【ウォルマート】、ダイナミックプライシングでアマゾンより価格優位!課題も露呈した?

■金融機関のウェルズ・ファーゴは3日、ウォルマートのオンラインストアがアマゾンより低価格であることを発表した。2.5万品目を対象にアマゾンと大手チェーンストアのEコマース9社の価格差調査によると、ウォルマートとターゲットが「衣料品・靴」「家電」「家庭用品」「健康・化粧品」の4つのカテゴリーでアマゾンの価格より下回った。調査報告には「驚くべきほど際立って、ウォルマートとアマゾンの価格差が広がっている」としている。6月〜8月期では両社の価格差が10%になり、半年前の1%の価格差が拡大しているという。ターゲットのオンラインストア価格もアマゾンより5%も下回っている。同報告書には「(アマゾンが安いという)イメージは、実際と異なり、アマゾンがプライスリーダーではなくなっている」と指摘している。1年前は17%もアマゾンよりも高かったメーシーズでさえ、直近では1%にまで価格差を縮めている。カテゴリー別でみると「家電」ではターゲットがアマゾンに比べて8.7%と価格が低く、続いてウォルマートの3.3%の価格差となっている。ベストバイはアマゾンより1%高く、ラジオシャックは20%高いため競争力はないとしている。「衣料品・靴」ではウォルマートがアマゾンより6%〜8%価格を下回っており、ターゲットもアマゾンより6%安くなっている。「健康・化粧品」ではウォルマート価格がアマゾンより11%も差があり、1年前の2.9%の価格差より大幅に拡大している。ターゲットもアマゾンより2%の価格が下回っている。「家庭用品」でもウォルマートとターゲットがアマゾンより5%〜10%の価格差になっているという。
トップ画像:2013年のEコマース売上順位。1位がダントツのアマゾンで679億ドル。2位がアップル(183億ドル)、3位がステープルズ(104億ドル)、4位がウォルマート(100億ドル)、5位はシアーズ(49億ドル)となっている。アマゾンがEコマースで圧倒的な存在感だが、大手チェーンストアのEコマースと比べて価格優位性は危うくなってきている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は流通コンサルタントであると同時に生活者でもあります。大手チェーンストアを視察するだけでなく、自分で食品や生活用品等を買い物をすることでアメリカ小売業を肌感覚でも観察しています。先月末、ウォルマート・コムで初めて買い物をしました。必要な衣類や電化製品、生活用品をアマゾンとウォルマート・コムで比べてみると、ウォルマートのほうが圧倒的に安かったのです。店受け取りにしてウォルマート・コムで購入したのです。買い物した後で、エントリー記事にあるような価格調査がでていたので「やっぱり」という納得感でした。ウォルマートはアマゾンを猛追しています。ウォルマートのEコマースは数年前から、需給や競合状況に応じて価格を変動させるダイナミック・プライシングを採用しています。ダイナミック・プライシングが功を奏してきており、アマゾンよりも価格競争力が高くなっています。
先週開催されたITニュースサイト「ギークワイアー(Geekwire)」のイベントに出席したウォルマート・グローバルeコマースCEOのニール・アッシュ氏。宅配サービスの「ウォルマート・ツー・ゴー」やアマゾンのスマートフォン「ファイアフォン」「ダイナミック・プライシング」などについて語っている。
⇒ところで、ウォルマートのグローバルeコマース事業部のCEOはニール・アッシュ氏です。アッシュ氏は先週、ITニュースサイト「ギークワイアー(Geekwire)」のイベントに出席した時、アマゾンのファイアフォンを小馬鹿にした発言をして話題となっていました。アッシュ氏は「ウォルマートはアイフォンやアンドロイド(スマートフォン)を扱っていますが、ブラックベリーは販売しているかどうかわかりません」と話した時、司会者が「間違いなくアマゾンのファイアフォンを扱っていないですよね」と突っ込むと「いいえ扱っていません。でも、いったい誰が販売します?」と答えました。アマゾンがあるシアトル市内でのイベントだったことで、笑いの後にブーイングになっていました(笑)。アッシュ氏は「より重要な課題はファイアフォンを誰が買っているかということです」と言い直していました。言い換えれば、誰も買わないものを誰も扱わないということですね。
⇒面白いと思ったのがショールーミングについての考え方です。前CEOのマイク・デューク氏は「お客様はショールーミングを行いますから、ウォルマートを街で一番のショールームにしよう」と話したのです。これでグローバルeコマースのポジショニングが決まったのですね。アッシュ氏がダイナミック・プライシングを採用したのも頷けます。一方でダイナミック・プライシングの難しさもあります。司会者の女性がベビー用スィングチェアを探していた時、ウォルマート・コムで20ドルを見つけたそうです。ただ、ウォルマートでは13ドルで販売していたのです。これを聞いてアッシュ氏の顔色が変わりました。それで「オンラインと店の価格が不一致なのは誤り」と謝罪していました。彼女は「ターゲットは27ドルで、アマゾンでも21ドルだったので、ウォルマートが一番安かったのです」とフォローを入れています。オンラインストアと店との価格の不一致はウォルマートの課題です。
ウォルマート・コムの猛追により、アマゾンの背中ぐらいは予定よりも早い段階で見えてくるかもしれません。
Posted by usretail at 03:57│
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