
■危機的状況が伝えられているニューヨーク老舗スーパーマーケットのフェアウェイ・マーケット(
Fairway Market)は今月中にも連邦破産法11条を申請し倒産する見込みだ。ブルームバーグが内部情報に詳しい関係者の話として伝えたところによると、フェアウェイは破産後に資金援助を受けながら再建する計画を債権者と仮合意に達した。債権者は世界最大の投資ファンド運用会社ブラックストーン・グループの貸付機関GSOキャピタル・パートナーズ。今のところ、融資パッケージの規模や店舗スクラップ、レイオフなどリストラの詳細等は決まっていないが契約上、GSOが債務再編後にフェアウェイの所有権を引き継ぐという。フェアウェイはまた倒産後、独立系投資銀行グリーンヒル&カンパニー等のアドバイスを受け、大規模な店舗スクラップを行わず再建を果たす。
フェアウェイが発表した第3四半期(10月〜12月期)では売上高が1.9億ドルと前年同期の2.1億ドルから約7%も減少している。赤字は970万ドル。前年同期の1,100万ドルの損失からは赤字幅が縮小しているものの、上場直後の決算発表となる2013年第1四半期から11期連続で赤字となっている。また、既存店・売上高前年同期比は7.5%の減少となり、上場後では最大の下げ幅となった。既存店ベースは客単価が1%増加したものの、客数が8.5%減少した。フェアウェイの既存店ベースの減少は2013年第3四半期以来、9四半期連続で前年を下回っている。
1933年に創業したフェアウェイはニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットに15店のスーパーマーケットと3店のワイン・アルコール専門店を展開している。同社は全米展開を目指し2013年4月に上場を果たした。一方で、ウォルマートやコストコなどの競合店がオーガニック商品を拡大・強化しているため、お客を奪われている状態にある。売上が落ち込んでいることで、上場から半年間ほど20ドル台で推移していた株価は現在、30セント台を推移している。株価1ドル以下が続いているためナスダック市場から昨年12月、上場廃止の警告を受けていた。

フェアウェイの既存店ベース推移(2013年〜)。第3四半期(10月〜12月期)の既存店・売上高前年同期比は7.5%の減少だった。同社の既存店ベースは2013年第3四半期以来、9期連続で前年を下回っているのだ。コストコやホールフーズ、トレーダージョーズからの競争に加え、フレッシュダイレクトやブルーエプロンなどEコマースからの競争が増していることも苦戦を強いられる要因となっている。ニューヨークの都市生活者にとって重くてかさばる商品を買って帰るのはしんどいのだ。なお、フェアウェイもインスタカートで宅配サービスを利用できるようになっている。

フェアウェイの株価推移。同社の株価は上場から半年間ほど、20ドル台の高値で推移していが、現在は一株当たり36セントとなっている。ちょっと意地悪な見方だが、上場後、ピーク時に27ドルをつけた株価が3年で100分の1近くになったスーパーマーケットは他に比べる対象がないほど「唯一無二のスーパー(Like No Other Market)」となっているのだ。
15年12月15日 -
【フェアウェイ】、株価暴落!同社の株価でリンゴも買えず株式公開から2年で上場廃止?
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。フェアウェイ・マーケットのキャッチコピーは「唯一無二のスーパー(Like No Other Market)」です。競合となるホールフーズやトレーダージョーズ、コストコに行くとフェアウェイが主張する「他に類のないスーパー」の説得力はありません。ちょっと意地悪な見方をすると上場後、ピーク時に27ドルをつけた株価が3年で100分の1近くになったスーパーマーケットは他に比べる対象がないほど唯一無二です。ちなみにフェアウェイの株価は現在、36セント。フェアウェイの株で購入できる生鮮品はありません。フェアウェイの失策を見ていると、ヘイゲンと妙に被るところがあるのです。どちらも投資企業が大きく絡んでいることに加え、「捕らぬ狸の皮算用」的バブルな期待を基に、競合店動向を無視した無理な成長戦略です。まだ3店舗しかなかったフェアウェイは2007年、投資企業のスターリング・インベストメント・パートナーズに同社株式の80%を売却しました。
⇒スターリング社の後押しを受けながら、創業者の孫で当時のCEO、ハワード・グリックバーグ氏が極めて野心的な成長戦略を立案し、2010年からは毎年、2店舗のペースで出店を行ったのです。2013年には「北東部の6州を合わせたニューイングランドに90店、他の地域には200店舗を出店する計画」をぶち上げて上場を果たしのです。ただ、勢いよく出店はするものの業績がかんばしくなく、「唯一無二のスーパー(Like No Other Market)」と胸を張っていた3代目グリックバーグ氏もCEOから外れたのです。ノースカロライナ州を中心に36店舗を展開するオーガニックスーパーのアースフェア(
Earth Fare)のCEOだったジャック・マーフィー氏をCEOに起用したのです。トップを換えても、拡大戦略で出店した店の低迷をどうすることもできない状態なんですね。コストコやホールフーズ、トレーダージョーズからの競争に加え、フレッシュダイレクトやブルーエプロンなどEコマースからの競争が増していることも苦戦を強いられているのです。ニューヨークの都市生活者にとって重くてかさばる商品を買って帰るのはしんどいですから。
成長戦略をとったとき、競合を視察せず業界のトレンドを考えなかったことが、そもそも問題だったのです。
Posted by usretail at 03:52│
Comments(0)│
TrackBack(0)