2009年07月26日

【ネットフリックス】、不況知らずビジネスも、不況が微妙に影響した増収増益Q2

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 オンラインDVDレンタル大手のネットフリックスは23日、第2四半期(4月〜6月)決算で、売上高が21%増加し4.09億ドルとなった。また、純利益は前年同期の2,660万ドルから3,240万ドルと22%増加した。
 第2四半期の会員数は、前年同期から26%増加し、1,060万人となった。同社が1会員を獲得する費用は、前年同期の28.89ドルから23.88ドルと下がったものの、不況の影響で安価な料金プランに切り替える会員が増えたため、会員の平均売上は4%下落し13.29ドルとなった。
 ネットフリックスは年末までの会員数を当初の1,120万人〜1,180万人から1,160万人〜1,200万人に上方修正した。
 映画会社などでつくる業界団体デジタル・エンターティメント・グループ(DEG)は16日、今年上半期の映画レンタル売上高が前年同期比で8.3%増加したと発表した。これを受け、ネットフリックスCEOのリード・ハスティングス氏は「(ブロックバスターなど)レンタル店の売上を奪う形で、ネットフリックスとレンタル自販機のレッドボックスは成長している」と指摘した。

09年7月21日 - 【レンタルDVD】、レンタルは伸びているが、レンタル店の存在意義は?
09年4月27日 - 【ネットフリックス】、会員数1,000万人!突破と増収増益Q1も赤箱を脅威

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。国税調査局によると、アメリカの全世帯数は2008年、1.17億世帯となっています。1,060万人の会員数をもつネットフリックスの普及世帯率は、ざっくり言って9%ということです。年末には最大1,200万人の会員数を見込んでいますから、たかだか12年(ネットフリックスの創業は1997年)でアメリカ全世帯の1割以上の普及率を達成したことになるのです。で、普及を加速させている要因が失業者増の不況というのも面白いです。ネットフリックスなら外出することなく映画をレンタルでき、1.2万タイトルのコンテンツも無料ダウンロードできますから。

⇒2007年12月から始まった景気後退期での雇用減少数は約650万人です。職を探すことに疲れた彼らの多くが、ネットフリックスで娯楽を楽しんでいるのです。ところで、ここのところ大手企業から好決算が発表されています。ダウ工業株も9,000ドル台に回復しています。しかし、雇用回復の話はまったくありません。それどころか、オバマ大統領でさえ「失業率は今後数ヶ月、上昇を続けるだろう」と認めているほどです。そういえば、トヨタはGMとの合弁会社「NUMMI」を清算すると報道がありました。これで4,600人は解雇でしょうから、カリフォルニアの失業率上昇です。で、またネットフリックスの会員が増えそうです。

⇒そうはいっても、いずれ会員数の頭打ちにぶつかります。ネットフリックスCEOのリード・ハスティングス氏は「向こう4年は会員数のピークはない」としています。景気は循環していますから、「大恐慌以来の不況」も必ず回復します。本格的に回復すれば、それまで自宅で映画ばかり観ていた失業者も職を見つけられます。で、ネットフリックスの需要が落ちます。また、レンタル自販機が爆発的に増え、アクセスがさらに良くなれば、景気回復前にネットフリックスは打撃を受けます。ネットフリックスの一番安価な料金プランに変え、補完的にレッドボックスを利用するはずですから。で、この兆候が決算に現れていると推測しています。
 先日、アマゾン・コムがネットフリックスを買収するとの噂が広がりました。これまで何度も出てきた憶測です。結局、アマゾン・コムは、靴やアパレルのオンライン販売大手ザッポス・コムを買収し、この噂は消滅しました。ただ、ネットフリックスの会員数が頭打ちとかで株価が下がってくれば、真実味が増してきます。まぁ気の早い話ですが...
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