2016年12月29日

【返品】、貰ったギフトも店に返すのが米国流儀!サンタからのプレゼントも返品できる?

161229返品@ウォルマート
■年末商戦のピークはすでに過ぎ去っているが、プレゼントなどの返品はまさに始まったばかりだ。クリスマス後の2〜3か月間は、あきれるほど多くの商品が返品される。ありがた迷惑なプレゼントや自分の好みに合わなかったギフト、買い物客自身が購入を後悔した商品など、お店に大量に返品が持ち込まれる。アメリカは消費大国であると同時に返品大国なのだ。人様から貰ったものでも自分に合わなかったら返品するのがアメリカの流儀といってもいい。したがってアメリカではクリスマスや誕生日などにプレゼントをするとき、ギフトレシートを添えて贈る習慣がある。ギフトレシートとは商品の返品・交換用の領収書のことで、金額は載っていない。お店に贈り物であることを伝えれば、通常の領収書とは別にもらえる。ギフトレシートには店名や返品条件、バーコードなどが記載されている。一方、ギフトレシートがなくても自由に返品できる店もある。アメリカの消費者情報誌「コンシューマーリポート」はこのほど返品に寛大なチェーンストアを掲載した。返品に最も寛大なのはノードストローム、LLビーンズ、ベッドバス&ビヨンド、コストコ、JCペニーの5社だ。コンシューマーレポート誌によると、高級デパートメントストアのノードストロームではレシートの必要はなく返品期間もない。アウトドア用品のLLビーンズでも返品期間やレシートについての条件が極めて緩い。例えば蚤の市で買った商品の返品など明らかな乱用を除いて、経年劣化した商品であっても返品は可能となる。ベッドバス&ビヨンドもベビー用品やマタニティ商品など一部カテゴリー以外は返品について寛大だ。ギフトレシートがなくても店で扱っている商品であれば返品可能となる。在庫に見つからなければ20%引いたストアクレジットになる。コストコもコンピューターや家電製品などで90日間の返品期間があるものの、返品条件は緩い。会員制なので過去履歴から確認できレシートは必要ないのだ。コンシューマーレポート誌は返品に厳しいチェーンストアも掲載している。顧客に厳しい返品ポリシーを掲げているのはフォエバー21、Kマート、シアーズ、バーンズ&ノーブル、ゲームストップなどだ。どのチェーンもレシートは必要であり、返金ではなくストアクレジットやギフトカード、交換のみの対応となっている。
 約1,000人の消費者を対象にしたコンシューマーレポート誌の調査では、42%の人がプレゼントでもらった商品をお店に返品したことがあるとしている。

トップ画像:ウォルマートのカスタマーサービスに並ぶ返品行列。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。全米小売業協会(NRF)は昨年の返品総額をすべての小売売上高の8%前後となる2,605億ドル(約30兆円!)と推計しています。年末商戦の返品率は10%と見積もっています。日本人からすると、気に入らないという理由だけで返品できたり、誕生日などのプレゼントで貰ったものまで返品してしまうアメリカの返品事情は信じられないと思います。先日、後藤は検証のため、これまでで最大購入金額となる返品を行いました。強調しておきますが、トレーダージョーズでレシートなしで賞味期限が切れているばかりか腐った商品を返品した時のように、検証のための返品です。これについてはまた近いうちに当ブログにてレポートしたいと思いますが、信じられないほどスムーズな返品対応でした。なぜ返品で徹底した検証を繰り返すのかというとコンサルタントとしてアメリカ市場に進出する日系企業に指南するためです。アメリカ市場について勉強不足の小売企業が少なくないのです。

16年5月21日 - 【トレーダージョーズ】、日本では考えられない!非常識すぎる返品を実際にやってみた?

⇒日本で名経営者といわれる方でもアメリカ市場については勉強不足なんですね。なぜかというと、日本の延長線上でアメリカ市場を見てしまうからです。日本で成功しているからこそその思い込みが足枷になってしまうのです。しかもアメリカで生活したことがありませんし、米国での生活があっても自分で食品や生活品を買うようなことがありませんから、アメリカの消費者の視点がどうしても欠如してしまうのです。しかも自分たちの生まれ育った時の価値観でアメリカを見ようとします。後藤は売上高が数千億円〜数兆円規模の企業のCEOや社長にコンサルティングしています。今でも忘れないのが、某量販店のトップにギフトレジストリーを説明している時に放った一言。ギフトレジストリーとは親戚や友人などお祝いを贈ってくれる人たちに、自分たちの欲しい商品リストを送り、その中から予算内で贈りたい商品を選んでもらうシステムです。当時、社長の息子さんが結婚された直後だったので、ウエディング・ギフトレジストリーの事例を話したのです。

⇒で、社長は「アメリカ人はあつかましい!」と言っていました。憮然としながら「息子夫婦に必要なものぐらいは知っとる!」とも話していました。モノのない時代に生まれ育った世代からは、あらかじめプレゼントを選ぶなんで言語道断なんだと思います。が、アメリカは100年以上前から商慣習に返品(例えば100年以上前のシアーズカタログではミシンの返品保証を謳っていた)がある国なんですね。返品をする必要のないギフトレジストリーはアメリカ市場にあった、極めて合理的なシステムになんですね。で、後藤が様々なものを返品して検証した事例を話すと誰もが黙ってしまいます(小売企業なら血の気が引くような返品です)。自分の成功体験や価値観を振りかざして日本の商いの正しさを主張しても、アメリカで実際に検証した真実や事実には勝てません。どちらが正しいとか間違っているとかを言っているわけではありません。アメリカ市場についてしっかり勉強してもらっているだけですから。
 アメリカでは「サンタクロースからのプレゼントも返品してしまう」と思うぐらいがちょうどよいと思います(笑)。
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