2017年04月20日

【ペットスマート】、ペット用品通販サイトのチューイ買収!肉球で笑顔になる顧客とは?

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■1,500店以上を展開するペットチェーン最大手のペットスマートは18日、ペットフードやペット用品のオンラインストア「チューイ(Chewy.com)」を買収したことを発表した。同社は買収額など詳細は明らかにしていない。テック業界ニュースサイトのリコードは関係者の話としてチューイの買収額が33.5億ドルと報じている。リコードが報じる買収額は、ウォルマートが昨年8月に買収したジェット(jet.com)の買収額33億ドルを上回る。2011年創業のチューイは顧客数が300万人を超え、2016年の売上高は9億ドルだ。今年の売上高は15億ドルに達する見込み。すでにフットボールフィールド級のフルフィルメントセンター(物流センター)を3ヵ所稼働しており、来年初めまでにさらに3ヵ所オープンする。創業から6年だが調査会社1010データによると、国内シェアは43%に達しており、アマゾンの48%に迫る勢いとなっている。チューイの急成長を支えているのは、徹底したハイタッチなカスタマーサービス。本社スタッフ3,400人のうち約400人はチャットやメール、電話などによる問い合わせに24時間体制であてられているのだ。ペットが商品を気に入らなければ無条件で100%の返金に応じ、返品期間は購入から1年にもなる。昨年は手書きのクリスマスカードを200万枚も郵送したことで切手代だけで94万ドルかかったという。チョーイに初めてオーダーすると送料無料となり、ペットシェルターに20ドル寄付されるのだ。一方、ハイタッチなカスタマーサービスで負担が増え、チューイは赤字となっている。同社のファイナンスに詳しい筋によると客単価は平均75ドルで、粗利益率は30%程度。49ドル以上で送料無料となる配送コストは平均で約12ドルという。取り扱う数百種類のブランドすべてにグーグルのSEO対策を行っており、競合の試算ではチューイの顧客獲得コストは最大200ドルにも達する。顧客の獲得が凄まじい反面、同時に多くのお金も失っているのだ。
 ペットスマートはチューイのハイタッチなカスタマーサービスをそのままに資金提供を続け自社のオンラインストアにも反映させるようだ。なおペットスマートは2014年、投資企業のBCパートナーズに88億ドルで買収され非上場となっている。

トップ画像:ペットなどの動物を下から撮影するプロジェクト「アンダールック(Underlook)」からの一枚。肉球を可愛いと感じる人たちを顧客にするには、オムニチャネル化でも心の琴線に触れるカスタマーサービスが必要となるのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社の「最新!リアルとネットが融合するオムニチャネル戦略セミナー」では、クライアントに必ずこんな問いを投げかけます。『すべてのお店がいつでも、どこでも、顧客が好きなときに注文ができて、好きなときに都合のよい場所で注文したものを受け取ることができる』ようになったら、どのお店を選ぶのだろうか?と。答えは好きなお店です。一見、当たり前なのですが、この原則を理解せずオムニチャネル・リテーリングを行おうとしている大手チェーンが少なくありません。オムニチャネルの成功事例にホームデポがありますが、彼らはITに投資しながらカスタマーサービスを強化・改善しています。反面教師となる失敗事例はシアーズです。IT投資は行っているようですが、劣化した店舗をみて分かるようにカスタマーサービスはまったくダメ。アナログでハイタッチなカスタマーサービスで評価の高いチューイをペットスマートが買収した理由がそこなんですね。
 肉球を見るだけで笑顔になったり癒される人たちを顧客にするわけですから、オムニチャネル以上に心の琴線に触れるほどのサービスを提供できなければなりません。オムニチャネル化もハード以上にソフトが重要なんです。
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