしらのミスを起こしているのだ。直近では先月26日、アマゾンゴーに加えて、同じ日に行ったアマゾンフレッシュでもエラーを起こしていた。

 研修参加者4人にアマゾンゴー・ウィッティア店でコーヒーを飲んでもらった。なおアマゾンゴーの入店では筆者の手のひらで全員が入店していた。

コーヒーは自分でカップを手に取り、セルフサーブマシンでコーヒー等を注ぐことになる。筆者だけは飲まなかったのだが数時間後に受信したレシートには5人分のコーヒーで決済されていた。

同じことは以前にもあり、シアトル郊外にあるアマゾンゴー・ミルクリーク店では13人分の飲み物を購入したのに4人分しかチャージされていなかったのだ。

ワークショップ型の流通研修を行う筆者のような場合、こういったハプニングは実は美味しい。多めにチャージされていた際はセミナーでアプリを介して返金リクエストができるからだ。

参加者にとってはまたとない経験になる。しかし消費者、生活者としては全く笑えない。

先月26日の午後にはアマゾン・フレッシュで買い物も行った。ジャスト・ウォークアウトを導入しているアマゾン・フレッシュ・セリトス店で参加者が見守る中、筆者は生鮮品を含む8点を購入した。

数時間後に送信されてきたレシートを確認したらベーコンがダブルチャージとなっていた。

最初に手にとったホールフーズのプライベートブランドのベーコンを棚に戻したのに決済に含まれていたのだ。

結局、アマゾンゴーに続いてアマゾン・フレッシュでもリファンドの手続きを取らねばならなかった。

顧客の心理として返金できたのだから問題ないとはならない。

ここでもモヤモヤする。なぜならば同じ日に2回も返金手続きをすれば、アマゾンが不正を疑うのではと若干不安に思うからだ。

想像してみて欲しい。スーパーで買い物したらレジ係りの入力ミスが発覚、それを指摘して同じ日にもう一度買い物したらまたミスを見つけたら。どこか自分に非があることを疑われるのを心配してしまうのだ。

 お客をモヤモヤとさせるジャスト・ウォークアウトは使えない。少なくとも急いでいる場合を除いた日常の買い物ではポンコツと言わざる得ないのだ。

トップ画像:アマゾンゴー・ウィッティア店。研修参加者4人にセルフサーブマシンでコーヒーを飲んでもらったのだが、数時間後に受信したレシートには5人分のコーヒーで決済されていた。同じ日にジャスト・ウォークアウトのあるアマゾン・フレッシュで買い物したら購入していないベーコンがチャージされていた。  続きを読む
2023年09月03日

【ベストバイ】、既存店ベースは6.2%減!もアプリを介した売上は過去3年間で2倍へ?

230903マイベストバイ@ベストバイ
■家電店チェーン最大手のベストバイが29日に発表した第2四半期(5月〜7月期)決算では長引くインフレや金利高で売上を落としたものの市場予想を上回る結果となった。

売上高は前年同期比で7.2%の減少となる95.8億ドルだった。純利益は同10.5%減となる2.74億ドルとなった。

粗利益率は新サブスクリプションが加わり、メーカーからの協力等を得られたことで前年同期の22.1%から23.2%と1.1ポイントも上昇。一般販売管理比率は粗利益率の増加に伴い、前年同期の18.2%から19.6%と1.4ポイント増加した。

既存店・売上高前年同期比は主要なカテゴリーの売上が減少したがゲームが牽引したことで市場予想を上回る6.2%の減少となった。前年同期の既存店ベースは12.1%減と二桁の減少だった。

国内の既存店ベースは6.3%の減少となった。前年同期は12.7%の減少だった。

国内のオンライン販売は7.1%の減少だった。前年同期は14.7%減。

国内の売上高の3分の1を占めるオンライン売上ではネット注文の4割がカーブサイド・ピックアップやボピスなど店在庫からの出荷を占めているという。

ベストバイではストアアプリの顧客体験を大幅に改善していることで、アプリを介したネット売上比率は過去3年間で2倍に増加し、オンライン売上の約20%以上に達している。

 商品カテゴリー別の既存店売上前年同期比では売上の41%を占める「コンピューターとモバイルフォン(Computing and Mobile Phones)」がマイナス6.4%の減少。前年同期は16.6%の減少でコロナ禍の大幅需要からの落ち込みとなっていた。

売上全体の30%を占める、ホームシアターなどの「コンシューマーエレクトロニクス(Consumer Electronics)」は前年同期から5.7%の減少だった。1年前は14.7%の減少で2年前はコロナ需要で27.4%の増加となっていた。

全体の16%となる白物家電の「アプライアンス(Appliances)」は2年前、巣ごもりで31.3%の増加だったが1年前は1.2%の小幅の減少。しかし金利高を反映し住宅需要が冷え込んでいることで今年は16.1%の減少となっている。

全体の6%となる「エンターティメント(Entertainment)」はゲーム売上が急伸して9.0%の増加となった。

全体の6%となる「サービス(Services)」も刷新したサブスクで7.6%の増加だった。

 ベストバイは6月27日からお客様サポートのサブスクリプション・サービスを刷新。3年前に開始した「ベストバイ・ベータ(Best Buy Beta)」を「マイ・ベストバイ(My Best Buy)」「マイ・ベストバイ・プラス(My Best Buy Plus)」「マイ・ベストバイ・トータル(My Best Buy Total)」の3種類の会員プランでリローンチしたのだ。

会員費が無料となるマイ・ベストバイは、一部に条件がついている宅配無料や購入履歴、ネット注文のトラッキング、配送状況などベーシックな基本プランとなっている。

年会費が49.99ドルのマイ・ベストバイ・プラスは会員専用のディスカウントにセールイベントへの優待、手数料無料の2日間配送、さらに返品期間60日間など。

ブラックフライデーやサイバーマンデーで大人気で品薄となっているゲーム機の「プレイステーション5」と「Xbox Series X」をオンラインに限定しサブスク会員のみ販売していたが、年会費50ドルでも「最も入手困難な商品」を優先的に得られるベネフィットが与えられている。

マイ・ベストバイ・トータルは、現行の年会費199.99ドル(ベストバイ・クレジットカード保有者は年会費179.99ドル)のサブスクリプション「トータル・テック・サポート(Total Tech Support)」を179.99ドルに値下げしたプラン。

トータル会員にはプラス会員のすべての特典を含んでいる他、24時間365日の無制限テクニカル・サポート、電話や店のサポート以外にもチャットやメール、ストアアプリにも対応している。アップルケアやアップル製品を含め製品保証もベストバイで購入した商品については2年間となっている。

 ベストバイは今年、大幅な店舗スクラップも行うとしている。2019年1月通期からベストバイ本体の店舗数は997店から翌年には977店へ、さらに956店から938店、925店へと毎年20店舗前後で減らしているのだが今年度は最大で30店舗を閉鎖するのだ。

改装にも投資をしており35,000平方フィート(980坪)の大規模な体験型店舗リフォームを8つ実施しながら、アウトレット店舗を19から25に拡大するとしている。

トップ画像:ベストバイではサブスクリプション「マイ・ベストバイ(My Best Buy)」会員向けのお買い得品を入り口付近で訴求している。  続きを読む
Posted by usretail at 00:40Comments(0)家電専門店
2023年09月02日

【スターバックス】、時間短縮スキャンレス・ペイ!もホームレスでサードプレイスレス?

230902スターバックス
■世界最大のコーヒーチェーンの「サードプレイス(第三の場所)」はスターバックスのコンセプトを語る上で重要な言葉であり、スターバックスの強さでもある。

サードプレイスとは家庭(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)でもなく、気軽に人々と集うことができる場所のことを指す。

仕事や家庭でもないサードプレイスの非日常的な空間は、一人で過ごすのにも友人とのおしゃべりにもくつろぎや楽しさを与えてくれるのだ。

スターバックスはサードプレイスとしての機能に多くの支持を集めて成長していったと言える。つまりスターバックスはサードプレイスをアイデンティティとしていたのだ。

しかしスターバックスは最近、強みでもあったサードプレイスが終了していることを決算から浮き彫りにしている。

スターバックスではモバイルオーダーを介した注文にドライブスルー、デリバリーが売上全体の74%を占めているのだ

顧客の4分の3はサードプレイスなど気にせず、スピード重視ということになる。スターバックスはさらにスピードを早める施策を行うことが明らかになった。

 スターバックスはアプリを介したモバイルオーダー注文でドライブスルーにてピックアップする顧客に「スキャンレス・ペイ(Scanless Pay)」の実証実験を行っているのだ。

スキャンレス・ペイとはスマートフォンのGPS機能によりドライブスルーレーンに並んでいる顧客の位置を把握することで、QRコードをスキャンしなくとも顧客を特定して注文品を渡せる機能だ。

ドライブスルーに並んだドライバーはスマートフォンを取り出し、アプリを起動したり、QRコードを表示しなくとも名前を言うだけで商品を受け取れる。

スターバックスにとってはQRコードをスキャンする必要がなくなることでドライブスルーでの待ち時間を短縮でき、多くの顧客をさばけるようになる。

スキャンレス・ペイの使い方は対象となるスターバックス店でモバイル注文しておき受け取る直前でアプリからチェックイン(Check-in)をしておく。

チェックインすることでスターバックスが全地球測位システムにより顧客の位置をフォローできるのだ。あとはドライブスルーの窓口で顧客が名前を言うだけで注文品を受け取れるようになる。

 ファストフード最大手で外食業界の巨人となるマクドナルドもモバイルオーダーで新たな機能をテストしている。

ドライブスルーをジオフェンシング技術で便利にした機能だ。

ジオフェンシングとは地図上にバーチャルなフェンスを設置する技術。特定のフェンス内に対応端末をもつ利用者が入った時、アプリの画面が変わるなど「モバイル端末のGPS機能」を活用し、予め決めた処理を自動的に行う機能のことだ。

マクドナルドやチックフィレではモバイルオーダーで注文しても利用者が店のエリア内にいなければ注文や決済ができないようになっている。

言い換えれば利用者が店内もしくは近くにいて、初めて注文・決済ができ、調理が始まるようになっているのだ。

例えばチックフィレでモバイルオーダー後、お店の近くに行くと画面が変わり「到着しました(I'm here)」のボタンが現れるようになっている。

このボタンをタップすることで注文が確定し決済となり、調理が始まる。ジオフェンシングによって注文後、利用者が店に現れないということがなくなるのだ。

マクドナルドではあらかじめモバイルオーダーで注文したドライブスルー客をジオフェンシングで感知し、店に到着と同時に注文品を渡す「レディ・オン・アライバル(Ready on Arrival)」をおこなっている。

レディ・オン・アライバルでは到着まで3分以内となったお客に向け、ビッグマック等の注文品の用意を始める。こうすることでお客は待たされることなアツアツのメニューを持ち帰れることになる。

 モバイルオーダーと自動化したベルトコンベアを組み合わせてコンタクトレス&超高速化を果たす実験もおこなっている。

マクドナルドではアプリ注文のツーゴーをベルトコンベアで運んでお客が受け取るレーンを「オーダー・アヘッド・レーン(Order Ahead Lane)」と呼んでいる。

オーダー・アヘッド・レーンはドライブスルーの外側にあり、厨房からベルトコンベアとエレベーターを使ってドライバーのところに運搬するシステムとなる。

マクドナルドによるとパンデミック前、トップの売上を誇る店舗ではドライブスルーが売上の70%に至っていた。

コロナでドライブスルー客やツーゴー客が9割にも達しており、ベルトコンベアのある店舗をテストするのだ。

オーダー・アヘッド・レーンを導入した最新店は通常の店舗より26%狭い小型フォーマットとなっており、店内には通常のレジ接客用の注文のほか、キオスク端末も導入されている。

店内での受け取りでは本棚のような「ピックアップ・シェルフ(Pick Up Shelf)」に並べ、宅配ドライバーでも簡単に注文品を受け取るようにもなっている。

最新店もモバイルオーダーによるカーブサイド・ピックアップも可能だ。オーダー・アヘッド・レーンにレディ・オン・アライバルを組み合わせることで近未来的なファストフードDX店になる。

 コロナ以降、飲食チェーンのDXではコンタクトレスにスピードアップが最重要課題となっているため、スターバックスのサードプレイス・コンセプトも縮小せざる得ない状況になるのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 00:42Comments(0)その他
2023年09月01日

【ウォルマート】、再び店舗閉鎖!ネットスーパーシェア過去最大&新カートにはアレが?

230901カーブサイド・ピックアップ@ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートが今年3月、SEC(証券取引委員会)に提出した10K(年次報告書)でビジネスを「テクノロジーパワー型オムニチャネル小売業者」と再定義した。

テクノロジーパワー型オムニチャネルリテーラーとしていることで多くの変化が生じている。直近の3つのニュースでもそれを如実にあらわしているのだ。

ウォルマートは再び店舗閉鎖を行い、ネットスーパーで過去最大のシェアを獲得し、テクノロジーパワー型を示すようにショッピングカートも新しくする。

 ウォルマートはコネチカット州ノーウォークにある店舗(680 Connecticut Ave Norwalk, CT 06854)を11月3日に閉鎖すると発表した。

不採算店の閉鎖としているが、チェーンストアにとって書き入れ時となるクリスマス商戦直前に店舗スクラップをするのは異例となる。

ウォルマートが発表した7月31日時点の国内店舗数が5,215店。3ヶ月前となる4月30日の5,283店から68店舗も減少している。

閉鎖した店舗の内訳では、スーパーセンターが前期の3,561店舗から1店舗減少し3,560店舗に縮小。ネイバーフッドマーケットは前期の677店から2店舗閉鎖し675店になっている。ディスカウントストアは前期の3店舗から横ばいだ。

ただし、スマールフォーマットとなる小型店が3ヶ月前の77店舗から現在は20店まで圧縮している。

年末商戦直前にノーウォーク店をスクラップすることからも分かるようにウォルマートは旧チェーンストア理論の前提を覆し、店舗数をどんどん縮小しているのだ。

ウォルマートは5年連続して店舗数を減らすことが確実となる。

 一方、売り場の数が少なくなっても直近の決算では既存店・売上高前年同期比が上昇している。ウォルマートUSの第2四半期(5月〜7月期)決算の既存店・売上高前年同期比(ガソリン販売は除外)は6.4%の増加となった。

これにより2014年8月〜10月期から36四半期連続で前年を上回っているのだ。

ネットスーパーを含め国内のEC売上高は前年同期比で24%の増加と二桁の成長を維持した。

EC売上急進からもわかるようにウォルマートのネットスーパーのシェアが過去最大となっている。

調査会社ブリック・ミーツ・クリック(Brick Meets Click)が30日に発表した推計によると、ウォルマートのネットスーパー(Online Grocery)のシェアが第2四半期で35.5%になり、前年同期から約5ポイントも伸長した。

ウォルマートのネットスーパーは全体の3分の1以上となり、スーパーマーケット全体のネットスーパーシェアの29.8%を大きく引き離しているのだ。

昨年8月に食品インフレ率は1年間で13.5%とピークを記録したことで「ウォルマートはネットスーパーでのプライスリーダーの役割を強化している」とブリック・ミーツ・クリックは分析している。

富裕層を含め、価格に敏感になっている消費者がウォルマートのネットスーパーを利用しているのだ。

特に35ドル以上の買い物で手数料が無料となるカーブサイド・ピックアップは人気だ。ネットスーパー全体でも宅配を抑えてピックアップは48%に達しているのだ。

 ネットスーパーの利用ではモバイル・アプリを介して注文するが、ウォルマートは店舗でも顧客に専用アプリを使わせようとしている。

ケンタッキー州メイフィールド地区にあるウォルマートのフェイスブックページで新ショッピングカートの動画をアップ。

「メイフィールド店でテストドライブしてください」とするショッピングカートにはハンドルの近くにドリンクホルダーの他、スマートフォン・ホルダーも備えているのだ。

ウォルマートの宅配サブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」の特典にスキャン&ゴーがある。

アプリをカメラの状態にし商品バーコードをスキャンしながら買い物する機能だ。カートにスマホ・ホルダーが装着されることで、スマホをポケットから取り出すよりも容易にスキャンできるようになる。

またウォルマートのストアアプリにはGPSを利用したストアモード等で「プライスチェッカー」「ストアマップ」「ショッピングリスト」を提供。

ショッピングカートのスマホスタンドが若干高い位置にあることでハンズフリーでこれらの機能の利用も可能となる。

 ウォルマートCEOのダグ・マクミラン氏は昨年11月、「私達のアプリはお客様やプラス会員にとって生活の一部になっています」と述べた。

今年4月初めにはウォルマート・コムのホームページ(HP)や専用アプリのデザインを刷新。より使いやすくなったユーザー・インターフェイスで買い物での利用を向上し、売上に寄与しているのだ。

トップ画像:ウォルマートのカーブサイド・ピックアップでネットスーパー注文品を受け取るワークショップ研修参加者。実際にネットスーパー注文し受け取ることで、富裕層がウォルマートで買い物する理由が分かるのだ。  続きを読む
2023年08月31日

【スシランド】、より「寿司ブーム」にしたニュース記事に怒り!ローカライズで国民食?

230831スシ@アマゾン・フレッシュ
■韓国の5人組ガールズグループ「NewJeans」のメンバーが23日、SNSで「スシランドへの小旅行(our short trip to sushi land)」と題して日本滞在中に撮影した画像を公開した。

このツイートがネット上で大きな議論を呼んでいる。日本のことを「スシランド」と表現したことで、一部のネットユーザーから「差別用語だ」と炎上しているのだ。

X(旧ツイッター)では「国を食べ物の名前で呼ぶことは差別的な言い方」「もし韓国をキムチランドって呼んだら秒で干されるくらいぶっ叩かれると思うよ?」などと批判が巻き起こっているという。

また韓国では日本人女性を指す「スシ女」というスラングがあることから「スシランド」も侮辱的な表現だとする見方も出ているようだ。

しかしツイートした本人はオーストラリアで生まれ、オーストラリアで育ったベトナム人なので反日教育を受けていない。

しかも2004年生まれの18歳でZ世代となるティーン。一般的な授業よりも歌と踊りのレッスンに集中していたアイドルがわざわざ日本に来てまで差別用語を言うことも考えられないのだ。

問題は「スシランド」を差別用語だとする人にある。

世界最大の経済大国に1985年から在住する筆者から見てスシランドを差別用語だとするのは、極めて誤った拡大解釈に過ぎないと考えている。

万が一、他国の人がスシランドを差別用語として使っているのならアメリカの事例を教えてあげればいい。

使えなくなるどころか真っ青になると思う。なぜならスシはアメリカで国民食になっているからだ。

なぜスシが米国の国民食になっているかというと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が28日に報じた「どうやってクローガーは国内スシ売上ナンバー1となったのか?スーパーマーケットのスシで十分に数百万人の買い物客も合意:米国では食品スーパーのスシの売上は過去4年で70%以上に(How Kroger Became the Biggest Sushi Seller in America Millions of shoppers agree: It’s OK to eat supermarket sushi. At U.S. retailers, sales are up more than 70% in the past four years)」という記事が参考になる。

消費者調査会社サーカナ・グループのデータによると、米国人が1年間に食品スーパーで購入したスシは4,370万食であり、ほとんどが素早いランチや購入直後の夕食で消費されている。

また飲食店での購入は店内消費とテイクアウトを含めて2億3,860万食に上っている。

筆者は視察やリサーチを含め米国の食品スーパーに頻繁に行く機会がある。自分が日本人でもあることも関係しているが、いかなる食品スーパーでも目立っているのはスシだ。

中南米系を含めエスニックなスーパーなどでもスシ・コーナーがわざわざ設けられているほどだ。

記事によるとスーパーマーケット最大手チェーンのクローガーが通常1年間に販売するスシは4,000万個以上となる。

同社がすしの販売で国内最大手であることに気付いたのは2020年でありコロナ禍の3年間でクローガーのスシ・シェアは拡大し続けている。

新たに開発した、巻きずしのおかげで新たな顧客が来店し、既存客の来店回数も増えているというのだ。

アメリカ国内のスシ売上は過去4年間で数量ベースで50%以上も伸び、金額ベースでは72%の成長となっている。

これだけアメリカでプレゼンスをましているスシを、どうやったら差別用語に使えるのかを聞きたいぐらいだ。

しかもアメリカ国内でスシを握っているのは圧倒的に日本人よりほかのアジア人のほうが多い。

同胞の多くがアメリカや欧州でスシを握って生計を立てていたりする。スシで家族を養っていたりしている彼らがスシを軽蔑し差別用語にすることなど絶対にできないはずだ。そんなことをすれば精神を病む。

食に関する日本語が世界共通の英語になっているのはスシだけにとどまらない。ラーメンやカレー、枝豆に和牛、居酒屋も英語になっている他、最近では「オマカセ」も英語で通じる。

ニューヨークなど8州に109店の食品スーパーを展開するウェグマンズは10月18日、ューヨーク市では2店舗目となる店舗をオープンする。

マンハッタンでは初となる店舗は2021年6月までKマートがあった場所(770 Broadway, New York, NY 10003)で82,000平方フィート(約2,300坪)の広さとなる。

食品スーパーの店内にはピザやデリのカウンターの他、ウェグマンズでもユニークなオイスターカウンターを含む94席のシーフードレストランに10席の寿司バーまで導入される計画なのだ。

スーパーがスシバーを導入するばかりでなくメニューには、その日に仕入れた新鮮な食材を使って寿司シェフの腕にまかせて料理を提供してもらう「オマカセ(Omakase)」も用意されるという。

 ところで筆者は「スシランド」という言葉は全く気にならないが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙日本語版で訳されたスシのタイトルが気になる。

「どうやってクローガーは国内スシ売上ナンバー1となったのか?スーパーマーケットのスシで十分に数百万人の買い物客も合意:米国では食品スーパーのスシの売上は過去4年で70%以上に」の原文タイトルを「米国のすしブーム、立役者はスーパー」に意訳しているのだ。

スシはブームではなく国民食だ。英語の原文には、にわかにはやり出すブーム等のワードは一切もちいられていない。

なぜブームではないかというと、長い時間をかけて定着していることに加え、スシがローカライズされているからだ。

例えば鉄火巻きのマグロに辛子マヨネーズが和えられている「スパイシー・ツナロール」やマンゴーのスライスしたものを海苔の代わりに載せた「マンゴーロール」がある。

エビの天ぷらとアボガドの巻き寿司の「クランチー・シュリンプ・ロール」、ソフトシェルクラブをつかったドハデな「スパイダーロール」、定番のカリフォルニアロールも。

いずれも日本人に邪道と言われるようなスシだが、見方を変えればスシが定着しているからこそのローカライズとなっているのだ。

なぜならスシはシーフードでありアメリカでは鮮魚は高額になりがちだ。大衆でも気軽に楽しめるように、シーフードを抑える工夫をしながらスシを低コストで提供しているのだ。

したがって一過性のブームではないことがわかるだろう。

同記事にも「米国の惣菜の二大看板商品は調理されたチキンとスシだ(Two mainstays in American delis are some form of cooked chicken and sushi)」とあるほどだ。

 アメリカ人の食文化を大きく変えてしまった日本人はもっと胸を張っていい。「スシランド」を差別と批判するなら、アメリカの食品スーパーに来て見てもらいたい。  続きを読む
Posted by usretail at 01:38Comments(0)スーパーマーケット
2023年08月30日

【手のひら決済】、東武ストアに展開!も米国ではホールフーズや空港の売店でも拡大中?

230830アマゾンワン@ホールフーズ
■日立製作所と東武鉄道は8月29日、生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームの立ち上げを発表した。

2023年度中に東武グループ傘下のスーパー「東武ストア」の複数拠点で同プラットフォームに対応したセルフレジを展開する予定という。

また日立と東武は、東武グループ傘下のスポーツジムやホテル、観光施設などへの導入も検討しており、将来的には鉄道や東武グループ以外の企業での利用も見越している。

「生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォーム」を言い換えれば「手のひら決済」だ。

東武ストアの事例では、セルフレジでの会計時に事前に登録した手指をかざすだけで、年齢確認やクレジットカード決済、TOBU POINTの付与が完了する。

日本のメディアは「手のひら決済(実際には手の指ゆび決済)」を大々的に報じられているが、日本より5年〜10年先をいくアメリカ流通業では毎日の生活の中に「手のひら決済」はすでに溶け込もうとしている。

アマゾン傘下で自然食品スーパー最大手のホールフーズ・マーケット全店に非接触の生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」を500店以上となる全店に拡大しているのだ。

アマゾンの開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」にも導入され、自動決済システムの「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」ではアプリのQRコードの代わりに手のひらでの利用が可能となっている。

手のひら決済は外販も進んでおり、屋内競技場「エクセル・エナジー・センター(Xcel Energy Center)」などのスタジアムやアリーナの売店、ロサンゼルス国際空港内のハドソン・ノンストップでもジャスト・ウォークアウトでアマゾン・ワンが導入されている。

北米に2,100店以上のベーカリーカフェチェーンを展開しているパネラブレッドとも提携し、2店舗で手のひら決済がテスト導入されている。

手のひら認証により、免許証等のIDを出さなくてもアルコールも購入できる。しっかりと登録時に年齢確認と本人確認を済ませておけばビール販売もカンタンになる。これは東武ストアも目指しているところだ。

アメリカと同じように日本でも買い物の仕方がパーソナライズに進化しているということになる。

 さて当社のワークショップ型視察研修では個人化が進むアメリカ流通業の実際を体験して見てもらうようにしてもらっている。

例えばホールフーズでは昼食時、参加者にデリにある量り売りのホットフーズを購入してもらい筆者はアマゾン・ワンを実演している。

セルフレジに集まってもらい、どのような手順を踏んで手のひら決済になるかを目の前で見せているのだ。

まさに「百聞は一見にしかず」でセルフレジのスクリーンを見ながら、手のひら決済を行うことで刺激や感動とともに「見逃されていた事実」に気づくことになる。

「財布を出さない」「片手のみで決済完了」などだ。一方で極めて便利な機能にもかかわらず、手のひら決済がほとんど普及していないことも考えてもらう。

さらに財布いらず、片手決済で小売チェーンとして何を提案できるのかも深堀りしていける。アメリカが無料で提供してくれている手のひら決済を通じて先に洞察を得ておけるというわけだ。

当社のワークショップはそこで終わらない。

ターゲットではネット注文からカーブサイド・ピックアップの「ドライブアップ(Drive Up)」で注文品を受け取る際、ターゲット・アプリのポップアップからスターバックス・コーヒーも注文する。

ターゲットがドライブアップとコーヒー注文を組み合わせたサービスを1,700店に拡大する理由を体験して理解する。

チェーンストア最大手のウォルマートの研修体験では、ショートメッセージを介してAIボットを使った買い物を行う。

「アイスコーヒーが好きなんだけで、オススメは?」と入力し、AIがどのようなサジェスチョンを提案するのかを探る。

ウォルマート傘下のサムズクラブでは、スキャン&ゴーの買い物の前にサムズカフェで1.38ドルのホットドッグセットをモバイルオーダーする。

一般的に多大な投資となるモバイルオーダーを最小投資で拡大したサムズクラブの戦略を確認できる。

そのほかにもネットスーパーにクーポン機能やAR機能、スマート・ショッピングカートなど日本では体験できないことを体験する。

 日本よりも先に進化しているアメリカ小売業をいち早く体験することで、成功した事業モデル・サービスを日本に持ち込み、いち早く展開する経営手法「タイムマシン経営」に活かせるというわけだ。

ただ流通DXは、そのまま持ち込む必要はなく、東武ストアの手のひら決済を先に体験して深い洞察を得ておくことで、来るべく将来に備えることができる。

 その一方で、変化のしない流通視察で文字通りに退化している研修もある。30人以上の団体で行う旧態依然の流通研修だ。

アメリカ流通では買い物がパーソナライズしているにもかかわらず、売り場・陳列・商品しか見ないツアーだ。

当社が小グループでの研修を提案すると、一部にもっともらしい口実を使って断ってくる。本音ではコスト高になることや「前例がない」ということで冒険したくない、チャレンジしなくないということだろう。

アメリカ流通視察も今では、快適で居心地がよく、やり慣れた「コンフォートゾーン」から出られなくなっている。

本来なら様々な未知なことを学べる「ラーニングゾーン」のアメリカ流通も変化のない研修となってしまう。

アンコンシャス・バイアスの現状維持バイアスにより、莫大な投資をしてわざわざ見せてくれている流通DXをスルーしてしまうのだ。

 英語のことわざに「馬を水飲み場に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない(You can take a horse to the water, but you can’t make him drink)」がある。

脳が馬や鹿になっている流通ビジネスマンには、少人数でワークショップ型の研修を決して勧めない。

ただ「大人数のグループでは、買い物がパーソナライズするアメリカ流通を見えない」というだけだ。なぜならどんな人にも選択は自由だからだ。

トップ画像:ホールフーズ全店に導入されている手のひら決済のアマゾン・ワン。似たシステムを日立製作所と東武鉄道が28日に発表したが、アメリカではすでに店舗で使えているのだ。  続きを読む
2023年08月29日

【ウォルマート】、ドローン宅配のウイングと提携!アマゾンのプライムエアは事業解体?

230829うドローン宅配@ウォルマート&ウイング
■チェーンストア最大手のウォルマートは24日、IT大手アルファベット(グーグル)の関連企業ウイングと提携しドローン宅配を拡大することを発表した。

ウォルマートはすでにドローン開発スタートアップ3社と提携し店舗からの空輸実績を積み上げており、低迷するアマゾンのプライムエアとドローン宅配競争で差をさらに広げそうだ。

ウイングのドローンを使った空からの宅配は数週間内にテキサス州フリスコ地区にあるウォルマート・スーパーセンター(8555 Preston Rd, Frisco, TX 75034)で開始する。

対象となるのは同店舗から6マイル(約10キロメートル)圏内の6万世帯。最大時速65マイルにも達することで注文から30分以内に注文品が届くとしている。

またドローン宅配の営業時間は水曜日を除く10:30am〜6:30pmとなっている。

ウォルマートはまたウイングと提携したドローン宅配を年内中に別の近隣店舗でも開始することを明らかにしている。

ウォルマートはドローン開発のドローンアップ(DroneUp)、フライトレックス(Flytrex)、固定翼ドローンのジップライン(Zipline)と提携しテキサス州やアリゾナ州などにあるスーパーセンター36ヶ所で空輸を行っている。これまでの空輸実績は1万件に上る。

とくにドローンアップはウォルマートが出資しており、テキサス州ダラス地区に11のドローンハブまで導入しているのだ。

 一方、ウイングはアメリカ国内の他、オーストラリアの他、フィンランドやアイルランドでもドローン宅配を行っており空輸実績は33万件にも及んでいる。

アメリカ国内では2019年10月、バージニア州クリスチャンズバーグ地区でドラッグストアチェーンのウォルグリーンから商業用ドローン宅配を成功。

ウォルグリーン以外の地元のお店にもドローン宅配は拡大し、ローカルのベーカリーショップやコーヒーショップからのドローン宅配も行っている。

ウイングは2022年4月からフルスコ地区と近隣のリトルエルム地区でドローン宅配を開始。成長著しい主要な大都市圏内での空輸を展開している。

ダラス郊外のドローン宅配ではウォルグリーンからの空輸に獣医サービスの「イージーベット(Easyvet)」、応急処置キットから新型コロナウイルス抗原検査キットなども手掛ける「テキサス・ヘルス(Texas Health)」からの宅配を行っている。

また決済から注文品が届くまで最短で2分47秒という記録もあることからブルーベル・クリーミーズ(Blue Bell Creamies)のアイスクリーム・ショップからのドローン宅配も含まれている。

8月の日中の平均気温が34度を超えるテキサスの住宅街で、ドローンは決済から10分以内にアイスクリームを溶かさず届けているのだ。

 ウイングのドローンは12個の垂直プロペラと2つの推進プロペラをもち、時速は最大70マイル(約112キロメートル)に達する。

6マイル(約9.6キロメートル)の範囲を往復可能としており、運搬可能重量は3.3ポンド(約1.5キログラム)まで。完全な自律飛行ではなく、リモートでパイロットが操縦することになる。

 注文が確定するとドローンはウォルグリーンの上空23フィート(約7メートル)でホバリングする。

ドローンから取っ手のついたケーブルを下ろし、お店のスタッフが注文品の入った専用パッケージを引っ掛けるのだ。

ドローンはケーブルを引き上げ、機体の下に注文品を収納する。その後は150フィート(45メートル)まで上昇し、時速65マイル(時速100キロメートル)で利用者宅まで届けるのだ。

 ウイング・ドローンの利用者には高齢の夫婦もおり、1,200件の注文を行っていることが話題になっている。

クリスチャンズバーグ地区に住む80歳代となるゼンマイヤー夫婦はドローン宅配を初期段階から利用を開始し、今では夫妻にとって唯一の買い物手段になっているのだ。

報道によるとスージーとポールはこれまで地域のローカルレストランからメキシコ料理を371回空輸させ、パン屋からはブルーベリーマフィンを210件ほどドローン宅配させている。

 ウォルマートからの空輸では、ウイングが開発したオートローダー(Autoloader)の利用はないとしている。

オートローダーはカーブサイド・ピックアップ専用スペースを有効利用でき、スタッフの介在を最小限にできることでドローン宅配を効率化できる。

Y字型となるオートローダーは、デザインが極めてシンプルでコンピューターや動力源を持たないアナログな作り。

これまでは、注文を受けるとドローンがお店の指定したゾーンの上空でホバリングし、降りてきたケーブルのフックにスタッフが注文品の入った専用パッケージを引っ掛けていた。

この方法ではスタッフがドローンを外で待っていなければならないし、降ろしてきたケーブルのフックを手で掴む必要もある。

忙しい時にはドローンを待っていられないし、ゲーブルフックを掴む際にリスクもあるかもしれない。

 オートローダーではスタッフが専用パッケージをかけておくだけなので人件費等を大幅に節約できるのだ。

オートローダーにある、2本の細長い棒がV字型に斜めに2メートル近くも伸びていることでケーブルを挟み込むように誘導するようになっている。

ドローンから降ろしたケーブルのフックがY字の交差するポイントの下までいき、下から専用パッケージを引っ掛けることになるのだ。

またドローンが認知できるようオートローダーが付属したカーブサイド・ピックアップ・スペースにはQRコードが表示されることになる。

 ただ将来的には空輸を行うウォルマートでは、カーブサイド・ピックアップにオートローダーが設置されることになりそうだ。

そうなればアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が羨むほど、ウォルマートの空輸実績数がうなぎのぼりとなる。


ウォルマートと提携したウイングのドローン宅配PR動画。  続きを読む
2023年08月28日

【スマートカート】、LA郊外の中小スーパーもテスト開始!ウォルマートも追随する?

230828ケイパーカート00
■高級スーパーのブリストルファーム(Bristol Farms)のフードホールを持つスーパー「ブリストルファーム・ニューファウンド・マーケット(Bristol Farms Newfound Market)」でスマートカートの実証実験を行っている。

「新発見店」を意味するニューファウンド・マーケットは屋外ショッピングセンター「アーバイン・スペクトラム・センター(Irvine Spectrum Center)」内で、34,000平方フィート(約950坪)の店舗面積となる。

オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカートと提携したスマートカートのテストは、同社の傘下でスマートカート開発のケイパーAI(Caper AI)の「ケイパーカート(Caper Cart )」を利用したもの。

スマートカートとは端末とスキャナーやセンサー等を搭載したショッピングカートで、買い物の利便性を高めることを目的にしている。

セルフレジ機能を搭載したスマートカートを使って買い物することでレジ待ち行列やレジ付近の混雑を解消する。カート上でユーザーが会計も行うことで食品スーパーの課題である人手不足も緩和できるのだ。

最近ではネット通販最大手アマゾンの傘下で自然食品スーパーのホールフーズ・マーケットが一部の店舗でスマートカートの「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」のテストを始めている。

なおケイパーAIは一昨年10月、インスタカートが約3.5億ドルで買収した。ニューファウンド・マーケットでは前世代となる「ケイパーカート2(Caper Cart 2)」が利用されているのだ。

 ケイパーカート2はカートの四隅に商品バーコードのスキャン用にカメラが4つ搭載している。

カートのハンドルにはカード決済用の端末に10インチほどのタッチパネル・スクリーン、そして商品バーコードをスキャンするスキャナーが備えられているのだ。

使い方はスクリーンに表示されている「スタート」ボタンをタップして開始する。もしくはインスタカートのアプリでQRコードを表示し、ケイパーカートに読み込ませることでアプリとカートを同期させる。紐付いたインスタカートのアカウントで決済も可能となっているのだ。

買い物は商品バーコードをカートのカメラで読ませるようにしてカートに入れていく。

お野菜などの量り売りではスクリーン上でPLUコードを打ち込み、カートに入れて質量を計りながら計算するようになっている。つまりカートの商品を搭載する部分がハカリになっているのだ。

果物等に貼っているバーコードを読み込ませながら質量を計ることはできなかった。

決済はチェックアウトボタンを押してカート決済用の端末にクレジットカードを差し込んで終えるようになっている。アップルペイやグーグルペイ等の支払いも可能だ。

 ケイパーAIで次世代版となる「ケイパーカート3(Caper Cart 3)」を公開している。

最新版は前世代より65%バスケット容量を拡大し、カート下にも商品を積めるようになっているようだ。また全天候型で耐久性もアップしており、屋外での使用でも問題もない。商品スキャニングの際の認識率も向上しており、スクリーンに映し出されるユーザーインターフェイスも改善し顧客からの評価も上々という。

ケイパーカート3は一台一台をバッテリーチャージングする手間はなく、ポータブルチャージャーを搭載したカートにケイパーカートを重ねるようにつなげておけば充電できる仕様で、店側にとっても使いやすくなっている。

ケイパーカート3はニュージャージー州スポッツウッド地区にあるショプライト(380 Summerhill Rd, Spotswood, NJ 08884)にもテスト導入されている。

インスタカートによるとニューヨーク・マンハッタンにあるフェアウェイ・マーケット(550 2nd Ave, New York, NY 10016)でもケイパーカート3の実証実験を開始する予定だ。

ミズーリ州など中西部4州に115店を展開する食品スーパーのシュナック・マーケット(Schnuk Markets)でも次世代版にライトバージョンのケイパーカートのテストも行う。ライト版ではユーザーがマニュアルで商品バーコード等をスキャンするとしている。

 ニューヨークなど8州に109店舗のスーパーマーケットを展開するウェグマンズではイスラエルを本部におくショピック(Shopic)と提携した着脱式AI端末「ショッピー(Shop-E)」を一部でテストしている。

ショッピングカートのハンドル中央にあるアタッチメントに利用者が取り付ける仕様となっているショッピーは、端末やスキャナーがカートと一体化していないことで、一般的に使われているショッピングカートを利用できるため、導入コストを安く抑えられることになる。

生鮮品等の量り売りではデジタル計量器にPLCコード(商品コード)を入力して商品を置き、スクリーンのバーコード(もしくはプリントアウトした値札ステッカーのバーコード)をスキャンする。

 スマートカートでは第2世代目となる「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」が有名だ。軽量化に耐久性を向上し、積載量も増やしている点はケイパーカート3と同じだろう。

しかしネット通販最大手企業らしく、次世代版ではユーザー・インターフェイス(UI)が使いやすくアップデートされている。

UIで商品画像が拡大され、不要な情報がホーム画面から省かれ、情報配列がシンプル且つ感覚的に理解しやすくなっているのだ。

 人手不足に悩む中小のスーパーはスマートカートに熱視線を送っている。食品マーケティング協会(FMI:The Food Industry Association)の調査によると、投資で実験したいITとしてスマートカートが含まれていた。

日本でレジカートとも呼ばれるスマートカートは積極的な投資対象となっておりアメリカのスーパーでさらに進化が予想されているのだ。

 ケイパーAIが宅配で提携している中小の食品スーパーとスマートカートの実験を行い、アマゾンもアマゾン・フレッシュで次世代版を展開している。

チェーンストア最大手のウォルマートはスマートカートで参戦してくるのだろうか?

トップ画像:ブリストルファーム・ニューファウンド・マーケットでテスト中のスマートカート。オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカートと提携したスマートカートのテストは、同社の傘下でスマートカート開発のケイパーAI(Caper AI)の「ケイパーカート(Caper Cart )」を利用したもの。ケイパーカートの側面にはブリストルファームのBFとインスタカートのキャロット・ロゴが見える。  続きを読む
Posted by usretail at 00:24Comments(0)イノベーション
2023年08月27日

【フラッシュフード】、中小スーパーも食品廃棄アプリでSDG’s実績を発表できる!

230827フラッシュフードアプリ02
■販売期限が迫っている生鮮品などを値引きして販売するアプリ「フラッシュフード(Flashfood)」をテレビニュース等のメディアが取り上げている。

物価高の中、米国のスーパーマーケットでフラッシュフードを導入する事例が相次いでいるのだ。

食材廃棄(フードロス)を減少させる意義に加えて、40年ぶりのインフレでも顧客に買いやすい価格を提供できるからだ。

例えば18個入りのタマゴのうち数個にヒビが入っていて幾つかが無くなっていても価格が半額以下だったらどうだろうか?節約していれば購入するのではないだろうか?

 スマートフォン・アプリが毎日の買い物にこれまで以上に役立てられていることも浮き彫りにする。

カナダ生まれのフラッシュフードの利用の仕方は無料のフラッシュフード・アプリをスマートフォンにダウンロードするところから始まる。

アプリをダウンロード後、利用者はフラッシュフードを起動しマップを開く。現在地近くのマップからフラッシュフードを協賛する最寄りのスーパーマーケットを選択するのだ。

なおマップ上ではホワイトにグリーンのショッピングカートが賞味期限切れ間近の食品を掲載中の店舗となり、店舗をタップするとグリーンに白抜きのショッピングカートのマークに反転する。

グレーで白抜きのショッピングカートのマークの店舗は、該当する食品がない(賞味期限切れのない)状態を示すのだ。

マップ下に映し出された商品を上にスクロールすると商品リストが表示される。

青果物や精肉、シーフード、デリ、ベーカリーなどが正価の値段が二重線で示し、50%オフの価格が提示されていることを確認できる。

ペットフードの缶詰など、比較的賞味期限に余裕のあるものなどもリストアップされることもある。こまめにチェックすることでペットの食費も大幅に節約できることになるのだ。

購入したい商品を見つけて、タップすると商品ページに切り替わる。希望の数量を選択して画面下部分にある「カートに載せる(Add to Cart)」をタップしてショッピングカートに追加する。

買い物を続けた後に「決済(Checkout)」ボタンをタップ。クレジットカードなどの支払い情報を入力して(事前のクレカ登録も可能)、注文品と価格の注文内容を確認して問題がなければ画面下にある「購入(Purchase)」をタップし支払いを完了するのだ。

最終確認の直前には、購入先の店舗(住所)に間違いがないかの念を押すリマインダーがポップアップ表示される仕組みとなっている。

なお賞味期限切れ商品の購入は店舗ごとになっており、いくつかの店舗をまたいだ購入はできないようになっている。

複数の店舗で購入する場合は店舗ごとに注文していく必要がある。

支払い後は、カスタマーサービス近くにある専用コーナー「フラッシュフード・ゾーン(Flashfood Zone)」の冷蔵庫や棚から注文品を受け取ることになる。

利用者の友人・知人などが紹介コードを使ってフラッシュフードで買い物するとお互いにクレジットを得る紹介キャンペーンも行っているのだ。

 フラッシュフード・アプリはミシガン州を中心に中西部6州にスーパーセンターなど約260店を展開するマイヤーやアホールド・デレーズ傘下でマサチューセッツ州など5州に400店以上を展開するストップ&ショップも導入し拡大している。

ほかにもトップスフレンドリーマーケットやジャイアントイーグルなどの中堅スーパーも採用。最近でもオハイオ州中部にあるジャイアント・イーグル全店で導入が終了している。

これによりフラッシュフード・アプリはアメリカ国内とカナダにある1,450店以上に拡大し、北米の利用者数ものべ250万人以上となる。

フラッシュフード・アプリが中小の食品スーパーにとっていいのはSDG’sの実績を数字としてちゃんと目に見える形として報じることができることだ。

例えばストップ&ショップは300店近くに導入してから累計で43万ポンド(200トン弱)の食品廃棄を減少させたと発表している。

スパルタンナッシュでは先月初め、100万ポンド(約450トン)の食品廃棄を減少させて顧客に190万ドルも節約をもたらしたと明かしているのだ。

数値化できることで環境負荷に配慮できていることを示せるのだ。

 なおフラッシュフードによると、これまで5.000万ポンド(約2.5万トン)におよぶ食品廃棄を削減でき、1.2億ドルの節約をもたらしたとしている。

トップ画像:4.99ドルのハムサンドも2.49ドルとなっている。  続きを読む
Posted by usretail at 00:31Comments(0)アプリ
2023年08月26日

【ウォルマート】、広告代理店売上高が2年でほぼ2倍に!セルフレジを拡大する理由も?

IMG_2581
■チェーンストア最大手のウォルマートは先日発表した直近四半期でCFOのジョン・デビッド・レイニー氏は「アメリカ国内においてウォルマート・コネクトの売上高は第2四半期中に36%増加し、過去2年間でほぼ2倍の規模に拡大しました」と述べた。

ウォルマート・コネクトとは今最も成長が目覚ましいウォルマートの広告代理店事業部だ。

今年初めの投資家向けイベントに出席したウォルマートCFOはB2Bが急成長していることで5年後には小売りの利益を超えると発言している。

レイモンド・ジェームス・カンファレンスでレイニー氏は「現在、ウォルマートの利益のほとんどが実際の店舗から来ています」としながらも「5年後には急成長する小売以外のビジネスにより小売りへの依存度がはるかに低くなります」と述べたのだ。

別の会議でもレイニー氏はマーケットプレイスの取り扱い品目数が4億以上と発言していた。

マーケットプレイスで販売する業者が増えていることからサードパーティからの手数料売上が急増している。

マーケットプレイスでの取り扱い品目数が増えれば買い物客も増加する。ウォルマート・コムにビジターが増えることで広告代理店事業の躍進を支えていることになる。

激増するマーケットプレイスの業者がこぞってスポンサープロダクト広告に名乗りを上げるからだ。

業者が扱うのはロングテールになる微小なニーズの商品。これがウォルマート・コネクトの売上急増の背景になっている。

 もう一つウォルマート・コネクトの売上を増加させている要因がある。それはセルフチェックアウトレジの拡大だ。

セルフレジの増加は人手不足対策であり、それまでのレジ係りをネットスーパーのピッカーに充てるための苦肉の策でもある。

ネットで生鮮品を購入する機会が増えれば売り場でのピッカーも必要になる。そればかりか注文品をカーブサイド・ピックアップでドライバーに渡す人員も割り当てなければならない。

セルフレジを増やしている理由は実はウォルマートは広告売上を拡大させる要因もある。

セルフレジではレジにあるタッチスクリーンを確認しながら、お客は商品バーコードをスキャンしていく。

ウォルマートのセルフレジでは最近、スクリーン上部にコマーシャル帯がでてくるようになった。

これを見つけた顧客が「ウォルマートは、セルフチェックアウトのスクリーンで広告を表示し始めました。人生のあらゆる側面が広告スペースになるのは、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?」とツイートしている人がいたのだ。

ウォルマートの週の客数は1.4億人と言われる。仮に週1億人がセルフレジのスクリーンをみながら操作することで、スクリーン上部のあまり目に入らない場所の広告表示でも数のインパクトは凄まじいものになる。

ブランドロゴを小さな枠に配するだけでも、1週間で1億の人の目に映るならテレビコマーシャル以上の認知度向上にもなる。

セルフレジの場合はデータが蓄積されるだけでなくリアルタイムでデータを取れる。例えばAというブランドの商品を購入したら、無意識にブランドを認識するようにAの広告をスクリーンに映すことも可能だ。

競合ブランドとなるBのロゴなどを映してもいい。

ウォルマートはスクリーンに映す広告をコンバージョンレートなどの明確なデータとともにスポンサーを募ることが容易になるということだ。

誰がいつ何を購入しているのか、逆にブランドスイッチングが起こっているのか、いないのかというデータも取得できる。

広告主にとっては垂涎のデータが集まることでウォルマートは広告代理店としていくらでもクライアントを集めることができる。

ウォルマート・スーパーセンターに行くとセルフレジが有人レジ以上の数になっているのはそのためだ。

ロサンゼルス近郊ピコリベラ店では有人レジ5台、大型セルフレジ6台、小型セルフレジ6台、ウォルマート・プラス会員用セルフレジ2台となるレジのセットを左右の入り口に2セット配置している。

合計38台のレジのうちセルフが28台となっている。有人レジは10台あるものの実際に稼働しているのは2〜4台程度となっているのだ。

 ウォルマートは第1四半期(2月〜4月期)に続いて第2四半期(5月〜7月期)でも店舗数を減らしていた。

将来的には店舗数を減らしても広告代理店事業がウォルマートの利益をちゃんと確保できることになるのだ。

トップ画像:サブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」専用セルフレジでアプリとレジを同期するワークショップ参加者。一部のウォルマートではセルフレジのスクリーンの上部枠に広告を掲載し始めている。  続きを読む
2023年08月25日

【ホールフーズ】、セルフレジで手のひら決済を使ったら!サザエさんも不愉快になる?

230825アマゾンワン@ホールフーズ00
■ネット通販最大手のアマゾンは傘下で自然食品スーパー最大手のホールフーズ・マーケットに非接触の生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」を全店に拡大している。

アマゾンが開発した自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」より汎用性が高い分、ホールフーズ全店導入でさらに普及する兆しだ。

手のひらとクレジットカードを紐付けた決済デバイスは年末までに米国内500店以上となるホールフーズに導入される予定。

 アマゾン・ワンは手のひらをデバイスにかざすことで決済を終える決済用と、スポーツ観戦やライブコンサートで手のひらをかざして入場するチケット用の2種類に分けられる。

またアマゾンゴーやジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド型アマゾン・フレッシュは、手のひら入店からレジを使う場合では決済まで含まれている。

アマゾン・アカウントとも紐付けられていることからホーフルーズやアマゾン・フレッシュでプライム会員向けのディスカウントも自動的に受けられるのだ。

アマゾン・ワンは今年2月27日時点で、アマゾン傘下の店舗など221ヶ所に導入されていた。

アマゾン・ワンを最も多く導入しているのはホールフーズ。次いでアマゾンが独自に開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」となっている。

ミネソタ州セントポールにある屋内競技場「エクセル・エナジー・センター(Xcel Energy Center)」などのスタジアムやアリーナの売店、ロサンゼルス国際空港内のハドソン・ノンストップでもジャスト・ウォークアウトでアマゾン・ワンが導入されているのだ。

レジなしコンビニエンスストアの「アマゾンゴー(Amazon Go)」にアマゾン初のアパレルショップ「アマゾン・スタイル(Amazon Style)」の2店にも導入済み。

外食チェーン大手もアマゾン・ワンに興味を示し、北米に2,100店以上のベーカリーカフェチェーンを展開しているパネラブレッドとも提携した。

パネラブレッド本社のあるミズーリ州セントルイスの近郊のブリッジトン地区とタウン・アンド・カントリー地区の2店舗に3月からテスト導入されている。

パネラ・ブレッドによると年末までに10〜20店舗にもアマゾンワンの導入を計画している。

 実際にホールフーズ・マーケットでアマゾンワンはどのように導入されているのだろうか?

筆者は先日、ホールフーズ・マーケット・マンハッタンビーチ店でセルフ・チェックアウトレジにて手のひら決済で購入してみた。

セルフレジでは自分で商品バーコードをスキャンする。量り売りの場合には量りに商品を置き、タッチスクリーンにある「検索もしくはアイテム入力(Search or Key in Item)」をタップして商品名を割り出して価格を出していく。

スキャン等が終わりお会計をするには画面右下にある「支払い(Pay)」ボタンを押す。バックの数を選択して完了後に「お支払いを選んでください(Select Payment Type)」から「アマゾンワン・手のひら支払い(Amazon One Pay with Palm)」をタップするだけだ。

画面にポップアップ「手のひらをスキャンしてください(Scan your palm now)」に「アマゾンワンのアカウントと紐付けられたクレジットカードにチャージされます」とでる。

右側にある端末に手のひらをかざすと端末のスクリーンに「右手をスキャンしました(Right Palm Scanned)」と表示され「ありがとうございます(Thanks)」で完了となる。

この間、わずか数秒という短さだ。

財布からクレジットカードを出したり、アプリを起動してインストアコードとなるQRコードを表示する手間もない。極めてカンタンかつシームレスに買い物を終えられるのだ。

 なおアマゾンは5月、コロラド州デンバーにあるスタジアム「クアーズ・フィールド(Coors Field)」で年齢確認の機能をローンチしたことを発表。

手のひら認証により、免許証等のIDを出さなくてもアルコールを購入できるのだ。アマゾン・ワン年齢確認が導入されたのは、MLBの球場としては初の導入となった醸造所「サンドロット・ブリューワリー(SandLot Brewery)」と地ビールも提供するフルサービスバー「シルバー・ブレット・バー(Silver Bullet Bar)」。

年齢登録はアマゾン・ワンの個人アカウントでスマートフォンなどカメラ機能がついたモバイルで行う。免許証などの物理カードの表・裏に自撮りも撮影する。

年齢認証を完了したユーザーがバーにあるアマゾン・ワン端末に手のひらをかざすと、バーテンダーが21歳以上であることと自撮り画像を確認できるようになっている。

ユーザーも財布からIDを取り出す手間を省けるほか、バーテンダーもスピーディにアルコール等の飲料をサーブできることになるのだ。

アマゾン・ワンの年齢認証機能はクアーズ・スタジアム以外でも拡大する計画で、酒飲みの痛点がなくなることでスポーツ観戦でもビール等のアルコール類がさらに売れことになる。

 ホールフーズに行く機会があればセルフレジによる手のひら支払いをぜひ体験してもらいたい。感動します。

トップ画像:ホールフーズ・マーケットのセルフレジにある生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」。財布いらずのカンタン決済により、財布を忘れて愉快でなくなるサザエさんにとって不愉快かも。  続きを読む
Posted by usretail at 01:09Comments(0)イノベーション
2023年08月24日

【ネットスーパー物流】、MFC対CFCの答え合わせが始まった!どうするクローガー?

230824クローガーCFC@モンロー00

■ネットスーパー物流の答え合わせが始まっているのかもしれない。

日本語のネットスーパーは米国では「オンライン・グローサリー(Online Grocery)」と呼ばれ、アプリやホームページ等のネットで購入した食品(生鮮品を含む)を宅配やカーブサイド・ピックアップで受け取るサービスだ。

ネットスーパーのサプライチェーンは大きく分けて2つの種類になる。

一つは店舗の売り場をネットスーパー倉庫と兼用して運用するタイプ。もう一つは売り場はなく、ネットスーパー専用の物流倉庫となるタイプだ。

前者にはスーパーマーケット店内もしくは店に併設する形で設置される広さは5,000〜2万平方フィート(140〜560坪)の「マイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)」の小型ロボット物流倉庫も含まれる。

チェーンストア最大手のウォルマートは今年5月、本社のあるアーカンソー州ベントンビル地区に2ヶ所目となるMFCをオープンしている他、フロリダ州に展開するセダノス・スーパーマーケット(Sedano's Supermarket)やアルバートソンズ、ショップライトを展開するウェイクファーンもMFCを展開している。

後者は売り場のような倉庫になっているが顧客には入らせないダークストアに、店には併設せずMFCを巨大化したAI利用のロボット物流倉庫だ。

スーパーマーケット最大手チェーンのクローガーがイギリスのネット専業スーパー最大手のオカドグループと提携して展開する「カスタマー・フルフィルメントセンター(Customer Fulfillment Center:CFC)」がある。

 後者のタイプでダークストア展開は、大手チェーンストアを含め次々と展開を諦め閉鎖している。

例えばスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは2020年3月に発令された非常事態宣言直後、オハイオ州シンシナティ郊外のマウント・カーメルにある既存のクローガーの食品スーパーをクローガー・ピックアップ・オンリーストアにした。

しかし現在までに同店は閉鎖となっている。

ネット通販最大手のアマゾン傘下で自然食品スーパーのホールフーズ・マーケットはコロナ禍の2020年9月、ニューヨーク市ブルックリン地区にある巨大複合施設「インダストリーシティ(Industry City)」内にダークストアをオープンした。

古い倉庫を改装したダークストアは現在までに閉鎖され、店としても使われていないのだ。

ペンシルベニア州など5州に食品スーパーなど470店以上を展開するジャイアント・イーグルも世界的大流行時にダークストア化を図ったスーパーだ。

しかしジャイアント・イーグルでもそれ以降、ダークストアでの展開や拡大といったニュースはない。

ネット通販最大手のアマゾンがシアトル市内に展開するダークストア「アマゾン・フレッシュ・ピックアップ(Amazon Fresh Pickup)」も1ヶ所(バラード地区)を今年1月末までに閉鎖した。

チェーンストア最大手のウォルマートのダークストア「ウォルマート・ピックアップ(Walmart Pickup)」2ヶ所を3月中にスクラップしている。

1ヶ所は2013年まで食品スーパーのドミニクスがあった場所(6850 McCormick Blvd, Lincolnwood, IL 60712)にウォルマート・ピックアップが2019年に約42,000平方フィート(約1,200坪)でオープンしたダークストア。

もう1ヶ所は2014年にオープンしたアーカンソー州ベントンビル(3701 SE Dodson Rd Bentonville, AR 72712)にある15,000平方フィート(420坪)で19台の駐車スペースのあるダークストアだ。

実はウォルマートには2017年に開業したルイジアナ州メテリー(615 Veterans Memorial Blvd, Metairie, LA 70005)にもピックアップオンリーストアを展開していたが昨年に閉鎖した。

スタートアップによるダークストア「フレッシュ・ストリート(Fresh Street)」の事例もある。

昨年3月にオープンしたフレッシュ・ストリートは400万ドルの資金調達を成功させてはいたが、1年ももたせることができなかったのだ。

また2021年3月、サウスカロライナ州マウントプレザント地区にドライブスルー・グローサリー「オピ(Opie)」の事例もある。

3,000平方フィート(84坪)の倉庫で24時間営業となる、1950年代型ダークストアは現在も営業しているのだが、新たに2ヶ所加えるといった当初の計画はたち消えなのだ。

 今年に入ってオープンしたばかりのダークストアも閉鎖だ。ボストンの中心地から車で南西に26分のところにあるノーウッド地区に今年1月、ダークストア「アディーズ(Addie's)」が開店した。

ピックアップオンリーのアディーズ(911 Boston Providence Hwy, Norwood, MA 02062)は生鮮品等4,500アイテムを22,000平方フィート(約620坪)に揃えていた。

利用者はアディーズの専用のアプリを介して注文を行うのだ。しかしアディーズは今年6月、突然閉鎖された。ダークストアはことごとく失敗続きとなっている。

 ネットスーパー専用の物流展開でも失敗と言わざる得ない事例が続いている。

直近ではアホールド・デレーズ傘下でバージニア州など3州とワシントンDCに165店舗を展開しているジャイアント・フードがネットスーパー専用物流倉庫を閉鎖すると地元メディアが伝えたのだ。

2019年にオープンしたメリーランド州ハノーバー地区にある15万平方フィート(約4,200坪)のネットスーパー専用倉庫に、今年5月にオープンしたばかりのバージニア州マナッサス地区にある8.2万平方フィート(2,300坪)のフルフィルメントセンターが10月21日に閉鎖されるという。

地元メディアによるとデルウェア州ミルフォード地区にあるフルフィルメントセンターもスクラップされるとあるが当ブログではジャイアントフードがこの物流倉庫の存在を確認できていない。

開業したばかりのネットスーパー専用倉庫の閉鎖理由として運営コスト高を上げている。しかしそれ以上にネットスーパー専用倉庫を単体で稼働させるには、需要が少なすぎるのではないかと推測される。

もう一つ気になるのが今年3月、オカドと提携した、クローガーのCFC展開が減速しているとロイターが報じたのだ。

最大で40万平方フィート(1.12万坪)にもなるCFCの稼働開始やハブ&スポーク方式によるスポーク拠点の開業が昨年までよく報じられていた。

今年にはいってクロスドッキング方式の小型フルフィルメントセンターであるスポーク拠点の話題を含め一切、ニュースにでなくなっているのだ。

 ネットスーパーの需要は間違いなくあるのだが今のところ、専用の物流倉庫を持つほどないというのが正解として浮かび上がっているのだ。

トップ画像:クローガーのネットスーパー専用倉庫。  続きを読む
Posted by usretail at 01:11Comments(0)ネットスーパー