2017年10月13日

【クローガー】、セルフスキャン400ヵ所!アマゾン・ホールフーズ対抗にコンビニ売却?

171013Scan, Bag, Go@クローガー
■全米最大手スーパーマーケットチェーンのクローガーは11日、テスト展開を行っているセルフスキャニング決済「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Bag, Go)」を拡大することを発表した。スキャン、バッグ、ゴーは、店内にあるスキャニング端末もしくはスマートフォンにダウンロードしたアプリでお客が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。セルフ・チェックアウト・レジで、スキャニング端末(もしくはスマートフォン・アプリ)のバーコードを読み込ませて、レジを同期させることで簡単に決済できる。レジで商品をスキャンする必要がないため、買い物しながら商品を顧客の買い物袋にそのまま詰め込むことができるのだ。ニューヨークで開催された投資家を集めた会議にてクローガーは、店内の顧客体験を改善する「リストック・クローガー(Restock Kroger)」計画を発表。クローガーはデータマイニングの子会社84.51°を使い、6,000万世帯を超える顧客データを活用し、顧客の嗜好に合う商品を薦める機能を改善するという。また店内のデジタル関連のサービスを拡充する計画でクローガーは現在、20店舗でテストを行っているスキャン、バッグ、ゴーを2018年度(2019年1月期)末までに400店舗に拡大することを明かしたのだ。スマートフォン・アプリで顧客自らスキャニングしながら買い物するシステムはウォルマート傘下サムズクラブ全店で展開している「スキャン&ゴー」が良く知られている。またウォルマートは一部のスーパーセンターでスマートフォン・アプリとスキャニング端末を使ったテストも行っている。
 クローガーはまた、全米18州で展開しているコンビニエンスストア事業を売却する可能性があると明らかにした。クローガーの傘下にあるコンビニエンスストアにはアイオワ州で267店を展開する「ターキー・ヒル・ミニット・マーケッツ(Turkey Hill Minit Markets)」や129店展開する「クイック・ショップ(Kwik Shop)」などがある。ガソリン販売を手掛けるコンビニエンスストアは9割を超え、同事業の売上高は約40億ドル(約4,500億円)となる。既存店売上高は62四半期連続で上回っている一方で、クローガー全体の売上高では約4%を占めている。同事業の価値はクローガーから分離した方が高くなる可能性があるとして、アドバイザーにゴールドマン・サックスを起用、売却を含む複数の戦略的選択肢を模索しているという。なお35州にクローガーやラルフスなどの店名で2,793店を35州で展開している。

トップ画像:シンシナティのクローガーなど20ヵ所でテストを行っているスキャニング端末の「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Bag, Go)」。スキャン、バッグ、ゴーは、店内にあるスキャニング端末もしくはスマートフォンにダウンロードしたアプリでお客が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。買い物しながら商品を顧客の買い物袋にそのまま詰め込むことができ、買い物途中の合計金額も確認できる。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。スーパーマーケットなどの買い物のボトルネックとなるのはレジ会計です。レジ行列に並び、順番がきたら商品一つ一つをレジのベルトコンベアに載せなければなりません。スーパーのクレームで最も多いのがレジ会計です。忙しい消費者にとってレジ待ちの苦痛は年々、大きくなっているように感じます。クローガーでは数年前から傘下を含めた全スーパーにキュービジョンを導入し、レジ待ち緩和に努めています。キュービジョンは入り口にあるセンサーで客数をカウントし、稼働しているレジ数に今スグ必要となるレジ数、そして30分後に必要となるレジ数をレジ上のモニターTVに映しだす仕組みです。これでレジ待ち時間は緩和しているものの、レジ不要コンビニのアマゾンゴーの発表やウォルマートのスキャン&ゴー展開で、レジ待ち緩和のさらなる施策が必要となっているのです。で、20ヵ所でテスト展開中の「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Bag, Go)」を、400ヵ所に拡大です。

⇒この拡大は同社が掲げる、店内の顧客体験を改善する「リストック・クローガー(Restock Kroger)」計画で発表されたものです。リストック・クローガーは、シームレスショッピングでIT投資を加速・強化するウォルマートや、アマゾンに買収されたホールフーズのデジタル化を見据えたイニシアチブとなっています。同時に発表されたのが、クローガー傘下コンビニエンスストア事業の売却案を含めた戦略的選択肢です。まだ検討段階なので売却が決まったわけではありません。が、売却の可能性は高いです。「コンビニエンスストア事業の価値はクローガーから分離した方が高くなる可能性」とありますが、スーパーマーケット事業に専念し、競合ウォルマートやアマゾン・ホールフーズ連合に対して、実行スピードアップを図りたいことが裏にはあると思います。もっと言えば、オムニチャネル化のIT投資のためには組織のスリム化が必要なのでしょう。クリックリストにグローサラント、ミールキットなどのチャレンジも少ないないですから。
 スキャン、バッグ、ゴーの400ヵ所に拡大で、刺激を受けた他のスーパーにもIT化が進みます。