2017年02月22日

【ウォルマート】、実を結ぶ「出店控えてIT投資」!スキャン&ゴーを視察しないと損?

170222サムズクラブ
■ウォルマートが21日発表した第4四半期(11月〜1月期)決算は、国内店舗の既存店ベースが過去4年間で最大となる伸びを示した。会員費等を含む総売上高は1.0%増となる1,309.4億ドル。食品デフレや為替変動の影響を受けたことで市場予想を越えなかった。純利益は前年同期比17.9%の大幅減となる37.6億ドルとなった。人件費などを含む一般販売管理費が前年同期から3.7%も増加したことで、営業利益も同6.6%の減少と利益が圧迫された形だ。
 売上高の約6割を占める国内のスーパーセンターやディスカウントストアなどウォルマートUSの売上高は837.5億ドルと前年同期比2.8%の増加だった。ウォルマートUSの既存店・売上高前年同期比(ガソリン販売は除外)は1.8%の増加となった。1.8%の増加は2.2%増となった2012年5月〜7月期以来となる。これによりウォルマートUSの既存店ベースは10四半期連続で前年を上回ったことになる。内訳は客単価が0.4%増加し、客数は9四半期連続プラスとなる1.4%の増加となった。700店の展開となっているネイバーフッドマーケットの勢いも衰えておらず、同フォーマットの既存店ベースは5.3%の増加となった。また取扱品目数が3,500万品目に達しているEコマースは売上高が前年同期比29%増となり、前期の同21%増から成長が一段と加速した。また、スキャン&ゴーを昨年9月末、全店に展開したサムズクラブの既存店ベース(ガソリン売上除外)も2.4%の増加となった。サムズクラブの既存店ベースのプラスは4四半期連続で、2.4%の増加は過去4年間で最も高い伸びとなった。内訳は客単価と客数がそれぞれ1.2%の増加となった。
 通年では総売上高が4,858.7億ドル(会員費等含む)となり、前年の4,821.億ドルから0.8%の増加となった。純利益は前年の146.9億ドルから7.2%減少し136.4億ドルだった。国内既存店ベースは1.3%の増加となった。ウォルマートUSは1.4%の増加、サムズクラブは1.1%の増加だった。

ウォルマート第4四半期(11月〜1月期)
総売上・前年同期比:1.0%増
純利益・前年同期比:17.9%減
既存店・売上高前年同期比:1.9%増(アメリカ国内)
ウォルマート店舗数(17年1月31日)
 アメリカ国内店舗数:5,332店
  スーパーセンター:3,522店
  ネイバーフッドマーケット:699店
  ディスカウントストア:415店
  小型店など:36店
 サムズクラブ:660店

 海外店:6,363店

 総店舗数:11,695店

トップ画像:ウォルマート傘下でメンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブ。コストコと同じ業態だ。サムズクラブは昨年9月末、スキャン&ゴーを全店に展開したことで、既存店ベースは2.4%の増加となった。2.4%の増加は過去4年間で最も高い伸び。客単価と客数がそれぞれ1.2%の増加とバランスのとれた成長だ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートは現在、「出店控えてIT投資」の姿勢です。新規出店を大幅に減速する一方で、この1年間でジェット(jet.com)やシューバイ(shoebuy.com)、ムースジョー(moosejaw)を買収しています。マーケットプレイスを含めたウォルマート・コムの取扱品目数も3,500万品目と急増しています。メンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブでは昨年9月末、スキャン&ゴーをサムズクラブ全店に展開しました。これらウォルマートのIT投資がリアル店舗集客に実を結んでいるのです。ウォルマートUSでは、オンラインで購入して店でピックアップのボピス(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)が前年同期比で27%の増加となっています。Eコマース売上が前年同期比で29%増加するだけでなく、オンラインからオフラインのリアル店舗の誘導が上手くいっているのです。結果、ウォルマートUSは既存店ベースで過去4年間で最大の伸びとなっているのです。
⇒また注目すべきはサムズクラブで既存店ベースが4四半期連続で前年を上回る2.4%の増加です。第1四半期は0.1%増、Q2が0.6%増、Q3が1.4%増、そしてQ4が2.4%増の高い成長となっています。第4四半期2.4%の増加の内訳は客単価と客数がそれぞれ1.2%の増加と、バランスが取れた成長なんですね。サムズクラブの成長を支えているのがスキャン&ゴーです。日本ではレジ決済不要のアマゾン・ゴーをマスコミが大きく取り上げています。が、注目してほしいのはスキャン&ゴーです。スキャン&ゴーのアプリを起動し購入する商品のバーコードをスキャンしていき、買い物が終われば「チェックアウト(決済)」です。レジに並ぶ必要がないシームレスで革新的な買い物です。当社ではサムズクラブのスキャン&ゴーを必ず視察してもらっています。大手チェーンストアのトップやエグゼクティブなどにスキャン&ゴーで実際に買い物をしてもらうのですが、皆さん、ビックリ仰天です。本当に驚いている時は、言葉をなくすのです(笑)。

⇒スキャン&ゴーで買い物をしなければ、革新性は理解できないと思います。スキャン&ゴーを使うようになって後藤はサムズクラブで頻繁に買い物をするようになりました。喩えると、スキャン&ゴーは「近所の倉庫に品物を取りに行く」という感じです。商品バーコードをスキャンして、ワンタッチの決済です。レジを素通りするので、お店で買い物をしたという印象が残らないのです。熱々のロテッサリーチキン(チキンの丸焼き)は売り場でスキャンした後に保温バックに入れそのまま持ち帰りです。レジは素通りで保温バックから出すことはありません。スキャン&ゴーは後藤が経験した中でも、最大のショッピング革命です。で、ショッピングパターンが変わってしまったのです。こういった人が増えているので、ウォルマートはスーパーセンターでスキャン&ゴー端末でも始めています。盗難などの問題もありますので、全店では無理かもしれませんが、スキャン&ゴーはセービングキャッチャーと並んで集客の目玉になります。
 「出店控えてIT投資」に「オムニチャネルで上手くいっている企業はアプリが凄い」というのが後藤の仮説です。で、強調しますが、アメリカ流通視察でスキャン&ゴーは必見です。見ないと損!

17年2月12日 - 【ウォルマート】、スキャン&ゴー導入3店目にチョバーニ・カフェ3号店目もオープン!
この記事へのトラックバックURL
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/usretail/52020249