2017年07月31日

【ウェグマンズ】、旗艦店も当日宅配サービスを開始!競合スーパーも追随でデフォルト?

170731ウェグマンズ旗艦店(ピッツフォード)
■ニューヨーク州など6州に93店舗を展開するウェグマンズは、生鮮品など当日宅配サービスの対象店舗を拡大することを発表した。オンデマンド買物代行&宅配サービスのインスタカート(Instacart)と提携したウェグマンズはすでにワシントンDCやバージニア、メリーランドの店舗で注文から最短1時間での宅配サービスを開始している。新たに宅配サービスが始められる店舗はニューヨーク市郊外で北西部にあるウェグマンズ。8月1日よりバッファロー地区の店舗で始め、8日にはウェグマンズ旗艦店のピッツフォード店を含むモンロー郡の店舗、15日にはシラキュース地区のウェグマンズで宅配サービスをそれぞれ開始する。注文はインスタカートのアプリやホームページから行い、年会費は149ドル(2016年1月4日に99ドルから値上げ)となる。注文ごとに宅配手数料を払う方法もあり、35ドル以上の注文ならば2時間の宅配が5.99ドルとなっている。なおウェグマンズでは、ネットで注文した商品を店の前にて受け取るカーブサイドピックアップ・サービス(ウェグマンズのサービス名は「パーソナル・ショッピング(Parsonal Shopping)」)のテストを行っている。パーソナル・ショッピングはピッツフォード店とニュージャージー州の5店舗で行っている。ウェグマンズにはグローサラント業態のレストランブランド「バーガーバー(The Burger Bar)」を展開しているが、ピッツフォード店のバーガーバーではオンライン注文を始めている。バーガーバーのオンライン注文は、オーダーしたメニューのピックアップ日時の指定となっている。今のところアプリ経由の注文は開始していない。
 ウェグマンズは先日、新規開店したニュージャージー州ハノーバー店(32 Sylvan Way Parsippany, NJ 07054)の客数がオープン当日、2.4万人に達したことを発表した。ニュージャージー州では8番目の店舗となるハノーバー店は3,000坪を超える店舗面積に6.5万品目を持つ。同社では93店舗目の店舗には6ヶ所目となる「バーガーバー(Burger Bar)」を導入しており、マーケットカフェのホットデリとは別に、人気メニューの「メイプル・オニオン・ベーコン・ハンバーガー」「サンタモニカ・ターキーバーガー」などを注文に応じて調理するスタイルをとっている。

トップ画像:ウェグマンズ旗艦店(ピッツフォード店)とグローサラント業態のレストラン「バーガーバー」。生鮮品などの当日宅配サービスを来月から開始予定でバーガーバーではツーゴー用のオンライン注文も開始している。  続きを読む

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2017年07月30日

【アマゾン】、宅配用ロッカーをアパートやマンションに!実家から送られてくるお米も?

170730アマゾン・ハブ
■ネット通販最大手のアマゾンは6年前からアマゾン専用の宅配ボックス「アマゾン・ロッカー(Amazon Locker)」を小売店や駅などの公共施設に設置している。アマゾン・ロッカーは主にアパートが多い地区で展開しており、セブンイレブンなどのコンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアチェーンにも設置を拡大している。最近では大学のキャンパスや学生会館、駐車場やカーポート(オープンタイプのガレージ)、スプリントなどの通信キャリアショップ、クリニックや医療センター、フィットネスセンターなどにも設置されているのだ。アマゾンはロッカーで宅配物を受け取る宅配ボックスを集合住宅などに設置するサービスを始める。ビルのオーナーや管理者などに向けた「ハブ(Hub)」は、宅配ボックス用ロッカーをアパートメントなどに設置できるサービスだ。ハブで提供されるスターターハブ(標準ロッカー)のサイズは高さ205センチ(屋外用は220センチ)×幅180センチ×奥行き55センチ。4種類のカラーがあるスターターハブには大小様々なサイズとなるボックスが43個組み込まれている。スターターハブはモジュール式となっており、拡張ハブ(幅90センチ)でさらに23個のボックスが追加可能となる。使い方はアマゾンロッカーと同じように、タッチパネルに受け取りコードを入力することでボックスの扉が開く。アマゾンロッカーとの最も異なった特徴は、アマゾン以外からの発送者の宅配物も利用可能という点だ。アマゾンと競合するウォルマートなど大手チェーンストアの宅配にかぎらず、例えば実家から送られた荷物もハブを使用することができる。今のところ設置場所の条件や料金、メンテや保証などの詳細は明らかにしていない。
 アマゾンは受け取り拠点となるハブを最終拠点となる顧客宅に限りなく近づけることで、ラストマイルで有利な立場を築こうとしているのだ。

トップ画像:アパートメントの共有スペースに置かれたハブ。ハブがアマゾンロッカーと異なる点は、アマゾン以外からの発送者の宅配物も利用可能ということだ。  続きを読む
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2017年07月29日

【スターバックス】、モバイルオーダー&ペイが9%!失敗事例からリスクヘッジを学ぶ?

170729スターバックス
■コーヒーチェーン最大手のスターバックスは27日、第3四半期(4月〜6月期)の決算発表で「モバイルオーダー&ペイ(Mobile Order & Pay)」が注文の10%近くになっていることを明らかにした。モバイルオーダー&ペイは事前注文・事前決済。同社のアプリからコーヒー等を注文し、アプリ内にある金額をチャージしたギフトカード(プリペイドカード)から支払う仕組みとなっている。利用者はメインメニューの「注文(Order)」をタップし、フラペチーノやベーグルを選択する。ピックアップまでの時間が表示された最寄りのスターバックス店を指定し、注文ボタンをタップすれば決済完了となる。第3四半期のモバイルオーダー&ペイは注文の9%を占めた。前期となる第2四半期(1月〜3月期)ではモバイルオーダー&ペイは8%、前年同期は5%だった。また、同社のアプリ決済「モバイルペイメント(Mobile Payment)」はアメリカ国内で30%に達しており、第2四半期の29%、第1四半期の27%から増加傾向にある。
 スターバックスではモバイル・オーダー&ペイの急速な普及により客数減を招いていた。通勤時など忙しい時間帯にモバイル・オーダーが殺到するためバリスタがその対応に追われ、レジに並ぶお客の接客が遅れがちになってしまっていたのだ。そのため改善策として「ウェーブ1〜3アクション(Wave 1 to 3 action)」を行っている。ウェーブ1ではピーク時の対応の研修を行い、人員増やモバイルオーダー&ペイ専任スタッフ「デジタル・オーダー・マネージャー(DOM:Digital Order Manager)」の追加が盛り込まれている。ウェーブ2はタブレット端末を使ったDOMのスケジューリングや具体的な実務の徹底となる。DOMはネットからの注文をリアルタイムでバリスタと確認しながら、利用者にはオーダー完了などのデジタル通知を行い、コーヒーでいっぱいとなった受け取りカウンターの整理を行う。ウェーブ3ではモバイルオーダー&ペイ対応の機器の導入やレイアウトなど店舗開発と改装となっている。スターバックスではすでに約1,000店でDOMの配置を完了しており、ウェーブ3のモバイルオーダー&ペイ対応店への改装は10月から始まるとしている。
 同社が第3四半期の売上高は前年同期比8.1%増となる56.6億ドルだった。純利益は6.91億ドルで、前年同期の7.54億ドルから減少した。アメリカ国内の既存店ベースは5%の増加だった。内訳は客単価が4%増加、客数は1%の増加となった。なお、5年前に買収したお茶専門店「ティバーナ(Teavana)」について、全379店を閉鎖すると発表した。ティバーナの多くがショッピングセンターに出店しており、2018年春までに営業を終了する。モールの客離れがティバーナに影響し、業績不振が続いていた。  続きを読む
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2017年07月28日

【ホールフーズ】、8四半期連続で客離れ!アマゾンの買収でヘッジファンドがウハウハ?

170728ホールフーズ
■ホールフーズ・マーケットが26日に発表した第3四半期(4月〜6月期)決算では既存店ベースが前年を下回り、8四半期連続でマイナスとなった。売上高は37.3億ドルと前年同期比0.6%の増加だった。純利益は1.06億ドルとなり、前年の1.20億ドルから11.7%減と二桁の減少となった。粗利益率は販促等により前年同期の34.7%から34.0%と0.7ポイント減少した。一方、一般販売管理費率は前年同期の28.5%から28.8%と0.3ポイント増加したことで、営業利益率は4.8%となり前年同期の5.6%から0.8ポイントも減少した。既存店・売上高前年同期比は1.9%の減少となった。既存店ベースは2015年の第4四半期から8四半期連続して前年を下回っている。ホールフーズは現在、アメリカを中心にイギリスとカナダを含め465店舗を展開している。その中にはロサンゼルス近郊シルバーレイク、ワシントン州ベルビュー、オレゴン州レイクオスウィーゴ、テキサス州オースティン地区にオープンした新フォーマット「365バイ・ホールフーズ・マーケット」4店も含まれている。ホールフーズの株式を取得し第2位の株主となっていたヘッジファンドのジェナパートナーズは先週、すべてのホールフーズ株式を売却したことを発表した。今年4月、物言う投資家が大株主になったことで、集客に苦戦するホールフーズは経営再建の圧力を受けるだけでなく、売却など身売りの可能性もでていた。一方、アマゾンが先月、ホールフーズの買収を発表したことで、ジェナが当時29ドル〜32ドルで購入したホールフーズ株が42ドル前後になっていた。2,600万株の株式資産を売却したことで得られたジェナパートナーズのキャピタルゲイン(売買差益)は約3億ドル近くとなる。  続きを読む
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2017年07月27日

【ハイヴィー】、大型コンビニ展開!スーパーマーケットとは思えないランディグページ?

170727
■中西部に240店舗以上を展開する食品スーパーのハイヴィーが、ラージサイズなコンビニエンスストアを近くオープンする。地元メディアが報じたところによると、新業態店の出店場所はミネアポリス・セントポール郊外のレイクヴィル。ガソリンスタンドを併設した店の面積は250坪で、通常のコンビニエンスストアとなる140坪前後より大きめのサイズとなる。商品はコンビニエンスストアで販売されている商品群にスーパーマーケットが扱う精肉など一部生鮮品も揃える。サービスにはスターバックスの他、約100店舗でグローサラント展開しているレストラン「マーケットグリル(The Market Grill)」も導入する。今のところ未定だが、注文から最短4時間でピックアップできる同社のカーブサイド・ピックアップ・サービスの「ハイヴィー・アイル・オンライン(HyVee Aisles Online)」を提供する可能性もある。ハイヴィーはすでにガソリンスタンド併設型コンビニエンスストアを一部のハイヴィー店舗の駐車場で展開している。新コンセプトは、ガソリンスタンド併設型ミニスーパーにグローサラントを組み合わせたハイブリッド型ストアとなりそうだ。ハイヴィーはこの業態を他の場所でも出店するとしている。
 ガソリン併設型ミニスーパーを考えているのはハイヴィーだけではない。スーパーマーケット最大手のクローガーは5月、新コンセプト店「フレッシュ・イーツ・マーケット(Fresh Eats MKT)」をオープンした。フレッシュ・イーツ・マーケットはコンビニエンスストア以上、スーパーマーケット以下となるサイズ。340坪の店舗面積には生鮮食品などのミニスーパーにドライブスルーを併設したファーマシーやスターバックスを導入している。ガソリンスタンドも併設されており、コンビニ以上で食品スーパー以下となる補助的な役割の買い物「フィルイン(Fill-In)」サービスのハイブリッド業態となっている。また店内にはメイド・ツー・オーダー(Made-to-Order)の「フレッシュ・イーツ・キッチン(Fresh Eats Kitchen)」があり、お客からの注文に応じてサンドウィッチやピザ、ブリトー、スムージーなどをその場で調理して提供している。注文は店内にある3台のタブレット端末からもカスタマイズ注文ができ、同店のアプリ経由によるモバイルオーダーも可能だ。なお、フレッシュ・イーツ・マーケット内外にシーティングエリアが設けられており、グローサラント業態にもなっている。
 消費者のライフスタイルの進化によってショッピングパターンも年々、変化している。小売の原則だと思われていたことが新しい消費者によって否定されてしまうこともしばしば起こる。食品スーパーとて常に新しいニーズの受け皿を模索しなければ生き残りは難しくなっているのだ。

トップ画像:ハイヴィーがスーパーマーケットの駐車場内で展開するガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストアの「ハイヴィーガス(Hyvee Gas)」の店内。  続きを読む
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2017年07月26日

【ウォルマート】、ピックアップタワー展開!ボピス人気にポーチ・パイレーツは囮爆発?

170726ウォルマート・ピックアップタワー
■ウォルマートはピックアップ専用の自販機「ピックアップタワー(Pickup Tower)」を拡大する。一部のビジネス誌が報じたところによると、高さ16フィート(約5メートル)幅8フィート(2.4メートル)のピックアップタワーは最大300箱の注文品の保有が可能。店内にあるピックアップタワーでの受け取りを選択すると、ピックアップ専用のバーコードが届くようになっている。ピックアップタワーの操作では、スマートフォンにあるバーコードをかざすと自動的に注文品が引き出す仕組みだ。ピックアップタワーは現在、アーカンソー州ロジャース地区のスーパーセンターなど、20ヵ所に設置されている。今後数ヶ月で80ヵ所増やし、100ヵ所のスーパーセンター内に導入していくとしている。なおスーパーセンターは通常は24時間営業となっている。ピックアップタワーで受け取る場合、生鮮品などの注文は対象外となっているが、ウォルマートは生鮮品など食品ピックアップ用の自販機もテストを行っている。オクラホマ州オクラホマシティのスーパーセンター(7800 N.W. Expressway Oklahoma City, OK 73132)で行っている実験は、同店のパーキングに設置された高さ5〜6メートル、横幅が10メートル以上、奥行き3メートル前後となるピックアップ装置だ。生鮮品などをオンラインで注文した利用者は指定した時間にピックアップに行く。装置にあるタッチパネルで注文番号(5桁)を入力すると扉が開き、青色の専用ボックスに入った注文品を受け取ることができる。冷凍食品やアイスクリームなどの冷凍品は蓋のついた別の専用ボックスからピックアップするようにもなっている。
 ウォルマートが5月に発表した第1四半期(2月〜4月期)決算ではEコマース売上高が前年同期比63%増となり、前期の同29%増から成長が大幅に加速した。Eコマースの取引総額(GMV:Gross Merchandise Volume)は69%の増加となった。Eコマースの急拡大は、35ドル以上の買い物をすれば年会費無料で2日間配送サービスの「無料2日間シッピング(FREE 2-Day Shipping)」に、Eコマースでラスト・ワン・マイルのコスト節約分を顧客に還元する「ウォルマート・ピックアップ・ディスカウント(Walmart Pickup Discount)」が寄与しているという。
 今年の年末商戦ではさらにEコマース売上の増加が予想されており、ネットで注文したお客が店に受け取りに来るボピス客がさらに増えると見込まれている。


玄関に置き配された宅配物を盗む輩を「ポーチ・パイレーツ(Porch Pirates:ポーチとは玄関の意味で『玄関盗賊』)」と呼び、ネットショッピングの増加に伴い置き配盗被害は年々深刻になっている。ポーチ・パイレーツの被害届が特に多い地域の警察では、囮(おとり)を使ったネズミ捕りで犯人を捕まえているのだ。おとりとなるアマゾンの段ボール箱にはGPSが仕掛けられており、玄関に置いたおとりが盗難にあうなど妙な動きをすれば即座に反応し警察が動いて犯人を捕まえる。ボピス急増の背景にはピーチ・パイレーツも要因にある。  続きを読む
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2017年07月25日

【ウェグマンズ】、新店オープン!メイプル・オニオン・ベーコン・ハンバーガーは必食?

170725バーガーバー@ウェグマンズ・ハノーバー
■ニューヨーク州など6州に90店舗以上を展開するウェグマンズは23日、ニュージャージー州ハノーバー地区に新店舗をオープンした。ニュージャージー州では8番目の店舗となるウェグマンズ・ハノーバー店(32 Sylvan Way Parsippany, NJ 07054)は3,000坪を超える店舗面積に6.5万品目を持つ。同社では93店舗目の店舗には6ヶ所目となる「バーガーバー(Burger Bar)」を導入しており、マーケットカフェのホットデリとは別に、人気メニューの「メイプル・オニオン・ベーコン・ハンバーガー」「サンタモニカ・ターキーバーガー」などを注文に応じて調理するスタイルをとっている。同社のハイテク・チーズ熟成室「チーズケーブ(cheese caves)」で熟成したチーズを販売するチーズショップには、ナチュラル・チーズ用に自動ミスティング(霧吹き)を行う特製ケースも設置している。自動ミスティングは湿度90%、摂氏4度で新鮮さを保ちながらナチュラルチーズの呼吸を助ける、いわばウェッグマンズこだわりの装置となっているのだ。ウェグマンズ・ハノーバー店から10分弱のところにはグローサラント業態を強化し、カーブサイド・ピックアップも行っているショップライト・ハノーバー店(178 E Hanover Ave Cedar knolls NJ 07927)がある。ウェグマンズの新店は、ホテルのラウンジのようなイートインスペース「ビレッジ・フード・ガーデン(Village Food Garden)」を持つショップライトと、グローサラントでも競争が加熱しそうだ。またショップライトから5分程度のところには端末で決済を行う「スキャン・イット(Scan It)」を導入したスーパー・ストップ&ショップ(245 Littleton Road Morris Plains, NJ 07950)もあり、ハノーバー地区の食品スーパー勢力図が大きく変わる可能性もある。
 創業から101年となるウェグマンズは9月24日、ニュージャージー州モントベールに新店(100 Farm View Montvale, NJ 07645)をオープンする計画だ。3,000坪にワインやビールのセクション400坪をもつ店舗にはハノーバー店と同様にバーガーバー(Burger Bar)も導入される。モントベール店はマンハッタンから最短40分程度で行ける距離にある。

トップ画像:ニュージャージー州ハノーバー地区にオープンしたウェグマンズ内の「バーガーバー(Burger Bar)」。  続きを読む
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2017年07月24日

【モバイル・オーダー&ペイ】、米国で調査すべき外食チェーン5つのモバイル注文は!?

170724@パネラブレッド
■モバイル・オーダー&ペイが日本で急拡大するのは時間の問題だ。モバイル・オーダー&ペイとは、アプリ経由で注文と決済を事前に済ませておくことでレジ行列に並ぶことなく店頭で商品を受け取れるサービスだ。アメリカでは3大宅配ピザチェーン(ドミノピザ、ピザハット、パパジョンズ)が早くからモバイル・オーダーを展開している。ピザハットによると昨年は半数近くの注文がネット経由であり、30%がモバイルからのオーダーだった。全米に2,000店近くのベーカリーカフェを展開しているパネラブレッドも先月、直営店のデジタル経由の売上が26%に達していることを発表している。パネラでは売上高の3分の1がデジタル経由の注文になるとしているのだ。コーヒーチェーンのスターバックスではモバイル・オーダー&ペイの成功が皮肉にも客数減を招いていた。スターバックスの繁盛店1,800店ではモバイル・オーダー&ペイがピーク時に20%以上となって店舗オペレーションを圧迫しているのだ。通勤時など忙しい時間帯にモバイル・オーダーが殺到するためバリスタがその対応に追われ、レジに並ぶお客の接客が遅れがちになってしまうのだ。
 モバイル・オーダー&ペイは日本でも拡大することが予想されるため、外食業界にかかわらず小売業界の実務家も視察時に確認しなくてはならない。モバイル・オーダー&ペイを視察中の昼食等で実際に試してみるのだ。必ず確認しておくべき5つのモバイル・オーダー&ペイを挙げておく。一つ目は、着席したテーブルからアプリ経由で注文・決済し、メニューをテーブルまで運んでもらう「オーダー・フロム・マイ・テーブル(Order From My Table)」を行っているパネラブレッドだ。店に入ったらレジに並ばず、着席してそこからオーダーするのだ。2つ目はチックフィレのモバイルオーダー&ペイ・アプリの「チックフィレ・ワン」。アプリを使って移動中に注文を行うのだが同社のジオフェンシングで画面が変わるところに注目してもらいたい。3つ目はスターバックス。可能ならばマンハッタンにあるスターバックス繁盛店でピーク時(朝の通勤時)にモバイル・オーダー&ペイで注文し、バリスタ対応を確認する。4つ目は日本でも未だ行列のたえないシェイクシャックだ。シェイクシャックのモバイルオーダーではピックアップ時間の指定ができるので、例えば朝のセミナーでモバイルオーダー&ペイの実演が可能となる。5つ目はマクドナルドだ。同社は年末までに国内の約1.4万店にモバイル・オーダー&ペイを導入すると発表している。日本を含む海外店約6,000ヵ所でもモバイル・オーダー&ペイの導入を進めるのだ。日本のマクドナルドでモバイル・オーダー&ペイが始まれば、競合他社も一挙に追随する可能性があるのだ。その前に確認しておくべきだろう。
 アメリカに来ることはあまりないからこそ、朝食やランチなどでも無駄なくアメリカの最新事情を確認すべきなのだ。

トップ画像:パネラブレッドのアプリ「オーダー・フロム・マイ・テーブル(Order From My Table)」は、テーブル番号の入力に注文&決済でメニューをテーブルまで運んでくれるのだ。モバイル・オーダー&ペイは日本で人手不足の問題の緩和にもなるだろう。  続きを読む
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2017年07月23日

【アマゾン】、トレジャートラック販売!ウォルマートの駐車場でアマゾンがゲリラ販売?

170723アマゾン・トレジャー・トラック
■ネット通販最大手のアマゾンは19日、シアトル市内のみで行なっていたトラックによる移動販売サービス「トレジャー・トラック(Treasure Truck)」を全米の都市にも拡大することを発表した。トレジャー・トラックは数量限定となるセール商品を利用者に渡し販売が完了する、移動式ピックアップ拠点。利用方法はスマートフォンであらかじめテキスト通知を申し込んでおく。利用者の近所にアマゾンが選んだ1日1品の激安商品を載せたトレジャー・トラックが来る直前に、セール品内容とピックアップ場所・時間の通知が届くことになる。利用者はアマゾン・アプリ経由でセール品を購入すれば、指定の場所に来るトラックで注文品を受けとれる仕組みだ。セールとなる商品は最新の家電製品やステーキやシーフード、ミールキットなどの生鮮食品、アウトドア商品、キッチン用品など。トラックに積み込めるだけの数量限定であるため、セール品が人気商品の場合は瞬時に売り切れてしまう可能性がある。また指定した時間内にピックアップに行かなかった場合は、自動的にキャンセル扱いとなる。今のところ非プライム会員でも利用できるようだ。アマゾンは2015年6月、トレジャー・トラックをシアトル市内でテストを始めた。トレジャー・トラックではこれまで、476.99ドルのスタンドアップ・パドルボード(サーフボードの上に立ったまま乗ってオールを使ってパドルするアウトドア商品)を99ドルで販売したり、4K撮影可能なGoProヒーロー4を64%引きで提供したり、680グラムのポーターハウス・ステーキ2人前を20ドルと激安セールで販売している。セール品販売の他にトレジャートラックを使った新商品のプロモーションや人気スポーツ選手のサイン会などのイベントも催している。
 アマゾンは全米の大都市にドキドキ・ワクワクするようなゲリラ的販売のトレジャー・トラックを展開することで、新たにクチコミが生まれ消費者のマインドシェアをさらに高めることになる。


アマゾン・トレジャー・トラックのコマーシャル動画。ハズレ続きだった宝探しで海賊が、アマゾン・トレジャー・トラックの利用者と遭遇するストーリーだ。「俺らの宝だ!」と主張する海賊らに女性が「アマゾン・トレジャー・トラックでピックアップした私のものですよ」。「マップ(お宝地図)はどこだ?」に「マップではなくてアマゾン・アップ(アプリ)ですよ」と面白おかしく説明している。海賊船に戻る海賊らに一人が「壊血病(ビタミンCの欠乏が原因で起こる病気)が気になるので、ちょっとレモネードをとってくらぁ」がオチ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ネットニュースで「Amazonの影響が最も大きな国は『日本』」という記事を読みました。「PwCの調査によると、Amazonの登場で『小売店で買い物する頻度が減った』と答えた割合が最も高かったのは日本。日本では、オンラインで買い物をする消費者の10人中9人がアマゾンを利用したことがあるという」とあります。当ブログで指摘している変化が日本でも起きようとしています。変化とは小売の現場となる売り場で見えない消費者の買い物の変化です。後藤はこれを「小売の地殻変動」と表現しています。アメリカではこの地殻変動によりチェーンストアの多くが大量閉店に追い込まれています。日本の大手チェーンストアでも、競合店が近くに出店しているわけでもないのに客数が急に減ったり、定番の売れ筋商品が売れなくなったりする現象が増えてきます。これまでチェーンストア経営で成功してきた経営者や役員は「アレッ?」と腕組みです。  続きを読む
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2017年07月22日

【シアーズ】、アマゾンで白物家電PBのケンモアを販売!それでもシアーズは衰退する?

170722アプライアンス売り場@シアーズ
■シアーズ・ホールディングスは20日、アマゾンと提携し自社ブランドの「ケンモア(Kenmore)」をアマゾンで販売すると発表した。アプライアンス(白物家電)ブランドのケンモアはカーバッテリーの「ダイハード(Die Hard)」と同様に古い歴史を持つ老舗ブランド。1913年からのミシン販売を含めると100年近くの歴史をもつケンモアは、シアーズの中でも特に人気が高いブランドであり、冷蔵庫やエアコンなどが売れ筋となっている。シアーズは提携の一環として、ケンモアのスマート白物家電シリーズ「ケンモア・スマート・アプライアンス(Kenmore Smart Appliance)」もアマゾンの音声人口知能(AI)アシスタント「アレクサ(Alexa)」からの操作が可能な仕様とするとしている。アマゾンではすでに「アマゾン・アレクサ・コントロール・スマートエアコン(Kenmore Smart 8,000 BTU Room Air Conditioner - Works with Amazon Alexa)」を販売している。一方で業績低迷により大量閉鎖を行っているシアーズではケンモアのブランドシェアを落としている。調査会社のスティーブンソン・トラックラインによると、シアーズのアプライアンス・シェアは4年前の30.1%から現在は21.8%に落ち、ケンモアのシェアも同時期に16.75から10.3%へ落ち込んでいる。なお1940年代から電動工具の人気によりシアーズの売上を支える代表ブランドになっていた「クラフトマン(Craftsman)」も今年1月、工業・家庭用の電動工具メーカーのスタンレー・ブラック&デッカーに売却することを発表している。
 シアーズが5月に発表した第1四半期(2月〜4月期)決算では、売上高が43.0億ドルと前年同期比20.3%の減少だった。純利益は前年同期の4.71億ドルの損失から、2.44億ドルの利益と黒字転換となった。なお、2015年以降で初めてとなる黒字は、コスト削減やクラフトマンの売却益が大きく寄与している。既存店・売上高前年同期比は11.9%の減少で、内訳ではシアーズが12.4%の減少、Kマートが11.2%の減少となっている。シアーズ・カナダは先月、破産法の適用を申請し倒産した。全225店のうち不採算な59店を閉鎖し、従業員の17%にあたる2900人を削減する。アメリカ国内では7日、不採算店となるKマート35店とシアーズ8店を追加閉鎖すると発表した。  続きを読む
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2017年07月21日

【ウォルマート】、ヒューストン郊外にあるオーガスタ・パインズ店は直営ヘアサロンも?

170721ファミリーサロン@ウォルマート00
■ウォルマートは今年2月、テキサス州ヒューストン郊外に「ウォルマート・スキャン&ゴー(Walmart Scan & Go)」を導入したプロトタイプのスーパーセンターをオープンした。5,200坪のウォルマート・オーガスタ・パインズ店(25800 Kuykendahl Rd, Tomball, TX 77375)は、スキャン&ゴーを導入したスーパーセンターとしては3店舗目となる。ハイテクの導入はスキャン&ゴーにとどまらず、店内の各売場に最大70インチにもなる端末「タッチスクリーンで節約(Touch screen for savings)」も置かれている。テスト導入されているタッチスクリーン端末は、ウォルマートが「エンドレスアイル型コンセプト(endless aisle-type concept)」としているものであり、特に高額製品や大型商品など店内在庫以外の商品がオーダーできるようになっているのだ。ウォルマートにとってこの店舗が革新的なのは、ニューヨーク市マンハッタンにあるギリシャ・ヨーグルトの「チョバーニ・カフェ(Chobani Cafe)」を飲食サービスに導入していることもある。ウォルマートの飲食テナントはマクドナルドやサンドウィッチ・チェーンなどファストフードが中心だが、ウォルマートの顧客層から割高となる「チョバーニ・カフェ」の誘致は進歩的だ。
 チョバーニ・カフェは他社の誘致によるものだが、ウォルマートが経営するヘアサロンがこの店には入っている。化粧品やヘアケア売り場奥にあるのが「ウォルマート・ファミリーサロン(Walmart Family Salon)」だ。ウォルマートでは各地域の自社店舗内にローカルのヘアサロンを誘致している。一方、オーガスタ・パインズ店の店内では直営でヘアサロンを展開しているのだ。専門の美容スタッフがヘアカット(大人18ドル、子供13ドル)、ヘアカット&ブロー(大人28ドル、子供20ドル)にニューヨークやロサンゼルスで流行しているヘアアレンジのブロードライ(20ドル)やデザイナー・ブロードライ(35ドル)を提供しているのだ。またヘアカラー(50〜80ドル)の他、眉毛ワックス(10ドル)にフェイシャルサービス(25ドル、45ドル)、ペディキュア(25〜35ドル)、マニキュア(15〜40ドル)のサービスもある。事前の予約は不要でウォークインでサービスを受けられるのもウォルマートならではといえるだろう。ファミリーサロン以外のサービスではメガネやコンタクトの「ウォルマート・ビジョンセンター(Walmart VisionCenter)」や簡易医療クリニックの「ウォルマート・ケア・クリニック(Walmart Care Clinic)」も導入されている。
 ウォルマートがファミリーサロンを他の店舗にも行うことは考えにくい。一部に調整しながら徐々に転用を図っていくのだろう。

トップ画像:化粧品やヘアケア売り場の奥にあるのがウォルマート直営のサロン「ウォルマート・ファミリーサロン(Walmart Family Salon)」だ。ウォルマートは各地域のスーパーセンター内にローカルのサロン等を誘致している。一方、オーガスタ・パインズ店の店内では直営でサロンを展開しているのだ。  続きを読む
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2017年07月20日

【アマゾン】、ミールキットをテスト販売!プライム年会費にアマゾンフレッシュで割高?

170720ミールキットステーキ@アマゾン
■ミールキットで商標登録が報じられたアマゾンはすでにミールキット販売に着手していることが分かった。ネット情報サイトのギークワイア(GeekWire)によると、アマゾン・ミールキットを実際に購入したユーザーからの連絡で判明した。シアトル在住でシステムエンジニアであるジョッシュ・チャドさんは、宅配ミールキットを提供するハローフレッシュ(HelloFresh)やサンバスケット(Sun Basket)、ブルーエプロン(Blue Apron)、ホームシェフ(Home Chef)でも購入しているという。チャドさんはアマゾンの生鮮食品宅配サービスの「アマゾンフレッシュ」の検索で「アマゾン・ミールキット(Amazon Meal Kits)」に気づき注文を行ったそうだ。ミールキットにあるカスタマーレビューの日時から6月中旬には発売されていた。チャドさんはソードー地区にあるドライブスルー専用スーパー「アマゾンフレッシュ・ピックアップ(AmazonFresh Pickup)」で受け取ろうとしたものの、ミールキットのピックアップは利用できずデリバリーに切り替えたと語っている。注文したのはステーキに砕いたコショウの実をまぶしてフライパンで焼きブランディーバターソースをかける「パルメザンチーズフライ&スナップエンドウにフレンチ風ペッパーステーキ(Steak Au Poivre with Parmesan Fries & Snap Peas)」。二人分の価格は18.99ドル。ステーキは8オンス(約230g)で、品質は少なくともアメリカ農務省の肉質等級で「チョイス(Choice)」レベルのものだったとしている。ペッパーステーキのほかに「タラゴン・マッシュルーム・ソースのローストチキン(Roast Chicken with Tarragon-Mushroom Sauce)」「豚肉ケバブのタコス(Tacos al Pastor with Pork)」「フレンチ風カネリーニ豆の煮込みとタラのロースト(Roasted Cod with Cannellini Bean Ragout & Pesto)」「唐辛子サーモンの蕎麦(Togarashi-Spiced Salmon with Soba Noodles)」など17種類のミールキットがあり、価格帯は15.99ドル〜19.99ドルとなっている。アマゾンの他のミールキットも注文しているチャドさんによると、価格が競合他社と比べて割安で、1週間に3食(1食で二人分)を65ドル〜85ドルで購入しなければならないサブスクリプションでないことも気に入っている。なおチャドさんのペッパーステーキ評価は10点中9点としている。
 アマゾンフレッシュの利用には、年会費99ドルのプライム会員で月額14.99ドルを追加に支払う必要がある。

トップ画像:アマゾンのミールキット「パルメザンチーズフライ&スナップエンドウにフレンチ風ペッパーステーキ(Steak Au Poivre with Parmesan Fries & Snap Peas)」。  続きを読む
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2017年07月19日

【スチューレオナード】、出前を開始!顧客は常に正しいで人気ロブスターロールも売上増?

170719ロブスターロール@スチューレオナード
■コネチカットとニューヨークに5店舗を展開するスーパーマーケットのスチューレオナードは17日、チーズバーガーやピザなどのデリのデリバリーを始めたことを発表した。デリバリーを行うのはコネチカット州ダンバリー店。利用者はダンバリー店から10マイル(16キロ)圏内の住民に限定されている。宅配はレストランからのデリバリーを専門に行うブルーム・サービス(Vroom Service Now)が手掛けている。デリバリー手数料は3.99ドル。注文はブルーム・サービスのHPやスマートフォンアプリからも行える。宅配時間は注文から45分〜60分となっている。スチューレオナードのデリバリー対象メニューは、スチューレオナードで一番人気のロブスターロール(8.99ドル)やロブスターディナー(19.99ドル)、チーズバーガー(4.75ドル)、スモークド・ポーク・サンドウィッチ(5.99)、ピザ(8.99ドル〜)、寿司(6.99ドル〜)などに人気のチョコレートチップクッキー(680グラム:6.99ドル)やぶつ切りスイカ(4.99ドル)などデザートもある。デリバリーは平日は朝9時〜、週末は朝10時〜となっており、宅配はホット&コールドデリに限っており、お野菜やお肉など生鮮品の宅配は行っていない。
 1969年創業のスチューレオナードは一般的なスーパーマーケット(扱い品目数約4万あいてむ)とは異なり、アイテム数は約2,200品目に絞られている。デリの多くは店内で調理されているため店舗面積は広く、1号店のコネチカット州ノーウォーク店の店舗面積は2,900坪、1991年にオープンしたコネチカット州ダンバリー店(3,600坪)、1999年オープンのニューヨーク州ヨンカーズ店(3,400坪)、2007年オープンのコネチカット州ニューイントン(3,200坪)となっている。スチューレオナードは最近、出店を加速しているようで、昨年1月にニューヨーク州ファーミングデール地区に1,800坪店をオープンしている。また来月中にもジョンFケネディ国際空港から約30分のイーストメドウ地区に2,000坪の新店オープンを控えている。スチューレオナードはニュージャージー州パラマス地区の出店を模索しており、パラマス・パーク・モール(Paramus Park Mall)SCから誘致交渉が進められていると一部に報じられている。スチューレオナードの店内はワンウェイ・コントロールされており、子供を飽きさせないように陽気に踊る人形や音楽を演奏する動物など、子供を喜ばせる仕掛けが施されている。お店の入り口に置かれた顧客志向の社訓「ルール1:お客様は常に正しい」「ルール2:もしお客様が正しくないと感じたらルール1に戻れ」でも有名だ。

トップ画像:スチューレオナードのロブスターロール。ロブスターの身に野菜とマヨネーズであえてパンに挟んだ人気の一品だ。平日から週末まで5店舗で毎日1,000個以上が売れているという。出前サービスを開始すれば、ロブスターロールの売上はさらに増えるだろう。  続きを読む
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2017年07月18日

【アマゾン】、ミールキット商標登録!ホールフーズではアレクサ調理デモにエコー販売?

170718マーサ@ミールキット
■ネット通販最大手アマゾンがミールキット市場に参入する見通しだ。アマゾンが6日、米国特許商標庁(USPTO)に「私たちが準備、あなたはシェフ(WE DO THE PREP. YOU BE THE CHEF)」を商標登録したのだ。ミールキットとは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむく手間もなく同封レシピに従って調理すれば20分程度で高級レストラン並みの食事を楽しめる。ミールキットは通常、直販でブルーエプロンなどのオンライン定期購入サービスを利用しての宅配となる。ミールキット市場でトップシェアとなるブルーエプロンは先月29日、新規株式公開(IPO)をしたばかり。アマゾンの商標登録でもブルーエプロンなどミールキット業者と同様なサービス内容が付記されている。一部の報道によると、アマゾンは今年4月も「私たちが用意、あなたは調理(We prep. You cook)」で商標登録していることが判明している。今のところアマゾンからミールキット参入のプレスリリースなどはない。なお、アマゾンの生鮮品宅配サービスのアマゾンフレッシュ(AmazonFresh)は今年3月、マーサ・スチュワート氏のミールキット「マーサ&マーリー・スプーン(Martha & Marley Spoon)」の取り扱いを開始している。アマゾンフレッシュは昨年秋から、食肉大手のタイソン・フーズと提携し、同社のミールキット「タイソン・テイストメイカーズ(Tyson Tastemakers)」の宅配も行っている。アマゾンが先月137億ドル(約1.5兆円)で買収したホールフーズ・マーケットはロサンゼルス・ダウンタウン旗艦店など南カリフォルニアの一部店舗でミールキット販売を始めている。
 手軽さにより急成長しているミールキット市場は現在、150社以上が参入、スーパーでも店頭販売が目立ってきている。スーパーマーケット最大手のクローガーは同社が開発したミールキットのテスト販売を行っている。フロリダなどに1,100店以上を展開するパブリクス・スーパーマーケットも一部店舗で同社開発のミールキット「エプロンズ・ミールキット(Aprons Meal Kits)」のテスト販売を始めている。混戦するミールキット市場は宅配でもセレブとコラボしたプランが登場している。スーパーモデルのシンディ・クロフォード氏が提案する「アーバン・レメディ&シンディクロフォード(urbanremedey/cindy-crawford)」や歌手のビヨンセさんと夫ジェイZ氏のプラン「22日間ミールキットプラン(22 Days Nutrition guided Beyonce and Jay-Z on a 22 Days Vegan Challenge)」があり、ミールキット宅配業者のパープル・キャロット(Purple Carrot)もアメリカンフットボール選手のトム・ブレイディ氏のミールキットプランを始めている。調査会社パッケージ・ファクトは昨年のミールキット市場規模を約15億ドル(約1690億円)と推計しており、5年後に50億ドル規模に成長すると見込んでいる。外食業界を専門にする調査会社テクノミックも、5年で10倍にも急成長すると予想。別の調査でも2025年までに350億ドル市場に成長していると試算している。
 アマゾンのミールキット商標登録のニュースでブルーエプロンの株価は10%も下落した。IPO時に11ドルまで買い進められたブルーエプロンの株価は現在、6ドル台で推移している。

トップ画像:アマゾンフレッシュでも取り扱われているマーサ・スチュワート氏の「マーサ&マーリー・スプーン(Martha & Marley Spoon)」。アマゾンが独自にミールキットを開発し販売したら成功する。理由は割安価格にアレクサの調理指導?  続きを読む
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2017年07月17日

【ショッピングセンター】、大量閉店で空室率増!老舗ウエディングドレス店閉店で混乱?

170717ショッピングセンター空室率推移
■全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、第2四半期(4月〜6月期)のモール空室率は8.1%だった。前年同期は7.9%、前期も7.9%だった。空室率の増加は2四半期連続で、前期から0.2ポイントの増加は6年ぶりとなる。モールでは核テナントとなっているメイシーズが4月までに70店近くをスクラップしたことがモール空室率増加の要因となっている。モール空室率は2011年第3四半期(7月〜9月期)にピークとなる9.4%を記録後、緩慢な回復基調にあった。ここ1年で買い物の主戦場が実店舗からネットに移っていることで、チェーンストアなどが大量閉店を行い、モール空室率は再び上昇しているのだ。なおモール空室率は景気後退期以前には5%〜6%のレベルだった。一方、ネイバーフッドSCとコミュニティSCなどを含めたストリップセンターの空室率は10.0%となり、前期から0.1ポイント増加した。前年同期は9.9%。ストリップセンターの空室率増加は6年ぶりとなっている。ストリップセンターの空室率は2011年第2四半期から3期連続して11.0%を記録。ストリップセンターの空室率もネットショッピングの影響を受け景気後退前の7%の水準までまだ程遠い状況が続いている。
 直近でもチェーンストアによる大量閉店は続いている。連邦破産法第11条の適用を申請し、先月、倒産した子供服チェーンのジンボリーは最大350店を閉鎖する。北米にジンボリーやジンボリー・アウトレットなど約1,200店を展開するジンボリーは、およそ4分の1にあたる店舗をスクラップするのだ。不振続きのシアーズも7日、シアーズ8店とKマート35店舗の閉鎖を新たに発表した。シアーズは先月23日もシアーズ2店舗とKマート18店舗を閉鎖すると発表したばかり。シアーズは今年に入り、シアーズとKマートの300ヵ所近くの店舗を閉鎖している。回復の兆しがまったく見えないシアーズは4月末時点でシアーズ651店、Kマートは624店あることから今後も閉鎖の追加発表があると予想されている。またプレミアムデニムのトゥルー・レリジョンは5日、連邦破産法第11条の適用を申請し倒産した。140店舗でチェーンストア展開を行っているトゥルー・レリジョンは再建策としてモール等にある27店舗のスクラップを発表している。国内に61店舗を展開するウエディングドレスの老舗ブランド、アルフレッド・アンジェロも14日に倒産した。1933年創業の同社は企業清算の発表と同時に従業員や顧客への事前通告なしに全店を閉鎖したため、ドレスを注文していた女性客らに混乱が広がっている。
 今後もチェーンストアによる大量閉店が続くと予想されており、ショッピングセンター空室率の増加は避けられない。

トップ画像:ショッピングセンター空室率の推移。モール空室率(RSC)は第2四半期(4月〜6月期)、8.1%だった。前年同期は7.9%で前期も7.9%だった。空室率の増加は2四半期連続で、前期から0.2ポイントの増加は6年ぶり。モールでは核テナントとなっているメイシーズが4月までに70店近くをスクラップしたことがモール空室率増加の要因となっている。ネイバーフッドSCとコミュニティSCなどを含めたストリップセンター(NRC)の空室率は10.0%となり、前期から0.1ポイント増加した。  続きを読む
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2017年07月16日

【アマゾン・エコー】、エコー所有者9割が最上位機種も購入!エコーこそトロイの木馬?

170716宇多田ヒカル@エコーショー
■ネット通販最大手のアマゾンが行った30時間セールのプライムデーでは、音声アシスタント端末の「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」とその姉妹機がベストセラーとなった。中でも50ドルから35ドルへ大幅に値下げされた「エコー・ドット(Echo Dot)」は全商品カテゴリーで最も売れた商品となったのだ。一部の報道では前年実績の7倍以上の売れ行きだったと言われている。プライムデーでは話題に上らなかったが、アマゾンは先月28日にタッチスクリーンを搭載したアマゾン・エコーの最高機種の「エコー・ショー(Echo Show)」を発売した。230ドルのエコー・ショーの価格が発売した直後で値引きされなかったため、7月11日のセールでも注目は低かったのだ。ただ、オリジナルのエコーを含めエコーをすでに所有しているユーザーからは強い関心をもって注目されているのだ。家電製品などの製品保証を提供するアシュリオンが約600人を対象に行った調査によると、エコーファミリー所有者のうち9割に及ぶユーザーが最上位機種であるエコー・ショーを購入する計画があると答えている。エコー・ショーにアップグレードするとの回答は87%になっているのだ。アップグレードしないとの回答は9%にとどまっている。エコーを持っていない人も22%がエコー・ショーの購入を予定していると回答だ。興味深いことに609人の調査対象者のうち49%がすでにオリジナルのエコーやエコー・ドット、エコー・タップを所有していると答えている。一方で、エコー・ショーを購入しない理由として挙げているのが高すぎるという回答だ。高額すぎてアップグレードしないとした利用者は54%、エコーを所有していない人も33%が高価格を理由に購入しない。
 アマゾンはプライムデーで180ドルのエコーを半額となる90ドル、130ドルのタップは80ドル、ドットを35ドルとそれぞれ大幅に値引きして販売した。グーグルやアップルの競合製品が発売される一方、最上位機種のエコー・ショーも早ければ今年のブラックフライデーやサイバーマンデー等で大幅に値引きされる可能性が高いだろう。

トップ画像:エコー・ショーに宇多田ヒカル「戦場のメリークリスマス(Merry Christmas Mr.Lawrence-FYI)」をリクエストした。英語の歌に合わせてタッチスクリーンには歌詞もシンクして流れている。エコーは音声アシスタントなので深夜、まどろんだ状態でも、音楽をかけることもできるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。使ってみなければわからない、体験してみなければ腹に落ちないことがあります。その筆頭はサムズクラブのスキャン&ゴー。商品をスマートフォン・アプリでスキャンしながらアプリ上で決済するシステムです。コンサルティングセミナーの視察時にクライアントに実際に演習してもらうのと、話だけするのでは全く反応が異なってきます。話だけだと「凄いな」ぐらいの感想です。が、スキャン&ゴーで買い物してレジを素通りする体験は、肌感覚として何か恐ろしさまで感じると言います。予想外の実体験は思わず人に喋りたくなるものです。スキャン&ゴーはまさにクチコミしたくなる衝動があるのです。モバイルオーダー&ペイも同じように人に話したくなるようなシステムです。日本はアメリカより5年、10年遅れていると言われると当初、腹が立ちますが、モバイルオーダー&ペイでレジ待ちなしで食事をすると後藤の言葉がストンと腹に落ちます。  続きを読む
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2017年07月15日

【新学期商戦】、過去最大規模!ウォルマートはアメリカンな「おもてなし」を再び起用?

170715ホリデーヘルパー@ウォルマート
■アメリカでは9月から新学期となる。アメリカ小売業にとって、始業・入学に向けた新学期商戦(バック・ツー・スクール:Back to School)は年末商戦に次ぐ繁忙期だ。一部のチェーンストアでは6月初めから新学期商戦用にディスプレイを始めるところもあり、新学期セールの熱気が早くから伝わってきている。全米小売業協会(NRF)が発表したデータによると、今年の新学期商戦は総額836億ドル(約9.5兆円)と過去最大規模となる予測だ。前年の758憶ドルからは10%近くとなる伸長率は、景気に対して消費者が信頼感を増しているとの分析をNRFは明かしている。小学生から大学生までの子供をもつ約7,200世帯を対象に6月30日〜7月5日に実施した調査では、小学生から高校生までがいる世帯(BTS:Back to School)と、アパートや寮住まいになる大学生を持つ世帯(BTC:Back to College)に分けている。BTS世帯では子供1人あたり平均687.72ドルの支出だった。BTS市場規模は295憶ドルとなり、前年から約8%の増加。303億ドルとなった2012年に次いだ規模となる。一方、BTC世帯では平均支出が969.88ドルと前年の888.71ドルから9%の増加だ。BTCの市場規模は541憶ドルで2012年の535億ドルを超え、過去最高となっている。複数回答でみた購入先として親が主に購入する高校生以下のBTS世帯では、デパートメントストア(57%)が一番多く、次にディスカウントストア(54%)、アパレル店(46%)、オンライン(46%)となっている。子供が自分で購入する機会が多くなるBTCでは逆にオンライン(44%)が購入先と真っ先に挙げられており、次にディスカウントストア(40%)、デパートメントストア(39%)の順となっている。なおオンラインで購入する場合、送料無料で購入先を選ぶとした人が9割にも上っている。ボピス(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)で購入先を選ぶとした人も52%となっている。
 今回のNRFの調査では購入する電子機器の種類も聞いている。BTS世帯で最も多いのはノートブックパソコンで45%、次にタブレットもしくは計算機(35%)となっている。大学生となるBTC世帯ではノートブックパソコンが61%、タブレット(28%)、アクセサリーなど周辺機器等(26%)、計算機(24%)、携帯もしくはスマートフォンは21%となっている。

トップ画像:ウォルマートのホリデーヘルパー。ウォルマートは昨年の年末商戦時で活躍したホリデーヘルパーを再び登用する。黄色のベストを着たホリデーヘルパーを「バック・ツー・スクール・ヘルパー(Back-to-School Helpers)」とし、レジ混雑の対応等にあたるのだ。ボピスなどオムニチャネル化が進むと最終的な差別化はスタッフのアナログサービスとなる。  続きを読む
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2017年07月14日

【ターゲット】、再びカーブサイド・ピックアップ!真剣コンサルティングのストレスは?

170714ターゲット
■ターゲットは本社のあるミネソタ州ミネアポリスの店舗でカーブサイド・ピックアップのテストを行っている。3店舗で行っているカーブサイド・ピックアップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて受け取るサービス。大手チェーンストアではウォルマートが生鮮品などのカーブサイド・ピックアップを「ウォルマート・グローサリー」で行っており、スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーも「クリックリスト」というサービス名で拡大している。ターゲットは2014年10月、スタートアップ企業「カーブサイド(Curbside)」と提携した同様のサービスを始めた。当時のサービスはスマートフォンで店を選択し商品を購入すると1時間以内に商品ピックアップができるというもの。購入した商品をカーブサイドのスタッフが用意し、店の外にあるテントでユーザーを待機。ユーザーは名前を告げるだけで車から降りずとも、スタッフがトランクや後部座席に載せてくれるサービスだった。サンフランシスコやニューヨーク、ロサンゼルスなど121店まで同サービスを拡大したもののターゲットは昨年6月、カーブサイド・ピックアップサービスの撤退を発表した。理由は明らかにされていないが、サードパーティ業者との提携がコスト面で厳しかったようだ。ターゲットが新たにテストを行っているカーブサイド・ピックアップは、店のスタッフが注文品をピックアップし利用者の車まで運ぶことになる。なおテキサス州ヒューストン郊外リッチモンド地区にオープン予定のターゲット・プロトタイプ店では駐車場にスピード重視の顧客用に10分間パーキングが設けられる他、「ドライブスルー」もしくは「カーブサイド・ピックアップ」の専用パーキングも導入されるという。
 カーブサイド・ピックアップはオムニチャネル化ではボピス(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)のオプショナルとなるサービス。スタッフが注文品を駐車場所まで運ぶためボピスより人件費がかかるのがネックとなっている。だが顧客からの要望や競合店のサービス拡大もあり、コスト面を理由にカーブサイド・ピックアップを止められない事情もあるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。仕事柄、後藤は様々な企業(中小から大企業まで)のトップと親しくさせていただいています。コンサルティング後に夕食を一緒にする機会も少なくありません。そこでご子息のお話を伺うことがあります。息子さんや娘さんをMBA留学に出されていた(いる)方もいます。スタンフォードなど有名大学のMBA留学ともなれば生活費を含めて2年で2,000万円前後はかかります。企業のトップと言えども安くはない金額です。多くは二代目、三代目の投資としては「当然だろう」と考えているようです。一方で、後藤はこういった話を聞くたびに「息子さんに1,000万円〜2,000万円の教育費なら、あなたは自分の勉強代に月にいくらかけていますか?」と尋ねたくもなります(面目を潰したら可哀想だと思い実際には聞きませんが...)。せいぜい、月に本数冊程度でしょう。さすがにワンコインはいないでしょうが、大企業のトップでも1万円もかけていないのが現実でしょう。  続きを読む
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2017年07月13日

【アマゾン】、プライムデー過去最高!プライム会員の急増→元を取る買い物→大量閉店?

170713プライムデーイベント
■ネット通販最大手のアマゾンは12日、プライム会員限定セール「プライムデー」が1日当たりの販売数で過去最高だったことを発表した。プライムデーは2015年、創業から20年を迎えることを記念し始めた時限セール。今年のプライムデーは10日午後9時(東部標準時間)から開始、12日の早朝3時までの30時間となる。3回目のプライムデーは、アメリカや日本、イギリスなど昨年の10ヶ国に、中国やメキシコ、インドの3ヶ国を加え13か国で行われた。セール対象商品も世界で10万品目以上と発表されていた。年会費99ドルのプライム会員限定のセールだが、非会員でも30日間のお試し無料会員に登録することでプライムデーに参加可能。今年のプライムデーの売上高は1日の売上で過去最高だった2016年のサイバーマンデーやブラックフライデー(感謝祭後の金曜日)の実績を超え同社史上、最大となった。またマーケットプレイスに出品する中小のサードパーティ企業が牽引したことで売上高は昨年の60%以上増加したという。
 アメリカ国内でベストセラーとなったのは音声アシスタント端末の「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」とその姉妹機。一部の報道によると、エコー・ファミリーは昨年のプライムデーから2倍売れていた。特に49.99ドルから34.99ドルと大幅に値下げされた「エコー・ドット(Echo Dot)」は全カテゴリーで最も売れた商品となった。その他には130ドルから90ドルに値下げされたマルチユースの電気圧力なべ(Instant Pot DUO80 7-in-1 Multi-Use Programmable Pressure Cooker)や、200ドルから100ドルにディスカウントされたDNAテストキット(23andMe DNA Tests for Health + Ancestry)がベストセラーとなっていた。一方、日本のプライムデーでベストセラーになったのは、約50%オフとなった「ザバス・ホエイ・プロテイン」や、約3割引きとなったアマゾンのプライベートブランド「Happy Belly 岐阜・養老 天然水」のミネラルウォーターだった。
 なおアマゾンはプライムデー売上やプライム会員の新たな加入者数は明らかにしていないが、JPモルガンのアナリストの試算では売上高10億ドルと見ている。

トップ画像:プライムデーのストリーミング・ショッピング・イベント。テレビショッピングのようにエコー・ドットなどの人気商品をデモンストレーションしていた。  続きを読む
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2017年07月12日

【アマゾン】、エコー180ドルが90ドルなプライムデー!AI音声注文でさらに地殻変動?

170712アレクサセール
■ネット通販最大手のアマゾンは10日(月曜日)の夜からプライム会員限定に「プライムデー(Prime Day)」セールを始めた。プライムデーは2015年、創業から20年を迎えることを記念し始めた時限セール。2015年は7月15日、2016年は7月12日に行われており、今年は7月11日としている。今年は10日午後9時(東部標準時間)から前倒しでセールを始め、12日の早朝3時までの30時間となっている。3回目となる今年のプライムデーでは、アメリカや日本、イギリスなど13か国で同時に行われ、セール対象商品が世界で10万品目以上となる。年会費99ドルのプライム会員限定のセールだが、非会員でも30日間のお試し無料会員に登録することでプライムデーに参加可能となる。昨年のプライムデーでは、1日の販売数が過去最高だった前年のサイバーマンデーやブラックフライデー(感謝祭後の金曜日)の実績を超え、過去20年間では最大となった。
 今年のプライムデーの目玉となっているのは音声アシスタント端末「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」だ。179.99ドルのエコーが半額となる89.99ドルと最安値となっているのだ。昨年のプライムデーの価格より50ドル安く、ブラックフライデー価格より40ドルも値下げされている。姉妹機の「エコードット(Echo Dot)」も49.99ドルから34.99ドルと大幅に値下げされている。CBSによると、プライムデー開始から7時間後となる午前4時(東部時間)にはエコーはベストセラーになっている。またアマゾン・タブレットのキンドル・ファイア最新版で8インチ16GBの「ファイアHD8タブレット・ウィズ・アレクサ(Fire HD 8 Tablet with Alexa)」も79.99ドルから49.99ドルと38%の値下げだ。アマゾン製品以外では73%オフとなったヒアルロン酸、83%オフのモバイルバッテリー、76%オフのベジタブルヌードル機が早々とソールアウトになっている。
 また今年のプライムデーではエコーなど音声による注文ディスカウント「アレクサ・セール(Alexa Deal)」を始めている。対象となる100アイテム以上の商品(20ドル以上)をエコーやエコー・ドット、エコー・ショーなどの経由で音声注文すれば10ドルのクレジットバックとなるのだ。89.99ドルとなっているエコーを「アレクサ、黒のエコーを注文してください(Alexa, order a black Echo)」と音声で注文すれば10ドルのクレジットバックとなる。つまり180ドルのエコーが実質的に80ドルとなる。プライムデーで34.99ドルとなっているエコー・ドットも24.99ドル、29.99ドルのファイアー・タブレット(7インチ、8GB)が19.99ドル、スマートフォン・アプリ操作やアレクサへの音声で電源をオン・オフできる27ドルのスマートプラグもプライムデー価格とアレクサ・セールで10ドルと破壊的に安くなっているのだ。
 一部の報道では今年のプライムデー売上を最大10憶ドルと予想している。投資信託の格付け評価等を行うモーニングスターではプライム加入を7,900万世帯と予想しており、調査会社コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(CIRP:Consumer Intelligence Research Partners)が最近発表したレポートによると6月末時点でプライム会員数を8,500万人と試算、一方でプライム会員数を5,250万人と見ているアナリストもいる。アマゾンはプライムデー売上やプライム会員数、加入者数等は明らかにしていない。

トップ画像:今年のプライムデーではエコーなど音声による注文ディスカウント「アレクサ・セール(Alexa Deal)」を行っている。対象となる100アイテム以上の商品(20ドル以上)をエコーやエコー・ドット、エコー・ショーなどの経由で音声注文すれば10ドルのクレジットバックとなるのだ。  続きを読む
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2017年07月11日

【アマゾン】、ドライブスルー専用店舗のアマゾンフレッシュ・ピックアップの画像公開!

170711アマゾンフレッシュPU00
■ネット通販最大手のアマゾンは5月末、ドライブスルー専用スーパー「アマゾンフレッシュ・ピックアップ(AmazonFresh Pickup)」を一般公開し正式にスタートした。ドライブスルー専用スーパーは「ドライブアップ・ストア(drive-up store)」「クリック&コレクト(click & Collect)」とも呼ばれ、利用者がネットで注文した生鮮食品などを、車から降りずに商品を受け取るサービスストア。店の中で買い物ができるインストア・ショッピングはなく、倉庫となる300坪弱の「ダークストア(dark store)」に専用の駐車スペースがついた食料品の受け渡し専用拠点だ。アマゾンフレッシュ・ピックアップはアマゾンスタッフがダークストアで商品の選択と袋詰めを行い、予約した時間に顧客の車まで運んでくれる。同社によると、注文から最短15分で受け取ることができるという。アマゾンフレッシュ・ピックアップは3月からアマゾン社員のみが利用できるテストを始めていた。アマゾンフレッシュ・ピックアップはソードー地区(2401 Utah Ave S, Seattle, WA 98134)とバラード地区(5100 15th Ave NW, Seattle, WA 98107)にあり、営業時間は午前7時〜午後10時まで。手数料はなく最低注文金額の条件や制約もないが、利用できるのは年会費99ドルのアマゾンプライム会員のみとなっている。ネット情報サイトのギークワイア(GeekWire)によるとピーク時のスタッフ数は15人前後となる。ローディング(車への注文品積み込み)専用スタッフは3〜5人としている。また待ち時間の平均は5分程度で、客数の4分の1は午後5時〜7時30分に集中するとみている。
 アマゾンは食料品の受け渡し専用拠点以外でも大学キャンパス内の受け取り施設を多数開設している。また実店舗展開も加速しており、大型ショッピングモール内の「ポップアップストア(Pop-Up Store)」を36ヵ所を持ち、リアル書店の「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」7店舗目を5月、NYマンハッタン地区にある「ザ・ショップス・アット・コロンバス・サークル(The Shops at Columbus Circle)」SCにオープンさせている。一方、テストを行っているレジなしコンビニエンスストアの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」はシステムの不具合により一般公開が遅れており、アマゾン社員のみのテスト運用となっている。

トップ画像:アマゾンフレッシュ・ピックアップ(ソードー地区)で商品を受け取る利用者。  続きを読む
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2017年07月10日

【ホールフーズ】、アマゾン以外6社から買収打診!メディア関係者が読むべき書類とは?

170710ホールフーズ
■ネット通販最大手のアマゾンが先月、自然食品スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを買収することを発表し世界を驚かせた。IT企業の巨人が食品スーパーを買収したことに加え、アマゾンにとっては最大規模となる買収額(137億ドル/約1.5兆円)となったからだ。この歴史的な買収劇の始まりは合コンからであり、ホールフーズCEOジョン・マッキー氏の予知夢であったことは、証券取引委員会(SEC)へ提出されたタウンホール・ミーティング(対話集会)の内容から公開された。今回新たに提出されてドキュメントから、アマゾンによる買収はマッキー氏自身が強く望んでいたことであり、またアマゾン以外に6社から買収の打診を受けていたことが明らかとなった。ホールフーズが7日、SECに提出した「買収に関する捕捉情報(Preliminary proxy statements relating to merger or acquisition)」によると、ホールフーズの買収には企業Xに企業Y、そしてプライベートエクイティカンパニーなどの投資企業4社から話があったとしている。企業Xの買収提示額はホールフーズ一株当たり35ドル〜40ドルだった。なお企業Xはロイターなどの報道によるとアルバートソンズと見られている。企業Yは具体的な買収提示額を示していなかった。一方、投資企業4社からの打診は、メディアに買収が漏れることを恐れ断ったのだ。ホールフーズ買収にアマゾンも加わっていることが知られると、投資企業がアマゾンの提示額以上に買収金額を引き上げると予想したのだ。実際にマッキー氏や役員がシアトルに行き、アマゾン幹部にあったのが4月30日。その時は具体的な話はでなかったものの、5月23日にはアマゾンが正式に一株当たり41ドルで買収提示を行っている。その1週間後の5月30日、ホールフーズがアマゾンに45ドルに引き上げるよう反対提案を行った。
 アマゾンが6月1日、最終回答として42ドルを提示したことで、ホールフーズがこれを飲む形になったのだ。  続きを読む
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2017年07月09日

【アマゾン】、プライムデー!地殻変動で日本もチェーンストア等が対抗セールを始める?

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■ネット通販最大手のアマゾンは10日(月曜日)の夜からプライム会員限定に「プライムデー(Prime Day)」セールを始める。プライムデーは2015年、創業から20年を迎えることを記念し始めた時限セール。2015年は7月15日、2016年は7月12日に行われており、今年は7月11日としている。また今年は10日午後9時(東部標準時間)から前倒しでセールを始め、12日の早朝3時までの30時間となる。3回目となる今年のプライムデーでは、アメリカや日本、イギリスなど13か国で同時に行われ、セール対象商品が世界で10万品目以上となる。年会費99ドルのプライム会員限定のセールだが、非会員でも30日間のお試し無料会員に登録することでプライムデーに参加可能となる。昨年7月12日に開催された2回目となるプライムデーでは、1日の販売数が過去最高だった前年のサイバーマンデーやブラックフライデー(感謝祭後の金曜日)の実績を超え、過去20年間では最大となった。また昨年のプライムデーではアマゾンのファイアTVや電子書籍端末のキンドル、タブレットのキンドルファイア、音声アシスタント端末のエコーやその姉妹機も過去最大となる販売数を記録したという。世界で最も売れた商品は前年と同じファイアTVで、前年実績より2.5倍を超える販売数だった。
 アマゾンはプライムデー売上やプライム会員数、加入者数等は明らかにしていないが、投資信託の格付け評価等を行うモーニングスターでは2015年のプラムデー売上高を4億ドル、2016年は5億〜6億ドルと試算しており、調査会社FBICの予想では売上高5.3億ドルとしている。また一部には昨年のプライムデー売上を10億ドルと見積もっている調査会社もある。また、アメリカ国内のプライム会員数は調査会社コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(CIRP:Consumer Intelligence Research Partners)が最近発表したレポートによると6月末時点で8,500万人と見積もっている。前年予想の6,300万人から35%の増加としており、アメリカ国内の1.26億世帯のうち3分の2にプライム会員がいるとしているのだ。CIRPでは、プライム会員のアマゾンでの年間平均購入額は1,300ドルとしており、非会員700ドルの2倍弱となっていると見積もっている。CIRPでは、プライムデーなどで30日間のお試し無料会員に登録後、73%はプライム会員になるとしている。一方でアマゾン・プライム会員数を5,250万人と見ているアナリストもいる。
 いずれにしても多くの人がプライムデーに参加することが予想され、競合チェーンもセールで対抗策を立てざる得なくなっているのだ。  続きを読む
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2017年07月08日

【ホームデポ】、重機レンタル企業を買収!重機の免許なしでもユンボを借りて操作可能?


■ホームセンター最大手のホームデポは6日、小型重機のレンタルを手掛けるコンパクト・パワー・イクイップメント(Compact Power Equipment)を買収したと発表した。買収額は2.65憶ドルですべて現金での取引となる。買収は第2四半期中に完了としている。ホームデポは重機レンタルの拡大でプロ客を取り込むことでさらなる売上を増進を図る。コンパクト・パワー・イクイップメントはプロやDIY向けにミニバックホウ(ユンボ)やスキッドステア、トレンチャーなど主に整地や造園等に使う掘削用の小型重機のレンタルを行う企業で建物のメンテナンスサービスも提供している。ホームデポは2009年から同社と提携しており、アメリカ国内やカナダの店舗1,000ヵ所で重機レンタルを行っている。そうとしている。ホームデポでは、工務店などプロ客は顧客全体の5%以下。だが、売上に占める割合は35%にも及び、年に1万ドル以上を購入する優良セグメントとなっている。ホームデポは2015年、住宅や設備の保守・修理・点検(MRO:Maintenance, Repair and Operation)サービスなどを手がけるインターライン・ブランド(Interline Brands)を現金約16.3億ドルで買収している。
 ホームデポが5月に発表した第1四半期(2月〜4月期)決算では売上高が238.9憶ドルと前年同期比4.9%の増加だった。純利益も20.1憶ドルと同11.7%の増加だった。既存店・売上高前年同期比は客数が1.5%の増加、客単価が3.9%の増加となり5.5%の増加となった。国内店の既存店ベースは6.0%の増加だった。特に客単価が900ドルを超えるプロ顧客売上が15.8%の伸びとなり売上を押し上げた形だ。なおEコマース売上も23%の増加となっている。ホームデポの国内店舗数は1,977店で、オムニチャネル推進していることにより2009年度(1,976店)から1店舗しか増えていない。

トップ動画:型重機のレンタルを手掛けるコンパクト・パワー・イクイップメントのコマーシャル動画。コンパクト・パワー・イクイップメントはプロやDIY向けにミニバックホウ(ユンボ)やスキッドステア、トレンチャーなど主に整地や造園等に使う掘削用の小型重機のレンタルを行っている。すでにホームデポ1,000店で重機レンタルを行っているのだ。  続きを読む
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2017年07月07日

【特別投稿】、当社コンサルティングセミナー!自分は平均より優れていると思いますか?

170707スキャン&ゴー@サムズクラブ
■日本のマスコミがレジなしコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」を取り上げたことやアマゾンがホールフーズを1.5兆円で買収したことで最近、当社へのコンサルティング依頼が急増している。オムニチャネルやグローサラント、モバイル・アプリ、O2Oなど単に売り場を見て回るだけでは理解できない、IT進化や地殻変動が起きているため、当社への相談が後を切らないのだ。そこで今回はどういった流れでコンサルティングセミナーを行っているのかを説明する。多くの依頼は当ブログにも記されているメールアドレス(tcg@neutron-tech)に送られる。現場やITに精通していることで流通企業に関わらず、オムニチャネル戦略を推進する企業からの依頼が多い。先ずはコンサルティングを予定する日時をうかがうことになる。ただ、依頼が混雑しているため、スケジュールによってはお断りしなければならないことも出てきているのが現状だ。またコンテンツを調整するため参加人数や役職、さらにコンサルティングセミナーを行う理由も聞かせてもらっている。同時に実績やコンサルティング料金、コンテンツ日程を提案するのだ。また「当社のコンサルティング視察セミナーは朝1時間〜2時間のコンサルティングセミナーをホテルで行います。当社コンテンツ『最新!リアルとネットが融合するオムニチャネル戦略コンサルティングセミナー』は、アメリカ小売業のお手本となる成功事例をもとにクライアントにあるべき姿やとるべき戦略をアドバイスします。また、オムニチャネル・リテーリングなどの失敗事例からは避けるべき姿や回避すべき戦術を明らかにする一方、改善している事例からはトラブルシューティングを学び、実務としての確実なアクションを提言しています。コンサルティングセミナーの後、専用車を使って店舗やショッピングセンターなどを8時間視察します。移動中や視察中もポイント解説し、店ではアプリを使ったオムニチャネル・ワークも随時行います」を読んでいただくことになる。
 アプリのオムニチャネルワークのメニューとして以下にあげた一部のエントリー記事もレビューしてもらうのだ。  続きを読む
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2017年07月06日

【セフォラ】、AR化粧シュミレーションアプリ!視察中の遅刻など罰ゲームに使える技?

170706セフォラARアプリ
■手鏡代わりにスマートフォンのフロントカメラを使ってスクリーンに自分の顔を映し、髪型チェックや身だしなみ、化粧直しなど行っている女性をよく見かける。最近では、片手で簡単に操作できるシンプルな鏡アプリも出ており、左右反転やズーム、明るさの調整などのアプリ機能を使って画像をアルバムに保存している。合わせ鏡でチェックするような自分からは見えないアングルもスマートフォン・アプリなら一時停止で確認ができるのだ。女性が自分の美をチェックする意味でも、スマートフォンは欠かせない存在になっている。それに目を付けたのがLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下で、化粧品や香水を扱う専門店のセフォラだ。セフォラのアプリ機能「セフォラ・バーチャル・アーティスト(Sephora Virtual Artist)」は拡張現実(オーグメンティッド・リアリティ:Augmented Reality:AR)技術により、スクリーンにある自分の顔に化粧品でメイクをすることが可能だ。スマートフォンの手鏡に映った自分にリアルタイムでリップやアイライン、チーク、まつ毛の色や色合いなど、数千種類に及ぶメイクを適用していくのだ。また「バーチャル・チュートリアル(Virtual Tutorials)」では、モデルではなくスクリーンに映った自分の顔を使ってメイク・テクニックなどをビデオと文章で教えてくれる。ARメイクシュミレーションの画像は保存したり共有することも可能だ。調査会社GfKによるとショッピングの45%はスマートフォンなどモバイルの影響にある。半数近くがお店に行くこともなく買い物を決めているという。スマートフォン・アプリを「ポケットに入るお店」として開発している大手チェーンストアもあり、買い物でもスマートフォン・アプリの役割が今後さらに大きくなっていくだろう。

トップ画像:セフォラのアプリ機能「セフォラ・バーチャル・アーティスト(Sephora Virtual Artist)」を使い、自分の顔に化粧を施した。ARなのでスマートフォン手鏡のようにスクリーンに映った自分の顔に化粧のシュミレーションを行えるのだ。リップにチークにまつ毛と自由にシュミレーションでき、自分の変態に思わず笑ってしまう。女性なら様々な商品を試して購入に至るのだ。  続きを読む
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2017年07月05日

【ウェグマンズ】、ニューヨークに今年視察に行くならハノーバー店かモントベール店だ!

170705ウェグマンズ@NJ州ブリッジウォーター
■スーパーマーケット視察で東部に行くときに必ず訪れるのはウェグマンズだ。創業から101年のウェグマンズはアメリカで最も人気のあるスーパーマーケットというだけでなく、同業者からも尊敬されているスーパーなのだ。日本からの視察グループもニューヨークに行くとウェグマンズに行く。残念ながら滞在先となるニューヨーク・マンハッタンからは、最も近いウェグマンズでも片道1時間かかってしまう。おそらく日本の視察団が最も視察しているのがニュージャージー州にあるウェグマンズ・ウッドブリッジ店(15 Woodbridge Center Dr, Woodbridge, NJ 07095)だろう。ニューヨーク・タイムズスクエア辺りからは50分程度の距離と近いことが理由となる。次に近いのがマンハッタンから1時間弱の距離になるウェグマンズ・ブリッジウォーター(724 US-202, Bridgewater, NJ 08807)。ブリッジウォーター店にはカーブサイド・ピックアップ・サービスとなる「パーソナル・ショッピング(Personal Shopping)」を行っている他、自動ミスティング(霧吹き)を行う特製ケースを導入しているチーズショップもある。マンハッタンからは少々距離はあるものの、ウェグマンズの比較的新しい取り組みを見ることができるのだ。
 ウェグマンズは今月、ニュージャージー州にマンハッタンからさらに近い店舗をオープンする。7月23日にオープンするウェグマンズ・ハノーバー店(32 Sylvan Way Parsippany, NJ 07054)は3,500坪の店舗面積を持つ。マンハッタンからは約40分で行ける距離にあるのだ。グローサラント業態で店内で展開しているレストラン「バーガーバー(Burger Bar)」が、ニュージャージー州では初となる店舗なのだ。このウェッグマンズから10分弱のところにはグローサラント業態を強化しカーブサイドピックアップも行っているショップライト・ハノーバー店(178 E Hanover Ave Cedar knolls NJ 07927)がある。ホテルのラウンジのようなイートインスペースを持つショップライトも必見だ。そこから5分程度のところには端末で決済を行う「スキャン・イット(Scan It)」を導入したスーパー・ストップ&ショップ(245 Littleton Road Morris Plains, NJ 07950)もある。ウェグマンズはまた9月24日、ニュージャージー州モントベールに新店(100 Farm View Montvale, NJ 07645)をオープンする。3,000坪にワインやビールのセクション400坪をもつ店舗には「バーガーバー(Burger Bar)」も導入される。マンハッタンからは最短で40分以内で行ける距離にあるのだ。
 ウェグマンズは来年、ニューヨーク市では初となる店舗をブルックリンにオープンする。場所はアメリカ海軍の造船所のあった「ブルックリン海軍工廠(Brooklyn Navy Yard)」。マンハッタンから20分程度の距離にある。それまではウェグマンズ・ハノーバー店かモントベール店を見ておくべきだろう。  続きを読む
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2017年07月04日

【ベストバイ】、アレクサ専用コーナー!アマゾン・エコー・ショーの意外な楽しみ方は?

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■IoTとは「モノのインターネット(Internet of Things)」を意味し、インターネットを介してつながることによって、あらゆるものを遠隔で操作できるようになることだ。アメリカの消費市場ではIoTと呼ばず「コネクテッドホーム(Connected Home)」や「コネクテッド製品(Connected Device)」と分かりやすく表記されることが多い。最近では「テックホーム(Tech Home)」「スマートホーム(Smart Home)」とカテゴライズされている。スマートホームで最も注目されているのがネット通販最大手のアマゾンが提供する「アマゾンエコー(Amazon Echo)」「エコードット(Echo Dot)」といった音声アシスタント端末だ。ボイステクノロジーや人工知能(AI)の進化により、音声で「テレビのボリュームを上げて」「照明を暗くして」「室温を24度にして」などと命令することでネットにつながっている製品を遠隔操作できるようになる。音声アシスタント端末にはアマゾンエコーの他、グーグルの「グーグルホーム(Google Home)」にアップルが先日発表した「ホームポッド(HomePod)」がある。今後は他社から新たな音声アシスタント端末が発表され、市場規模は拡大し同時に競争も激しくなる。
 全米最大の家電チェーンのベストバイが音声アシスタント端末の販売を強化・拡大する。ベストバイが29日に発表したところによると、今月から700ヵ所のベストバイでアマゾンエコーとグーグルホームを扱う専用テーブルを導入する。3メートルX1.2メートルのテーブルにはアマゾンエコー用とグーグルホーム用にそれぞれ用意し、スマート・サーモスタットの「ネスト(Nest)」やスマート照明の「フィリップス・ヒュー(Philips Hue)」、ベストバイのPBであるインシグニアの「スマートプラグ(Smart Pluge)」も一緒に展示販売する。ベストバイの販売スタッフがアマゾンエコーとグーグルホームを使い、サーモスタットや照明を音声で操作するデモンストレーションを行うという。ベストバイはアップルやサムスン、ソニーなど大手メーカーによる店舗内店舗の展開を進めているが、音声アシスタント端末も今後の市場拡大によりさらに売場を広げる考えだ。調査会社IHSによると音声アシスタント端末を含むスマートホーム製品の世界販売台数は昨年、8,000万台に上り前年から64%の増加となった。今年は1.3億台が見込まれており、今後は価格の下落でさらに販売が拡大すると見込まれている。
 音声アシスタント端末の認知拡大がIoTなどスマートホームをけん引することになるかもしれない。

トップ画像:ベストバイに導入されるアマゾンエコーとグーグルホームを扱う専用コーナー。3メートルX1.2メートルのテーブルには、スマート・サーモスタットの「ネスト(Nest)」やスマート照明の「フィリップス・ヒュー(Philips Hue)」、ベストバイのPBであるインシグニアの「スマートプラグ(Smart Pluge)」も一緒に展示販売する  続きを読む
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2017年07月03日

【食品スーパー】、南カリフォルニアは5兆円市場!激戦地区では卵1ダースも90円以下?

170703アルディ@ファウンテンバレー
■南カリフォルニアはスーパーマーケットの競争が最も厳しい市場である。全米のスーパーマーケット業界をウォッチするシェルビーリポート誌によると、南カリフォルニアのスーパーマーケット市場は450億ドル(約5兆円)に達している。同誌の社長ロン・ジョンソン氏は南カリフォルニアが全米最大のスーパーマーケット市場(the largest U.S. grocery market)と強調している。同時にあまりの競争の激しさからジョンソン氏は「とても流動的なマーケット(it's such a fluid market)」とも表現している。全米一のスーパー激戦区であることは、ヘイゲン・フード&ファーマシーやフレッシュ&イージー・ネイバーフッドマーケットの事例からもわかる。当時、ワシントン州に18店を展開していたヘイゲンは2015年、南カリフォルニアに一挙に40店近くを出店したものの半年も経たずに全店撤退に追い込まれた。2013年に投資会社ユカイパの傘下となったフレッシュ&イージー・ネイバーフッドマーケットも2015年、南カリフォルニアで展開していた60店以上を閉鎖した。撤退を余儀なくされたスーパーはヘイゲンやフレッシュ&イージーにとどまらない。27州に200店近くを展開していた、ノースカロライナ州グリーンズボロ出身のフレッシュマーケット(The Fresh Market)も2015年3月、カリフォルニア州からひっそりと撤退していた。
 最大且つ過酷な南カリフォルニアでは大手スーパーマーケットのマーケットシェアはどうなっているのだろうか?シェルビーレポート誌によると、2017年6月現在でトップのシェアを誇るのはボンズやパビリオンも傘下にもつアルバートソンズ。アルバートソンズは20.6%のシェアだ。次に南カリフォルニアでは老舗スーパーとなるラルフスだ。クローガー系列のラルフスとフード4レスは18.7%のシェアとなっている。3位はホールセラーでもあるユニファイド・グローサーズの13.3%。4位は最近ネイバーフッドマーケットでシェアを上げていたウォルマートの11.3%となっている。5位はロサンゼルスの老舗スーパーのステーターブラザースの8.9%、6位はトレーダージョーズの6.0%だった。7位は撤退したヘイゲンの跡地などに出店を増やすスマート&ファイナルの5.6%。8位は先ごろ、アマゾンに買収されたホールフーズ・マーケットの3.2%となっている。この競争に割って入ろうとしているのが1年前から南カリフォルニアに進出してきたアルディだ。アルディはベーカーズフィールドからサンディエゴまで40店近くを展開している。リミテッドアソートメントでプライベートブランドを激安で販売するアルディは今後1年で南カリフォルニアに20店舗を新たに追加オープンすると発表した。アルディも過酷な市場で順風満帆とは言えない展開だが、店舗数を伸ばすことでスーパーマーケット勢力図が新たに書き直される可能性はある。
 南カリフォルニアには調査会社のレーダーにのらないエスニックで独立系のスーパーマーケットが数多く点在している。広大ながらもレッドオーシャンな南カリフォルニア市場は今後も多くのスーパーを引き付けてやまない。事例を研究するマーケットとしても魅力的に映る市場なのだ。

トップ画像:アルディ・ファウンテンバレー店。定点観測しているアルディ(イングルウッド店)よりもお客が入っている様子(といっても6つのレジのうち1つのレジだけオープンしている状態)だ。レジに珍しく行列ができていた理由は以下の画像だ。  続きを読む
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2017年07月02日

【ステープルズ】、投資ファンドが買収!女性CEOだから割安な売却にレディー・ガガ?

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■オフィススーパーストア最大手のステープルズは28日、投資ファンドのシカモア・パートナーズからの買収に合意したことを発表した。買収総額は69億ドル(約7,800億円)で1株当たり10.25ドル。買収先の資産を担保に大手金融機関から資金を借り入れて買収するレバレッジド・バイアウト(LBO)では今年最大となる。LBOを行うためシカモアはステープルズを3社に分割する計画も持ち上がっている。アマゾンやウォルマートとの競争が激しくなるなか、ステープルズは店舗スクラップや法人向けの卸売りの拡大・強化を進めていた。なおシカモアは傘下にタルボットやホット・トピック、靴のナインウエストなどを展開している。
 ステープルが先月16日に発表した第1四半期(2月〜4月期)決算では売上高が41.5憶ドルと前年同期比4.9%の減少だった。セグメント別の内訳は北米法人向け事業の売上が26.4憶ドルと前年同期比2.8%の減少。北米小売事業は店舗数の減少や既存店ベースの減少で同8.2%減となる15.1億ドルだった。北米小売事業の既存店・売上高前年同期比は6%の減少。これによりステープルズの既存店ベースは20四半期連続で前年を下回っている。通年ベースでもステープルズの売上高はピークとなった2011年度の241憶ドルから2017年度の182億ドルと落ち続けている。国内店舗数も2011年度の1,583店から2017年度の1,255店と300店以上(約20%)減少した。
 ステープルズは2015年2月、同業のオフィスデポの60億ドル規模の買収合併を発表した。しかし連邦地裁が昨年5月、連邦取引委員会(FTC)の仮差し止め命令を認める判断を下したことでステープルズは買収を断念していた。買収失敗により当時CEOだったロン・サージェント氏が退任、9月に北米事業のトップだったシーラ・グッドマン氏がCEOに就任している。ステープルズは今年3月、2017年に約70店を閉鎖を発表。向こう3年間で毎年250店のリース更新があるため、さらなる閉店も示唆していた。  続きを読む
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