2014年11月18日

【当日宅配サービス】、オムニチャネル・ショッパーにはラストマイルでアマゾンに差別化?

141118ベストバイ
■年末商戦中にオンライン通販やストアピックアップなど全方位型で買い物をする「オムニ・チャネル・ショッパー(Omni-channel shoppers)」は、実店舗で買うお客よりも66%も支出が高いとする調査結果が先月29日に発表された。調査会社デロイト社によると、実店舗のみで購入するお客の支出は357ドルに対して、モバイル機器を使いオンラインストアや実店舗など横断的に買い物するお客の支出額は592ドルという。大手チェーンストアは購買額が高くなるオムニ・チャネル・ショッパーにむけて当日配送の展開を急いでいる。メーシーズは先月末からクラウドソーシング宅配のデリブ(Deliv)と提携しシカゴやヒューストンなど8都市にあるメーシーズで当日配送をテストを始めた。手数料は99ドル以上の買い物で5ドル、99ドル以下は14.95ドルとなる。月曜日〜土曜日は午後1時までに、日曜日は午前11時までにオーダーすれば当日に配送される。それ以降は翌日に持ち越しとなる。また500ドル以上の宅配では本人の受け取り署名が必要。メーシーズに続いてJCペニーも当日配送のテスト展開が噂されている。またベストバイでもギークスクワッドで使った当日配送を今後1年〜18か月以内に行うとみられている。
 大手チェーンストアはアマゾンと価格や配送手数料、品ぞろえで差が縮小しつつあり、オーダーから宅配までのスピードを競い始めている。最終的な競争力は、商品が顧客の手元に届くまでのラストマイル(最終中継地点からお客の手元)にかかってきているのだ。

トップ画像:ベストバイがギークスクワッドを使った当日配送サービスを行うとみられている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。オムニチャネル・ショッパーとは、オンラインで注文した商品を宅配してもらうだけでなくお店で受け取ったり、返品も送り返したりお店で返品するようなお客です。彼らが求めているのはスピードと利便性です。お店からの宅配や当日配送サービスは今後、大手チェーンストアを中心に普及していきます。理由はアマゾンに対して競争力をつけていくことです。それから、調査にあるようにオムニチャネル・ショッパーは、実店舗のみで購入するお客より購買額が高く得意客になる可能性があるからです。アマゾンとの価格差や品ぞろえの差がなくなりつつあるチェーンストアはラスト・マイル(ラスト・ワン・マイルというより最近はラスト・マイルが一般的になってきています)での競争力を確保しつつあります。実店舗を最終中継地点にして配達するしか、アマゾンと差別化ができないともいえます。
 実店舗を最終地点にして当日配送することでラストマイルを制覇することになります。ただ、誰が配送するか?が今後の課題です。クラウドソーシングか、自社トラックか、です。
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