2017年03月19日

【ダラーゼネラル】、新規出店を1,000店!既存店の鈍化でチェーンストア理論も陳腐化?

170319ダラーゼネラル
■ダラーストアのダラーゼネラルは昨年3月、2017年度中に1,000店舗を新規に出店することを発表した。ダラーゼネラルは2月3日現在、43州に13,320店を展開している。2016年度の新規出店は900店だった。前年度は730店、前々年度は700店と毎年、出店数を加速しているのだ。一方で、多くのチェーンストアがオムニチャネル化を急ぎ出店を抑える中、ダラーゼネラルの出店加速による成長を維持できるのかという見方もある。実際、ダラーゼネラルの既存店・売上高前年比は5年前から鈍化傾向となっているのだ。
 ダラーゼネラルが16日に発表した第4四半期(11月〜1月期)決算では、14週間の売上高が60億ドルとなり、13週間となる前年同期の52.9億ドルから13.7%の増加となった。純利益は4.14億ドルと前年同期の3.76億ドルから約10%の増加となった。人気商品の値下げなどにより粗利益率は前年同期の31.8%から31.6%と0.2ポイント低下した。一般販売管理費率も人件費の上昇で20.2%から20.3%と0.1ポイント増え利益率を圧迫した。既存店・売上高前年同期比は1.0%の増加となった。フードスタンプ利用の低下や競争激化等の理由で客足が減少したが、客単価の増加で補った形だ。また通年ベースでは、53週間となる売上高は220.0億ドルと52週間の前年から7.9%の増加となった。純利益は前年から7.4%増となった。既存店ベースは前年比0.9%の増加。既存店ベースは27年連続して前年を上回っているものの、6%増となった2011年から年々、減少傾向となっている。
 ダラーゼネラルは1月、テネシー州ナッシュビルに都心部に住むミレニアル層向け新フォーマット「DGX」をオープンした。テスト展開となる100坪のDGXはノースカロライナ州ローリーにもオープン予定で、200坪を超える従来型に170坪タイプの小型店(計画は160店出店)など計1,000店の出店を計画。これに合わせ2ヵ所の物流センターもオープン予定で約1万人を新たに雇用するという。ダラーゼネラルは店員の教育を強化し、賃金を引き上げる計画も発表している。2018年1月期通期の売上高は前期比4〜6%増、既存店売上高は横ばい〜2%の増加を見込んでいる。一方で、年間1,000店出店でサステナブルな成長を維持できるのか疑問視もされているのだ。
170319ダラーゼネラル店舗数と既存店推移グラフ
ダラーゼネラルの年間出店数と既存店・売上高前年比の推移。ダラーゼネラルは年々、出店数を加速しており2017年度は1,000店を新規に出店する。毎日2.7店舗をオープンすることになる。一方、既存店・売上高前年比をみると鈍化傾向となっている。年間1,000店出店でサステナブルな成長を維持できるのか疑問視されているのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤はコンサルタントとして日本を代表するような大手チェーンストアのトップにも厳しく進言することがあります。5年先、10年先の流通業、小売業を考えてもらわなければならないからです。いつまでも古い考え方に縛られていては、スマートフォン片手に買い物する消費者の前では役に立たないどころか有害さえあるからです。彼らが若い時にアメリカに来て学んだチェーンストア理論もその一つ。チェーンストアの原則の一つに店数を増やすことがあります。店数を増やすことで価格交渉力を上げ、さらに店舗数を2倍にして交渉力も2倍にして価格をドンと下げるのです。これで大衆の生活を豊かにできるという考え方です。こういった規模の経済性による豊かさの提案は、アメリカですでに陳腐化しています。アマゾンの台頭やオムニチャネル化から、店舗数の増加で生産性を低めてしまうことにもなりかねない状況に陥っているのです。その兆候がダラーゼネラルにも現れ始めている...
 ちなみにダラーゼネラルではデジタルクーポンの利用が2倍に増えています。スマホ片手に買い物する人が増えると、店の多さは必ずしも競争上の優位と言えなくなってくるのです。
この記事へのトラックバックURL
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/usretail/52022028