
■ウォルマートのアプリ機能「セービング・キャッチャー(Savings Catcher)」が凄い。セービング・キャッチャーとはウォルマート価格より下回った競合店のセール価格に合わせるアプリで、競合店との差額分をキャッシュバックする。ユーザーはウォルマート・レシートのQRコードをスキャニングするだけで、72時間以内にeレシートに差額分を表示してくれる。比較される競合店は、買い物したウォルマートの近隣にあるクローガーやターゲット、ウォルグリーンなど大手チェーンストアだ。競合店のチラシにあるセール商品と比較して差額分をユーザーのeレシートに自動的に反映させる。アプリにあるセービングキャッチャーをみるだけで、これまでの買い物からたまった差額分を確認することができるのだ。またメールでもセービング・キャッチャーの結果を通知してくれる。貯まった差額分を還元する場合も簡単だ。ユーザーは還元ボタンをクリックするだけで貯まった返金分をeギフトカードでメールで知らせくれるのだ。
セービング・キャッチャーには3つの効果的な使い方がある。一つは大手チェーンストアが頻繁にセールを行う「ナショナルブランド(NB)商品」を購入することだ。大手食品メーカーが出している、広く認知されているNB商品は比較されやすいので差額分が生じる可能性が高くなる。二つ目は地域だ。大手チェーンストアなど競合店がひしめく地域にあるウォルマートで購入することで比較される競合店数も増える。比較対象が増えれば、ウォルマート価格より下回る価格も見つけやすくなる。結果、セービング・キャッチャーの威力が発揮しやすくなるのだ。3つ目として時期が挙げられる。スーパーマーケットでは独立記念日、サンクスギビング、ニューイヤーなど祝日前に販促を強化する時期がある。集客のために誰もが購入するようなNB商品をロスリーダーにするのだ。原価を下回った価格であってもセービング・キャッチャーは比較するので、凄まじい価格低下となる。
セービング・キャッチャーは競争の激しい場所で、販促の多い祝日前に、大手食品メーカーの人気商品を購入することで強力なパワーとなるのだ。
トップ画像:後藤のセービング・キャッチャー・アカウント。15.61ドルは差額となる還元金額のトータルだ。ニューイヤーを前にした12月27日の買い物では過去最高となる43店が競合対象となった。12アイテム購入中、5アイテムが比較対象となり3つの競合店(ラルフス、アルバートソンズ、ターゲット)のセール価格から差額金が還元されたのだ。差額は1.60ドルと少額だが、「We've found a lower price(安値を見つけました)」とのメール通知は、とても嬉しい気持ちにさせる。気持ち良いと感じたときに脳内で分泌される神経伝達物質ドーパミンが働いているようだ。仮説としてセービング・キャッチャーには、ある種の依存性もあるかもしれない。
15年12月13日 -
【ウォルマート】、セービング・キャッチャー!ウィンコの価格が間違いだと指摘したら?
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤はクライアントと一緒にお店に行くだけでなく、プライベートな時間を使っても調査視察を行っています。コンサルタント(特に流通コンサルタント)の仕事は、考古学者の仕事に似ていると思います。考古学者は、現地で学生に指導することもありますが、普段は現地で発掘調査したりと研究を続けています。学習者への指導がアウトプットなら、調査・研究はインプットです。インプットを行っているから指導者になれるのであって、アウトプットだけではスペシャリストとは言えません。最近、後藤への依頼で増えているのが、日本人コンサルタントからの依頼です。彼らはクライアントをつれてアメリカに視察に来る機会はあっても、なかなかインプットができないのですね。時間や労力、コストの課題がありますから、頻繁にアメリカに来て調査視察ができないのですね。人によっては語学が堪能でなく、ホテルやレンタカー等の手配から車の運転さえ自分で行うのが難しいからです。
⇒調査視察など、後藤はフットワークが軽いです。昨年は北カリフォルニアまで1,600キロかけて運転し、アメリカで2番目に大きなテキサス州ではダラス〜サンアントニオ〜オースティン〜ヒューストンの1,400キロを走ってHEBなどを視察しました。昨年末には5時間以上のフライトでニューヨークに行き、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、コネチカット州、マサチューセッツ州の5つの州を1,200キロかけ、ウェグマンズなどを調査しました。車の運転からホテルやフライト、レンタカーの手配まですべて自分で行うのです。視察先を選定し、仮説を立てて日程を組み、効率的なお店の回り方まで決めています。早い時には早5時過ぎにホテルを出ることもあるし、ホテルチェックインは深夜12時を超えることもあります。お店では休みなくシームレス(今はスーパーであってもオムニチャネル化を進めていますから)に様々な調査を行います。お客に扮してスタッフに話しかけることもしばしば。調査視察で重要なのが買い物です。
⇒生活者の視点としてリサーチのためのショッピングは外せないのです。特にウォルマートでは買い物をするようにしています。セービング・キャッチャーを研究するためです。調査して分かったことは、ウォルマートがある地域(競合状態)と買い物をする時期、そして購入商品によってセービング・キャッチャーの効果が大きく変わってくるということです。それを検証するため先日、競合店の多い場所にあるウォルマートで、スーパーなど競合店が販促を強化する時期に、セールされやすい人気のナショナルブランド商品を買ってセービング・キャッチャーを試してみました。案の定、結果は12アイテム購入(2アイテムはデリのチキンとバッグ)中、5アイテムが比較対象となり3つの競合店(ラルフス、アルバートソンズ、ターゲット)のセール価格から差額金が還元されました。差額は1.60ドルと少額ですが、それでも「We've found a lower price(安値を見つけました)」とのメール通知は、消費者としてとても嬉しい気持ちになります。
ところで、この結果から後藤はセービング・キャッチャーの3つの仮説を立てています。一つには競合店のPB訴求強化です。これはウィンコの壁一杯に陳列する「ウォール・オブ・バリュー」で検証しています。もう一つは中毒性(笑)、それに「リワードダラー」...
Posted by usretail at 05:02│
Comments(0)│
TrackBack(0)