2017年04月13日

【ウォルマート】、ラストマイル節約をピックアップ・ディスカウント!ローリィの頭脳?

170413ウォルマート・ピックアップコーナー@プロトタイプ
■ウォルマートは12日、Eコマースでラスト・ワン・マイルのコスト節約分を顧客に還元する「ウォルマート・ピックアップ・ディスカウント(Walmart Pickup Discount)」を始めることを発表した。「ラスト・マイル(last mile)」とも呼ばれている「ラスト・ワン・マイル(last one mile)」は、ネット注文で店舗を含む最終の物流拠点から消費者までの最後の距離を意味する。Eコマースの物流では、ラストマイルが宅配コストの50%以上を占めるといわれている。ウォルマート・ピックアップ・ディスカウントは、利用者がネット注文した商品を最寄りのウォルマートで受け取ることでラストマイルの節約分を値引きする、いわば「ボピス・ディスカウント(BOPIS Discount:Buy Online Pickup In Store Discount)」だ。ピックアップ・ディスカウントは19日からネット専売商品1万品目で開始され、6月末までには100万アイテムにも拡大する。対象商品は主に重量があり、体積や容量の大きい、かさばるような商品。節約分を還元する値引き率は3〜5%となっている。例えば1,698ドルのビジオ製70インチ4Kスマートテレビ(2160p 240Hz)をウォルマートのお店でピックアップすれば50ドル値引きされ1,648ドルとなる。148.05ドルの新生児用チャイルドシート(Britax B-SAFE 35 Infant Car Seat)もお店で受け取れば、7.40ドル値引きされ160.65ドル。約140リットルのコールマン大型クーラーボックス(Coleman 150 qt Heritage XP Marine Cooler)も111.49ドルからピックアップ・ディスカウントで4.46ドル引かれ、107.03ドルとなる。
 ウォルマートのeコマースCEOのマイク・ローリィ氏は声明で「お客様にはベストでよりスマートな買い物をしていただけるよう『価格の透明性』を提供しています。会員費なしの宅配サービス『無料2日間シッピング(FREE 2-Day Shipping)』の他、ピックアップ・ディスカウントでさらに節約できるのです」と述べている。なおウォルマートが2月から始めた「無料2日間シッピング(FREE 2-Day Shipping)」は、35ドル以上の買い物をすれば年会費など払う必要なく2日間で宅配するサービス。新サービスは家庭用品やペット用品、家電製品など日用品200万品目以上となっている。業者が扱うマーケットプレイスは対象外となっているが、35ドル以上の注文にマーケットプレイス商品の他、対象商品が入っていれば「無料2日間シッピング」の利用可能となる。
 ウォルマートは「無料2日間シッピング」に「ピックアップ・ディスカウント」の武器で競合アマゾンに応戦する。

トップ画像:今年2月、テキサス州ヒューストン郊外にオープンしたウォルマート・スーパーセンター(プロトタイプ)のエントランスにあるピックアップコーナー。これまでのピックアップコーナーと違いカウンターがなく、商品受け取りまで座って待てるよう椅子がならべられている。


ウォルマート・ピックアップ・ディスカウント紹介動画。アーカンソー州ロジャー地区にあるプロトタイプ店が映っている。
17年2月2日 - 【ウォルマート】、送料無料2日間配送を開始し会員制プログラムのシッピングパス廃止!

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤はクライアントに推薦図書として「ジェフ・ベゾス果てなき野望」をあげています。特に407ページ〜「ベビー用品をめぐる仁義なき戦い」は、現在のウォルマートを語るには必読の部分となっています。ちなみに本文の「ダイアパーズ・ドット・コム(Diapers.com)」は「ダイパーズ・ドット・コム」の発音で、「マイク・ロア(Mike Lore)」氏も発音では「マイク・ローリィ氏」となります。そのローリィ氏が創業した「クィッツィ(Quidsi)」も本文の記述では「クィッドシー」となっています。2010年に起きたウォルマートとの買収合戦でアマゾンが得たクィッツィーも閉鎖する計画であることを先月、発表しました。黒字化できなかったことを理由に挙げています。ローリィ氏が2013年にはクィッツィを退社しています。ローリィ氏がクィッツィを辞めたのは、当初「センセイ」と尊敬していたベゾス氏とも合わなくなったからでしょう。

16年8月9日 - 【ウォルマート】、ジェット買収で過去最大規模!3,300億円は起業家ロア氏を雇うため?

⇒ベゾス氏はチカラ技でクィッツィを買収もしています。強引な手段はザッポスの時でも行っていて、ザッポスを買収するために、わざわざ対抗Eコマースのエンドレス(Endless.com)を立ち上げ翌日配送&返品を無料にしてザッポスに圧力をかけたのです。ザッポスCEOのトニー・シェイ氏も、アマゾンからの狙いうちに震撼せざる得なかったのですね。ザッポスがベゾス氏に屈した経緯は371ページ〜の「ザッポスに狙いを定める」と376ページ〜の「獲物を追いつめてつかまえる」で詳細されています。こういった強引なやり方にローリィ氏が反発したのも無理はないと思います。で、ローリィ氏は再びアマゾンに対抗するためジェット(Jet.com)を立ち上げたのです。そのジェットを昨年、買収したのがウォルマート。ウォルマートはEコマースの天才を手に入れ、ローリィ氏は潤沢な資金を得たのです。アマゾンに一泡吹かせたいという思惑が両者、一致したのです。EコマースCEOに就任したローリィ氏が、再びベゾス氏に一矢報いようとしているのです。
 ウォルマートのEコマースのプレゼンスはローリィ氏の頭脳で拡大しつつあります。
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