
■ネット通販最大手のアマゾンは16日、自然食品スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを買収することを発表した。買収額は137億ドル(約1.5兆円)でキャッシュ。2009年に12億ドルで買収したザッポスの10倍となり、同社では過去最大規模の買収となる。ホールフーズの一株当たりでは42ドルの提示額となり、発表前日のホールフーズ終値から27%のプレミアム。アマゾンCEOのジェフベゾス氏は「ホールフーズは40年近くにわたり顧客を楽しませ、満足させてきた企業です。素晴らしい仕事を引き続きお願いしたいと思っています」と語っている。ホールフーズCEOのジョン・マッキー氏は「(アマゾンとの)パートナーシップは、ホールフーズ株主など利害関係者にとって価値が最大となります。また私たちのミッションを拡大するばかりか、お客様に向けて高品質や利便性、買い物体験、イノベーションをもたらすことにもなります」と声明を発表している。買収はホールフーズ株主や当局からの承認後、今年後半中にも完了する予定。なお買収後もマッキー氏はホールフーズCEOに留まり、ホールフーズ本社もテキサス州オースティンから移転しないとしている。
ホールフーズが先月発表した第2四半期(1月〜3月期)では売上高が37.4億ドルと前年同期比1.1%の増加だった。純利益は9,900万ドルとなり、前年の1.42億ドルから30.3%減と大幅に減少した。既存店・売上高前年同期比は2.8%の減少となり、7四半期連続して前年を下回っている。ホールフーズは現在、アメリカを中心にイギリスとカナダを含め465店舗を展開している。その中にはロサンゼルス近郊シルバーレイク、ワシントン州ベルビュー、オレゴン州レイクオスウィーゴ、テキサス州オースティン地区にオープンした新フォーマット「365バイ・ホールフーズ・マーケット」4店も含まれている。ホールフーズは今年2月、業績低迷を受け4年前に掲げた1,200店舗展開を棚上げ、9店舗に及ぶ店舗閉鎖を発表。4月にはジェナパートナーズがホールフーズの株式9%近くを取得第2位となる株主となった。ジェナは株式取得の目的として、収益が下回っているホールフーズに対して改善を求め、課題に取り組むために取締役の刷新、新フォーマット「365・バイ・ホールフーズ」の再検討、競争力を強化するためのITと運営効率の改善化をあげていた。
アマゾンは先月末、ドライブスルー専用スーパー「アマゾンフレッシュ・ピックアップ(AmazonFresh Pickup)」を一般公開し正式にスタートした。ドライブスルー専用スーパーは利用者がネットで注文した生鮮食品などを、車から降りずに商品を受け取るサービスストア。店の中で買い物ができるインストア・ショッピングはなく、倉庫となる300坪弱の「ダークストア(dark store)」に専用の駐車スペースがついた食料品の受け渡し専用拠点だ。アマゾンフレッシュ・ピックアップは、ダークストアでスタッフが商品の選択と袋詰めを行い、予約した時間に顧客の車まで運ぶ。アマゾンフレッシュ会員なら注文から最短15分で受け取ることができるという。アマゾンは食料品の受け渡し専用拠点以外でも大学キャンパス内の受け取り施設を多数開設している。また実店舗展開も加速しており、大型ショッピングモール内の「ポップアップストア(Pop-Up Store)」を30ヵ所以上を展開し、リアル書店の「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」の7店舗目をNYマンハッタン地区にある「ザ・ショップス・アット・コロンバス・サークル(The Shops at Columbus Circle)」SCにオープンさせている。一方、テストを行っているレジなしコンビニエンスストアの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」はシステムの不具合により一般公開が遅れている。
トップ画像:ホールフーズ・シアトル店。アマゾンによるホールフーズ買収が発表された朝、後藤はアマゾン本社からごく近いホールフーズに行ったのだ!ホールフーズの現場スタッフにアマゾン買収の話を聞いてみると...




