【アマゾン・コム】、私書箱テスト拡大！開いてて良かったセブンイレブンロッカー気分？

■アマゾン・コムは現在、商品の受け取り場所をセブンイレブンなどにある専用私書箱「アマゾン・ロッカー（Amazonlocker）」で受け取れるテストを拡大している。同社はアマゾンロッカーについて公表はしていないものの、昨年の11月頃からシアトルでテストが開始され、現在はシアトル近郊のセブンイレブン内で11ヵ所、ニューヨーク・マンハッタンのライトエイドや食品店の20ヶ所、ワシントンＤＣのセブンイレブンに８ヶ所、サンフランシスコからシリコンバレーまで12ヶ所のセブンイレブンで展開している。また、ロンドン市内でもテストしている。
　アマゾンロッカーの利用方法は、商品を注文した際、宛先をオプションから選択できるようになっている。アマゾンロッカーを選ぶと６桁のコードが送られてくる。アマゾンロッカーにあるタッチスクリーンでコードを入力すると、商品が入ったロッカー番号が表示される。さらに「ドアを開く」をタッチすると荷物が入っているロッカーが開く仕組みだ。商品の重さは約５キロまでと制限がある。

トップ画像：自宅以外で商品を受け取れるアマゾンロッカー。ニューヨーク・マンハッタン以外は、24時間営業のセブンイレブンに展開している。

アマゾンロッカーはニューヨーク・マンハッタンにあるライトエイドや食品店、駐車場など20ヶ所で展開中だ。営業時間に制約があるのが不便だろう。


北カリフォルニアではサンフランシスコからシリコンバレー周辺まで、セブンイレブン内でアマゾンロッカーを利用することができる。

⇒こんにちは！アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ロスアンゼルス・ダウンタウンに住む友人がいます。フリーウェイからも見える立派なアパートに住んでいます。アパートの入り口はオートロックシステムとなっているのですが、部屋のドアの前におかれた宅配物を以前、盗まれたことがあると言っていました。アパートの入り口がオートロックとなっていても、誰かの後をつけて入れますから、こういった盗難は後を絶たないとか。大手宅配業者のＵＰＳでは、荷物の配達を効率化するために１台のトラックの配達区域を狭い地域に限定し、トラックは右折のみの行程をとらせるそうです。アメリカは右側通行なので左折すると信号待ちで時間がかかりますから（赤信号でも一旦停止すれば右折はＯＫ）。したがって盗人がＵＰＳトラックのあとを追うのは比較的たやすいのです。で、オンラインストアにとっての「ロス」が発生するのです。

⇒アマゾンロッカーは仕事で家を空けている人も、仕事帰りに受け取ることができ、顧客の利便性向上につながります。同時にアパート住民の場合、宅配物を盗まれるというロス対策にもなるのです。そして宅配トラックが一軒一軒の家やアパートを回る必要がないので、環境にもやさしいとアピールできるでしょう。さらにもうひとつは最近増えつつあるチェーンストアの「サイト・ツー・ストア」対策です。呼び方はいろいろとありますが、オンラインストアで注文し、お店でピックアップするサービスです。チェーンストアなど実店舗をもっていれば、サービスカウンターで商品をピックアップするオプションを選択できるのです。アマゾン・コムは宅配のみですから、それができません。したがって、いつでもピックアップできる自宅以外の公の場所をもつ必要があるのですね。で、店舗を増やしているセブンイレブン店内にロッカーを置かしてもらっているのです。
　親父ギャグのキャッチコピー「開いてて良かった！セブンイレブン・ロッカー気分！！！」も、矢沢に言わせればＯＫ？


アマゾン・コムのアマゾンロッカー。６桁のコードをロッカーのタッチスクリーンに入力すると、商品が入ったロッカー番号が表示され、ドアが自動的に開く仕組みだ。