
■アメリカのスーパーに行くとPOPで「〇〇フリー」と書かれていることを目にする機会が多い。「グルテン・フリー(gluten-free)」「ラクトース・フリー(lactose-free)」「抗生物質フリー(antibiotic-free)」「ホルモン剤フリー(hormone-free)」などだ。これらはヘルス&ウェルネスの食品分野で大きなトレンドとなっている「フリー・フロム(free-from)」食品カテゴリーなのだ。「フリー・フロム(free from)」とは「ない」「存在しない」という意味であり、フリー・フロム食品とは原材料からアレルギーの原因となる物質や、(必ずしも科学的に証明されているわけではないが)消費者から健康に悪いと思われている物質を取り除いた食品のことを指す。「非遺伝子組み換え(non-GMO)」食品もフリー・フロム食品のカテゴリーに入る。国際乳製品・調理済食品・製パン協会(IDDBA:International Dairy-Deli-Bakery Association)によると、2013年中に新発売された食品の13%がフリー・フロム食品を謳っており、ヘルス&ウェルネス市場で急成長しているのだ。例えばグルテン・フリーを謳う食品は2014年、382億ドル市場となっており前年から14%拡大した。2011年からは60%近くも増加しているのだ。「非遺伝子組み換え(non-GMO)」食品市場は2014年、100億ドルを突破し、前年から15%も増加している。2011年からは50%の増加だ。アメリカ科学振興協会とピューリサーチセンターが行った調査では、科学者の88%が遺伝子組み換え食品は安全としている一方で、一般消費者は37%しか安全だと認識していない。調査会社NPDグループによると、遺伝子組み換え食品が身体に悪影響を及ぼすと信じているアメリカ人は実に57%に上ると指摘している。10年前の46%から11%も上昇しているのだ。
その物質が科学的に有害だと証明されているわけではないが、フリー・フロムは付加価値を訴求できる売れる言葉として食品メーカーが積極的に使っているのだ。またフリー・フロム商品が増えることにより、消費者に認識されやすくなり、それが消費者を啓蒙することにもつながっている。アメリカ食品業界では今後もフリー・フロムは注目されるカテゴリーとなる。

「非遺伝子組み換え(non-GMO)」「グルテン・フリー(gluten-free)」「抗生物質フリー(antibiotic-free)」「ホルモン剤フリー(hormone-free)」の食品市場規模の推移。「非遺伝子組み換え(non-GMO)」食品市場は2014年、100億ドルを突破し、前年から15%も増加している。2011年からは50%以上の増加だ。グルテン・フリーを謳う食品は2014年、382億ドル市場となっており前年から14%拡大した。2011年から60%近くも増加しているのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。食品業界においても付加価値を与えるワードは変遷しています。調査会社NPDグループが行った「アメリカの食習慣(Eating Patterns in America)」によると、消費者はそれまで好んでいた12の付加価値食品を今は避ける傾向にあるといいます。12の付加価値食品とは「低脂肪(reduced-fat)」「低カロリー(low-calorie)」「ダイエット(diet)」「ライト(light)」「低コレステロール(reduced-cholesterol)」「低塩分(reduced sodium)」「カフェインフリー(caffeine-free)」「無糖(sugar-free)」「栄養強化(fortified)」「オーガニック(organic)」「低炭水化物(low-carb)」「全粒穀物(whole grain)」です。これらのラベルがついた加工食品については、以前ほど人気がなくなっているのです。理由はナチュラルを謳っても、食品に何か人の手が入ったような人工的な匂いがするからでしょう。
⇒今の消費者はこれらの付加価値ワードが入った食品を「リアル」でない、とみているのです。付加価値として訴求できるワードも変遷していています。80年代〜90年代は脂肪や塩分、コレステロールのような身体に有害になりえる物質を避ける傾向にありました。「低脂肪」「低塩分」「低コレステロール」が好まれていたのです。90年代の中頃〜数年前までは「全粒穀物(whole grains)」「食物繊維(dietary fiber)」「善玉菌(probiotics)」など、身体に良い付加価値ワードが好まれていました。第3の波となるサードウェーブは、身体に悪いものを減らしたり避けたり、また身体にいいものを補助的に加えたり強化したりするのではなく、手が入っていない「リアルな食品」が求められているのです。「本物の自然さ(リアル・ナチュラル)」が好まれているのです。その一方でアレルギーとなるような物質を含む食品は避けられています。リアル・ナチュラルでフリー・フロム?ということになるのでしょう。
今の消費者はリアルさにこだわる反面、イメージが先行しているような気もします。行き過ぎたマーケティングがそうさせているのかもしれません。
Posted by usretail at 03:48│
Comments(0)│
TrackBack(0)