2012年09月17日

【アバクロンビー&フィッチ】、若者のアバクロ離れ!長引く不況で反抗的にもなれない?

120917アバクロ
■日本のメディアは若い人の価値観の変化から消費の低迷に結び付けて「若者の○○離れ」という理由を持ち出す。「若者のテレビ離れ」「若者のクルマ離れ」「若者の新聞離れ」などだ。前の世代と違って、今は嗜好やライフスタイルが多様化しているだけだと思うのだが、低迷している業界には「若者の○○離れ」が都合のよい理由となっている。一方、アメリカに目を向けると「若者の○○離れ」が起きているところがある。それがティーン向けアパレルのアバークロンビー&フィッチだ。
 アバークロンビー&フィッチの第2四半期(5月〜7月期)の国内売上高は5.6億ドルと前年同期から約9%下落した。既存店・売上高前年同期比は10%の減少だ。海外に積極展開することで国内の落ち込みを補っているのだ。これにより全体の67%を占めていた国内店の売上高は現在、59%にまで下がっている。同社は前年度に国内の71店舗をスクラップにし、今年2月には2015年までにさらに180店舗を閉鎖すると発表した。国内の店舗数は前年同期の1,014店から、現在は936店。
 国内店が低迷するのは、価格の割高さにある。競合で40ドル前後で売られているジーンズがアバクロでは70ドル近くとなっており、Tシャツも30ドルと高い。もうひとつの低迷理由は、アバクロのイメージが色褪せてきている点もある。アバクロといえば、半裸のモデルがセクシーなポーズをとっていることで有名だが、これが若者に受けていないようなのだ。
 「若者のアバクロ離れ」が続くのか、そのうち若者が戻ってくるのか、それともアバクロが変わるのか、注視されている。

トップ画像:アバクロは最近、頻繁にセールをおこなっている。割高のイメージがあることで、お客はH&Mやフォーエバー21などファストファッションにむかっているようだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。「若者の○○離れ」はきわめて日本的な表現です。若者が一様にテレビを見て、好んで車に乗り、新聞を読むというのが逆に異常だと思えてなりません。これは「みんなと同じことをするのが一番いい」という横並び世代の価値観を反映しているともいえます。で、多様化する若者のライフスタイルを安易に「若者の○○離れ」と結論付けているのかなとも思います。横並びを嫌い、価値観がバラバラのアメリカでもトレンドやブームはあります。特に若い人は友人の趣味や嗜好に影響を受けやすいでしょう。後藤も修学旅行のとき、友達が買っている物をみて、欲しかったものでもないのに、なぜか自分も欲しくなり買ってしまった経験があります。アバクロなんかもこれに似ています。友達が着ていると自分も欲しくなると。逆に誰も着なくなると、着たくなくなるものです。

⇒アバクロのカタログなどには、半裸のモデルが極めて刺激的なセクシーなポーズをとっています。HPのイメージ画像には裸の若い男女が抱き合ってキスをしているものから、下半身まで見えそうなセミヌードのものまであります。アバクロは、大人が眉をひそめるような「反抗的、反体制、手に負えない」イメージをブランドに内包させているのです。服も着古した「よれよれ感」や、刺繍縫製の「雑さ加減」をあえて行っています。大人には好まれませんが、ティーンや若い人には受けるのです。ただ現在、不況が長引いています。若い人は仕事を見つけるのが難しい状況となっています。仕事を見つけられない年配者がアルバイト的な仕事を続けたり、リタイヤを遅らせているからです。こういった状況のなかで若者は反抗的になっていられない現実があるのかもしれません。しかもアバクロは割高ですから、そもそも購入できないこともあります。
 以前と違いアバクロも最近はセールをよく行っています。でもイメージは早々変わるものではありませんから、まだまだ苦しい戦いが続きそうです。
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