2022年08月10日

【スターバックス】、さよならサードプレイス!持ち帰りやドライブスルーが売上の7割?

220810スターバックス
■世界最大のコーヒーチェーンの「サードプレイス(第三の場所)」はスターバックスのコンセプトを語る上で重要な言葉であり、スターバックスの強さでもある。

サードプレイスとは家庭(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)でもなく、気軽に人々と集うことができる場所のことを指す。

仕事や家庭でもないサードプレイスの非日常的な空間は、一人で過ごすのにも友人とのおしゃべりにもくつろぎや楽しさを与えてくれるのだ。

スターバックスはサードプレイスとしての機能に多くの支持を集めて成長していったと言える。つまりスターバックスはサードプレイスをアイデンティティとしていたのだ。

しかし直近の四半期で、強みでもあったサードプレイスが終了していることが明らかになったのだ。

スターバックスではモバイルオーダーを介した注文が同社としては記録となる47%に達した。

モバイルオーダーとはスマートフォン・アプリから注文を行える事前注文・事前決済のことだ。

モバイル・オーダーはレジ待ち行列を緩和し、注文の聞き取りミスや勘違いによるヒューマンエラーを回避できることでクレームが減り、顧客ロイヤリティが高まる。

スタッフもより調理に集中できることで、店内オペレーションの合理化も図れるメリットがある。

コンタクトフリーとなるモバイルオーダーは、お客とレジ係りの物理的な接点がなくなることで感染リスクも最小化できコロナ禍で特に利用が加速した。

最近ではドライブスルーにもモバイルオーダーが応用されている。

8月2日に発表された第3四半期決算では、スターバックスのモバイルオーダー&ペイを介した注文売上が全体の47%に達した。前年同期から13%も増え、第2四半期となる前期からも4%も増加したのだ。

またモバイルオーダー、ドライブスルー、宅配サービスの売上が全体の72%にも上っていることをスターバックスは明かした。

言い換えればバリスタがレジ対応したお客の売上が全体の28%しかないことになる。

そのうちの一部がスターバックス店内で滞在したことになる。つまりスターバックスをサードプレイスとして使うお客がほんの一部になっているというのだ。

実際、同社が5月に発表したところによるとスターバックスの新店の9割がドライブスルーを持っている店舗となる。

顧客トレンドからスターバックスがサードプレイス・コンセプトから決別しようとしているのだ。

ドライブスルーがない新店でもそれを見ることができる。

スターバックスは先月12日、ニューヨーク・マンハッタンに2店舗目となる「スターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾン・ゴー(Starbuck Pickup with Amazon Go)」をオープンした。

アマゾンの自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」をもつコンビニ「アマゾンゴー(Amazon Go)」とコラボした新店はミッドタウン・ウエストサイドにある52階建てニューヨーク・タイムズ・ビル (The New York Times Building)の1階部分にある。

2019年9月までディーン&デルーカがあった場所(420 8th Ave New York NY 10018)で、8番街と40丁目のコーナーとなっている。

3,100平方フィート(約87坪)となる店の入り口近くにスターバックス・ピックアップのカウンターがあり、その横にはレジなし決済システムのジャスト・ウォークアウト用ゲートが設置されている。

ジャスト・ウォークアウトのゲートではアマゾン・アプリのインストア・コードからQRコードを表示させスキャンする。

もしくは生体認証の「アマゾン・ワン(Amazon One)」に事前に登録しておけば手のひらをかざすことでゲートが開くのだ。

またゲートでクレジットカードを挿し込むことでもアマゾンにアカウントがなくても入店できるようになっている。

ゲートを通るとサラダやサンドイッチ、スナック類が置かれているアマゾン・ゴーのエリアで、左側はイートインスペースでテーブルや椅子などがある。

つまり飲み物はスターバックスのアプリを介して注文しながら、食べ物はジャスト・ウォークアウトを通ってアマゾン・アプリでお会計とするのだ。

なおスターバックス・ピックアップは主にアプリでの注文を推奨しているが、その場でもレジ会計が可能。

スターバックスと提携した店舗ではゲート内にカフェテリアがあることで、注文や決済せずに陳列されていある食品をそのまま食べれるということになる。

カフェテリア内でコーヒーを飲んでいる途中、お腹が空いてきたら焼きたてのパンなどをそのまま手にとって会計なしに即座にありつけるのだ。

アマゾンは昨年11月、ミッドタウンの59丁目沿いでパーク・アベニューとレキシントン・アベニューの間に1号店をオープンした。

 サードプレイス・コンセプトはコア客から利用されなくなっているため、アマゾンゴーと提携してイートインスペースを設けていると言える。

くつろぎ空間が少なくなるのは寂しい気もするが、今のお客が求めていることでもあるのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:14Comments(0)その他
2022年08月09日

【ホームデポ】、ホームセンター世界最大チェーンはECだけで日本の市場規模の7割!?

220809ホームデポ
■ホームセンター最大手のホームデポ2022年1月通期の売上高は1,512億ドル(約20.4兆円)となった。

世界最大となるホームセンター企業の純利益は164.3億ドルと売上高の10.9%にも上っているのだ。

パンデミックに起因して始まった住宅の修繕やリフォームのブーム継続で既存店・売上高前年比は11.4%増と二桁の成長となっている。

前年の既存店ベースは19.7%増だったことで2年連続の二桁増だったことになる。

注目すべきはEコマースで、オンライン売上は前年から9.4%の増加となった。ホームセンター世界一のEC売上は、売上全体の13.7%に達しているというのだ。

1,512億ドルの13.7%となれば207億ドルになる。1ドル134円計算で2.8兆円にも上っている。日本のホームセンター市場規模は4兆円強と言われており、ホームデポのEC売上だけで7割にも相当していることになるのだ。

実はホームデポは早くからオムニチャネル化に着手したチェーンストアなのだ。

1999年〜2003年までは年間、150店以上を新規に出店していた。オムニチャネル化を本格化した2010年以降は出店を凍結してしまい、IT投資に積極的に傾けたのだ。

その後の10年で店舗数は10店のみ増えただけだ。

ホームデポの顧客はDIY(DIH)、DIFM、プロフェッショナルに分けられる。

DIYというのはDo It Yourself(ドゥ・イット・ユアセルフ)の略語で、業者に任せずに自らの手で生活空間をより快適に工事しようとする日曜大工を行うお客のことだ。

最近は女性が自分独自の生活環境を改善しようとするDIH(Do It Herself:ドゥ・イット・ハーセルフ)の市場も年々拡大。

またDIFMは、修理・修繕は業者にまかせ必要な資材等を購入するお客です。「私のためにそれ(修理・修繕など)をして」となるDo It For Me(ドゥ・イット・フォー・ミー)の頭文字をとったもの。

プロつまりプロフェッショナルは家の建築や工務店、リフォーム、床や壁・配管を行う専門業者を指す。

数ではプロ客は10%以下だが、プロは年間1万ドル以上を支出することで売上高の50%も占めているのだ。

競合店のロウズは25%程度なのでホームデポがいかにプロに利用されているお店かもわかるだろう。

プロ客のためにホームデポではサプライチェーンだけでも12億ドル(約1,600億円)も投資した。フルフィルメントセンターで物流のスピードアップを図ることで、現場への建材・資材を届けるまでの時間を大幅に短縮しているのだ。

ホームデポが早くからストアアプリ開発に注力していたのも、プロのためだ。常に現場に直行するプロはデスクトップやノートブックから建材、資材、パーツ等を注文することはない。

現場でアプリを介して注文するのだ。したがってホームデポではストアアプリを「ポケットに入るお店(Store in the pocket)」と開発を積極的に進めた。

工事現場から注文した建材・資材等を現場に直接デリバリーさせるボドフス(Buy Online Deliver From Store)もストアアプリで簡単にできるようになっている。

DXとはパーソナライゼーションであり、例えればクルマのシートだ。背丈の小さい人でも大きな車も快適に運転できるようになっている。

かゆいところにも手が届く仕様はDIY客に向けたアプリ機能にも盛り込まれている。

日曜大工などDIYで、パーツ名やツール名がわからないことは珍しくない。特にDIY初心者や女性などは名前がわからず途方にくれることがある。

DIYまでいかなくてもお部屋のインテリアでちょっとしたものが壊れた時、パーツ名がわからないことはよくあることだ。

欲しいものがあって商品検索しようにも名前や商品名がでてこなければ検索しようがない。類似品の名前も出てこなければ検索できず、途方に暮れることもあるだろう。

専門性の高いパーツともなれば、家族や友人に相談してもわからない。結局、仕方なくお店にまで出向いてスタッフに見せ、パーツ名やツール名を教えてもらうしかないのだ。

商品名が分かっても、スマートフォンでは手入力や音声入力するのに手間もかかってしまう。そんなわずらわしさをホームデポ・アプリで解消している。

 ストアアプリにはビジュアル検索となる画像検索機能が付加されている。画像検索とはスマートフォンで撮影した画像を使用し、同一もしくは関連する商品を検索する機能だ。

利用はいたって簡単。ホームデポ・アプリのメインメニューから検索窓にあるカメラのアイコンをタップする。

画像検索の画面になったら無地の場所にパーツやツールをおいて映し画面をタップするだけだ。

AIが画像を分析してリアル店舗在庫の約3.5万品目とホームデポのオンラインストアが扱う100万品目以上の中から商品を検索する。検索の手間を削減することで、継ぎ目がないシームレスな買い物を実現でき、ホームデポのオムニチャネル化が一層進む。

利用者が競合店内でホームデポの画像検索を使うことでホームデポにお客が流れることも考えられ、競争上の優位性をもたらすことにもなっている。

 ホームデポのストアアプリの機能は画像検索だけではない。在庫数や店内マップによる売り場も表示する「リアルタイム在庫」「2D/3Dマップ」がある。

アプリでリアルタイム在庫を確認できることでホームデポでは来店客の約半数がアプリでネットにアクセスしてお店に来ているのだ。

 今後、注目すべきポイントはホームデポの新規出店だ。実はホームデポは過去1年で19店舗も店が増えた。二桁数の店舗増は2009年1月期以来となる。

オムニチャネル開発ではある意味、一巡したホームデポが再び店舗数を右肩上がりで増やしていくのかは日本のチェーンストア業界も注視すべき点となるのだ。

 インフレにより金利が上昇することで住宅市場が冷え込むことも予想されているが、成長を維持するホームデポから多くを学ぶことができるのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:41Comments(0)ホームセンター
2022年08月08日

【コンサルティング】、突然のお仕事キャンセル!原因はトップがプーチン氏と同世代?

220808流通DXワークショップ
■大手チェーンストアなど米国小売業企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を流通に活かす際、必ずと言っていいほど「シームレス(seamless:継ぎ目のない)」と「フリクションレス(frictionless:摩擦のない)」の形容詞をつかった買い物を顧客に提供しようとしている。

買い物体験を個人のライフスタイルに合わせたパーソナライズしようとDXしているのだ。

例えば食品では、子供を送り迎えする途中にスーパーに立ち寄って先に注文していた食品類をカーブサイド・ピックアップで受け取ることがあるだろう。

また学校にも行っていない小さな子どもを持つ家庭なら、宅配サービスを利用するかもしれない。

夫婦二人とも働いて自宅を留守にする機会が多い家庭では冷蔵庫やガレージにある冷蔵庫に直送する宅配サービスを利用する。

そういった食品を注文する際も音声を使いスマートスピーカーを介してショッピングカートに思いついた商品を入れる場合もある。

お客のいかなる状況においても買い物が最適化されるのだ。

最もパーソナライズが進んでいる事例にカーシートがある。シートは前後にスライドさせでき、高さを上下し、背もたれの角度も自由に変えられる。ヘッドレストの高さや角度も微妙に変えられる。

ハンドルの向きや高さにドライバーとの距離も細かく調整できる。正しく運転できるようにミラーの角度も自由自在だ。シートベルトも苦しくないように調整できる。

これらは標準となっているクルマのシート機能だ。最近ではシートが暖かくなったり、冷たくなったり、背もたれのサイドが膨れて包み込むようにもできる。

マッサージ機能も付きマッサージの種類も腰痛持ちに合わせて変化も自在だ。一人ひとりの体重や体型に合わせてシートが変形する機能も装備されるかもしれない。

バックモニターも一般化されるだけでなく、ドライバーが死角をつくらないよう「360度モニター」も定番化しつつある。

自車を上空から見下ろすように捉えることができ、駐車を補助することでドライバーから人気の装備となっている。

障害物との距離感が掴みやすいだけではなく、いきなり歩行者が近づいてきた場合でも、アラームと注意表示によって瞬時に気付くことができるのだ。

「祖父母の運転するクルマが、そばで遊んでいた孫を」の見出しのニュースは過去になるはずだ。

流通のパーソナライゼーションも宅配ロボットや宅配ドローン、自動運転車で買い物の死角がなくなる。

一方で、クルマの進化がそうであるように買い物DXもコストがかさむ。

ネット通販最大手のアマゾンは2021年、研究開発費に560億ドル(約7.5兆円)も投資した。

アマゾンは研究開発費への投資額でアメリカ国内ばかりか世界でもトップに立ち、アマゾンの総売上高4,698億ドルの12%もR&Dに充てているのだ。

1位のアマゾンに続き、2位がアルファベット(グーグル)の326億ドル(4.3兆円)、3位がメタ(フェイスブック)の247億ドル(3.3兆円)、4位がアップルの231億ドル(3.1兆円)、5位がマイクロソフトの222億ドル(3.0兆円)となっている。

アマゾンは研究開発費にダントツで支出しているだけでなく、4位のアップルや5位のマイクロソフトの2倍強も支出しているのだ。

アマゾンによると2020年だけで2,244件の特許が付与されている。

すべて流通のR&Dではないもののアマゾンは途方も無い投資で買い物のパーソナライゼーションを提供し、シームレスかつストレスフリーにしているのだ。

チェーンストア最大手のウォルマートも昨年、IT投資を含む設備投資の総額が131億ドル(1.8兆円)に達した。

前年から約28億ドル(3,800億円)も増やし、増加率では27.7%の増加となったのだ。

 ところで先日、先方から依頼してきたにもかかわらず米国流通視察をキャンセルしてきた某大手チェーンストアがあった。

筆者のコンサルティングでは、先に紹介した喩えにあるようにクライアントには実際にクルマに乗ってもらうワークショップスタイルをとる。

しかしそこの経営者が「同行してもらって店舗のポイント説明で十分」という、いわゆる旧型のコンサルティングスタイルを求めていた。

しかしこれでは、参加者は次々にクルマを見せられて解説を聞くだけとなる。運転しないどころか、心地よいシートに座りもしない。

そしてそのトップと相談して断ってきた理由が「予算と合わない」だ。

アメリカに来るのは、他でもなく大切な社員だ。3Dの没入感を体験させずVRヘッドセットを見せて説明するだけでどんな価値があるのだろうか?

よく働いている社員にはご褒美にもならない。しかも多くは若い社員であり日頃からスマートフォンを使いこなしている世代だ。ストアアプリを使わず、売り場めぐりに終始する。

世界最先端のフィンテックも体験しないから、米国でPayPayやLINE Pay、楽天ペイ、d払いなどが流行らない理由も人から聞くだけだ。

ではなぜ、その経営者がアクティブラーニングでもあるワークショップ型コンサルティングをキャンセルしたのか?

これは単純に無知から生じている。日本の流通はアメリカより5年〜10年も遅れている上、コロナ禍で3年近くも渡米できていないため情報不足が大きな要因なのだ。

さらに流通視察も昔と変わらない「現状維持バイアス」が働いていることもある。そもそも経営者が高齢であり、アプリを使いこなせていない上、アプリを介した買い物もしていない。

売上規模が数千億円のトップなら買い物も自分で行わず秘書などが代行する。年齢が高くなれば多くの場合、コンフォートゾーン(ストレスや不安のない状態、安全地帯)からは出たがならい。

外側は自分の知らない恐怖ゾーンであり、役職トップの環境はリスクをとってチャレンジする必要もない。

企業にとって都合の良い「予算」を持ち出せば(アマゾンやウォルマートの投資からすれば)誤差範囲の費用も、もっともらしい「やらない」口実になる。

 ところでウクライナに侵攻したロシア軍は当初の想定と異なり、かなり苦戦を強いられている。

ロシア軍の軍事力は世界第2位と言われていたが、数々の戦術の失敗等があった。「第2次大戦時のスターリンの赤軍以来、ロシア軍は同じことを続けている」ことも苦戦の原因と専門家は語っている。

2014年のクリミア半島の危機での成功体験があったとも指摘されている。

一方で、対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などアメリカから供与された最先端兵器が前線のロシア兵を苦しめている。

 奇しくも某社長とプーチン氏は同世代。凝り固まった思考をアップデートするのは難しいのだ。

トップ画像:当社の米国流通最新DXワークショップ。当社のワークショップ型コンサルティングでは売り場で買い物実演したり、クライアントが実際に当事者となってDX買い物体験を行う。DXとはパーソナライゼーション。馬車しか乗ったことのない人に、マッサージ付きのシートは理解できない?  続きを読む
2022年08月07日

【Amazon Fresh】、40店目オープン!プライムデーで購入した商品を返品したら凄かった?

220807カスタマーサービス@アマゾン・フレッシュ
■ネット通販最大手のアマゾンは4日、ロサンゼルス郊外に40店舗目となる自社開発の品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」をオープンした。

ロサンゼルスでは17店舗目となるアマゾン・フレッシュ(140 Promenade Way Westlake Village, Thousand Oaks, CA 91362)はロサンゼルス・ダウンタウンから東へ車で約50分のところにあるサウザンド・オークス地区のライフスタイルセンター「プロムナード・アット・ウエストレイク(Promenade At Westlake)」だ。

なおサウザンド・オークスは白人層が9割近くを占め、世帯年収も10万ドル近くとなる富裕層地区。

プロムナード・アット・ウエストレイクはロサンゼルス近郊にある「グローブ(The Grove)」や「アメリカーナ・アット・ブランド(Americana at Brand)」のライフスタイルセンターを所有するカルーソ・アフィリエイテッドの高級ショッピングセンター。

33,000平方フィート(約920坪)に自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を備えたハイブリッド型アマゾン・フレッシュは2019年3月まで高級スーパーの「ヴィンテージ・グローサー(Vintage Grocers)」があった。

ヴィンテージ・グローサーはウォルマート創業者サム・ウォルトン氏の弟であるバド・ウォルトン氏の孫娘、ペイジ・ローリー氏がオーナーだった食品スーパーだ。

ヴィンテージ・グローサーは2016年10月のオープンから2年ほど営業していたが突然、閉鎖された経緯がある。

なおヴィンテージ・グローサーが入る前は、プロムナード・アット・ウエストレイクのオープン時から2016年まで営業していたブリストルファームだった(同店はウッドランド・ヒルズに移転)。

アマゾン・フレッシュの斜め向かいの近隣には老舗スーパーのラルフスがある。ラルフスと同じショッピングセンター内にはトレーダージョーズも出店しているのだ。

さらに車で4分程度のところには高級スーパーのゲルソンズもあり、ゲルソンズの隣にはアルバートソンズ系列のボンズもある。

 アマゾン・フレッシュは昨年8月5日、ペンシルベニア州ワーリントン地区に16店舗目をオープンしていることこから過去1年間だけで24店舗も出店したことになる。

アマゾンは自社スーパーをネットスーパーや食品スーパーだけでなく、ネット注文のピックアップ&リターン拠点にしている。

筆者は先日のプライムデーでは、3足のランニング・シューズやケーブル、USBフラッシュドライブなど12点を購入した。

ピックアップはすべてアマゾン・フレッシュ・セリトス店でおこない、靴などの一部商品は同店で返品したのだ。

12点をまとめてピックアップする際の受け取り方と返品の手間を探ることが購入目的の一つだ。

実際に商品がすべて揃うまで、ほぼ1週間が必要となった。

リアル店舗で注文品を受け取るには、その前にチェックインを行う。家を出る前もしくは到着後にアプリを介して15分以内に受け取る旨をタップして知らせるのだ。

注文した12点は数回に分けられてアマゾン・フレッシュに到着していたため、回数分をタップした。

アマゾン・ロッカーでの受け取りを期待していたが、記録となったセールを反映してスタッフが窓口に持ってくるスタイルとなったのだ。

つまりチェックインをしてもロッカーに入り切らないのが理由なのだ。アプリの映したQRコードでピックアップは完了した。次に行ったのがランニングシューズの返品だ。

返品はアマゾン・アプリを起動し、下のタスクバーにある人のようなマークのアカウントをタップする。

項目にある「注文履歴(Your Orders)」をタップして返品する商品をタップ後、「返品もしくは交換(Return or replace items)」をタップする。

次の画面では「もう必要ありません(No longer needed)」「色や柄が期待していたものではなかった(Color/Pattern not as expected)」「他で安いところがあった(Better price availalbe)」など12の返品理由から適当な項目をタップする。

返品理由を選択した後、オプショナルとして200文字で補足説明ができるようにもなっている。

次に返金の仕方として「アマゾン・アカウントにクレジットとして返金(Refund to yourAmazon account balance)」、もしくは「オリジナルの支払い方法に直接返金(Refund to your original payment method)」から選ぶことになる。

前者のアカウントへのクレジットなら返品の受領から2〜4時間で完了すると謳っており、後者のクレカ等への直接返金では7日以内としている。

その次の画面では返品先を選択するようになっており、筆者はアマゾン・フレッシュ・セリトス店を選択し、同ページの下にある確認ボタンをタップ。

これで返品手続きのQRコードを表示できるようになるのだ。あとは窓口でQRコードをスキャンさせ、商品をそのまま返品するだけとなる。

 文章にすると一連の手続きが面倒なように思えるが次々にタップするだけなので最短数秒で終わってしまう。

アマゾン・フレッシュのカスタマーサービスでも1分もかからず、シームレスかつストレスフリーとなるのだ。

 プライムデー後のアマゾン・フレッシュではカスタマーサービスに返品客がひっきりなしに訪れているが行列を作ることはあまりない。返品に全く時間がかからないのだ。

トップ画像:アマゾン・フレッシュのカスタマーサービス。ネット注文のピックアップや返品も手間なく行えるのが強みだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:37Comments(0)Eコマース
2022年08月06日

【アマゾン】、ルンバ買収!スマートホーム展開でロボット掃除機は安い買い物?

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■インターネット通販最大手のアマゾンは5日、ロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」のアイロボット(iRobot)を買収することを発表した。買収額は負債を含めて約17億ドル(約2,200億円)。

アマゾンは数年前、住宅建設会社大手と提携しスマートホームのショールームを展開していたこともあり、今回の買収によりスマートホーム家電事業の拡充を目指す。

2002年にルンバを発売したアイロボットは、家庭用クリーニング製品に多くのイノベーションをもたらしたロボット掃除機のリーディングカンパニー。

一方、アマゾンはファイア・タブレットやファイアTV、キンドル、エコーなどを自社開発している。特にエコーはアレクサ対応デバイスにより、自宅にある家電を音声で操作できるのだ。

アマゾンはまた2018年、セキュリティカメラの「リング(Ring)」を買収。アマゾンは昨年も家庭用見回りロボット「アストロ(Astro)」も発表した。

アマゾンのスマートホーム構想は2018年、住宅建設会社最大手レナーと提携したモデルハウスの「アマゾン・エクスペリエンス・センター(Amazon Experience Center)」でみることができた。

スマートホームのアマゾン・エクスペリエンス・センターは既存のモデルハウスを改造し、アマゾンのAIアシスタントを使ってカーテンの開け閉めや、照明の点灯や消灯、テレビなどの家電の操作、日用品の注文などを体験できたのだ。

ロサンゼルスやダラス、ワシントンなど15都市近郊にあったモデルハウスには、デッドスポットのないWiFiが完備され、アマゾンのスマートスピーカーの「エコードット(Amazon Echo Dot)」と「エコーショー(Echo Show)」等が置かれていた。

アマゾンに買収されたばかりのリング(Ring)など、IoT機器が備えられていた。専任スタッフが常駐し、音声コマンドによるスマート家電の扱い方から「ダッシュボタン(Dash Button)」「ファイアTV(Fire TV)」などのデモンストレーションを行っていたのだ。

 たとえばベッドルームで「アレクサ、おはよう(Alexa, good morning)」と言えば、シェード(カーテン)が上がり、照明が点灯する。

同時にプライム・ミュージックでBGMが流れる中、今日の天気を知らせ、現在の交通状況から勤務先までの通勤時間を割り出しアップデートしてくれていた。

寝室で「アレクサ、おやすみ(Alexa, good night)」と音声で指示すれば、消灯してBGMが消え玄関のドアに鍵がかかるのだ。

またリビングルームで「アレクサ、ムービータイム(Alexa, movie time)」のワードには、リビングルームのシェードが一斉に閉まり、照明が静かに落ちて、テレビが自動的にオンになった。

キッチンで「アレクサ、パーティ、スタート(Alexa, start party time)」の音声コマンドではシェードが下がり、ノリのよい音楽がかかり、間接照明のカラーが変化するパーティ仕様となった。

デモンストレーションはないが、スマート・サーモスタットやキーレス・エントリーのほか、当時まで行っていたダッシュボタンも展示されていた。

キッチンにあるパントリー(食料品などの保管室)ではクリネックス・ティシューやレッドブル、バウンティ・ペーパータオルなどがケースや箱で置かれ、棚に貼っているダッシュボタンで簡単に注文できるようにイメージさせていた。

 実はここにアレクサ・コマンドによる、お掃除ロボットのルンバの起動もあったのだ。「アレクサ、掃除して」の音声でルンバが動き出し、掃除を始めていた。掃除を止めさせることも音声で簡単にできたのだ。

 アイロボットを買収したアマゾンは再び住宅建設会社と組んでスマートホームのショールーム展開を行うだろう。その時にはイノベーティブなスマートホームをルンバの新機能に見ることになるのだ。

トップ画像:「アマゾン・エクスペリエンス・センター(Amazon Experience Center)」のエコーとルンバ。「アレクサ、掃除して」の音声でルンバが動き出し、掃除を始めていた。掃除を止めさせることも音声で簡単にできたのだ。

220806スマートホーム
アマゾンのスマートホーム構想は2018年、住宅建設会社最大手レナーと提携したモデルハウスの「アマゾン・エクスペリエンス・センター(Amazon Experience Center)」でみることができた。  続きを読む
Posted by usretail at 01:06Comments(0)イノベーション
2022年08月05日

【お知らせ】、日経ビジネス電子版の月間PVランキングで再び1位!7ヶ月ぶり2回目?

220805月間PVランキング@日経ビジネス電子版00
■日本を代表するビジネス誌「日経ビジネス」の電子版で、当ブログの管理者である後藤文俊の執筆した記事が月間PV(ページビュー)ランキングで再び1位となった。

月間PVが2,000万となる日経ビジネス電子版には約30人の社員記者が記事を書いている。それ以外にもフリーのジャーナリストや経営者らも投稿しているのだ。

1日平均で20本前後がオンライン版で記事となっており、月間では約400本が投稿されている。

筆者は昨年10月からシリーズ名「後藤文俊のシン・店舗 in USA」で投稿を開始。

3本目となる昨年12月に投稿された記事「小室眞子さんがNYでしょうゆを切らしても15分で超速宅配!」は投稿日にアクセスランキングでダントツとなり、週間や月間でも1位となる人気を博した。

多くの優秀な記事のなかでトップのPVとなったのだ。流通コンサルタントによる記事がビジネスメディア大手のオンラインで最上位のアクセス数を取るのは異常だ。

さらに日本ではなく米国の流通について書かれているにもかかわらず、多くの人の耳聞を集めたことも異例となる。

こういった実績により掲載の表示順も「トップ3」に入ったのだ。いまでは日経BPメルマガの見出しに載り、掲載当日にはトップページの上位に大きな写真付きで掲載されるようになっている。

また今年2月からは月に2回の割合で出稿しているのだ。

そして7月13日にアップされた「マックやKFCじゃない 米国で一番人気なのに日本人が知らない飲食店」が再び日間・週間・月間でPVトップとなった。

前回は無料会員向けでも読めたが、今回は有料会員でないと最後まで読めない。それでも月間PVランキングのトップにたったのだ。

さらに20位以内の有料会員しか読めない記事は7本のみで、1位に続く有料記事は8位でのランクとなっている。つまり有料にもかかわらずトップになるほどアクセスがあったのだ。

 また3月にアップされた記事「ベゾスも無念?アマゾン『ブックス』など実店舗を一斉に閉店へ」では日経ビジネス誌面にも転載された。

約5,000字となる記事は大きな修正やカットもされることなく4月11日号に掲載。コンサルタントにとって、日本の企業なら必ずといっていいぐらい定期購読されている日経ビジネス誌に自分の書いた記事が載るのは非常に光栄なことだ。

では、なぜ筆者の記事がよく読まれ、敏腕編集長二人に選ばれるか?

一つは筆者の情報は一次情報が占めていることにあある。一次情報とは、自分が実際に目で見て、体験した情報のことだ。リアルな体験があるからこそ、言葉に臨場感がでて読者も納得しやすい。

たとえば7月23日にアップされた「アマゾンの弱点発覚? 驚くほど不人気な自動決済システムの真実」でも画像を掲載しているが、全て筆者が現場で撮影したものだ。こういった点も説得力が増し、掲載される大きな要因となっている。

次に筆者独自の切り口が理由にある。「米国で一番人気なのに日本人が知らない飲食店」では、日本人に馴染みのあるKFCやマクドナルドと比較して論じているのだ。

アマゾンの自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」の不評も定点観測から得た仮説からプライムデーで確認して記事にした。

長い行列の画像をアップしてジャスト・ウォークアウトの不評を浮き彫りにする記事は英文にもない。

わざわざプライムデーにアマゾン・フレッシュに出向いて店内を観察することは誰にでもできることではないのだ。

3つ目としては読みやすさが挙げられるだろう。日経ビジネスの文章の多くは「だ・である」だが、「です・ます」で書いている。

電子版への投稿では、より若い層を意識して書いているため、柔らかい語尾を使っているのだ。読みやすさはユーモアも文中に入れていることもある。

流通系の専門誌ではコンサルタントが上から目線の文章になっていることが目につく。「偉そうに話すことで頭良く見せる」ような、いわば悪しき慣習が残っているのかも知れない。

いくら未熟だと言っても若い読者には全くウケないことになる。

50代以上が中心読者となるビジネス誌といえども今後の読者を考えれば、柔らかい文体が一部に必要となる。特に馴染みのない米国流通についての記事ならなおさらだ。

また変化の難しさを「阪神ファンが巨人ファンになる」ように、わかりやすくするため喩えも含めていることも読みやすさにつながる。

 在米の流通コンサルタントの記事が主要ビジネス誌に掲載され1年間に2度も月間PVでトップを取るのは大きな実績となる。旬な現場に行き、切り口や見せ方を工夫することで売れる記事となるということだ。

トップ画像:日経ビジネス電子版の月間PVランキングで1位となった「マックやKFCじゃない 米国で一番人気なのに日本人が知らない飲食店」。昨年12月に投稿した記事に続いて2回目のトップとなった。筆者はジャーナリストではないが、素直に嬉しい。  続きを読む
2022年08月04日

【HEB】、地方のスーパーがショッピングカートを丸ごとスキャンするレジDXを実験!

220804HEB
■米国の食品スーパーではレジ会計のデジタル・トランスフォーメーションが拡大している。

その潮流は大きく分けると2つあり、一つはお客がモバイルアプリを使って商品バーコードを一つ一つスキャンしていく、サムズクラブなどで見られる「スキャン&ゴー」タイプ。

ショッピングカートに商品を入れると自動的にバーコードを読み込むスマートカートの「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」もこちらのタイプとなる。

もう一つはアマゾンが開発した自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」のようにAIを利用し、お客の動きをフォローしてレジをスキップできるタイプだ。

スキャン&ゴーのメリットは買い物中、いくら購入しているのかを随時確認でき決済時も合計金額にクーポンなどの割引金額も即座にチェックできることだ。

デメリットは一つ一つをスキャンしなければならないことだ。また野菜や果物などの量り売りではデジタルスケールで測る手間がかかる難点もある。

一方、ジャスト・ウォークアウトのような自動決済システムではスキャンする手間がなく、そのまま店を出るだけでいい。

が、何をどれだけ購入しているのか、合計金額はいくらか、クーポンで割引されたのか、いくらディスカントされたのかがわかるのにも数時間が必要となる。

筆者の体験から高い確率でAIはエラーも起こし計算間違いも発生している。

 第3の流れになりそうなレジ会計DXがテキサス州を地場にするスーパーマーケットチェーンでテストされる。

メキシコを含めて420店以上の食品スーパーを展開するHEBはサン・アントニオ近郊のシャーツ地区にある店舗で次世代セルフチェックアウトレジ「ファスト・スキャン(Fast Scan)」を開始するのだ。

HEBプラス・シャーツ店のファスト・スキャンは、空港のセキュリティポイントにあるAIを利用して不審物を判別するボディスキャナーのようなものだ。

商品の入ったショッピングカートをファスト・スキャンの専用ゲートをくぐらせると一発でスキャンできるというもの。

従業員やパートナーを対象にのみテストを行っているファスト・スキャンは、ショッピングカートに入っている商品を読み込むことができ、ゲート通過後のセルフチェックアウトレジで支払い等を行うのだ。

商品バーコードを一つ一つスキャンしなくても、カートを通すだけで合計金額がわかるようになっている。

詳細は明らかにされていないため、商品についたICタグを読み込むのか、量り売り商品での計算方法もわかっていない。

ボディスキャナータイプはHEBやクローガー等で2013年にもベルトコンベアの付いたレジでテストしていた。

MRIのようなトンネル内がベルトコンベアについており、商品をくぐらせることで自動的にスキャニングするシステムだ。

トンネル内の全方位型のバーコード・スキャナーに加え、OCR(Optical Character Recognition:光学式文字読取装置)で商品にある文字や番号(UPC番号)を読み取ることで商品を認識していた。

認識率は98.5%だが、読み取れない場合はスタッフ用のディスプレイに商品画像が映し出され、スタッフが手動で対応する仕組みとなっていたのだ。

しかし、このシステムが広がっていないことから失敗したと見られている。

 HEBは2018年からスキャン&ゴーのような「HEBゴー(HEB Go)」のテストを続けている。

野菜や果物などの量り売りについては専用のデジタル計量器で行うのだ。

計量皿にバナナやキャベツなどを置き、タッチスクリーンでPLU(商品コード)を入力し、値札シールをプリントアウトする。値札シールにあるバーコードを読み込むことでアプリ上のカートに入ることになる。

ベーカリーセクションのドーナツやベーグル、パン、コーヒーはセルフ・モバイル・チェックアウト・レジにあるバーコード表示を読み込む。

決済はアプリに事前に登録しておいたクレジットカードやデビットカードで行う。買い物が終了したらショップ画面にあるカートマークをタップし、チェックアウトに移行する。

チェックアウト・ボタンを押すとカメラの状態になり、HEBゴー専用チェックアウト・ステーションにあるバーコードを読み込み、アプリとレジを同期し決済完了となる。クーポンの使用も可能となっている。

決済完了でレシート画面となり、買い上げ点数と合計金額が表示されるので、それをスタッフに確認してもらって店をでる。

 カートをまるごと読み込むボディスキャナータイプがどの程度の精度かによって、レジDXの3つめのトレンドが決まる。食品スーパーといえどもDXに終わりはなさそうだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:36Comments(0)スーパーマーケット
2022年08月03日

【パラレル・リアリティ】、フライト案内板をDX!食品スーパーにザ・ベストテン仕様?


■かつて世界の空港や日本全国の主要駅で見かけた、板がパタパタと回転して行き先や時刻などを表示する「パタパタ」発車案内表示機がかつてあった。

昔の歌番組「ザ・ベストテン」でもおなじみだった、あの「パタパタ」はLED表示式などへデジタル化がすすんで久しい。

エアポートでは当たり前のようにデジタル化されたフライト発着用案内ボードが活躍している。

大きく進歩したフライトボードは、表示が限定されていたパタパタ案内を比べて、情報があまりに満載しすぎて逆に見にくくなっている。

フライトを数多く表示できるため、ビッグボードになっても利用者は自分のフライトを見つけるのが難しくなっているのだ。

たとえば搭乗ゲート番号を確認するにも、数多く表示されている中から、行き先から便名を確認して、視線を右に向けながら搭乗ゲートをやっとチェックできる。

確認中、インフォメーションボードの表示が変わってしまい自分のフライトを見失うこともあるあるだ。

出発まで時間がなければ、大画面でも数多く表示されるフライト情報から自分の情報を見つけようとするとイライラもしてくる。

パタパタをデジタルトランスフォーメーション(DX)した次世代フライト案内スクリーンが登場した。

デルタ航空は6月29日からスタートアップのミスアプライド・サイエンス(Misapplied Sciences)と提携し、デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港にパラレル・リアリティ技術を応用したフライト案内板をテストしている。

1つのスクリーンでパーソナライズされたフライト情報を最大100人が同時に見ることができるというイノベーションだ。

複数の人が同じスクリーンを見ても、それぞれの旅行者のフライト情報だけ表示される。

つまり同じフライト案内板をみても、シアトル行きのAさんにはAさんの案内、ニューヨークに行くBさんにはBさんの出発インフォメーション、ハワイ行きの便に乗るCさんの目にはCさんのフライト情報のみ映るというものだ。

パラレル・リアリティのフライト・インフォメーション・ボードは、セキュリティを通過後のコンコースに設置されており、搭乗券をスキャンすれば、誰でも利用することが可能だ。

専用アプリ「フライデルタ(Fly Delta)」で事前にデジタルID登録した利用者には、ディスプレイの近くに設置された端末から顔認証でも起動できるようになっている。

ボーディング・パスをスキャンすると天井に備えたモーションセンサーが利用者の動きをフォローし、利用者のパーソナライズしたフライト情報をビッグボードを見せるようにするのだ。

一方、認証していない旅行客には、広告等しか見えなくなっている。

利用者には「こんにちは!○○さん、お乗りになられるデルタ183便の搭乗ゲートまでは(矢印が示され)3分」に「出発予定時間」等、シームレスかつストレスフリーに利用できるようになっているのだ。

ポケットやバッグに無造作にいれたボーディングパスを探したり、くしゃくしゃになったボーディングパスを開いて確認したり、スマートフォンを持ち出す必要もない。

 このパラレル・リアリティの案内板はリアル店舗でも応用可能だ。

入り口近くの端末でアプリにあるバーコード等をスキャンすることで、大型デジタルサイネージに(利用者の購入履歴から)セール商品やオススメ、それぞれの売り場番号を表示したりできる。

主婦友達が一緒に行っても、パラレル・リアリティで好みの商品などを別々に彼女らの目に映すのだ。

売り場通路の案内板もパラレル・リアリティのデジタルボードにしておけば、ショッピングリストを反映した表示となり見つけやすくなる。

 買い物DXとはその人の買い方にあったショッピングをパーソナライズして提供することだ。パラレル・リアリティを買い物に応用することで、仮想現実や拡張現実より買い物DXで個人化できるのだ。

トップ動画:パラレル・リアリティを応用したフライト情報案内板を報じる地元ニュース。何十人もの人が同じスクリーンを見ていても、見ている人用にパーソナライズされたフライト情報が表示されるという不思議ボードだ。食品スーパー等に十分、応用が可能だろう。


パラレル・リアリティのフライト・インフォメーション・ボード。ボーディングパスをスキャンすることで、モーションセンサーが利用者を追尾し、ビッグボードにその人にパーソナライズしたフライト情報を見せる次世代スクリーンだ。  続きを読む
2022年08月02日

【マクドナルド】、植物由来のハンバーガー「マックプラント」が失敗でテストを終了!

220802マックプラント
■ファストフード最大手で外食業界の巨人が代替肉を使ったハンバーガー「マックプラント(McPlant)」のテスト販売を終了した。

マックプラントは代替肉開発のスタートアップであるビヨンドミート(Beyond Meat)と提携して作られたもの。

テスト結果や終了の理由等は公式に明らかにされていないが、JPモルガンのアナリスト、ケン・ゴールドマン氏が25ヶ所の店舗で従業員にヒアリングを行ったところ、25店舗のすべてにおいて「マックプラントバーガー」の売上が当初の期待値を下回った。

また、すでにこれらの店舗では販売を終了しているという。

マクドナルドは昨年11月、植物由来のハンバーガー「マックプラント(McPlant)」を試験的に販売を開始した。アイオワ州やテキサス州やルイジアナ州など4州8店のみで販売を始めたのだ。

カリフォルニア州ではロサンゼルス国際空港から近いエルセグンド店とマンハッタンビーチ店で販売していた。

マクドナルドによると予想以上の売れ行きとなったことで今年2月から、カリフォルニア州サンフランシスコやテキサス州ダラス・フォートワースの約600店舗でテスト販売を開始することを発表。

投資銀行のパイパーサンドラーによると、昨年の12月にはマックプラントが推計で1日70個も売れていたと明らかにしていた。

ビッグマックが1日平均110個でていることで新メニューにもかかわらず代替肉バーガーが好調だった。

ファストフード業界ではここ数年、厳格ではない菜食主義者を取り込むため植物由来のメニューの試験に取り組んできた。

代替肉を使ったハンバーガーは競合ハンバーガーチェーンのバーガーキングが2019年8月、インポッシブルフード(Impossible Foods)と開発した「インポッシブル・ワッパー(Impossible Whopper)」を販売。

マクドナルドは2020年11月に投資家向けの説明でマックプラントを明かしており、最終的には植物由来のチキンや朝食用のサンドイッチなどへの計画も打ち出していた。

マクドナルドではすでにスウェーデン、デンマークや英国などを含む一部の欧州市場でマックプラントを試験販売している。

 筆者は昨年の11月に実食しており、ファースト・インプレッションを以下にあげておく(日本円は当時のレートにしている)。

 ロサンゼルス国際空港から南に車で10分程度の距離にあるマンハッタンビーチは2019年の統計で人口が35,500人となっている。世帯収入の中央値も153,023ドルとなっている。

日本円(1ドル113円)で年収が1,700万円以上にも上るのだ。高収入でありながら年齢も44歳と比較的若い。

マクドナルド・マンハッタンビーチ店には道を挟んでグルメスーパーでブリストルファームの傘下のレイジー・エーカー・マーケット(Lazy Acres Market)がある。

ここから車で3分のところには高級スーパーのゲルソンズもあるのだ。

巨大な黄色のアーチが目立つマクドナルド・マンハッタンビーチ店は60年代に流行った斜め屋根にダークグレイの外観でレトロ感のある店構えとなっている。

店に入ると落ち着いた内装ながら注文カウンターの上にはおなじみのデジタル・メニューボードが際立っている。

注文をする前にメニューボードにマックプラントを探したが見つからなかった。モバイルオーダー用にアプリでもメニューを確認したが、マンハッタンビーチ店にもエルセグンド店にも掲載していなかった。

ただレジ前にあるセルフオーダー端末では、サンドイッチ&ミールズに載っているだけだった。

マックプラントの価格は6.29ドル(約710円)で、350キロカロリー。テキサス州では5.49ドル(約520円)で販売されており地域によってマックプラントの価格を変えているようだ。

なおマンハッタンビーチ店では550キロカロリーのビッグマックを5.19ドル、630キロカロリーにもなるクォーターパウンダー・デラックスが6.29ドルで販売されている。

300キロカロリーとなるチーズバーガーは1.99ドル(チーズなしのハンバーガーは1.89ドル)、木村拓哉さんが宣伝するダブルチーズバーガー(450キロカロリー)は2.99ドルだ。

注文から3分程度で出てきたマックプラントにはアメリカンチーズにトマト、レタス、ピクルス、タマネギが乗せられておりマヨネーズとケチャップ、マスタードを使用している。

代替肉のパティにはエンドウ豆、ライスとジャガイモなどの成分で作られている。一方、大豆は含まれていない。

チーズバーガーより若干カロリーが高く、価格は高価格帯となるクォーターパウンダー・デラックスに匹敵するマックプラントの味は食感を含め通常のハンバーガーを変わらない。

パティだけ食べれば肉汁がほとんどなく若干パサパサ感も感じる。が、ハンバーガーとして食べる分にはほとんど違いがわからないのだ。

代替肉だと言われなければ違和感なく食べてしまえるハンバーガーといえる。

ただしこれをリピートするか?といえば健康志向の筆者でもNOとなる。環境問題への意識が高まっているものの、価格が高い上に味的にはほとんど変わらないマックプラントを注文するかといえば、まずない。

 人に勧めるほどのインパクトがないので、話題にもしないだろう。

 バーガーキングの「インポッシブル・ワッパー」は売上低迷が報じられており、KFCの「ビヨンド・フライドチキン」も2020年はじめのテスト販売以上の拡大にはまだ至っていない。

マックプラントがフェードアウトしても誰も驚かないだろう。価値が感じられないものに人気は集中しない。

 マクドナルドはマックプラントをいまだに期間限定のテスト販売としている。「マクドナルドの代替肉バーガーを一度は食べてみたい」という一見客が8店に大挙していたと予想する。

 以上のように筆者は当初からリピートしないから「売れない」ということを示唆していた。フードテックも割高で特筆する美味しさもなければ、容易に察しが付く結果となるのだ。

トップ画像:米国のマクドナルドが昨年、8店舗で試験的に販売を始めた植物由来のハンバーガー「マックプラント(McPlant)」。  続きを読む
Posted by usretail at 00:50Comments(0)その他
2022年08月01日

【ターゲット】、流通DX事例のサークル・オファーズ!昔の人にカーシートは難しい?

220801サークルオファーズ@ターゲット00
■日本では現在、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」が売れる言葉となるバズワードになりメディアを沸かせている。

DXをタイトル等のキーワードにすることで読者の関心を引き、文章が読まれ書籍等が売れるのだ。

しかし流通関連のDXについては残念な記事が多い。なぜならデジタル・トランスフォーメーション先進国アメリカの事例が皆無になるからだ。

過去3年近くコロナ禍で渡航が制限されていたため、ジャーナリストや専門家が現地で取材ができなかった。そのためDXの最新事例を確認できていない。

特に流通業界について日本の流通企業そのものがデジタル化が遅れ、オムニチャネル化さえできていないため業界内でのケーススタディが極めて限られている。

流通系コンサルタント等の専門家が現地で視察をおこなっていない。

結果、DXを謳うネット記事や書籍などは溢れているものの、現地企業のプレス発表やニュース記事をもとにした二次・三次情報からの理想論が多くを占めることになる。

さらにDXも概念や抽象化されたもので、提供されたDXを利用者がどのように利用してどんなタッチポイントがあるのか、さらに改善点まで語られることはない。

著者が実際に現地で使っていないから流通DXから得られる洞察ばかりか具体例さえ記されることはないのだ。

渡航制限が緩やかになり、現地でナマの情報に触れようになってもパーソナライズが進むDXでは必ずサインアップしなければならない。

つまりストアアプリをダウンロードし、各チェーンストアごとに自分のアカウントを新規登録する必要がある。

さらにいえば世界最先端の流通DXにふれるためには、モバイルを介して買い物をしなければならない。以前の流通視察のように売り場を見て回るだけではDXには接することは不可能なのだ。

 例えばターゲットをDXの事例にすれば、売り場でターゲットの「サークル・オファーズ(Circle Offers)」を利用することになる。

ターゲットのサークル・オファーズは2013年5月から開始されたクーポン機能「カートウィール(Cardwheel)」をアップデートしたもの。

サークル・オファーズはターゲットが提供する数百アイテムで値引きする機能だ。

値引き対象となる多くの商品が「アップ&アップ(Up & Up)」や食品の新プライベートブランド「グッド&ギャザー(Good & Gather)」などターゲットのプライベートブランド(PB)商品で、最大50%オフになる値引きも含まれている。

またディスカウント期間も短いものでは「当日1日のみ」から、最大1ヶ月以上にも及ぶ長期間のものもある。

サークル・オファーズの値引き商品は、アプリのランディングページ「ディスカバー(Discover)」のトップにある。また利用者の購入履歴から購入される可能性が高い商品をAIでキュレーションもしているのだ。

トップのサークル・オファーズからは値引率の高いトップオファーに「アルコール」「アパレル」「食品」「ベビー」等、それぞれのカテゴリーからも探せるようになっているのだ。

購入したい商品を見つけたら、商品ボタンにあるプラスサインをタップしてチェックサインに変えるだけだ。別のタブにセーブされたサークル・オファーズ商品が載ることになる。

後はストアアプリのツールバーにあるウォレット(Wallet)を選択しバーコードを表示させレジでスキャンするだけだ。

スキャンでアプリとレジが同期し、サークル・オファーズの商品がレジ・スキャンされると自動的に値引きされることになる。

ターゲットは「レッドカード(Redcard)」というクレジットカードを独自に発行している。このカードをストアアプリに登録しておけばレジと同期した際、自動的に合計金額から5%の値引きを受けられることにもなる。

さらに購入した商品がターゲットのロイヤリティ・プログラムの「ターゲット・サークル(Target Circle)」の対象なら1%の還元も受けられるのだ。

 サークル・オファーズには残念なこともある。以前まで行っていたサークル・オファーズ・ニア・ユーが利用できなくなっているようなのだ。

店内で対象品をストアマップで見つけやすいようにする機能だ。使い方は店内でターゲット・アプリを起動するとGPS機能から自動的にストア・モードになる。

ホームページにあるターゲット・サークル・ニア・ユーから開くとストアマップが表示された。ターゲットのアプリにあるストアマップ上では利用者が青い丸点となって現在の居場所がわかるようになっていた。

利用者の周囲にはサークル・オファーズの値引き商品が緑色のマークとなってストアマップ上で示されていたのだ。

ストアマップの下には対象商品の画像と商品名、アイル(売り場の通路)番号が記されており、さらに見つけやすいようになっていた。

利用者が動いてもマップ上のサークル・オファーズ商品は動かず表示されたままとなっているため見つけやすい工夫もされていたのだ。

 実際に使ってみれば分かるのだが、サークル・オファーズではAIをどこに忍ばせているのかも見えてくる。

新たな事業部に広告代理店をもつ大手チェーンストアが増えているが、例えばサークル・オファーズではどこのページで(もしくはタッチポイント)でスポンサー広告が売れるのかも見えてくる。

流通DXでは実際に使って買い物をしないことには逆に全く見えてこないのだ。

トップ画像:ターゲットのストアアプリを開くと購入履歴からレコメンデーションされたサークル・オファーズの商品が表示されている。

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2022年07月31日

【アマゾン】、完全に期待はずれの声!写真から分かる「新規出店よりカイゼンを急げ」?

220731アマゾン・フレッシュ@エンシノ00
■ネット通販最大手のアマゾンが28日に発表した第2四半期(4月〜6月期)決算は、二期連続で赤字となった。

売上高は前年同期比7.2%の増加となる1,212.3億ドルだった。増加率は約20年ぶりの低レベルとなっていた第1四半期(1月〜3月期)と同水準の伸びにとどまった。

前年同期の77.8億ドルの黒字から20.3億ドルの赤字となった。第1四半期は7年ぶりの赤字だった。電気自動車メーカーのリヴィアン(Rivian)への出資での評価損を計上したことでの赤字だったのだ。

事業別では売上の42%を占めるオンラインストア(Online stores)が前年同期比で4.3%減となる508.6億ドルとなった。

ホールフーズ・マーケット等の実店舗(Physical stores)売上は前年同期比1.7%増となる47.2億ドルだった。

アマゾンの実店舗展開で4月〜6月、特筆すべき動きとなったのはリアル店舗の「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」「アマゾン4スター(Amazon 4-Star)」「アマゾン・ポップアップ(Amazon Pop-up)」の全店をスクラップしたことだ。

アマゾンはリアル店舗展開の方針を見直し、ロンドンに昨年末にオープンしたばかりの2店舗を含め68店を4月に閉鎖した。

2015年に1号店をオープンした書籍専門店のアマゾン・ブックスは12州とワシントンDCに24店舗を展開していた。

カスタマーレビューで評価が星4つ以上の商品を中心にそろえたアマゾン4スターは2018年に1号店をオープン以来、17州に33店舗を展開。

4スターは閉鎖直前まで、ニューヨーク州シラキュース地区のデスティニーUSAのモールなど16ヶ所で「間もなくオープン(Coming Soon)」と告知されていたのだ。

モールの通路など小スペースでアマゾン製品を展示販売するアマゾン・ポップアップは7州とワシントンDCに9ヶ所に出店となっていた。

イギリス・ロンドンでは昨年10月、ショッピングモールの「ブルーウォーター(Bluewater)」に4スターがオープンし、翌月にはロンドン西部のホワイトシティにある「ウエストフィールド・ロンドン(Westfield London)」にも4スターが出店したばかりだった。

一方、アマゾンが開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」は昨年6月末の14店舗から今年6月末には33店舗まで店舗数を伸ばしている。

今年6月末までの1年間で19店も増えていることになる。アマゾン・フレッシュでも特に増えているのがアマゾンが開発した自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を導入したハイブリッド型だ。

フルサービスレジとジャスト・ウォークアウトを併せもつハイブリッド型1号店は昨年6月17日、シアトル郊外ベルビュー地区にある「ファクトリア・モール(Factoria Mall)」内のセーフウェイ跡地にオープンした。

その後もハイブリッド型を中心に新規出店を続け、アマゾン・フレッシュは今月30日時点で39店舗となっている。

また今月、ニューヨーク州とニュージャージー州で初となる店舗オープンもあった。

IT大手が開発した食品スーパーはメディアも注目しているが、ニュージャージー州のアマゾン・フレッシュはオープン時から評価が極めて低い。

地元メディア(NJ.com)ではアマゾン・フレッシュ・パラマス店を「在庫が乏しいガッカリ店( poorly stocked letdown)」と非難しているのだ。

記者は店内のファースト・インプレッションを「ベーカリーはかろうじておいている程度」「精肉コーナーは少量コレクション」「シーフードは使われていない」とし「在庫が少ないのは残念な気持ち」との感想だ。

「プライム会員に20%ディスカウントとなる一部のフレッシュキッチン(デリコーナー)も味わいたいけど商品が残っておらず」と手厳しい。

結論として「アマゾン・フレッシュは全くの期待はずれ」に「在庫が揃っていない状態でオープンする食品スーパーって?」と疑問を呈しているほどだ。

アマゾン・フレッシュに初めて訪れたお客からの意見も拾っており「(ジャスト・ウォークアウトの)チェックアウトは楽だけど、商品がないので感心しません」「完全に期待はずれ(definitely a letdown)」とこちらも酷い判定となっている。

 アマゾン・フレッシュの評価は新店がオープンするたびにどんどん下がっている印象だ。このままでは客離れと言うより最初からお客が寄り付かないお店になってしまいそうなのだ。

トップ画像:アマゾン・フレッシュ・エンシノ店。通りを挟んだ向かい側にはゲルソンズがある。  続きを読む
Posted by usretail at 01:34Comments(0)スーパーマーケット
2022年07月30日

【トレーダージョーズ】、労組結成!スタバ200店以上の労組もガーシーと根っこが同じ?

220730トレーダージョーズ
■スターバックスやアップルストア、アマゾンなどで労働組合結成の決定が相次いで伝えられている中、カルト的な人気を誇る食品スーパーでも労組結成が決定された。

マサチューセッツ州ボストン郊外のトレーダージョーズで28日、労働組合の是非を問う投票が実施され45対31の賛成多数で結成を決めた。

ボストンから西に80マイル(約130キロメートル)にあるハードリー地区にあるトレーダージョーズで、同社としては初となる労働組合が誕生することになる。

42州に530店以上を展開するトレーダージョーズ・ハードリー店で組成された「トレーダージョーズ・ユナイテッド(Trader Joe's United)」は今年5月、同社CEOのダン・ベイン氏に宛てた、給与・福利厚生・労働安全についての公開状により選挙活動がローンチした。

トレーダージョーズは以前にも労働組合の動きがあったのだが、労働組合との戦いを専門とする法律事務所を雇い、強制参加のミーティングといった脅し等「典型的な組合つぶし」戦術により立ち消えとなっていた。

ただし今回は81名の従業員にとって、パンデミック中に危険手当を切り上げられたり、お客のマスク着用を緩和したりとトレーダージョーズへの不満がそれ以上に大きかったようなのだ。

不満や不公平感はハードリー店だけでなく、ミネアポリスやコロラド州ボルダーのトレダージョーズでも組成の動きがある。

トレーダージョーズは大変人気のあるスーパーなのだが、デジタル・トランスフォーメーション(DX)には全く取り組んでいない。

またオムニチャネルに投資しないどころか、Eコマースに進出しないと宣言しているほどなのだ。さらに買い物代行サービス業者の出入りさえ禁止している。

トレーダージョーズには7つの指針があり、「実店舗こそブランド(The store is our brand)」というポリシーにより、パンデミックにあっても、顧客から頻繁にリクエストされてもネットスーパー展開を断り続けている。

トレーダージョーズでは年間30〜35店を新規に出店しており、ネットスーパーを展開する食品スーパーを競合にすることもある。

が、商品のほとんどをプライベートブランドが占め「実店舗こそブランド(The store is our brand)」「誠実さ(Integrity)」「商品力(Product Driven Company)」「カスタマーサービス(Wow customer service)」「非官僚主義(No bureaucracy)」「カイゼン(Kaizen)」「私たちは全米に展開する近所のスーパー(We're a national chain of neighborhood grocery stores)」のポリシー、コストをかけてまでネットスーパーを始める理由がない。

オンラインショッピングがないため、お客はトレーダージョーズに来て買い物をしなければならない。

お店に行く以外にトレーダージョーズの商品を手に入れる術がなく、具合が悪くてもお店にいくため、感染者も来店することになる。結果的に従業員にしわ寄せがいくのだ。

実際、パンデミックが発生した際、従業員に感染者が度々でていた。

トレーダージョーズの店舗は一般的な食品スーパーに比べて店が小さい。アルバートソンズ系列のセーフウェイでは平均的に売り場面積は46,000平方フィート(約1,300坪)だが、トレーダージョーズは8,000〜15,000平方フィート(220〜420坪)しかない。

入場制限をしても売り場が狭いためどうしてもスタッフや他のお客と接する機会が他の店よりも多くなる。

高熱で咳がでて臭覚の喪失という症状があってもトレーダージョーズの商品が欲しければお店に行くしかない。一方で宅配サービスがないことで感染者もお店に呼び込んでしまう。

感染者が殺到すれば店の狭さからクラスター(集団感染)も起こりやすく、従業員への感染リスクが高くなってしまうのだ。

こういったことでトレーダージョーズの一部店舗では従業員の不満が大きくなっていた側面がある。

 スターバックスでは初の労働組合が昨年末に誕生したが、今月27日までに労組結成を決めたスターバックス店はすでに32州203店舗に達している。

トレーダージョーズでは従業員をクルー(Crew:乗組員)と呼んでいるのだが、労組の勢いが渡りに船となり他の船員らも団結しそうだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:24Comments(0)スーパーマーケット
2022年07月29日

【アメリカ流通視察】、アプリ研修が主流!コンサルタントはスキン・イン・ザ・ゲーム?

220729ターゲットアプリ
■ネット通販最大手のアマゾンでは年間の研究開発費が560.5億ドルにも達している。年次報告書では「テクノロジー&コンテント(Technology and content)」で計上している費用が日本円にして7.5兆円にも上っているのだ。

売上高4,698.2億ドルのアマゾンでは研究開発費が売上の約12%も占めていることになる。

小売部門だけ見てもアマゾン・ゴーやアマゾン・フレッシュ等にある自動決済技術「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」やスマートカート「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」、最近では初のアパレルショップで試着室に注力したDX店「アマゾン・スタイル(Amazon Style)」など数々のイノベーションを生んでいる。

一方、日本はどうかというとスイスの有力ビジネススクールIMDが15日発表した2022年世界競争力ランキングで34位となった。

本当に残念なことだが最近のニュースをみても「ハンコ」「FAX」「フロッピー」等のワードがピックアップされ、順位を3つも下げ過去最低となった日本を競争力を象徴しているようだ。

日本の流通業界に目をやるとさらに残念な気持ちになる。アナログな接客技術は世界に誇るべきほどの水準となっているのだが、デジタル化については進んでいるとは言い難い。

筆者は2018年10月号の巻頭記事「スマホと商売」で4ページにわたって記事を執筆した。米国の大手チェーンストアの7つのキラーアプリを紹介したコンテンツだ。

が、他の記事から異彩を放った内容になっていた。専門家や記者、コンサルタントが書いた内容の多くはスマホを商売に使った現状であり、提供側の内容だったからだ。

さらにストアアプリについては、まったく触れられていなかった。「これが日本の商業界の現実なのか!」と唖然としたものだ。

パンデミック以降、日本と流通大国の差はさらに広がっているように見受けられる。なぜならコロナ禍でスマートフォンを使って買い物する機会が急増し、チェーンストアもそれに応える形でDX化を進めているからだ。

しかし日本では年配客を配慮しすぎているためか、新しい技術を小売に導入しようという機運が乏しいようだ。

 ところで過去3年近く米国に来れなかったことから今後、アメリカ流通視察が急増することが予想される。うっ積していたのが一気に出てくる鬱積需要は間違いなく米国流通視察でも出てくるのだ。

しかし、あいも変わらず売り場を見て回るような研修となる。お客の立場となりストアアプリを使った研修は難しいからだ。

なぜなら講師役のコンサルタントがそもそも日本でスマートフォンに慣れていない上、事前に渡米しストアアプリを使ったリサーチを行わないからだ。

例えばウォルマートでは、店内に入るとGPSによりウォルマート・アプリの画面が自動的にストアモードとなり、その店舗で提供している各種サービスから営業時間などの店舗情報、リアルタイム混雑状況、店内にある商品のプライスチェッカー機能が使える。

ストアモードにある店内マップではマップ上で商品検索が可能となる。利用者が商品名やカテゴリーを検索窓に入力することで店内の在庫場所をマップ上で示す。

マップにはカスタマーサービスやトイレなども表示され、5,000坪以上のスーパーセンターでもスタッフに場所を聞く手間はなくなる。

ストアマップはショッピングリストと紐付けされており、リスト化された商品が通路番号とともにストアマップ上で示される、スマートリスト化も実現している。

ストアアプリに慣れていない流通コンサルタントにはこういった解説は不可能だ。

さらにチェーンストア最大手が成長の軸とするサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」にも触れることもない。

モバイルを使った買い物にはプリセール(Presale)、ポイント・オブ・セール(Point of sale)、ポスト・セール(Post-sale)と大きく3つに分けたカスタマージャーニー(CJ)のフェーズがある。

それぞれのCJフェーズにはタッチポイントでもあるカスタマー・エクスペリエンス(CX)が提供され、クローズド・ループの広告媒体にもなっているのだ。

タッチポイントにある広告から、ウォルマートではBtoCとは別にBtoBの新たな収益をあげている。ウォルマートは2021年1月、広告事業規模を10倍以上に膨らませ国内の大手広告代理店の上位10社に食い込むことを目標と明かした。

実際、ウォルマートの広告事業部「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」の売上はすでに21億ドル(2,800億円)にも達しているのだ。

 米国研修では、森にある木や枝葉、その意味、さらにその森が将来どのように変化していくのかまで見ていかなければ流通DXの視察にはならない。

いまや枝葉は、売り場や商品、見せ方にとどまらないことも強調しておきたい。

トップ画像:ターゲットのセルフレジでアプリを使い、サークルオファー等で買い物する視察参加者。  続きを読む
2022年07月28日

【フラッシュフード】、インフレで食品ロス対策アプリが急拡大!パリピは給料ギリギリ?

220728フラッシュフードゾーン
■労働省が今月13日に発表した先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.1%の上昇と市場予想(8.8%)を上回り1981年11月以来の大幅な伸びとなった。

ガソリン価格は1年前に比べて59.9%も上昇し、食品全体も10.4%の増加、家庭での食事となると12.2%の増加となって市民の暮らしを圧迫している。

格付け機関のムーディーズの調査によると前年に比較して1ヶ月あたり平均で1世帯で493ドル(約69,000円)も多く生活費を支払っているのだ。

例えば卵の価格は33.1%上昇、バターは21.3%、牛乳は16.4%、鶏肉は18.6%、コーヒーは15.8%も増加している。

金融関連のニュースを扱うペイメンツ・コム(PYMNT.com)が5月に3,700人を対象に行った調査では、米国人の58%が給料ギリギリで生活をしていると明らかにした。

そのうち77%は過去3年、生活費等の支払いで厳しい状況を体験したと回答している。米国の記録的な物価高が多くの世帯の家計に打撃を与えていることは明らかなのだ。

こうしたなか、スーパーマーケットチェーンでは、販売期限が迫っている生鮮品などを値引きし販売するアプリ「フラッシュフード(Flashfood)」を拡大している。

消費者にとってフラッシュフード・アプリを使うことで、近所のスーパーで売れ残った生鮮品や賞味期限の近い食品を半額で安く購入できるのだ。

ペンシルバニアを中心に5州にスーパーやコンビニを展開するジャイアント・イーグルは26日、フラッシュフードの対象店を170店以上に広げることを発表した。

ジャイアント・イーグルとマーケット・ディストリクト全店にてSDGs(持続可能な開発目標)のアプリが使えるようになる。

なお同社は2021年からフラッシュフードと提携し、34店舗から開始した。廃棄となるはずだった34万ポンド(約200トン)の食品を流通させることで16万食が提供できたとしている。

 フラッシュフードの利用の仕方はスマートフォンに無料となるフラッシュフード・アプリをダウンロードする。利用者はフラッシュフードを起動しマップを開く。

現在地近くのマップからフラッシュフードを協賛する最寄りのスーパーマーケットを選択する。

なおマップ上ではホワイトにグリーンのショッピングカートが賞味期限切れ間近の食品を掲載中の店舗となり、店舗をタップするとグリーンに白抜きのショッピングカートのマークに反転する。

グレーで白抜きのショッピングカートのマークの店舗は、該当する食品がない(賞味期限切れのない)状態を示すのだ。

マップ下に映し出された商品を上にスクロールすると商品リストが表示される。青果物や精肉、シーフード、デリ、ベーカリーなどが正価の値段が二重線で示し、50%オフの価格が提示されていることを確認できる。

ペットフードの缶詰など、比較的賞味期限に余裕のあるものなどもリストアップされることもある。こまめにチェックすることでペットの食費も大幅に節約できることになるのだ。

購入したい商品を見つけて、タップすると商品ページに切り替わる。希望の数量を選択して画面下部分にある「カートに載せる(Add to Cart)」をタップしてショッピングカートに追加する。

買い物を続けた後に「決済(Checkout)」ボタンをタップ。クレジットカードなどの支払い情報を入力して(事前のクレカ登録も可能)、注文品と価格の注文内容を確認して問題がなければ画面下にある「購入(Purchase)」をタップし支払いを完了するのだ。

最終確認の直前には、購入先の店舗(住所)に間違いがないかの念を押すリマインダーがポップアップ表示される仕組みとなっている。

なお賞味期限切れ商品の購入は店舗ごとになっており、いくつかの店舗をまたいだ購入はできないようになっている。

複数の店舗で購入する場合は店舗ごとに注文していく必要がある。支払い後は、カスタマーサービス近くにある専用コーナー「フラッシュフード・ゾーン(Flashfood Zone)」の冷蔵庫や棚から注文品を受け取ることになる。

利用者の友人・知人などが紹介コードを使ってフラッシュフードで買い物するとお互いにクレジットを得る紹介キャンペーンも行っているのだ。

フラッシュフード・アプリはミシガン州を中心に中西部6州にスーパーセンターなど262店を展開するマイヤーやアホールド・デレーズ傘下でマサチューセッツ州など5州に400店以上を展開するストップ&ショップも導入し拡大している。

トップスフレンドリーマーケットやカナダのロブロウなど北米では1,210店の食品スーパーがフラッシュフード・アプリを協賛している。

フラッシュフードによると、これまで4.000万ポンド(約1.8万トン)におよぶ食品廃棄を削減でき、1億ドル(約139億円)以上の節約をもたらしたとしている。

フラッシュフード利用者は1ヶ月あたり平均で96ドル(約1.3万円)節約できているとも報じているのだ。

 景気後退リスクも高まっていることもあり、フラッシュフードを採用する食品スーパーがさらに増えてくるのだ。

トップ画像:提携した食品スーパーに配置されたフラッシュフード・ゾーンの冷蔵庫。アプリ上で売れ残り品を購入し、自分で開けて商品を取る。カスタマーサービスで確認してもらうのだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:03Comments(0)アプリ
2022年07月27日

【ベストバイ】、アップルストアより小型なDX店を家電量販店チェーン最大手がオープン!

220727ベストバイ@モンローNC
■筆者が学生だった1980年代、近所に「サービス・マーチャンダイズ(Service Merchandise)」というチェーンストアがあった。

家電や玩具、スポーツ用品、ジュエリーまで扱うサービス・マーチャンダイズの販売方法は売り場にカタログ本と商品の見本のみで在庫がなく、いわゆるカタログ・ショールーム形式となっていた。

購入したいものがあればショールームにあるカーボン紙に注文品や商品番号を記入し、それをスタッフがコンピューター端末に入力する。ショールームなので購入した後に商品をバックルームから持ってきてもらうのだ。

筆者の近くにあったサービス・マーチャンダイズは売り場中央に2階から伸びるローラーコンベアがあり、バックルームとなっていた上階から商品が滑って降りてきていたことを覚えている。

売り手からすれば万引きの防止になる反面、買い手にとっては記入という煩わしい手間があった。

それによりウォルマートやベッドバス&ビヨンドなどセルフサービスのディスカウンターにおされシェアを縮小。最終的には破綻・精算に追い込まれたのだ。

デジタル・トランスフォーメーション化したショールーム形式のお店を家電量販店チェーン最大手のベストバイがテストする。

ベストバイは26日、ノースカロライナ州モンロー地区に5,000平方フィート(約140坪)の小型店をオープンした。

ベストバイで最大級となる40,000平方フィート(約1,120坪)の13%程度の新コンセプトは商品アイテムはかなり絞られる。

大型テレビやホームシアターやオーディオ、コンピューター、フィットネス器具、スマートフォン、カメラ、ヘッドフォン、ウェアラブルなどが並ぶ一方、冷蔵庫や食洗機など大型白物は扱わないのだ。

それぞれのカテゴリーは売れ筋や人気商品で括られたキュレーションで売り場には基本的に在庫を置かない。6,000平方フィート(170坪)〜8,500平方フィート(240坪)となるアップルストアよりも狭い売り場は、デモ用の商品のみでショールームとなっている。

購入するにはベストバイのストアアプリの「ジャスト・スキャン・イット(Just Scan It)」機能でプライスカードにあるQRコードを読み込む。

スタッフがバックルームから商品を持ってくるので、レジもしくはアプリ上で決済し購入する。ス

マートフォン・ケーブルやスマホケース、コードなど一部のアクセサリー類は在庫が置かれており、アプリ上で決済するモバイル・チェックアウトでグラブ&ゴーとなっている。

アップルストアのジーニアスバーのようにコンサルテーションとしてギークスクワッド・スタッフが常駐する。ベストバイのストアアプリを介しても商品について質問などができる。

ベストバイの最新店はネットで注文した商品を店内で受け取るボピスとなっているが、受け取りオプションとして営業時間外でも受け取れるよう屋外に専用ロッカーもあるという。

また入り口には商品案内等に7フィート(2メートル)サイズの縦型スクリーンも置かれるのだ。

 最新店とは別にベストバイはオープンボックス商品などを手がけるアウトレット店を拡大していくことを明かしている。

ベストバイのアウトレット店は返品された製品を検品しメーカー保証を付けたオープンボックス商品や在庫処分となるクリアランス品、保守終了・サポート終了製品を集めて大幅に値引きする店舗だ。

白物家電やテレビなどが中心だが、コンピューターやゲーム、モバイルなども品揃えに加えて2023年度中に15店舗をオープンする計画。

なおベストバイはオムニチャネル化をすすめることでここ数年、店舗数を大幅に削減している。

ベストバイは1月、社内広告代理店を立ち上げたことを発表した。広告部門を刷新したり、広告代理店をローンチしているウォルマートやアルバートソンズ等の大手チェーンストアと同じ軌跡を歩む。

ベストバイによるとお店の売り場やアプリ等、顧客との情報接点が年間に30億回もあり、ベストバイ店内でもアプリ利用が72%も増えている。

ベンダーに対する広告代理店の役割で新たな成長をもたらすとしているのだ。

トップ画像:ベストバイが公開した最新店の予想図。屋外にロッカーが見える。店内はアップルストアのようだ。  続きを読む
Posted by usretail at 01:07Comments(0)家電専門店
2022年07月26日

【レジなし】、ニッサン・スタジアムにもアマゾンと競業するジッピンの決済システム!

220726ジッピン@MKT00
■アマゾンのレジなし技術「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」がアマゾンの食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」などを中心に拡大されているが、スポーツ観戦のスタジアムには別のレジなし売店がオープンしている。

スタートアップのジッピン(Zippin)が開発したシステムもアマゾンゴーと同様に人工知能(AI)やコンピューターヴィジョンを駆使することで、レジでの精算なしで商品を買うことができる革新的な決済システムなのだ。

お客は商品を手にとって出ていくだけで、代金は自動的に口座に請求される仕組みとなる。レジ不要でレジ待ちの時間がなくなり、スポーツ観戦中でもストレスフリーで買い物ができる。コロナ対策が緩やかになっているもののコンタクトレスへのニーズもあり徐々に拡大している。

 ジッピンの無人決済システムの売店が導入されるのはテネシー州ナッシュビルにある多目的スタジアム「ニッサン・スタジアム(Nissan Stadium)」だ。

ニッサン・スタジアムはナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のテンシータイタンズの本拠地であり、サッカーなどのスポーツ観戦からカントリー・ミュージックのコンサートまで利用される。

収容人数7万弱のスタジアムにジッピンと提携した売店が5ヶ所オープンするのだ。

ジッピンはとくにスタジアムやアリーナなどへの導入を進めており、カリフォルニア州サクラメント地区にある「ゴールデン1センター(Golden 1 Center)」とコロラド州デンバーの「エンパワー・フィールド・アット・マイル・ハイ(Empower Field at Mile High)」の2つスタジアムが有名だろう。

スタジアム等で飲食販売を手掛けるフード業者のアラマーク(Aramark)がジッピンのシステムを導入し2019年9月にNBAサクラメント・キングスの本拠地にレジなし売店「ジッピン(Zippin)」をオープンし、続いてNFLデンバー・ブロンコスの本拠地スタジアムにチェックアウトフリー「ドリンクMKT(Drink MKT)」店を2020年、設置した経緯がある。

コーラなどの飲み物が入った冷蔵リーチイン・シェーケースが並べれたジッピンではスナック類の他、ピザやポップコーンなどのホットフードも販売している。

ジッピンやドリンクMKTでは入り口にあるゲートでクレジットカードを挿入するか、予めダウンロードしクレカなどの登録しておいた専用アプリのQRコードをスキャンしゲートを開けて店内に入ることになる。

レジなしコンビニエンスストアのアマゾンゴーと同様、レジなし売店でもリーチイン・クーラーや商品棚からお客が商品を取ると天井に設置されたカメラや商品棚にある重量センサーでリアルタイムに買い物行動を認識するのだ。

コンピュータービジョンにより手にとった商品は自動的にお客の「ヴァーチャル・カート」に入ることになる。お客が商品を棚などに戻した場合、このカートから商品が削除される。

お客がゲートをでると持ち出した商品の代金が自動的にクレジットカード(もしくはアプリに登録されているクレカ)に課金されるのだ。

ジッピンによると平均滞在時間は45秒で最短では10秒で買い物が終わる。買い物時間が飛躍的に短くなったことでジッピンやドリンクMKTでは通常の売店に比べて飲み物の売上高が30%増加したという。

なおビールなどのアルコール販売は常駐スタッフによるID確認があるため時間が若干長くなるようだ。

 ジッピンと提携しているレジなし売店はテキサス州サンアントニオにあるアリーナ「AT&Tセンター(AT&T Center)」やテキサス州ヒューストンにある開閉式スタジアム「NRGスタジアム」、ニューヨーク市ブルックリンの屋内競技場で多目的ホール」バークレイズ・センター(Barclays Center)」にもある。

ジッピンは今年4月、レジなしで買い物した利用者数が50万人に上ったことを発表した。

 競業するジャスト・ウォークアウトもスタジアムやアリーナへの導入が進められており、スポーツ観戦はレジなしが定着するようだ。

トップ画像:レジなしとなる、ジッピンのドリンクMKTのゲート。  続きを読む
Posted by usretail at 01:23Comments(1)イノベーション
2022年07月25日

【ウォルマート】、チェーンストア最大手の店舗数が直近でも減少!誰も報じてはいない?

220725ウォルマート
■チェーンストア最大手のウォルマートでは店舗数が3年連続して減少しているが、今期もその傾向が顕著となっている。

サムズクラブを除いた、スーパーセンターやネイバーフッドマーケットなどウォルマートUSの2019年1月期の店舗数は4,769店だった。翌年には4,756店となり前年から13店舗も減少した。

1962年の創業から店舗数が減少したことはウォルマートに歴史にとって初の事例となったのだ。しかし2021年1月期には4,743店舗となりさらに13店舗も店舗数を減らした。

年次報告書の10Kを確認すると今年の1月期には4,742店と1店舗のみの減少となっている。

業態別ではスーパーセンターが前年の3,570店から3店舗増えて3,573店となった。ディスカウントストアは前年から4店舗減少し370店となったのだ。ネイバーフッドマーケットは前年から横ばいとなる799店舗だ。

ところがロケーション・ファクト(Location Facts)で2022年1月31日のネイバーフッドマーケット店舗数を確認すると、799店ではなく683店となっていた。

これには他にコンビニエンスストアが8店舗、小型フォーマットが105店舗、そしてピックアップ・ロケーションが3ヶ所となり、これらを合わせると799店になるのがわかる。

ピックアップ・ロケーションと記述されていることで、売り場のないダークストアの可能性がある。つまり横ばいとなっているネイバーフッドマーケットは実質的に売り場を減らしていることになるのだ。

さらに4月30日現在のロケーションファクトではスーパーセンターが前期から2店舗減少し3,571店となっている。

ネイバーフッドマーケットは1店舗減らして682店舗だ。ディスカウントストアも2店舗減少し368店舗となっている。

コンビニエンスストアと小型フォーマットはそれぞれ8店舗、105店舗と横ばいだ。ただしピックアップ拠点は3ヶ所から1ヶ所と減らしている。

つまり4,742店だった前期から7店舗減少し4,735店となっているのだ。

地元メディアなどが報じた閉鎖された店舗には4月、ケンタッキー州ルイスビルにあるウォルマート・スーパーセンター(7100 Raggard Rd, Louisville, KY 40216)がある。2008年3月にオープンし300人ほど働いていた比較的新しい店舗は不採算店を理由に閉鎖されたのだ。

同じ日にはオハイオ州シンシナティ地区にある「コブルウッド・プラザ・ショッピングセンター(Cobblewood Plaza Shopping Center)」のスーパーセンター(1143 Smiley Ave, Cincinnati, OH 45240)が閉店となった。

ワシントン州シアトル郊外のベルビュー地区にあるウォルマート・ディスカウントストア(12620 SE 41st Pl, Bellevue, WA 98006)も閉鎖となったのだ。

この店舗は昨年6月にオープンしたアマゾンの食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」と同じ「ファクトリア・モール(Factoria Mall)」内にある。しかも10年前にオープンした比較的新しい店舗なのだ。

4月30日時点のロケーションファクトに含まれているかどうかはわからないものの、コネチカット州ギルフォード地区にあるディスカウトストア(900 Boston Post Rd, Guilford, CT 06437)が5月20日、不採算店を理由に閉店となった。

シンシナティでも5月20日、ディスカウントストア(6594 Mayfield Rd, Mayfield Heights, OH 44124)の閉鎖となったのだ。

一方、今年度中にウォルマートが新規にスーパーセンター等を出店するという情報は聞こえてこない。

店を閉めれば売上が下がるというのが、これまでのチェーンストアの考え方だった。ネットスーパーなどEコマースが売上の10%以上となり未だに成長していることで売り場を作らずとも売上高を増加させることが可能となっている。

ウォルマートは3年連続して店舗数が減少しているものの、ウォルマートUS直近の既存店・売上高前年比は6.4%の増加となり、連続して成長しているのだ。

 興味深いのはウォルマート・アプリの更新頻度だ。ウォルマートのストアアプリは2月だけでも6回もアップデートされた。3月は9回も更新され4月も7回のアップデートとなっている。

5月と6月はそれぞれ6回アップデートされ、7月は24日時点で5回の更新となっている。買い物に使うアプリをさらに便利にするようウォルマートが積極的に改善していることがわかる。

ウォルマートは今年も店舗を間引くように閉鎖しながらストアアプリの改善を急いでいる。今年度もウォルマートの店舗数は減少することになる。

これまでのチェーンストアの考え方は、そこにはない。  続きを読む
2022年07月24日

【空輸宅配】、ドローンアップのウォルマート・ハブが3ヶ所目!アマゾンはテキサスも?

220724ドローンアップ・ハブ@ウォルマート00
■チェーンストア最大手のウォルマートと提携しドローン宅配を行っているドローンアップ(DroneUp)が19日、新たなハブをオープンしたことを発表した。

ウォルマートは5月、ドローンによる宅配を年末までに34ヶ所に拡大することを発表しており、さらなるハブオープンが期待されている。

実現すればドローンよる空輸対象が400万世帯にも及び、空からの宅配が年間で100万個実現するのだ。

ドローンアップの新たな発着場はアーカンソー州ロジャースのウォルマート・ネイバーフッドマーケット(5000 W Pauline Whitaker Pkwy, Rogers, AR 72758)の敷地内にある。

ウォルマートとドローンアップによる空輸サービス「空輸宅配(Delivery on the fly)」は、本社所在地のアーカンソー州ベントンビルのウォルマート・スーパーセンターにファーミントン地区のウォルマート・ネイバーフッドマーケットで行われており、ロジャースが3ヶ所目となる。

アーカンソー州内以外ではアリゾナ州やフロリダ州、テキサス州、ユタ州、バージニア州にあるスーパーセンターやネイバーフッドマーケットでスケールされるのだ。

注文から最短30分で届くドローン空輸は午前8時〜午後8時まで。対象商品は1万品目に及び最大積載量は10ポンド(約4.5キログラム)となっており「ドローンにフィットし安全に航行できる範囲なら」を目安にしている。

手数料は1回あたり3.99ドル(約540円)だ。

ドローンアップのドローンはフライトオペレーターが必要となり、機体にあるカメラを介してモニタリングしながら操縦する。

そのため移動式の管制塔を店舗敷地内のハブ(空港)に設置するのだが、簡易的な施設でありローンチしやすい特徴がある。

公開されたドローン宅配の動画を見るとウォルマート従業員が店舗内で注文品をパッケージに梱包し、ドローンアップのスタッフに手渡ししている。

パッケージを機体下に装着した後、垂直にテイクオフ。連邦航空局が承認したドローンアップのオペレーターがドローンを操縦しているのがわかる。

機体にあるカメラを介してモニタリングしながらドローンを操作するのだ。

利用者宅では家のドライブウェイ(ガレージ前の道路)もしくはバックヤード(裏庭)の上空でホバリングしながら、ケーブルを下ろして宅配物を届けることになる。

 ウォルマートは2020年、ドローンアップと新型コロナウイルス検査のための自主検体採取キットの宅配をラスベガス北部とニューヨーク州のチークトワガ地区で行った。

数百におよぶテストキットの空輸実績から昨年1月にはコカ・コーラの新商品キャンペーンでドローンを使ったマーケティングプロモーションも行ったのだ。

昨年12月にはウォルマート・ネイバーフッドマーケット・ファーミントン店(367 W Main St, Farmington, AR 72730)の隣に管制塔とハブとなるドローン空港も設置し、市販薬やバンドエイドなどヘルス&ウエルネスの空輸をローンチ。

ウォルマートによると約半年間に及ぶドローン空輸では当初、お薬など緊急的に注文需要を見込んでいたという。しかし蓋を開けてみると空輸ベストセラーとなったのはハンバーガーヘルパーだった。

また電池やゴミ袋、洗濯洗剤、スナック類も人気の空輸商品としてあげた。

 ドローン宅配だけでは利益が見込めないため、自治体や地元工務店やゼネコン、不動産企業などに空撮の販売等も検討している。

コマーシャル・フライト・サービスでは工事の記録や建設の進捗など、日々の施工管理から安全管理、竣工後の点検の維持管理業務に至るまで、宅配以外にドローン空撮を生かせるとしているのだ。

 一方、ドローン宅配では遅れをとっているアマゾンは15日、すでに発表されているカリフォルニア州ロックフォード地区に加えてテキサス州カレッジステーション地区でもプライムエアの実証実験を開始すると発表した。

ロックフォードではすでに数百人がプライムエアの参加にサインアップしているとアマゾンは明かしている。

ウォルマートとアマゾンではラストワンマイルの空輸で大きな差がついているため、ドローン宅配の火付け役となったアマゾンの巻き返しが注目されている。

トップ画像:アーカンソー州ロジャースのウォルマート・ネイバーフッドマーケットにオープンしたドローンアップのハブ。  続きを読む
2022年07月23日

【Amazon Fresh】、2週連続で1日2店舗同時オープン!笑うスチュー・レオナード社長?

220716アマゾン・フレッシュ@プライムデー
■ネット通販最大手のアマゾンは21日、自社開発のスーパーマーケット「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」を2店舗オープンした。

14日はニューヨークでは初となる店舗を出店し、同日にはシカゴ郊外にも出店しており、2週連続で2店舗を出店したことになる。

先週オープンしたのはジョンFケネディ国際空港から近いオーシャンサイド地区とシカゴから北西12マイル(約20キロメートル)にあるノーリッジ地区。

ニューヨーク初のアマゾン・フレッシュは「サウス・ショア・プラザ/オーシャンサイド・プラザ(South Shore Plaza/Oceanside Plaza)」内、シカゴ郊外では9店舗目となるノーリッジ店はステープルズなどが核テナントになる「ノーリッジ・コモンズ(Noridge Commons)」にそれぞれ出店したのだ。

オーシャンサイド店はワルドバームズ・スーパーマーケット跡地(3620 Long Beach Road, Oceanside NY 11572)、ノーリッジ店はKマート跡地(4211 N. Harlem Ave Norridge, IL 60706)となる。

両店とも自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」と有人レジのあるハイブリッド型となっており、これにより36店舗、37店舗目をオープンしたことになる。

アマゾン・フレッシュは21日、ロサンゼルス郊外では16店舗目、ニュージャージー州では初となる店舗をオープンした。

ロサンゼルスの中心地から北西に19マイル(約30キロメートル)あるアマゾン・フレッシュは「エンシノ・マーケットプレイス(Encino Marketplace)」内のラルフス跡地に出店した。

44,000平方フィート(約1,200坪)の広さとなるアマゾン・フレッシュ(16325 Ventura Blvd, Encino CA 91436)もハイブリッド型となる店舗だ。

一方、ニュージャージー州では初となるアマゾン・フレッシュはニューヨーク・マンハッタンから近いパラマス地区となる。

ハイブリッド型アマゾン・フレッシュが出店したのは2020年1月に倒産したニューヨーク老舗スーパーマーケットのフェアウェイ・マーケット(30 E Ridgewood Ave, Paramus, NJ 07652)があった「ファッション・センター・パラマス(Fashion Center Paramus)」内だ。

なおフェアウェイ・マーケット・パラマス店とフェアウェイ・マーケット・ウッドランドパーク店(1510 US-96 Woodland Park NJ 07424)は破産裁判所の監理下で行われていた競売でアマゾンが2020年3月、150万ドルで買収した。

ファッション・センター・パラマスにはベストバイやTJマックス、ベッドバス&ビヨンドに傘下のバイバイベイビーがある。

アマゾン・フレッシュ・パラマス店はマンハッタンのタイムズスクエアから23.3マイル(約37キロメートル)の距離があり、車で約40分だ。

2020年11月にアマゾン・フレッシュの出店が明らかになったフェアウェイ・マーケット・ウッドランド・パーク店跡地(17.1マイル:約27キロメートル)ほどマンハッタンからは近くはない。

アマゾン・フレッシュでは39店舗目となるパラマス店はこれまでにない競合店と戦うことになるのだ。

アマゾン・フレッシュ・パラマス店から1.3マイル(約2キロメートル)という近い距離(車で3〜4分)には2019年オープンしたばかりのスチュー・レオナードがあるのだ。

顧客志向の社訓「ルール1:お客様は常に正しい」「ルール2:もしお客様が正しくないと感じたらルール1に戻れ」で有名なスチュー・レオナードのニュージャージー州1号店。

ショッピングセンターの核テナントとしても初出店となるスチュー・レオナードは8万平方フィート(約2,200坪)で、約400人のスタッフが働く。スチューレオナードには際立った特徴がある。

ワンウェイでコントロールされたフォーマットに子供を楽しませるからくり人形だ。店内を隅々まで歩かせながら、歌ったり踊ったりする人形のエンターテイメント性で、買い物ができるようになっている。

エントランスからアイスクリームショップとコーヒーショップを左手にみながら通過し、スチューレオナード名物のアップル・サイダー・ドーナツを出来立てで提供するドーナツマシーン。

ベーグルを含むベーカリーセクションから青果コーナー、スチューレオナードの前身である酪農店の歴史を伝えるデイリーに、天井から巨大ロブスターが見下ろすシーフードコーナーにスチューレオナードの看板商品のロブスターロールもある。

アジア系の料理も充実しているホット&コールド・デリには客寄せ商品の人気ケトルチップス(釜揚げチップ)が大量に鎮座している。

アイテム数は2,200品目に絞り込んでおり、8割となる商品がその日に店内で加工・生産され「フレッシュ」であることもスチューレオナードの差別化となっている。

なおスチュー・レオナード・パラマス店では正面の入り口とは別にモール側にもエントランスがあり、イートインスペースも設けてある。

スチュー・レオナードはインスタカートなどと提携しカーブサイド・ピックアップや宅配サービスも提供している。

スチュー・レオナードはフレッシュさや売り場での買い物の面白さはアマゾン・フレッシュには脅威だろう。

 残念ながらアマゾン・フレッシュは欠品が多く、自動決済でもエラーの多さが指摘されており、お客からの評判はよくない。

地元ニュース番組にもよく出演するスチューレオナードの名物社長、ステュー・レオナード・ジュニア氏からは若干、バカにされるかもしれない。

トップ画像:プライムデーとなった12日のアマゾン・フレッシュ・セリトス店。1週間後、同じ場所で同じ時間に撮影した画像を以下にあるので見比べてもらいたい。  続きを読む
Posted by usretail at 01:24Comments(0)スーパーマーケット
2022年07月22日

【新学期商戦】、過去最大の昨年をさらに上回る!近い将来には買い物可能な生配信も?

220722新学期商戦00
■アメリカでは9月から新学期となり、大手小売チェーンではすでに文具や衣類などのセールを開始している。

児童を持つ親を対象に1,200人を調査したデロイトによると、今年の新学期商戦の売上高は5.8%蔵となる344億ドルと過去最高を記録する見通しだ。

40年ぶりとなるインフレの影響でアパレルや文具品が値上がりしていることに加え、新型コロナウイルス対策の緩和で対面授業を再開する学校が増えていることが背景にある。

3世帯に1世帯の割合で家計が昨年より悪化していると回答しているものの児童一人当たりの平均支出額は8%増となる661ドルとなり、パンデミック前に比較して27%の増加となる。

マスターカード・スペンディングパルスが先日発表したデータでも新学期商戦は好調となり、前年比で7.5%の増加を予想する。客足が回復することでデパートメントストアなどの売上が増えると見越しているのだ。

全米小売業協会(NRF)でも新学期商戦の売上が過去最大となった昨年を若干、上回ると予想している。

幼稚園児から高校生までの子を持つ世帯(K12)とバック・ツー・カレッジ(BTC)となる大学生の子をもつ世帯をあわせた新学期商戦期では今年、売上高が1,108億ドル(約15.3兆円)となり、前年の1,081億ドル(14.9兆円)より2.5%増加する。

1世帯当たりのK12の平均支出額は864ドル(11.9万円)となり前年より15ドル増加する。一方、BTCの世帯では記録となった昨年1,200ドル(16.5万円)からわずか1ドル減少するのみ。

子宝という言葉のウラにはアメリカでは宝の維持費も相当かかるという側面もあるのだ。インフレでガソリン価格や食費も上昇している中、子供がいるとさらに家計を大きく圧迫することになる。

ただ大手チェーンストアでは家計に悩む親に向けて値引きで応援する施策も出している。

例えばスーパーマーケットチェーン最大手で2,700店以上を展開するクローガーでは学年別に必要な文具をクリック1回でセット購入できる「ワンクリック・スクールサプライ・キット(One-Click School Supply Kit)」を展開している。

最寄りの傘下のスーパー等でカーブサイド・ピックアップしたり宅配サービスをつかったり、郵送等も利用可能だ。

ターゲットではアプリ等にあるクーポン機能「サークルオファー(Circle Offers)」を利用した値引き販売もある。

アパートで一人暮らしや学生寮でルームメイトとシェアする大学生には家具販売で最大20%のディスカウントも行っているのだ。ターゲットでは昨年は最大15%だったが今年は20%に値引き幅を拡大したのだ。

すでにロールバックで大幅な値引き販売を開始しているチェーンストア最大手のウォルマートでは特に必需品となる100品目に絞り、1ドル以下に価格を下げている。

ウォルマートは昨年からツィーンブランドの「ジャスティス(Justtice)」と提携し、実店舗やオンラインで販売しているが、6歳〜12歳までの女の子に人気のアパレルブランドを大幅に値引きして販売しているのだ。

12歳以下の女の子の御用達ブランドとして定番となるジャスティスを新学期商戦の目玉にもってくることでウォルマートはオンラインでもリアルでも少女らのディスティネーションストアとなる。

ところでウォルマートは先月、同社のストアアプリに拡張現実を使った新たな機能を加えることを発表した。この機能はスマホの画面で家具を試し置きできるシミュレーションARだ。

拡張現実を使いスマホの画面上で家具を試し置きできることになる。寮やアパートで新たな生活を始める大学生は机やテーブルなどの家具も揃えることになる。

ウォルマートはARでアプリにインテリアを試着する機能を加えることで、買い物の利便性を向上させているのだ。

300アイテムから開始された「ビュー・イン・ユア・スペース(View in Your Space)」では、商品ページにあるボタンをタップするとカメラ機能となる。家具を設置したい場所にカメラを向ければ実寸大で家具が現れ、設置イメージを3Dでシミュレーションできる。

映像を画像として残せるほか、家具のカラーも選択できる場合は部屋の雰囲気とコーディネート確認できるのだ。部屋づくりでインテリア選びを失敗せず、返品の手間をなくすことにもなる。

ウォルマートでは他のシミュレーションARを引き合いにだし、同機能が「極めてリアル」と強調していたことで自信のほども伺える。

 新学期商戦に向けてローンチが期待されている新たなマーケティング手法もある。ショッパブル・ライブストリーミングだ。若い世代に向け人気のインフルエンサーを起用した、ワンクリックで買い物ができるSNSライブ。

「買い物可能な生配信」を若いクリエーターらと提携して開催すれば、新学期商戦で新たなマーケティングトレンドになりうる。

ウォルマートは年末商戦でこれを行っており新学期商戦でも大手チェーンストアが開始してもおかしくない。SNSを利用したマーケティングも世代が変わることでイノベーションとなるのだ。  続きを読む
2022年07月21日

【ベッドバス&ビヨンド】、危機的状況!「人のふり見て我がふり直せ」も歪んで見える?

220721ベッドバス&ビヨンド
■米労働省が13日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.1%の上昇と市場予想(8.8%)を上回り1981年11月以来の大幅な伸びとなった。

ガソリン価格は1年前に比べて59.9%も上昇し、食品全体も10.4%の増加、家庭での食事となると12.2%の増加となって市民の暮らしを圧迫している。

格付け機関のムーディーズの調査によると前年に比較して1ヶ月あたり平均で1世帯で493ドル(約68,000円)も多く生活費を支払っているのだ。

全米平均家賃も1年前に比べて25.5%も上昇し、1ベッドルームの平均家賃も1,700ドル(約23万円)以上にもなっているのだ。

直近ではガソリン価格が2ヶ月ぶりとなる水準に価格を戻しているものの早ければ8月には1ガロン(4.7リットル)当たり4.50ドル(約620円)を超えると見られている。

インフレが所得を目減りさせ、買い物行動を変化させているのだ。

40年ぶりという物価高で危機的な状況に陥っているチェーンストアがある。皮肉にも一時期はチェーンストアの鑑として小売業界のお手本にされたお店だ。

最盛期には40%以上の粗利を維持したホームファーニッシング最大手チェーンのベッドバス&ビヨンドがシアーズのような状態に陥っている。

ベッドバス&ビヨンドの株価は2013年12月に80ドルをつけた。戦略の失敗で株価は落ち続け、先月末には5ドルを切ってしまったのだ。

競合がEコマースへの投資を強める中、ベッドバス&ビヨンドは成長の踊り場にあった10年前、オンライン投資はほとんどおこなわず店舗数を拡大していった。

同時にリーマン・ショック後から定番化した20%オフ・クーポンが中毒のようになり、徐々に利益を圧迫していったのだ。

ネット通販最大手のアマゾンがリネン(寝具)からキッチン・バス関係まで猛威をふるうようになり、1,500店まで拡大した店への集客が落ちていった。

1992年に入社し2003年にCEOに就いた、叩き上げのスティーブ・テマレス氏(Steven Temares)が2019年5月、業績低迷の責任をとってCEO職を辞任した。

当時ターゲットの役員だったマーク・トリットン氏が同年11月にCEOを引き継いで改革を始めたのだ。

その直後にコロナウイルス感染拡大となり、翌年3月には非常事態宣言に外出禁止令で、全店が一時的に閉鎖されたのだ。

トリットン氏はお客が戻らない中でも3ヶ年におよぶ改革を続け、ブランドの売却や店舗閉鎖で1,000店以下にまで店数を減らした。

同時にEコマースへの投資を積極的に推し進め、ストアアプリも発表した。店舗数の最適化を模索しながら店舗改装も進め、以前よりすっきりした店内環境にアップデートしていった。

コロナも落ち着き始めて起きたのがサプライチェーン問題だ。店に商品が届かないことで欠品が相次ぎ、売上を大きく落とし同時に客離れを加速させた。

室内装飾や収納、キッチン&ダイニングなど1,200アイテム以上に及ぶ戦略的ブランド「シンプリー・エッセンシャル(Simply Essential)」を発表し、女子大生など若い女性向けのリネンや室内装飾、家具のブランド「ワイルド・セージ(Wild Sage)」を発表し次々にプライベートブランドをローンチした。

サプライチェーンにより肝心の商品が店にないのだ。これにより昨年の12月〜2月期の第4四半期決算では既存店・売上高前年同期比がマイナス12%と二桁の減少となった。ベッドバス&ビヨンド史上、最大の既存店減となったのだ。

サプライチェーン問題が片付かないうちに人々の生活に負の影響を与えたのが前述したインフレだ。食費やガソリン価格の高騰で、ベッドバス&ビヨンドにますますお客がいなくなった。

第1四半期(3月〜5月期)決算では、減収に赤字幅の拡大、既存店ベースも大幅に減少した。売上高は前年同期比25%の減少となる14.6億ドルだった。

最終赤字は3.58億ドルとなり前年同期の5,100万ドルの赤字から7倍以上に赤字が膨れ上がった。インフレによる消費需要の低迷に加えて、サプライチェーン問題で営業コストの増大が利益を圧迫した。

粗利益率は23.9%となり前年同期の32.4%から8.5ポイントも落ち込んだ。粗利益率で最低を記録したのはリストラや在庫処分を行った2019年の第2四半期とコロナが急拡大した2020年の第1四半期で、それぞれ26.7%だった。

23.9%の粗利益率は過去最低の数値より、さらに2.8ポイントも低いことになる。

一般販売管理費は前年同期の33.7%から43.6%と10ポイントも増加した。

既存店・売上高前年同期比は23.0%の減少。既存店ベースは前期の12%減少から大幅に落ち込んだだけでなく、過去最悪となる記録となった。

100年に一度と言われたリーマン・ショック時でもベッドバス&ビヨンドの既存店ベースは5.6%の減少にすぎなかった。いかに客離れが進んでいるかがわかるだろう。

Eコマース売上も前年同期比で21%の大幅減となっている。株価が5ドルを下回った直後、トリットン氏が責任をとりCEOを辞任した。

 パーフェクトストームでインフレが進む中、ベッドバス&ビヨンドは危機的な状況にある。客離れが進むことで経営破綻もささやかれており、取るべき再建策もなくなりつつある。

アメリカ経済が景気後退に突入すれば超優良小売企業だったベッドバス&ビヨンドは本当にやばい状況となるのだ。  続きを読む
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2022年07月20日

【メイシーズ】、全店にトイザらスの売り場を導入!顧客層からマゴザらス仕様の売り場?

220720トイザらス@メイシーズ00
■老舗デパートメントストアのメイシーズは18日、トイザらスを全店にショップ・イン・ショップで導入することを発表した。

メイシーズは昨年8月からトイザらスをもつブランド管理会社WHPグローバルと提携しており、繁忙期となる年末商戦に向けて玩具販売で集客を目指す。

10月15日までに全店に展開されるトイザらス売り場の広さは1,000平方フィート(約30坪)〜10,000平方フィート(約300坪)。

年末商戦ではさらに500平方フィート(約14坪)〜3,000平方フィート(約84坪)を追加拡大して商品数も広げていく。

売り場が特に大型となるのはアトランタ、シカゴ、ホノルル、ヒューストン、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコで、トイザらスの旗艦店となる。

売り場はかつてのトイザらスを彷彿とさせカラフルな什器の他、おもちゃを手にとって遊べるようデモンストレーション用のテーブルも設置され、トイザらスのマスコットでキリンのジェフリーと一緒に撮影できるベンチも置かれる。

10月19日からは9日間のスペシャルイベントを催し、家族向けの催事にバービーやレゴ等のブランドからは無料進呈も行うという。

 1948年創業のトイザらスは2017年9月に経営破綻。2018年3月にはアメリカ国内事業の清算に向け連邦破産裁判所に承認を申請した。トイザらスは当時、事業継続を断念しベビーザラスを含む国内の全735店を閉鎖したのだ。

翌年にはトイザらスの元役員が新設したブランド管理会社のツルーキッズ(TRU Kids)が商標権を買収。

ツルーキッズはIoTのショールームを展開するベータ(B8ta)とソフトウェア企業のリテールネクスト(RetailNext)と提携しトイザらスを同年末に2店舗オープン。

ベータのビジネスモデルを採用した新生トイザらスはニュージャージー州パラマス地区にあるウエストフィールド・ガーデン・ステート・プラザSCとテキサス州ヒューストン近郊にあるギャラリアSCで再スタートをきるもコロナの影響により昨年1月には閉鎖に追い込まれた。

ツルーキッズからトイザらスの商標権を受け継いだWHPグローバルが、オンラインストアで引き継ぎで運営を続けており、昨年8月に同社と提携したメイシーズはオンラインサイトにトイザらスの専用ページを設け販売を行っている。

  トイザらスに限らずモールから撤退したチェーンが大手チェーンストアと手を組み、パラサイト出店する事例は他にもある。

ターゲットは昨年夏、ウォルト・ディズニーと提携したミニ・ディズニーストアを160ヶ所新たに追加導入した。

両社が提携を発表した2019年にターゲットはショップ・イン・ショップ「ディズニーストア・アット・ターゲット(Disney store at Target)」を25ヶ所にオープンしている。

一方のウォルト・ディズニーは昨年3月、年内中に北米に展開するディズニーストア60店を閉鎖することを発表。ディズニーストアは当時、世界に約300店あり店舗スクラップにより2割にあたる店舗を閉鎖したのだ。

コロナ禍で客数減に悩むモールでの展開では、ディズニーストアのような有名ブランドも先行きが暗いとの判断による閉鎖だった。

単体でも集客力のあるターゲットにパラサイトのように店舗内店舗として出店することで成長を維持する戦略をとった。

ターゲットにとってもブランド力のあるディズニーを店内に展開することで売り場の付加価値となり、集客の助けとなる。

なおターゲットは飲食テナントにスターバックスを導入し、薬局部門をCVSに売却し、アルタビューティと提携したショップ・イン・ショップも展開している。

 店舗内店舗といかないまでも衰退したチェーンのブランドを販売するのがウォルマートだ。

ウォルマートは昨年7月、ツィーンブランドの「ジャスティス(Justtice)」と提携を開始し、実店舗やオンラインで販売している。ジャスティスは6歳〜12歳までの女の子に人気のアパレルブランド。

ジャスティスは2020年7月に倒産した、婦人服チェーンの「アン・テイラー」やプラスサイズの「レーン・ブライアント」などを傘下にするアシナ・リテール・グループのブランドだった。

「リミテッド・ツー(Limited Too)」の店名で展開していたジャスティスは2009年にアシナ・リテール・グループに買収された。

ジャスティスは2016年、北米のモールを中心に1,000店以上も展開していた人気ブランドチェーンだったのだ。

親会社の業績の悪化にともない順次、店舗を閉鎖していき、破綻により昨年末には全ての店舗をスクラップ。ジャスティス・ブランドは2020年12月に、ナインウエスト(Nine West Holdings)から改名されたプレミア・ブランド・グループ(Premier Brands Group)に売却されたのだ。

ウォルマートはジャスティス・ブランドのアパレルやアクセサリー類140アイテム以上をウォルマート・コムやウォルマート・スーパーセンター等、2,400店で販売している。

ウォルマートは昨年6月からカジュアル小売チェーン大手のギャップ(GAP)と提携したホームデコレーションやインテリア雑貨等のホームブランドの専売も行い、商品アイテムも拡大している。  続きを読む
2022年07月19日

【クローガー】、ゴーストキッチン再び!相性の良い店舗となる成功の方程式を見つけた?

220719キッチン・ユナイテッド・ミックス@クローガーダラス00
■スーパーマーケット最大手チェーンのクローガーは14日、テキサス州ダラス市内のクローガーの店舗内にゴースト・キッチンをオープンした。

クローガー傘下でカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)近くにあるラルフスでもゴーストキッチン導入で来店者数を増やしており、ダラスの学生街にあるクローガーでも多くの集客を目指す。

「ゴーストレストラン」「クラウドキッチン」「クラウドレストラン」「バーチャルレストラン」等とも呼ばれているゴーストキッチンはイートインスペースを持たずデリバリーやテイクアウトに特化したシェア型厨房のことだ。

一つのキッチンでピザや寿司、中華にサンドイッチなど複数のレストランブランドのメニューを調理するのが特徴だ。レストランブランドにとっては新たな店舗を設けることなくコストを抑えながら認知度を拡大し営業範囲を広げることができる。

ゴースト・キッチンのスタッフはレジ注文等の接客を気にせず、調理に集中できるのだ。通常の飲食店より早くオープンでき、はるかに安価に運営できる。

コロナの影響で非接触の出前やツーゴー需要が急増したことで、ゴースト・キッチンが飲食業界のトレンドとなっている。家族など利用者にとってもそれぞれが別々のメニューを注文できるため、メリットも大きい。

国内に2,700店以上のスーパーマーケットを展開するクローガーと提携しているのはゴースト・キッチのスタートアップ「キッチン・ユナイテッド(Kitchen United)」だ。

クローガーはキッチン・ユナイテッドと提携し今年1月、UCLA近くのラルフスに1ヶ所目となるゴースト・キッチンをオープン。翌月にはテキサス州ヒューストン地区のクローガーに2ヶ所目となるゴースト・キッチンをオープンした。

3ヶ所目となるゴースト・キッチンはダラス市内の南メゾシスト大学(Southern Methodist University)近くのクローガー内だ。

1万人以上が通う大学近くにあることでUCLAほどではないがランチ時などデリバリーやテイクアウトで忙しくなりそうだ。

この店にあるキッチン・ユナイテッド・ミックスではホットドッグの「ドッグハウス(Dog Haus)」やサンドイッチの「カプリオッティ(Capriotti)」、インド料理の「カレー・アップ・ナウ(Curry Up Now)」、ハンバーガーの「カールスJr(Carls Jr's)」、寿司の「フク(Fuku)」、麺類をメインにしたチャイニーズの「モンキーキング・ヌードルハウス(Monkey King Noodle House)」などを提供。

注文はコンタクトフリーとなるアプリを介したモバイルオーダーに、受付カウンターにあるタブレットから注文する。タブレットからの注文では、常駐するスタッフがアシストできるようにもなっている。

注文を決済すると利用者にショートメッセージで受注確認が配信される。また受け取りカウンターの脇にある縦型LEDディスプレイ(60インチ程度)で注文状況を確認もできるようにもなっている。

モニターには名前にブランド名(店名)、調理中もしくはピックアップ可等のステータス、受け取り予定時間などが表示されており、空港にあるステータスボードのように刻々と変更するのも特徴だ。

調理が済んだ注文品は、複数の厨房を結んだローラコンベヤで、受け取りカウンターまで運ぶようになっている。カウンターではスタッフが注文者名を呼び手渡しするか、横にあるピックアップ用の棚に置かれる。

 実店舗の客足をモニタリングする調査会社のプレイサーai(Placer.ai)が先月15日に発表した調査結果によると、キッチン・ユナイテッドの入ったUCLA近くのラルフスの客数は周辺の店舗に比べて50%も客数が増加した。

ゴーストキッチンをオープンした今年1月、ラルフスの客数は前年同月比で49.1%の増加になった。比較対象となった周辺にあるラルフス4店の客数は同-6.1%〜0.1%とほぼ横ばいになっていた。

翌月もこれらの店舗の客数が横ばいに推移する一方、ゴーストキッチンのあるラルフスは3月の37.3%の増加から5月の50.9%の増加まで4割〜5割の客数増となっていたのだ。

ヒューストン地区にあるゴーストキッチンをもつクローガーでも導入から3ヶ月後となる5月に前年同月比で16.2%の増加となっていた。

 学生街のスーパーにはゴーストキッチンという集客の成功法則をクローガーは得たのかもしれない。  続きを読む
Posted by usretail at 01:04Comments(0)スーパーマーケット
2022年07月18日

【アマゾン】、ニューヨークに注目のスターバックスと食品スーパーがそれぞれオープン!

220718スターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾンゴー
■ネット通販最大手のアマゾンは先週、ニューヨークに自動決済技術の「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」を導入した注目のリアル店舗をオープンした。

ニューヨーク・マンハッタンに12日、オープンしたのは2店舗目となる「スターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾン・ゴー(Starbuck Pickup with Amazon Go)」だ。

ニューヨーク市内で10店舗目となるアマゾンゴーの新店はミッドタウン・ウエストサイドにある52階建てニューヨーク・タイムズ・ビル (The New York Times Building)の1階部分。

2019年9月までディーン&デルーカがあった場所(420 8th Ave New York NY 10018)で、8番街と40丁目のコーナーとなっている。

3,100平方フィート(約87坪)となる店の入り口近くにスターバックス・ピックアップのカウンターがあり、その横にはレジなし決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out」ゲートが設置されている。

ジャスト・ウォークアウトのゲートではアマゾン・アプリのインストア・コードからQRコードを表示させスキャンする。もしくは生体認証の「アマゾン・ワン(Amazon One)」に事前に登録しておけば手のひらをかざすことでゲートが開くのだ。

またゲートでクレジットカードを挿し込むことでもアマゾンにアカウントがなくても入店できるようになっている。

ゲートを通るとサラダやサンドイッチ、スナック類が置かれているアマゾン・ゴーのエリアで、反対側はイートインスペースでテーブルや椅子などがある。

つまり飲み物はスターバックスのアプリを介して注文しながら、食べ物はジャスト・ウォークアウトを通ってアマゾン・アプリでお会計とするのだ。

なおスターバックス・ピックアップは主にアプリでの注文を推奨しているが、その場でもレジ会計が可能。

スターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾン・ゴーが他のアマゾン・ゴーと最も異なる点はゲート内にイートイン・スペースとなるカフェテリアがあることだろう。

イートイン・スペースのあるアマゾン・ゴーの多くはゲートの外にカフェテリアを設置している。スターバックスと提携した店舗ではゲート内にカフェテリアがあることで、注文や決済せずに陳列されていある食品をそのまま食べれるということになる。

カフェテリア内でコーヒーを飲んでいる途中、お腹が空いてきたら焼きたてのパンなどをそのまま手にとって会計なしに即座にありつけるのだ。

アマゾンは昨年11月、ミッドタウンの59丁目沿いでパーク・アベニューとレキシントン・アベニューの間に1号店をオープンした。スターバックスとのコラボを含めアマゾンゴーは現在、27店舗となっている。

 アマゾンは14日、ニューヨークでは初となる自社開発のスーパーマーケット「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」をオープンした。

36店舗目となるアマゾン・フレッシュはジョンFケネディ国際空港から近いオーシャンサイド地区にオープンしたのだ。

アマゾン・フレッシュは「サウス・ショア・プラザ/オーシャンサイド・プラザ(South Shore Plaza/Oceanside Plaza)」内のワルドバームズ・スーパーマーケット跡地(3620 Long Beach Road, Oceanside NY 11572)内にある。

ジョンFケネディ国際空港から車で30分程度(約10マイル:約16キロメートル)となる同ショッピングセンターにはベッドバス&ビヨンドやステープルズ、コールズ、マーシャルズが入店している。

大通りを挟んだ真向かいにはストップ&ショップがあり、ロングビーチロード沿いで車で2分の距離にはトレーダージョーズもある。コストコも5分程度とほど近い。

47,000平方フィート(約1,300坪)となるアマゾン・フレッシュはジャスト・ウォークアウトとフルサービスレジを併せ持つハイブリッド型だ。

アマゾン・フレッシュはニューヨーク1号店以外に南カリフォルニアに15店舗、ワシントン州シアトル周辺に4店舗、イリノイ州シカゴ郊外に8店舗、バージニア州に5店舗、メリーランド州1店舗、ペンシルベニア州1店舗、ワシントンDCに1店舗の合計35店舗を展開。

ハイブリッド型アマゾン・フレッシュはロサンゼルス郊外に7店舗、シカゴ郊外に4店舗、シアトル周辺に2店舗、バージニア州に4店舗、そしてニューヨーク最新店の18店舗となっている。

ハイブリッド型は、昨年11月にオープンした20店目のシカゴ郊外ウエストモント店から連続して出店。

一方、ハイテクのスマートカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」のあるアマゾン・フレッシュは昨年8月にオープンしたメリーランド州チェビー・チェイス店(18店目)以降はオープンしていない。

なおワシントンDCのローガン・サークル店とシアトル市内のキャピトル・ヒル店(アマゾンゴー・グローサリーから店舗名を変更した19店目)のチェックアウトはジャスト・ウォークアウトのみでフルサービスのレジはない。

 ハイブリッド型アマゾン・フレッシュは、売り場へのエントランスゲートが2つある。フルサービスのレジを通って従来どおりの買い物を行う「トラディショナル・ショッピング(Traditional Shoppingu)」用のゲートと「スキャンして入店(Scan to Enter)」と掲げられたジャスト・ウォークアウト用ののゲートだ。

トラディショナル・ショッピング用ゲートではそのまま入店できる一方、ジャスト・ウォークアウト用ゲートではアプリにクレジットカード(デビットカード)、手のひらの3種類で入店する。

アプリはアマゾン・ゴーの入店と同様にアマゾン・アプリから利用者アカウントと紐付いたQRコードを表示させ、スキャンして入店する。カード入店はゲートでカード挿入(もしくはタップ)して入店する。

生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」による入店は、事前にクレジットカードと手のひらを登録しておくことで、入店用QRコードの代わりに手のひらでゲートがオープンするのだ。

ジャスト・ウォークアウトで入店した場合、売り場を出る際も出口ゲートでは入り口ゲートと同じ方式で通ることになる。

なおジャスト・ウォークアウトを導入しているハイブリッド型には他のアマゾン・フレッシュにあるスマートカートの「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」は置いていない。

 コロナ明けのニューヨーク流通視察では、ディスカウントスーパーのリドルなど必見となるお店がマンハッタン近辺に増えており忙しい日程になりそうだ。

トップ画像:NYミッドタウン59丁目沿いでパーク・アベニューとレキシントン・アベニューの間に昨年11月にオープンしたスターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾンゴー1号店。  続きを読む
Posted by usretail at 01:19Comments(0)イノベーション
2022年07月17日

【スキャン&ゴー】、ウォルマートでファースト・インプレッション!他との違いとは?

220717スキャン&ゴー@ウォルマート00
■アメリカで大人気の食品スーパーであるウェグマンズは13日、ワシントンDCに107店舗目をオープンした。

ウェグマンズの最新店となる84,000平方フィート(2,400坪弱)でもお客がスキャンしながら買い物を行う「ウェグマンズ・スキャン(Wegmans SCAN)」を導入している。

ウェグマンズ・スキャンは、お客がスマートフォンに専用のアプリをダウンロードして、商品バーコードをスキャンしながらレジで決済するシステム。

セルフでスキャンするシステムは、ウォルマート傘下のサムズクラブが6年前から「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を全店で行っており、クラブ会員からの評価も高いのだ。

またイリノイ州など中西部でスーパーセンターを展開するマイヤーも「ショップ&スキャン(Shop & Scan)」を全店で行っているのだ。

コンビニエンスストア最大手のセブンイレブンも昨年7月、「モバイル・チェックアウト(Mobile Checkout)」を3,000店以上に拡大したことを発表した。

ウォルマートが2020年9月から開始したサブスクリプションの「ウォルマート+(Walmart +)」の特典としてお客がスキャンしながら買い物を行う「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を提供している。

なおウォルマートはスキャン&ゴーを過去2度ほどテストしたがいずれも失敗に終わっていた。

レジ待ち時間を縮小するモバイルチェックアウトは、人との接触を最小化することもありウォルマートは特典としてコロナ禍で実施したのだ。

 ウォルマートのスキャン&ゴーは傘下のサムズクラブのそれとどのような違いがあるのだろうか?
ウォルマートのサブスクリプションに加入して、ディスカウントストアで試してみた。

サブスクの加入は非常に簡単だ。なぜならウォルマートが今一番に訴求している成長戦略であり、オンラインからリアル店まで大々的にマーケティングを行っているからだ。

ウォルマート・アプリを起動しても、トップ画面にポップアップ表示されるため見逃すことはない。

ウォルマートのストアアプリには決済機能のウォルマート・ペイがあり、すでに利用者の多くがクレジットカード登録などを終えている。したがって即座のサブスク加入が可能なのだ。

加入すると店内ではアプリがストアモードに切り替わるため、スキャン&ゴー機能も立ち上がる。タップして商品のバーコードをスキャンしていく。

サムズクラブのスキャン&ゴーがそうだったように、スキャニング画面にして商品バーコードを向けるとすぐにスキャン&ゴー・カートに収まる。

スキャン&ゴーのチェックアウトではサムズクラブでそのまま決済ができたのだが、ウォルマートではセルフチェックアウトレジで決済を行う。

スクリーンにあるチェックアウトのボタンをタップし、セルフレジのQRコードを映すとレジとアプリが同期する。最後に支払い確認のボタンを押せば、決済を終えることになる。

スキャン&ゴーでは野菜・果物等の量り売りでもセルフレジが必要となる。レジ台の量りに載せて価格を決めるのだ。

決済が完了するとレジ画面に「ウォルマート・アプリでの支払いが完了しました(Confirm payment in the Walmart app)」が表示され、アプリにもバーコードに「全てが完了しました。スキャン&ゴーのご利用ありがとうございます(You're all set - thanks for using the scan & go)」とでる。

店を出る際に商品とアプリの表示を見せるだけとなる。

 ウォルマートのスキャン&ゴーはサムズクラブと違いセルフレジでチェックアウトが必須となりそこが不便だ。

しかしスキャン&ゴーが以前失敗した原因が万引きにあるため、他のスーパーと同様にレジでの決済が必要になったのだ。

スキャン&ゴーは買い物しながら合計金額を常に確認できるため、記録的なインフレでも安心して買い物ができるメリットは大きい。

今後もアプリを利用したチェックアウトはスーパーを中心に拡大していくだろう。

トップ画像:ウォルマート・アプリにあるスキャン&ゴー画面。  続きを読む
2022年07月16日

【プライムデー】、史上最大規模なセール!めくられたアマゾンの破壊的イノベーション?

220716アマゾン・フレッシュ@プライムデー
■ネット通販最大手のアマゾンは14日、今年のプライム会員専用セール「プライムデー(Prime Day)」が過去最大になったことを発表した。史上最大規模のイベントとしたもののアマゾンはこれまでと同様、総売上高を公表していない。

アマゾンによると12日と13日の48時間行われたセールでプライム会員は世界で3億点以上のアイテムを購入し、その割引総額は17億ドル(約2,400億円)を超えたとしている。前年のプライムデーでの買い上げ点数は世界で2.5億品目としていた。

1分間にすると世界で10万アイテムが購入され、米国内でも1分間で6万アイテムが購入されたのだ。

大手Eコマース企業をモニターしている調査会社アドビ・アナリティクスによるとプライムデーの売上高は12日が60億ドル(約8,300億円)、13日が59億ドル(約8,200億円)と119億ドル(約1兆6,500億円)と見込んでいる。

値引き率が最も高かったカテゴリーは、平均で15%となった玩具や、12%のアパレルなどで、電化製品は6%のレベルになっていた。

一方、アマゾンのリアル店舗ではどうなったのだろうか?

今年のプライムデーでは、アマゾンが開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」でも12日と13日でセールを行っていた。

今週の広告のトップには「プライムデーがやってきました(Prime day is here)」に「2日間のスゴイセール(Two days of epic deals)」と掲載。

プライムデー・オンリーとなった特価品は冷凍エビにベーコン、牛のひき肉の「ボゴ(BOGO: Buy One Get One)」だ。

ボゴとは1つ購入すると2つ目がディスカウントや無料となるセールだが、プライムデーでは2つ目が無料となっていた。

ほかにもプライムデー・オンリーとして中サイズのアボガドが2つで1ドル、いちご1パック(約450グラム)が1ドル、とうもろこし5本で1ドルなど、9品目が半額となるディープディスカウントになっていたのだ。

トマトケチャップやポテトチップスのレイズスタックス、キャンベル・スープなど6品目が1ドル均一となっていた。

さらにクーポンもついており50ドル以上の買い物で10ドルオフのほか、プライム会員限定となる「40ドル以上のお買い物で20ドルのディスカウント」クーポンもあったのだ。

また会員のみとしてブルーベリーにナス、アマゾン・フレッシュのベーコン、オートミルクがそれぞれ20%オフとなっていた。

12日と13日では来店者にアマゾンのプライベートブランド「アプレンティ(Aplenty)」で、筒状のワッフルにチョコレートが入ったお菓子の無料進呈も行っていたのだ。

 筆者は12日、アマゾン・フレッシュ・セリトス店を視察した。

午前10時ころに到着すると普段は空きスペースのほうが多い駐車スペースが全てクルマで埋まっていた。これほどのクルマの数をアマゾン・フレッシュで見かけるのはグランドオープニングぐらいだ。

店の中に入るとプライムデーセールの買い物で多くが来店しており、すでにレジには長い行列ができていた。

また40ドル以上の買い物で20ドル引きのクーポンがついたチラシもすでになく、無料進呈していたアプレンティのチョコレートもなくなっていた。

ジャスト・ウォークアウトを使って入店すると手前にある1パック1ドルのいちごが飛ぶように売れている他、アボガドも品薄状態になっていた。

5本で1ドルのとうもろこしにもお客が群がり、補充もままならないほどだ。ボゴの冷凍エビはすでに売り切れで補充もされていない。

店内もお客は一杯なのだが、ショッピングカートで買い物するより目当てのセール品のみをピックするお客が目立っていた。

しかしプライムデーではアマゾン・フレッシュの残念な真実も浮き彫りにしていた。

アマゾン・フレッシュ・セリトス店は児童決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」とフルサービスレジのあるハイブリッド型だ。

しかし4つあるフルサービスのレジには15人以上が並び凄まじいほどに長い行列となっているのだ。

レジ行列を素通りして買い物ができることをウリにしているはずだが、誰もジャスト・ウォークアウトを利用している人はいない。お客は辛抱強く長いレジ行列に並んでいた。

アマゾン・フレッシュ・セリトス店は昨年の11月18日にオープンした。230日以上が経過していることから、ジャスト・ウォークアウトを知らない人は少数だと理解できる。しかし長いレジ行列をスキップできるハイテクを誰も利用しないのだ。

 「ルール1:お客様は常に正しい」「ルール2:もしお客様が正しくないと感じたらルール1に戻れ」を社訓にする食品スーパーもあるが、これに従えばアマゾン・フレッシュのジャスト・ウォークアウトは使えないということだ。

トップ画像:プライムデーのアマゾン・フレッシュ・セリトス店。グランドオープニング以来の客数でプライムデーの威力を見せつけていた。  続きを読む
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2022年07月15日

【物価高】、スタバ客数が減少するほどインフレが止まらない!それでもビバ・インフレ?

220715スターバックス
■労働省が13日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.1%の上昇と市場予想(8.8%)を上回り1981年11月以来の大幅な伸びとなった。

ガソリン価格は1年前に比べて59.9%も上昇し、食品全体も10.4%の増加、家庭での食事となると12.2%の増加となって市民の暮らしを圧迫している。

例えば卵の価格は33.1%上昇、バターは21.3%、牛乳は16.4%、鶏肉は18.6%、コーヒーは15.8%も増加しているのだ。

格付け機関のムーディーズの調査によると前年に比較して1ヶ月あたり平均で1世帯で493ドル(約69,000円)も多く生活費を支払っているのだ。

40年ぶりの記録的なインフレにより米国民の3分の2にあたる67%が貯金を切り崩しているとフォーブス誌は先月伝えていた。

記録的なインフレは実際に人々のライフスタイルにも影響を及ぼしている。実店舗の客足をモニタリングする調査会社のプレイサーai(Placer.ai)によると、スターバックスやダンキンドーナツでコーヒーを購入する回数が減少している。

スターバックスでは6月、1年前の6月に比べて客数が7.8%も減少しており、ダンキンドーナツも4.1%の減少となっている。

プレイサーaiではスターバックスの客数がコロナ前に比べても6.6%も減少していると指摘した。

 一方、インフレにより大手チェーンストアなどでは新学期商戦で大幅な売上増を見込んでいる。児童をもつ1,200人の親を対象にしたデロイトの調査によると、今年の新学期商戦の売上高は前年に比べて5.8%の増加となる344億ドル(約4.8兆円)と過去最高を記録するとの見通しだ。

インフレでアパレルや文房具も値上がりしていることに加え、これまでオンライン授業を行っていた学校が対面形式での授業を復活させていることも要因となっているのだ。

同調査では3世帯に1世帯の割合で昨年より家計が悪化していると回答しており、子供一人当たりの平均支出額は8%増となる661ドル(約92,000円)となる。コロナ前の水準と比較しても27%も上回る見通しなのだ。

 チェーンストア最大手で小売業界の覇者でもあるウォルマートは、記録的なガソリン価格にサブスクリプションで動いた。

ウォルマートは4月、同社のサブスク「ウォルマート・プラス(Walmart+)」の特典にガソリン価格の値引きを発表したのだ。2020年9月にローンチした年間98ドル(月額12.95ドル)のウォルマート・プラスはアマゾン・プライムに対抗する有料のメンバーシップ・プログラム。

スーパーセンターにある食品や日用品、オモチャ、家電品などを対象に無制限で無料で当日宅配を受けられる。また店内での買い物時で利用者が商品バーコードを専用アプリでスキャンしながら決済を終える「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を利用でき、処方箋やガソリンの割引が特典となっている。

これまで1ガロン当たり5セント値引きされていたガソリン割引が最大10セントのディープディスカウントになったのだ。

また値引き対象となっていたガソリンスタンドもウォルマート・スーパーセンターやサムズクラブ併設型のGSの2,000ヶ所からエクソンモービルを含む1.4万ヶ所に大幅に拡大した。

 ウォルマートに続いてスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーもサブスクでインフレ対策を打ち立てた。

クローガーは13日、サブスクの「クローガー・ブースト(Kroger Boost)」を全米展開にすることを発表した。

昨年11月に一部でローンチしたブーストは年会費59ドルと99ドルのメンバーシッププログラムだ。

35ドル以上の買い物で59ドル会員は24時間以内の宅配サービスの手数料が無料となり、99ドル会員は最短2時間の宅配手数料が無料となる。

2つのサブスクリプションにはともにクローガーや傘下のスーパーに併設されているガソリンスタンド(約1,600ヶ所)でのディスカウント特典もある。

またミールキットのホームシェフやクローガーPB、マレーズ・チーズなど100ドル相当の商品が入会特典となる。

クローガーによるとブーストを利用することで宅配とガソリンで年間1,000ドルを節約できるとしている。

 チェーンストアはサブスクを中心にした成長戦略を打ち出しており、インフレに乗じて一人でも多くの加入者を増やしたいのだ。

トップ画像:スターバックスではインフレにより客数が6月、8%近くも減少したとの報じられている。  続きを読む
2022年07月14日

【ゴーストキッチン】、食品スーパーの客数に大きく貢献!食のアップグレードも要因か?

220714ゴーストキッチン@ラルフス
■大手チェーンストアは店内にゴーストキッチンを導入するケースが増えつつある中、お店の客数に大きく貢献していることが明らかになった。

「ゴーストレストラン」「クラウドキッチン」「クラウドレストラン」「バーチャルレストラン」等とも呼ばれているゴーストキッチンはイートインスペースを持たずデリバリーやテイクアウトに特化したシェア型厨房のことだ。

一つのキッチンでピザや寿司、中華にサンドイッチなど複数のレストランブランドのメニューを調理するのが特徴となる。

レストランブランドにとっては新たな店舗を設けることなくコストを抑えながら認知度を拡大し営業範囲を広げることができる。

ゴースト・キッチンのスタッフはレジ注文等の接客を気にせず、調理に集中できるのだ。通常の飲食店より速くオープンでき、はるかに安価に運営できる。

コロナの影響で非接触の出前やツーゴー需要が急増したことで、ゴースト・キッチンが飲食業界のトレンドとなっている。

 スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーはゴーストキッチンのキッチン・ユナイテッド(Kitchen United)やクラスタートラック(ClusterTruck)と提携し、傘下の食品スーパーの店内に導入しているのだ。

実店舗の客足をモニタリングする調査会社のプレイサーai(Placer.ai)が先月15日に発表した調査結果によると、キッチン・ユナイテッドの入ったラルフスの客数は周辺の店舗に比べて50%も客数が増加した。

この店舗はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の学生街となるウエストウッドビレッジにあるラルフス・フレッシュフェア。

2015年にリノベーションし拡張したラルフス・フレッシュフェアは93,400平方フィート(約2,600坪)となり、南カリフォルニアで展開するラルフスとしては最大級の広さを持つ店舗だ。

キッチン・ユナイテッドの厨房は以前まではサラダバーやホットフードーバーが並ぶ「シェフ・オン・ザ・ラン(Chef on the Run)」に導入されたのだ。

近くには店内スターバックスやレジ、屋外イートインスペースもあり、ピックアップに最適な場所となっている。

注文はコンタクトフリーとなるアプリを介したモバイルオーダーに、受付カウンターにあるタブレットから注文する。タブレットからの注文では、常駐するスタッフがアシストできるようにもなっている。

注文を決済すると利用者にショートメッセージで受注確認が配信される。また受け取りカウンターの脇にある縦型LEDディスプレイ(60インチ程度)で注文状況を確認もできるようにもなっている。

モニターには名前にブランド名(店名)、調理中もしくはピックアップ可等のステータス、受け取り予定時間などが表示されており、空港にあるステータスボードのように刻々と変更するのも特徴だ。

調理が済んだ注文品は、複数の厨房を結んだローラコンベヤで、受け取りカウンターまで運ぶようになっている。カウンターではスタッフが注文者名を呼び手渡しするか、横にあるピックアップ用の棚に置かれる。

 ゴーストキッチンをオープンした今年1月、ラルフスの客数は前年同月比で49.1%の増加となったのだ。

比較対象となった周辺にあるラルフス4店の客数は同-6.1%〜0.1%とほぼ横ばいになっていた。

翌月もこれらの店舗の客数が横ばいに推移する一方、ゴーストキッチンのあるラルフスは3月の37.3%の増加から5月の50.9%の増加まで4割〜5割の客数増となっていたのだ。

クローガーは今年2月、テキサス州ヒューストン地区の店舗内でもユナイテッド・キッチンをオープン。

ロサンゼルスのラルフスより増加幅は大きくないものの、ヒューストンの中心地から北西に5マイル(約8キロメートル)のクローガー(1035 N Shepherd Dr Houston, TX 77008)はゴーストキッチン導入から3ヶ月後となる5月には前年同月比で16.2%の増加となっているのだ。

調査を行ったプレイサーaiのシラ・ペトラック氏によると、クローガーはクラスタートラックのゴーストキッチンをオハイオ州コロンバスやインディアナ州インディアナポリスの店舗でも展開している。これらの店舗でも客数に寄与しているのだ。

 クローガーにチェーンストア最大手のウォルマートも一部にゴーストキッチンを導入しているが、これらの調査結果から提携事例が拡大していきそうだ。

トップ画像:ラルフス・フレッシュフェアにオープンしたゴーストキッチンのキッチン・ユナイテッド・ミックス。


ゴーストキッチンを導入したラルフスの客数と他のラルフスの客数の推移を比較したグラフ。ゴーストキッチンをオープンした今年1月、ラルフスの客数は前年同月比で49.1%の増加となった。比較対象のラルフス4店の客数は同-6.1%〜0.1%とほぼ横ばいになっていた。翌月もこれらの店舗の客数が横ばいに推移する一方、ゴーストキッチンのあるラルフスは3月の37.3%の増加から5月の50.9%の増加まで4割〜5割の客数増となっていたのだ。  続きを読む
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2022年07月13日

【ダッシュカート】、スマートカート次世代版を発表!全天候型に軽量でキャパ大も疑問?

220713次世代ダッシュカート00
■ネット通販最大手のアマゾンは11日、アマゾン・フレッシュに導入されているハイテクカート「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」の次世代版を発表した。

進化したスマートカートは、軽量でキャパも増大し買い物の利便性がさらに向上する。

ダッシュカートはレジ行列に並ぶことなく買い物ができ、買い物中も常に合計金額を確認できるようになっている。

ダッシュカート2.0とも言える次世代バージョンは店内での走行が気軽にできるように大幅に軽量されている。

商品を入れるバスケットの容量は初代より約2倍に拡大した。これまでは買い物袋が2つだけしか入らなかったが新カートでは4袋も搭載できるのだ。

またバスケットの下には通常のショッピングカートのように棚が設けられており、飲み物などのかさばる商品を置けるようにも工夫されている。

進化版ダッシュカートは屋外にもだせるよう全天候型に改良されているのも特徴だ。

風雨に耐えられるほか、重量のあるものをバスケットに落下させるなど10万回に及ぶ耐久テストも行っており、これまで以上に頑丈にデザインされている。

ハイテクの部分にもカイゼンがなされており、野菜や果物などの量り売り商品ではPLUコードを入力するようになっていたが、野菜・果物名など商品名の入力もできるようになっている。

次世代ダッシュカートは数ヶ月内にマサチューセッツ州ウエストフォードにあるホールフーズ・マーケットに導入された後、ほかのホールフーズやアマゾンが開発した食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」に順次導入される予定だ。

 アマゾン・フレッシュ1号店などに導入されているアマゾン・ダッシュカートは、サイト上で「ダッシュカートはコンピュータービジョン・アルゴリズムとセンサー・フュージョンの両方を組み合わせて使うことでカートに入れる商品を認識します(The cart uses a combination of computer vision algorithms and sensor fusion to identify items you put in the cart)」と記されている。

使い方はアマゾン・アプリからアマゾン・フレッシュのQRコード表示させ、ダッシュカートのスキャナーで読み込ませれば利用者のアカウントとダッシュカートが紐付き買い物ができるようになっているのだ。

アレクサで作成しておいた買い物リスト(ショッピングリスト)もカートの10インチ・スクリーンの右側に表示される。あとは商品をカートに入れることで商品バーコードを読み取って商品を認識する。

カートに商品を入れバーコードを読み込むと軽いチャイム音とともにカートのライトが白く光り、スクリーン上のショッピングカートに商品名や数量、価格が表示される。

一方、カートが商品を認識できなければ、「ピッピッピッ」のビープ音にオレンジ色に光り、カート内カメラで撮影した商品画像(撮影できない場合もある)と「認識できませんでした(We didn't Catch That)」がスクリーン表示される。

認識できなかった場合、再び商品バーコードをカートにあるカメラに向けて入れることで認識される。

それでも認識できない場合、スクリーンに「青果(Produce)」「バーコードアイテム(Barcode Item)」、かばんやバッグなどの「個人の所有物(Personal Item)」をタップしマニュアル入力する。

 野菜や果物などの量り売りではスクリーン上にある「商品コードを押す(Add PLU Item)」をタップし、カートに入れると自動的に質量を量り、価格を表示する。カートから商品を出すと逆に「何を取り出しましたか?(What did you remove?)」にカートリストが表示され、そこから選ぶことになるのだ。

買い物が終了すればダッシュカート専用の通路「アマゾン・ダッシュカート・レーン(Amazon Dash Cart Lane)」を通るとスクリーンが緑色に変わり「完了しました(You're all set)」とともに合計金額が表示され同時にメールでeレシートが届くようになっている。

なおワインやビールなどのアルコール類を購入していると、ダッシュカート・レーンでID(身分証明証)をチェックされることになる。

なお昨年、ダッシュカートには売り場に応じて近くにあるセール品が表示される機能も付加されている。

同機能では、セール品をカートに入れると、そのセール品の画像の上に緑色の白抜きでチェックマークと「カートに入っています(Deals in cart)」が表示される。

紙のチラシやアプリでセール品を確認せずとも、スクリーンに自動表示されるので時間も手間もかからない。セール品の買い忘れを防ぐこともできるのだ。

 一方でダッシュカートを導入しているアマゾン・フレッシュは昨年8月にオープンしたメリーランド州チェビー・チェイス店(18店目)以降は導入されていない。

アマゾン・フレッシュは現在、35店舗を展開しており、そのうちダッシュカートを導入しているのは16店舗、自動決済技術の「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」があるアマゾン・フレッシュは19店舗となっている。

トップ画像:次世代ダッシュカート。商品を入れるバスケットの容量は初代より約2倍に拡大した。これまでは買い物袋が2つだけしか入らなかったが新カートでは4袋も搭載できる。バスケットの下には通常のショッピングカートのように棚が設けられており、飲み物などのかさばる商品を置けるようにも工夫されている。  続きを読む
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2022年07月12日

【ネットスーパー】、好きな小売業インデックスのEコマース版ではトップがHEB!

220712カーブサイド・ピックアップ@HEB
■調査会社ブリック・ミーツ・クリックトが今年1月に発表したデータによるとネットスーパー市場は昨年、977億ドル(約13兆円)にも成長した。

収まりを見せなかったパンデミックの影響で、生鮮品などを含むネットスーパー売上は、食品販売全体の13%近くを占めるようになっていたのだ。

調査によると全米世帯の70%以上となる9,300万世帯がネットスーパーを1回以上利用している実態だ。

13%のシェアは、まだ序の口かもしれない。食品スーパー大手チェーンのCEOはネットスーパーのさらなる成長を目指してIT投資に余念がない。

全米第2位のスーパーマーケットチェーンであるアルバートソンズCEOヴィヴェック・サンカラン氏は数年以内に売上の20%がネットスーパー経由になるとの見方を示している。

食品スーパー最大手チェーンのクローガーもCEOのロドニー・マクマレン氏はサンカラン氏と同じ見方をしている。

ネットスーパー利用者は増えているものの、調査会社によるネットスーパーを対象にした研究はそれほど多くはない。

「好きな小売業インデックス(RPI:Retailer Preference Index)」を毎年発表している顧客データ会社のダンハンビー(Dunnhumby)が先月、同社としては初となるeコマース版のRPIを公表した。

eコマース版といっても対象企業がネットスーパーとなっており「アプリの使いやすさ」や「決済のしやすさ」などの比較項目でランキング形式で優劣が示されているのだ。

3,000世帯に54のネットスーパーを対象にしたランキングでトップになったのはテキサス州を地場に展開するHEBだ。

メキシコを含めて420店以上の食品スーパーを展開するHEBは2015年からカーブサイド・ピックアップを開始し、宅配サービスなども徐々に拡大。

HEBは「アプリの使いやすさ」「決済のしやすさ」「宅配到着時間の正確さ」の項目で首位をとり、「注文金額の正確さ」に「オンラインショッピングのスピード」「ピックアップや宅配の時間枠の利便性」「店のロケーション」で2位となっている。

対象がeコマースとなっていることで2位はアマゾン。3位のアマゾン・フレッシュとは別に扱われているのだ。

4位はウォルマート、5位はウォルマート傘下でメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブだ。

一方、顧客との感情的な結びつきなども数値化して順位付けをおこなっている好きな小売業インデックスで今年、トップになったのはアマゾンで2位がHEBとなっている。

つまりネットスーパーというフレームではHEBがネット通販最大手を超えているのだ。

興味深いことに3位のマーケットバスケットや4位のウェグマンズはネットスーパーのランキング上位には顔をだしていない。

ネットスーパー・ランキングで全くの圏外となるのは大人気のスーパーであるトレーダージョーズだ。2018年と2019年でトップだったトレーダージョーズは2020年には首位から陥落し2位に落とした。

そして2021年の発表では3位にランク落ちし、2022年では7位と1年で4つも後退したのだ。ネットスーパーを全く行っていないことでトレーダージョーズはネットスーパー・ランキングで圏外になり、好きな小売業インデックスでも毎年、ランクダウンとなっている。

 一方、ダンハンビーはネットスーパーランキングの調査でリアル店舗とオンラインストアを併用して買い物するオムニチャネルショッパーの横顔も浮き彫りにする。

オムニチャネルショッパーは食品を購入するお客の最大40%を占めているという。25〜54歳となり子供が二人おり月に2回ネット購入する。月の支出額は531ドルでそのうち131ドルはメインにしているお店での支出だ。

逆にリアル店舗のみ買い物するお客はエンプティネスターやリタイヤした人が多くを占めており、年齢は55歳以上となる。ただし支出額は382ドルでメインにする店に対しても111ドルの支出と少なくなっている。

 すでに身近な存在となっているネットスーパーも今後、大手調査会社によるランキング形式で優劣が明らかになっていく。  続きを読む
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