2014年06月30日

【ウォルマート】、前代未聞の反論!ニューヨークタイムズ紙の論評に対して赤ペン添削?

140630NYT論評の赤ペン添削@ウォルマート
■ウォルマートは20日、ニョーヨークタイムズ紙の記事に対して前代未聞の方法で反論を展開した。ウォルマートの公式ブログに掲載された記事は、ニョーヨークタイムズ紙のオンライン版に19日にアップされたティモシー・イーガン氏(コラムニスト)の論評「コーポレート・ダディ(The Corporate Daddy)」。記事の内容は、従業員の大学授業料を一部肩代わりする計画を発表したスターバックスの事例に出しながら、スタッフを低賃金で雇うことでウォルマートが結果的に税金を搾取していると批判するコラムだ。同社コーポレート・コミュニケーション部門副部長デビッド・トーバー氏が「事実のチェック(Fact Check)」と題して「ニューヨークタイムズ紙の記事を見ましたが、見過ごすことができないほどの間違いの多さです。面白おかしく(添削)しましたので、楽しんで読んでください」と同社の記事に対して赤ペンで添削しているのだ。記事のトップには「ティム、(記事になる)最初の下書きを共有してくれてありがとう!以下は、記事にできない誤りを正したものです。気に入ってくれれば幸いです」と皮肉を込めて書かれている。本文では問題となる部分に下線を引き、注釈をつけるように右側に誤りを指摘している。
 例えば「ウォルマートは納税者にとって最終的な枯渇」に線を引き「ウォルマートはアメリカ最大の納税者です。算数できますか?」と書かれており、「(低賃金で雇われた)スタッフは公的扶助に頼らざる得ない」には「ウォルマートの雇用により、より多くのスタッフが公的補助から脱しています。こちらが真実のストーリーです」とリンク先アドレスを書いて添削している。また「オハイオ州のウォルマートで昨年、スタッフが感謝祭日に祝えるようお客に食品の寄付を募る掲示が掲げられていました」には「はっきりさせたいことですが、スタッフが(火事や離婚、不幸など突然の出来事に見舞われたことで)困っているスタッフを助けるためです。明らかな大義があるのです」と書いている。他には「大学の3年間」のところを「ほとんどの大学では単位修得には4年かかります」とケアレスミスを指摘するものから文法の誤りまで、まるで後輩の記事を赤ペンで細々チェックするような添削を展開しているのだ。
 一般的に批判記事に対して企業は公式的な反論にとどめている。ウォルマートは皮肉を込めながらも面白おかしく反論していることで、ウォルマートに好意的な意見が多く集まっているようだ。

トップ画像:ニューヨークタイムズ紙の論評を赤ペンで添削したウォルマートのブログ「事実のチェック(Fact Check)」。論評を「下書き」と皮肉ったり、「算数できますか?(Can we see your math?)」と嫌味たっぷりで書かれている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートに「座布団2枚!」って感じの粋な反論です。ウォルマートを批判したドキュメンタリー映画「ウォルマート:低価格の高い代償(Wal-Mart: The High Cost of Low Price)」が上映され、批判がピークに達した10年前と比べ、ウォルマートのPRスキルが格段に上がっていることがわかります。エントリー記事で学ぶべきポイントは、批判に対して企業ヅラしないこと、反論にはユーモアを交えること、書いた本人のパーソナル感を出すこと、です。記事は匿名ではなく個人名に部所・役職を明かしています。論評を「下書き」と皮肉ったり、「算数できますか?(Can we see your math?)」と嫌味たっぷりで書かれています。手書きの赤ペンで添削したものなので、パーソナルな感じが伝わってきます。反論の根拠となる数字には参照元(リンク元)も記されていますから、反論の信頼度も高くなりますね。
 批判や非難の嵐で腕を上げた赤ペン先生のほうが、ニューヨークタイムズ紙の辛辣なコラムニストより一枚も二枚も上手です。
この記事へのトラックバックURL