2017年12月06日

【クローガー】、メイン&バインが23ヶ月で閉店!新フレッドマイアーとの共食い回避?

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■スーパーマーケットチェーン最大手のクローガーは1日、昨年2月にオープンしたばかりの新コンセプト店を閉店することを発表した。クローガー本部のあるオハイオ州シンシナティの地元紙が報じたところによると、来年1月9日にスクラップとなるのはワシントン州シアトル郊外にある「メイン&バイン(Main & Vine)」。760坪のメイン&バインは、2015年8月に閉店したQFCギグハーバー店を600万ドルのコストをかけて2016年2月にオープンした。なおQFCはワシントン州に約60店舗を展開するクローガー系列のスーパーマーケット。メイン&バインはオープン当初、「新鮮でお手軽価格の青果と精肉」「広い品揃えの地ビールとワイン」「インストアキッチンで提供するユニークな料理・味覚体験」と謳っていた。クローガーではテスト店の閉店理由を明かしていない。一方で、メイン&バインから道を挟んだ隣にフレッドマイアーの新店がオープンすることが背景にあると指摘されている。フレッドマイアーの新店は1月10日、オリンピック・タウンセンター(Olympic Towne Center:5500 Point Fosdick Drive NW, Gig Harbor WA 98335)SC内に1,800坪でオープンする。クローガー傘下のフレッドマイアーはオレゴン州やワシントン州などに130店を展開している。スクラップ後、メイン&バインで働くスタッフ80名はフレッドメイヤーやQFCに振り分けられるという。
 クローガーが30日に発表した第3四半期(8月〜10月期)決算では、急拡大するクリックリスト効果により売上高が前年同期比4.5%増となる277.5億ドルだった。ガソリンの売上を除外すると売上高は同3.0%の増加となった。純利益は3.97億ドルとなり、前年同期比1.4%の増加。既存店ベースは市場予想の0.9%増を上回る1.1%の増加だった。クリックリストによるデジタル売上は109%の増加。クリックリストはネットで注文してお店の駐車場で車から降りずに受け取れることができるサービス。クローガーでは 年末までにクローガー傘下のスーパーマーケット1,000店にクリックリストを拡大する。またクリックリストを応用した宅配サービスの拡大も進めており、南カリフォルニアで展開するラルフスなど300店で宅配を行っているという。クローガーの宅配サービスは、インスタカートやウーバー、ローディー(Roodie)等と提携したものとなっている。またクローガーは来年秋、クローガー・マーケットプレイスやフレッドマイアーで新アパレルブランドを発売するとしている。

トップ画像:来年1月9日にスクラップ予定となる「メイン&バイン(Main & Vine)」。オープンからわずか23ヶ月間で閉店だ。閉店の翌日となる10日にはフレッドマイアーの新店が道を挟んだ隣にオープンする。なお、メイン&バインがクローガーにとって異例なフォーマットだったのは下にアップした店内レイアウトからも明らかだろう。
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メイン&バインの店内レイアウト。スーパーマーケットの入り口近くにある青果コーナー(Produce)がメイン&バインでは入り口の真向いの奥にある。またギグ・ハーバー・キッチンと名付けられたデリが入り口近くの左側に位置しているのも特徴的だ。

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地産野菜やオーガニックを強化したメイン&バインの青果コーナー。

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スクラップするにはもったいないほどのクォリティのギグ・ハーバー・キッチン。インストアキッチンのデリには弁当やギョーザなどのダンプリング、焼きそばもある。

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店の中央に位置する調理デモ&試食コーナー。毎日、献立を考える主婦には人気のセクションだ。

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店内は山小屋のウッディな雰囲気で落ち着いており、ターゲットが年齢層の高い顧客だとわかる。

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天井も高く開放感に溢れているから、店内を見渡せるイートインスペースも安っぽさがない。メイン&バインの跡地を誰が使うのか分からないが、この雰囲気は残してもらいたいと思う。

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フレッドマイアーの新店は1月10日、オリンピック・タウンセンター(Olympic Towne Center)SC内に1,800坪で移転オープンする。メイン&バインからは道を挟んだ隣となるため、メイン&バインはお役目ご免となる。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。テスト展開としていた「メイン&バイン」の役目は23ヶ月で終了しました。メイン&バインで培ったグローサラントなどのノウハウは、道を挟んだ隣にオープンするフレッドマイアーの新店に引き継がれることになります。一方、メイン&バインの課題は、クリックリストに対応できないことだと推測します。クリックリストは生鮮品など4万品目が対象となるのですが、760坪のメイン&バインでは在庫分で対応しきれないのです。しかも駐車場が狭いこともあり、クリックリストのパーキングスペースで、ピーク時など他のお客に迷惑になることも考えられます。ネットで注文して店の駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップの需要は今後、さらに拡大すると予想できます。例えばHEBの新店ではカーブサイド・ピックアップの駐車スペースを10台にしているのです。お客の年齢層が比較的高いギグハーバー地区ではクリックリスト需要も今後、増えるでしょうし...
 メイン&バインの真向いに競合セーフウェイがあるので共食い&分散化は避けなければなりません。ブランドの認知度が高いフレッドマイアーに経営資源を集中するのが妥当な判断です。