
■ネット通販最大手アマゾンがミールキット市場に参入する見通しだ。アマゾンが6日、米国特許商標庁(USPTO)に「私たちが準備、あなたはシェフ(WE DO THE PREP. YOU BE THE CHEF)」を商標登録したのだ。ミールキットとは料理がすぐに調理できるよう、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料のみがセットされたもの。食材を洗ったり皮をむく手間もなく同封レシピに従って調理すれば20分程度で高級レストラン並みの食事を楽しめる。ミールキットは通常、直販でブルーエプロンなどのオンライン定期購入サービスを利用しての宅配となる。ミールキット市場でトップシェアとなるブルーエプロンは先月29日、新規株式公開(IPO)をしたばかり。アマゾンの商標登録でもブルーエプロンなどミールキット業者と同様なサービス内容が付記されている。一部の報道によると、アマゾンは今年4月も「私たちが用意、あなたは調理(We prep. You cook)」で商標登録していることが判明している。今のところアマゾンからミールキット参入のプレスリリースなどはない。なお、アマゾンの生鮮品宅配サービスのアマゾンフレッシュ(AmazonFresh)は今年3月、マーサ・スチュワート氏のミールキット「マーサ&マーリー・スプーン(Martha & Marley Spoon)」の取り扱いを開始している。アマゾンフレッシュは昨年秋から、食肉大手のタイソン・フーズと提携し、同社のミールキット「タイソン・テイストメイカーズ(Tyson Tastemakers)」の宅配も行っている。アマゾンが先月137億ドル(約1.5兆円)で買収したホールフーズ・マーケットはロサンゼルス・ダウンタウン旗艦店など南カリフォルニアの一部店舗でミールキット販売を始めている。
手軽さにより急成長しているミールキット市場は現在、150社以上が参入、スーパーでも店頭販売が目立ってきている。スーパーマーケット最大手のクローガーは同社が開発したミールキットのテスト販売を行っている。フロリダなどに1,100店以上を展開するパブリクス・スーパーマーケットも一部店舗で同社開発のミールキット「エプロンズ・ミールキット(Aprons Meal Kits)」のテスト販売を始めている。混戦するミールキット市場は宅配でもセレブとコラボしたプランが登場している。スーパーモデルのシンディ・クロフォード氏が提案する「アーバン・レメディ&シンディクロフォード(urbanremedey/cindy-crawford)」や歌手のビヨンセさんと夫ジェイZ氏のプラン「22日間ミールキットプラン(22 Days Nutrition guided Beyonce and Jay-Z on a 22 Days Vegan Challenge)」があり、ミールキット宅配業者のパープル・キャロット(Purple Carrot)もアメリカンフットボール選手のトム・ブレイディ氏のミールキットプランを始めている。調査会社パッケージ・ファクトは昨年のミールキット市場規模を約15億ドル(約1690億円)と推計しており、5年後に50億ドル規模に成長すると見込んでいる。外食業界を専門にする調査会社テクノミックも、5年で10倍にも急成長すると予想。別の調査でも2025年までに350億ドル市場に成長していると試算している。
アマゾンのミールキット商標登録のニュースでブルーエプロンの株価は10%も下落した。IPO時に11ドルまで買い進められたブルーエプロンの株価は現在、6ドル台で推移している。
トップ画像:アマゾンフレッシュでも取り扱われているマーサ・スチュワート氏の「マーサ&マーリー・スプーン(Martha & Marley Spoon)」。アマゾンが独自にミールキットを開発し販売したら成功する。理由は割安価格にアレクサの調理指導?