■アマゾンは2年まえ、ボタンを押すだけで補充が必要な日用品を手軽に注文できる「アマゾン・ダッシュボタン(
Amazon Dash Button)」を発表した。発表日が4月1日の前日だったこともあり、誰もが当初、エイプリルフールのジョークだと疑っていた。戸棚の内側に貼ったボタンを押すだけで、注文が完了するダッシュボタンは現在までに、250種類のブランドまで拡大している。フォーチュン誌では、ダッシュボタンからの注文は1日で5,760件と推測している。アマゾン全体の注文数に比べてダッシュボタンからの注文はわずかだが、一部にショッピングの仕方を変えてしまったという向きもある。消耗品の補充注文という、わずらわしさがなくしたからだ。しかしアマゾンのダッシュボタンで驚くのは早い。「ボタンを押す」注文すらしなくなるIoT技術が、ウォルマートによってパテント申請されたのだ。
ウォルマートが昨年10月、米国特許商標庁(USPTO)に特許出願した「IoT環境の小売サブスクリプション(
Retail Subscription in Internet of Things Environment)」は、ネットにつながった商品タグが商品の使用状況に応じて再注文などを行うシステムだ。センサー技術を応用したハイテクのタグが商品の使用や消耗をモニタリングするという画期的な仕組みなのだ。タグはブルートゥースやRFID、赤外線、NFC(近距離無線通信)など何らかの方法でネットと常時つながっており、例えばミルクやコーヒーなど食品の残量を検知して消費者に伝え、再注文を自動でおこなうという。衣類なら洗濯の回数、食品なら賞味期限など、メーカー側が設定したしきい値を超えたところで自動注文を行うことも可能となる。また特許にはAI(人工知能)と組み合わせることで、ある商品を買っている利用者に別の商品を奨めることことも示唆している。今のところ、ウォルマートがこの技術を使い、製品開発やテストを行っているという情報はない。
ウォルマートは利用者がいつも購入する定番商品の再注文し、お店でピックアップする「リオーダー・ナウ(Reorder Now)」を始めている。リオーダー・ナウはアプリに保存されているeレシートから購入頻度の高い商品から、再注文をおこなう機能だ。生鮮品など冷蔵・冷凍での保存が必要な商品以外をアプリ経由で簡単に注文でき、ウォルマートのピックアップ・カウンターで受け取ることで買い物時間を節約できる。
IoTを使った自動サブスクリプションサービスが出てくれば注文を考える手間さえ省けてしまうのだ。
トップ画像:ウォルマート・アプリ機能の「リオーダー・ナウ(Reorder Now)」で再注文&ストアピックアップを行った。パスタや缶詰などいつも購入する店在庫の商品なのだが、店内ピッキングによる店内在庫ではなく、3ヵ所のフルフィルメントセンターから送られてきたものだった。
17年5月4日 -
【ウォルマート】、リオーダー・ナウ!いつもの定番商品はネットの再注文で時間を節約?
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日、リオーダー・ナウで買い物をしてみました。ウォルマートでいつも購入している商品を再注文という形でパスタや缶詰など6品目をオーダーしたのです。一部の商品は注文から最短2日でピックアップできるとの通知。で、全商品が揃った4日後、近所にあるウォルマートのピックアップカウンターに寄りました。意外だったのは注文品はすべてお店で購入した商品にもかかわらず、店内ピッキングによる在庫商品ではなく、すべてフルフィルメントセンターから運ばれてきたものでした。店内にある生鮮品等をオーダーするグローサリー・ピックアップとは別なんですね。そしてもう一つ驚いたのは、結構、ピックアップを利用する人がいたことです。私の前に並んだお客さんは600ドルの「100CCコールマン・ゴーカート(
Coleman Off Road 100cc Go-Kart)」を2台もピックアップしていました。ウォルマートで総重量110キロのゴーカートを2台注文してピックアップする発想はありません。
未来のオムニチャネルではゴーカートでさえ、故障する頃を見計らって?自動的に注文をしてくれるのかもしれません(笑)。
ウォルマートのストアピックアップ利用者には、600ドルの「100CCコールマン・ゴーカート(Coleman Off Road 100cc Go-Kart)」を2台ピックアップしている猛者もいた。ウォルマートECのプレゼンスも増してきているのだろう。総重量110キロのゴーカート2台は、スタッフによって駐車場まで運ばれた。
Posted by usretail at 02:27│
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