■全米小売業協会(NRF)は16日、小売業界の認知度を高めることを目的とした動画コンテスト「これが小売だ!(This is retail)」のファイナルに選ばれた5作品を発表した。優勝賞金2.5万ドルのコンテストは、店のスタッフやオーナーが自ら出演して語る2分間の動画だ。動画内容は、お客様や地域コミュニティーとの感動ストーリー、自分たちで創った革新的な商品の紹介や裏話、雇用創出についてなどとなっている。3月5日から3月16日まで募集され、受賞者は5月、ワシントンDCの本部で行われるる授賞式に招かれることになっている。優勝者には2.5万ドル、2位には1.5万ドル、3位には1万ドルの賞金が授与される。
サウスカロライナ州の中央部に位置するコロンビアで、5年前から眼鏡店「フレーム・オブ・マインド(Frame of Mind)」を営むマーク・プレッシンガーさんのお店はユニークだ。眼鏡店にもかかわらず、ローカルアーティストによる絵画品を数多く展示しているギャラリーでもあるのだ。これが評判となりアーティスト・コミュニティーのプラットフォームにもなっているのだ。プレッシンガーさんは「私が誇りにしていることは、自分の街と商店街(中心街:メインストリート)にインパクトを与えていることです」と語っている。
フロリダー州タラハシーでステーショナリー店「ポルカ・ドット・プレス(The Polka Dot Press)」を経営するキム・ウィリアムズさんは7年前、自宅のキッチンをオフィスにしてオンライン販売から起業した方だ。現在では街の中心にお店を構えるウィリアムズさんは「オンラインショッピングは飛躍的に増加しましたが、人と人との交流の側面をもつ買物は決してなくなりません。お客様は触れたり、感じたり、話したりすることがすきなのです」と語る。地域に住むお客様から、全米のお客様にも対応しているのだ。一生懸命に働き、思い出に残るようなイベントを開催、コミュニティに還元もしている。
コミュニティ還元ではハワイ州ホノルルでタンナ・ダンさんが営むブティック「エデン・イン・ラブ(Eden In Love)」が際立っている。彼女のお店では毎月、コミュニティ還元イベントを開催している。たとえば、10ドル分を非営利団体に寄付するとすべての商品が20%値引きとなったり、衣類1袋分を寄付すると10%オフ(2袋分で20%オフ)、フードバンクに缶詰5缶を寄付すると20%オフとなる具合だ。さらに昨年末には、癌治療を続けているティーンの女の子を招きプロによる化粧&スタイリングのフォトイベントを開催した。最近ではスカーフが売れるたびにスカーフを病院に寄付している活動も行っている。抗がん剤の副作用で髪が抜け落ちる女性に贈るためだ。一貫したコミュニティ還元でエデン・イン・ラブ(Eden In Love)」は、地域住民から大きな支持を得ているお店となっているのだ。
トップ動画:眼鏡店「フレーム・オブ・マインド(Frame of Mind)」を営むマーク・プレッシンガーさんのコンテスト動画。彼のお店は地域に住むアーティストのギャラリーにもなっているのだ。