
■ウォルマートは16日、ルイジアナ州シャルメット地区のスーパーセンターで1,000ヶ所目となる金融サービス部門「ウォルマート・マネーセンター(Wal-Mart MoneyCenter)」をオープンしたと発表した。同社は同部門を年内までに、さらに500ヶ所オープンするとも発表している。
また、同じ頃、一部メディアは、ウォルマート・マネーセンター部門で業務提携を行っているグリーンドット社の株式を、ウォルマートが220万株取得したと報じた。グリーンドット社は、マネーセンターで発行するプリペイド方式の「ウォルマート・デビットカード」の管理を行っており、ウォルマート以外にもウォルグリーンやCVSなどでデビッドカードを発行している。尚、グリーンドット社は今年2月、ユタ州の商業銀行ボンネビルバンクを買収することで合意しており、現在は当局からの認可待ちとなっている。
さらに海外事業のウォルマート・カナダでは今月初め、クレジットカードなど一部銀行業務を始めている。すでに数年前から銀行業務を展開しているメキシコでは今年初め、バンコ・ウォルマート支店を160ヵ所オープンすると発表している。
ウォルマートは10年前から、アメリカ国内で銀行買収を画策しているが、銀行業界からの強い反発で実現していない。同社は05年、クレジットカードやデビットカードなどの決算業務を自社でおこなえるよう商業銀行の申請を始めたが、2年後、銀行業界や議員、地域団体などが強く反発し、断念した経緯がある。
海外事業での金融サービス展開に加え、国内ウォルマートが提携銀行への出資にマネーセンターの拡大強化などにより、金融サービスに本格的に乗り出すのではと憶測が流れている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。1ヶ月前にボストン在住でMITの研究員の方からウォルマート・マネーセンターについての質問がメールでありました。日本のある銀行から派遣されてやってきている方からの問い合わせでした。ちなみに、後藤は分かる範囲で、且つ時間の許す限りで、メールでの質問には答えています。が、匿名での質問メールは、まったくスルー(無視)しています。質問する側の礼儀として、名前や会社名、さらに疑問にいたった経緯ぐらいは少なくともメールで明かすべきだと思うのです。自分の素性を明かさず「アレも教えてくれ」や「コレも教えてくれ」の「くれくれマン」に、私の貴重な時間を費やすつもりはありません。私はブログというメディアで、かなり貴重な情報(Intelligence)や画像を不特定多数の人に発信しているのです。したがって、質問する側としての礼儀というか流儀ぐらいは、わきまえていただきたいのです。いかがでしょうか?
⇒さて、その質問内容ですが「マサチューセッツ州にあるウォルマートで、半年ほど前まであったマネーセンター・カウンターが無くなっていた。なぜか?」というものでした。ただし「チェック換金、マネーオーダー、各種料金支払いなどの金融サービスは残っている」とのことでした。私は「ウォルマート・マネーセンターは、手数料を激安にした金融サービスで、銀行に口座ももてないような低所得者層のために展開しています。○○さんが訪れたウォルマートでマネーセンターカウンターが撤去された理由は、その地域のデモグラフィックに合致していなかったのではと推測しています。その地域の所得水準が比較的高く、激安とはいえウォルマートの金融サービスを利用するユーザーが予想していたほど多くいなかったのではと思います。また、中南米系移民は、ウォルマートのマネーセンターを使って、自国の家族や親族に送金する人も少なくないようです。中南米系住民が少ない地域なら、マネーセンターの需要も低いと思います」としました。連邦保険預金公社(FDIC)によると、アメリカには6,000万人も銀行口座さえもてない低所得者層がいるということです。
⇒口座を持っていても、銀行から十分なサービスを受けていない人がいるのです。で、彼らは高い手数料を取られても「チェック・キャッシャー(Check Cashers:給料などの小切手を現金化する店)」や「ペイデイ・レンダー(Payday Lenders:給料を担保に、貸し付けを行う店)」、質屋を利用するしかないのです。彼らはウォルマートの中心顧客と重なってるのです。で、ウォルマートは1999年から銀行業務の申請を行っていますが、ことごとく業界からの激しい反発にあい、断念しているのです。銀行にとって、激安王が銀行業務に進出されてはたまったものではないということです。ただ、今回の大不況により、風向きが大きく変わってきています。リーマンショックで金融危機に陥り、金融業界のアホな手法が白日の下にさらされました。多くの血税で金融機関が助けられる一方で、高額なボーナスが支払われていました。で、国民は銀行に対する不満でいっぱいなのです。オバマ大領領は4月「金融界が戦いを望むなら、私は受けて立つ用意があ」と宣言し、オバマ政権の金融規制改革法案では、デビットカードの手数料を制限されるなど厳しいものです。ウォルマートが追い風だと考えるのも無理もない話です。
ウォルマートはPRを重要な戦略と考えています。ごり押しして銀行業務の拡大を狙っても反発にあう可能性がまだありますから、世論の風向きをじっくり見極めて、ウォルマートのイメージを改善しながら、銀行業務拡大に「じっくり、ひっそり、確実に」と動いていきます。
Posted by usretail at 04:22│
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