2015年01月08日

【ウェットシール】、338店閉鎖で現場は怒り!ピカチューや忍者タートルのボディコン?

150108ウエットシールズ&コンプレイン
■ショッピングセンターなどモールを中心に展開するティーンアパレルのウェットシールは7日、338店を閉鎖することを発表した。ウェットシールはここ数年、H&Mやフォエバー21、ザラなどファストファッションに押され苦戦していた。リストラされる店舗スタッフは約3,700人。すでに一部店舗では先週末から店舗閉鎖を行っている。店舗閉鎖などリストラにかかる費用は540万ドル〜640万ドルと見られている。ウェットシールは66%の店舗を閉鎖することで売上の50%近くを失うことになる。今後は残る173店舗とオンラインストアで継続していくという。同社が昨年12月に発表した第3四半期(8月〜10月期)決算によると、売上高は1.04億ドルと前年同期から9%の減少。純損益は360万ドル。安売りにより粗利益率が前年同期の23.8%から13.2%と10%以上も低下したことで赤字幅は2倍以上となっていた。既存店・売上高前年同期比は14.5%の減少。ウェットシールは通年でも、2年連続の売上減に赤字となっている。
 カリフォルニア州ニューポートビーチにて1962年に創業したウェットシールは閉鎖前、47州に511店を展開していた。

トップ画像:先週末に突然、店舗閉鎖と解雇通知が知らされたことで一部店舗の従業員が抗議文を張り出している。年末商戦中の80%オフで不審に思ったスタッフが本部に問い合わせても「閉鎖の予定はない」との回答だった。年明けの不意の解雇通知で仕事を見つけることもできず「うそをつかれた」とスタッフの怒りは頂点に達している。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。昨年末からウェットシールの倒産の話がニュースで流れていました。低迷の原因として、台頭するファストファッションに、若者の嗜好の変化に対応できなかったことが挙げられています。ただ、ウェットシールの場合はそれだけではありません。問題の核心はリーダーシップです。手がかりとなるのは年次報告書。過去10年間の年次報告書を見ると迷走ぶりがうかがえます。2004年度のウェットシールのターゲット顧客は17歳〜19歳でした。それが2006年度には17歳〜25歳に拡大、翌年度は15歳〜19歳に変更しています。若い女性の1歳違いでも、好みのファッションは大きく異なります。ターゲット顧客の年齢層を拡大すれば、中心となるファッションも希薄化します。で、2008年度からは13歳〜19歳とまた変更です。それが4年間続き2012年度から15歳〜23歳に変わっています。2013年度と2014年度は13歳〜23歳をターゲットをさらに拡大しています。

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愛らしいピカチューがプリントされたタンクトップは、大人っぽいモデルに着させて、猫耳のティアラでポーズ。誰が着るのだ?

150108エリサ@ウェットシール
「アナと雪の女王」のエリサプリントのロングスリーブTシャツ。

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忍者タートルのボディコンドレス。24.90ドルが3ドルになっている。

⇒13歳と23歳のファンションの好みは異なるし、中高生は「ダンソン!フィーザキー!」を知っていますが、大学生以上は知らないでしょう(笑)。で、直近の第3四半期(8月〜10月期)決算をみると、ウェットシールのターゲット顧客は再び18歳〜24歳と変更されています。ファッションブランドでターゲット顧客を頻繁に変えることは、まずないです。ネットでも話題になっていたのですが、ファッションも可笑しなものが多いのです。可愛らしいピカチューがプリントされたタンクトップでは、大人っぽいモデルに着させて、猫耳のティアラでポーズです。20歳以上の女性がピカチュープリントのタンクトップは着ないでしょう。「アナと雪の女王」のエリサがプリントされたロングスリーブTシャツとか、ライオンキングや忍者タートルズのボディコン・ドレスとかもあり、迷走ぶりがうかがえます。実際、CEOがコロコロ変わってるので、企業方針もアッチコッチとブレてるのです。顧客が誰か決められないので、お客は店に来ませんし、ファッションも着れないし、購入も決められません。
 マネジメントの酷さは現場の悲鳴になっていて「#ウェットシール無視(#ForgetWetSeal)」「#ボイコット・ウェットシール(#BoycottWetSeal)」でマネジメント批判の画像が晒されています。こんなことでは残った店舗でも再建は不可能です。
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