2017年12月07日

【ターゲット】、モバイル決済システムのウォレット!アップルペイに5%値引きで対抗?

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■ターゲットは6日、アプリを使った独自のモバイル決済システム「ウォレット(Wallet)」を発表した。ウォレットはウォルマート・ペイのようにスマートフォン・アプリにカード情報を事前に登録しておき、レジのQRコードを読み取ることで決済を行う。ターゲットによると他の決済に比べて最大4倍の速さで支払いが完了するしている。対象となる利用者はターゲットの自社カード「レッドカード(REDcard)」の保有者。レッドカードによる支払いで5%引きとなる。またアプリ機能のカートウィール(CartWheel)との併用も可能。1回のスキャニングでカートウィールのクーポン値引きにレッドカードの5%オフ、決済まで完了するとしている。使い方はターゲット・アプリを起動後、メニューからウォレットを選択する。タッチIDで本人認証を行ってQRコードを表示させ、レジのスキャナーで読み込ませるだけだ。レッドカードやカートウィールの情報もレジに同期するようになる。リアル店舗のみ使用可能となるカートウィールはターゲットが提供する500〜700アイテムのディスカウントを受けることができるアプリだ。値引き対象となる多くの商品が「アーチャーファーム(Archer Farms)」「アップ&アップ(Up & Up)」などターゲットのプライベートブランド(PB)商品で、多くが5%〜10%の値引きとなっている。年末商戦では玩具が50%オフとなる販促も行っている。値引き期間も短いものでは「当日1日のみ」から、最大1ヶ月以上にも及ぶ長期間のものもある。ユーザーは購入したい商品をタップしてリストに加えていくだけ。カートウィールは期限内であれば同一商品の値引きを何度も受けられることも人気の秘密となっている。カートウィールのホームページによると、節約された総額は11億ドル以上にも及んでいる。
 なおターゲットではお店でのアップルペイの利用は不可にしており、アプリ経由のショッピングのみアップルペイの使用が可能となっている。

トップ画像:ターゲット独自のモバイル決済システム「ウォレット(Wallet)」のスクリーンショット。レッドカードの5%オフにカートウィールでチェックを入れた商品もQRコードのスキャニングで値引きされる。
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ターゲットの最新式のセルフ・チェックアウト・レジ。通常のセルフレジに比べて、あるものが欠けているのが分かるだろうか?ちなみに中央の赤いデバイスは、ドル紙幣の真贋判定を行う「紙幣鑑別機」だ。答えは一番下の画像にある。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社ではコンサルティングセミナーに店舗視察、さらに実践・実習となるワークショップを行っています。ワークショップは、小売アプリを実際に操作して買い物をすることで、お店を見て回るだけではわからない最新ITショッピングを体験してもらうのです。ウォルマートではアプリ機能の「ショッピングリスト」に「ウォルマート・スキャン&ゴー」「ウォルマート・ペイ」に「セービング・キャッチャー」のワークショップを行っています。先日の某企業によるワークショップでは、巨大自販機のようなウォルマート・ピックアップタワーでネット注文品の受け取り実習を行いました。なぜこういったワークショップを行うかというと、今のアメリカ小売業は新規出店などの店舗投資を減少させる一方で、買い物が便利になるITへの投資を増やしているからです。買い物が便利になるとは、一言で言えば、スピードです。ピックアップタワーで受け取るスピードは、本当に驚きでした。

⇒お店では金の節約と同時にお客の買い物時間の短縮が求められているのです。テキサス州ヒューストン郊外にあるターゲット新プロトタイプでは最新のセルフチェックアウトレジが導入されていました。セミナー参加者の一人に他のセルフチェックアウトレジと最新式とは何がどう違うのかを試してもらいました。同時に導入理由も考えてもらうのですね。さて、そのターゲットがターゲットペイとなる独自のモバイル決済システム「ウォレット(Wallet)」を発表しました。ウォレットはウォルマート・ペイと同様にアプリを使った決済方法です。アップルペイに対抗した決済システムでもあります。カートウィールを使ってアップルペイにはできないディスカウントを提供するのです。利用者はターゲットの自社カードであるレッドカード保有者に限られるものの5%引きのディスカウントも提供します。4人に一人の割合でレッドカード支払いとなっていますから(ターゲットしか使えないものの)ウォレットのシェアは伸びると思います。
 ターゲットはオムニチャネル化やITへの注力で競合にキャッチアップしています。ターゲットでのワークショップ内容も充実しますね。

17年11月9日 - 【ウォルマート】、エッ、ウォルマートペイがアップルペイを抜く?利便性で抜いている!

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ターゲットの最新式のセルフ・チェックアウト・レジには、現金の投入口や釣銭の受け取り口がない。したがってお客が商品のスキャニング後、現金支払い時のみセルフレジに常駐するスタッフがきて、レジ下にあるお金を保管しているドロワー(引き出し)を開けて現金払いに対応するのだ(参加者も驚きの表情だ)。現金支払いのみスタッフが対応する、セミ・セルフレジを導入した理由がわかるだろうか?