
■2013年4月に上場を果たしたニューヨークの老舗スーパーマーケットのフェアウェイ・マーケット(
Fairway Market)は危機的状況にある。同社の株価は上場から半年間ほど、20ドル台で推移していた。しかし現在は一株当たり60セント台で推移しており、ピークとなった2013年7月から98%近くも落ち込んでいるのだ。同社の株式では普通のリンゴ1個さえも買えない。なおナスダック市場では同社の株価が30日間、1ドル以下となれば上場廃止となる。
同社の株価が落ち込んでいる理由はフェアウェイからお客が逃げ出しているからだ。フェアウェイが発表した第2四半期(7月〜9月期)では売上高が1.80億ドルと前年同期の1.94億ドルから約7%も減少している。赤字は1,200万ドルとなり、前年同期の1,700万ドルの損失からは赤字幅縮小しているものの、上場直後の決算発表となる2013年第1四半期から10期連続で赤字となっているのだ。また、既存店・売上高前年同期比は6.5%の減少となり、上場後では最大の下げ幅となった。既存店ベースは客単価が3%増加したものの、客数が9.2%の減少だった。フェアウェイの既存店ベースの減少は2013年第3四半期以来、8期連続で前年を下回っている。
フェアウェイからお客が減少している原因はウォルマートやコストコなど競合店がオーガニックを強化していることにある。スーパーマーケット最大手のクローガーでは年間売上高1,080億ドルのうち、オーガニック食品の売上が10%と見込まれているのだ。大手がオーガニックを割安で販売していることで、フェアウェイからお客を奪っているのだ。
フェアウェイはニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットに14店のスーパーマーケットと3店のワイン・アルコール専門店を展開している。
トップ画像:フェアウェイ・チェルシー店のオーガニック・リンゴ。1ポンド(450グラム)2.99ドルと高い。後藤はオーガニックでない普通のリンゴ(1ポンド当たり1.99ドル)を購入。お客が逃げ出しているフェアウェイの株式では現在、リンゴ1個も買えないのだ。

フェアウェイの株価推移。同社の株価は上場から半年間ほど、20ドル台の高値で推移していが、現在は一株当たり60セント台となっている。ピークとなった2013年7月から98%近くも落ち込んでいるのだ。12月18日現在は1株当たり69セントとなっており、フェアウェイで売っている普通のリンゴ1個さえも買えない。なお、ナスダック市場では株価が30日間、1ドル以下となれば上場廃止となる。

フェアウェイの既存店ベース推移(2013年〜)。第2四半期(7月〜9月期)の既存店・売上高前年同期比は6.5%の減少だった。同社の既存店ベースは2013年第3四半期以来、8期連続で前年を下回っているのだ。オーガニックなどを強化し割安で提供している競合店にお客が奪われているので、第2四半期では上場後、最大の下げ幅となっている。株式公開で300店展開を目指していたが、上場後に「らしさ」を失くしたフェアウェイはブランドイメージも悪化し、立て直しさえままならない。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ニューヨークには魅力的なスーパーマーケットがいくつかあります。ウェグマンズにスチューレオナルド、マンハッタンのゼイバーズ、それにフェアウェイ・マーケットも。後藤がこれらのスーパーを視察すると、どうしても全米一と言われるスーパー激戦区、南カリフォルニア市場では戦えるのか?という仮説で考えてしまいます。で、戦えるのは(ニッチな地域に限定されますが)ウェグマンズぐらいでしょう。それぞれに独特な雰囲気もありますが、毎日の買い物を考えればそれほど魅力的ではなくなるのですね。なぜなら後藤はコンサルタントとしてだけでなく、生活者としての視点で実際に生鮮品等の買い物をしているからです。生活者の視点とは他店と総合的に比較することです。フェアウェイはもともとローカルストアだからこそできる強みがありました。多店舗展開に色気を出したあたりから、「らしさ」もなくなり、高いだけの店になっているのですね。
自分のポジションや強みをわきまえず成長を追いかけるとお客は逃げていく事例です。ある意味、ヘイゲンと似ていますね。
Posted by usretail at 04:27│
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