2014年09月30日

【ウォルマート】、ドライブスルー専用スーパー「ピックアップグローサリー」オープン!


■ウォルマートは29日、アーカンソー州ベントンビルにドライブスルー専用スーパー「ウォルマート・ピックアップ・グローサリー(Walmart Pickup Grocery)」をオープンした。ドライブスルー専用スーパーは、車から降りずにわずかな時間で商品を持ち帰ることができる利便性が特徴となっている。テスト展開となるピックアップ・グローサリーは、オンラインストアで買い物した商品の受け渡しのみを行う倉庫で店舗の機能はなく、宅配サービスもない。対象商品は同社のネイバーフッドマーケットで扱っている生鮮品やベーカリー、家庭用品など約1万品目。価格は店の価格と同じでEDLPとなっている。商品の受け取りは注文から最短で2時間で、ユーザーがピックアップ時間を指定する。決済はオンライン上のみで行い、ピックアップなどのサービス手数料は必要ない。
 ピックアップ・グローサリーはサウスイースト・ウォルトン・ブルバードとサウスイースト・ドッドソン・ロード(サウスイーストJストリート)の南東に位置。市に提出された資料によると、北側が正面となりピックアップ・グローサリーの面積は420坪(15,000sq.)となっている。52台ある駐車スペースのうちドライブスルー・カスタマー用に33台(ハンディキャップが2台)を割き、残りの19台はスタッフ専用となっている。ウォルトンブルバードとドッドソンロードから入ってきた車はオーダー端末で商品を確認し、指定されたパーキングスペースに駐車。知らせを受けたスタッフが、商品をトランクや後部座席に積み込むようになっている。
 ピックアップ・グローサリーの近くには1万人近くが働くウォルマート本社がある。一般客や通勤客、ウォルマート従業員や関係者まで対象に実験を行いながら、ウォルマートはドライブスルー専用スーパーの多店舗化を探っていく。

地元のテレビ局が伝えた「ウォルマート・ピックアップ・グローサリー」のニュース映像。

140930ウォルマートピックアップグローサリー
「ウォルマート・ピックアップ・グローサリー(Walmart Pickup Grocery)」の敷地レイアウト。ウォルトンブルバードとドッドソンロードから入ってきた車はUターンカーブをして、ATMのようなオーダー端末(青色の楕円部)で注文を確認。屋根のあるパーキンススペース(濃緑色の楕円部18台)に斜め駐車し、商品をトランクや後部座席に積み込むスタイルとなっている。上の13台のスペース(薄緑色の楕円部)には屋根がつかないようだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。29日にグランド・オープニングとなったウォルマート・ピックアップ・グローサリーは小さな子供を持つ母親や、仕事で忙しく買い物に行く時間がない人を対象としています。この業態の特徴はドライブスルー専用の施設であることです。オンラインで注文した商品を店で渡すサービスを「クリック&コレクト(Click and Collect)」もしくは「カーブサイド・ピックアップ(Curbside Pickup)」「ストアピックアップ(Store Pickup)」と呼び、一部のスーパーマーケットはお店に導入しています。ウォルマートのピックアップ・グローサリーは、お客が店内で買い物をするようなお店ではありません。施設はフルフィルメントセンターであり、倉庫です。店舗運営に加える形で行なっているクリック&コレクトのサービスとは、レジや商品陳列など店機能がない分、コスト構造が異なるのです。

⇒ピックアップ・グローサリーは宅配も行なっていません。自社トラックで宅配するアマゾン・フレッシュ、ピンクドットなどの宅配サービスともコスト構造が異なっています。したがって宅配手数料もありません。業態が異なっている以前にビジネスモデルが異なっているのです。ウォルマートは食品宅配サービス「ウォルマート・ツーゴー(Walmart to go)」のテストを行なっていますが、そこにストアピックアップのサービスもやってみたら評判がよく利用者も増えたことで、ピックアップ専用のスーパーを実験しているのです。このビジネスモデルのオペレーション効率の改善や問題点(売切れ時の代替品など)の解消、人件費などの投資効率を精査しながら、持続可能性を探っていくのです。消費者に受け入れられスーパーマーケットの「ドライブスルー市場」もしくは「ピックアップ市場」が出現となれば、ウォルマートの物流エコシステムに加えていくのです。

14年9月22日 - 【クローガー】、買収したハリスティーターの「クリック&コレクト」サービスをテスト!

⇒ただ、その前に他の競合各社も実験を始めると思います。当ブログでも先日お伝えしたようにスーパーマーケット最大手のクローガーが「クリック&コレクト」サービスのテストを行います。ウォルマートのピックアップ・グローサリーに影響されて、クローガーもドライブスルー専用スーパーを真似しても不思議ではありません。アマゾンやターゲットが追随する可能性も否定できません。ドライブスルー専用スーパーに需要はあると思います。銀行のATMからファストフード、スタバなどのコーヒーショップにドラッグストアまで、ドライブスルーは多くのサービスに導入されています。車から降りずにスーパーでの買い物を素早く済ませたい需要はあると思うのです。小さな子供を持つ母親や足腰が衰えた年配者、仕事に忙しい人から悪天候で出歩きたくない人まで、車から出たくないニーズは確実にあります。ただ、コストや実際の問題点などの実行・持続可能性があるか?です。
 個人的には利用したいと思うこともあり、ドライブスルー専用スーパーは広がる可能性があります。

14年6月21日 - 【ウォルマート】、ドライブスルー専用スーパーはドライブ!人員の削減が目的ではない?

14年5月9日 - 【ウォルマート】、ドライブスルー専用スーパーが承認!企業は投資・テスト・スピード?

14年5月2日 - 【ウォルマート】、ドライブスルー専用スーパーをテスト!手数料無料で競合を駆逐する?

14年5月1日 - 【ズーミン・マーケット】、全米初!店機能のないドライブスルー専用スーパーはどうよ?

14年7月9日 - 【マクドナルド】、カーブサイドピックアップの「マックディ・オーダリング」をテスト!
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