2018年05月17日

【ホールフーズ】、プライム会員に10%オフとディープディスカウント新プログラム開始!


■アマゾンとの統合を進めているホールフーズ・マーケットはプライム会員を対象にした値引きプログラムを開始した。

ホールフーズが16日に発表した新プログラムはセール商品の10%引きと人気商品の大幅な値下げだ。数百品目に上る黄色いセールサイン「さらに10%オフ(Extra 10% off SALE)」とある商品は10%引きとなり、「プライム会員ディール(Prime member deals)」と記されたブルーのセールサインの商品はディープディスカウントとなる。

新プログラムは16日からフロリダ州の28店舗から始め、今夏には全店に拡大する。

新プログラムの使い方は、ホールフーズ・アプリからアマゾン・アカウントで登録しているメールアドレス(もしくは携帯電話番号)とパスワードでログインする。ログイン後にあるQRコードをレジでスキャンさせる(もしくは携帯番号を伝える)とプライム会員の値引きを受けられる。

プライム会員はまた、アマゾンのクレジットカード「アマゾン・プライム・リワード・ビザ・シグナチャー・カード(Amazon Prime Rewards Visa Signature Card)」で買い物するとさらに5%の還元を受けることができるという。

 アマゾンはホールフーズを買収後、サービス等の統合化を図っている。買収直後にはホールフーズが扱う生鮮品など一部の商品の値下げに踏み切った。ホールフーズやホールフーズ365にアマゾン専用のロッカーを導入。昨年末には100店以上で、アマゾン・エコーなどのアマゾン製品を販売を開始しており、一部にはポップアップストアも導入した。

一方、アマゾンでもホールフーズのプライベートブランド(PB)「365エブリデーバリュー(365 Everyday Value)」の販売を開始した。レジなしコンビニエンスストアのアマゾンゴーでもホールフーズのPB商品を扱っている。アマゾン・トレジャー・トラックによるセール品の受け渡しをホールフーズの駐車場を使って行っている。

2月にはアマゾン・プライム・リワード・ビザ・シグナチャー・カードの還元をホールフーズでの買い物でも適用した。最近ではホールフーズから短時間で宅配する「プライムナウ(Prime Now)」の対象地域をロサンゼルスやサンフランシスコなど10都市にまで拡大している。

 ホールフーズでは今月2日に旧プログラムを終了。オースティンにあるホールフーズでは一時的にプライム会員に向けの10%ディスカウントを行っていた。プライム会員は5月11日から年会費99ドルから119ドルに値上げされている。アマゾンCEOのジェフベゾス氏は先月、プライム会員数が世界で1億人に上っていることを公表した。

トップ動画:ホールフーズによるプライム会員向けの新プログラムPR動画。数百品目に上る黄色いセールサイン「さらに10%オフ(Extra 10% off SALE)」とある商品は10%引きとなり、「プライム会員ディール(Prime member deals)」と記されたブルーのセールサインの商品はディープディスカウントとなる。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。古いチェーンストア理論では規模の経済性の追求としての多店舗展開となっていました。標準化された店舗を多数展開することで低コスト化と単品大量販売を実現し、仕入れ先に対してはバイイングパワー(仕入れ力)を発揮することで、モノによる豊かさを大衆に提供していたのです。つまり店舗が軸になった戦略です。アマゾンではオンライン販売による「低コスト構造」で生み出した「低価格」とサービスを含めた「品揃え」を実現することで、より良い「顧客体験」を生み、顧客体験が「客数」を増加させ、サイト訪問者数に惹かれて「売り手」が増え、さらに「品揃え」が拡大するフライホイール(弾み車)効果と呼ばれるものです。ホールフーズの新プログラムなどのプライム会員向けの特典が増えることでプライム会員が増え、メーカーからのセール出品数も増えてセレクションが増し、顧客体験が向上して、さらに来年はプライム会員が増えていくということ。

171030アマゾン成長のフライホイール効果
アマゾンCEOジェフ・ベゾス氏が描いた「成長のフライホイール(Flywheel:弾み車)効果」。成長のフライホイール効果とは、オンライン販売による「低コスト構造」で生み出した「低価格」とサービスを含めた「品揃え」を実現することで、より良い「顧客体験」を生み、顧客体験が「客数」を増加させ、サイト訪問者数に惹かれて「売り手」が増え、さらに「品揃え」が拡大する、そしてさらに「顧客体験」が上昇する、という循環し続ける弾み車だ。

⇒一度プライム会員になれば、アマゾンやホールフーズが提供する高い利便性などから頭の中にアマゾンを住まわせることになり(マインドシェアを上げること)高い更新率を維持できるのです。今後、御用聞きとなるエコーを多くの家庭に普及させ、アレクサを窓口にして激安となるホールフーズからデリバリーなどを行わせることになれば、他店に行く意味がなくなります。アマゾンCEOジェフベゾス氏にとってお店は顧客体験を向上させプライム会員を増やすツールであって目的ではありません。したがってホールフーズが10%オフやディープディスカウントで利益を損ねて赤字になっても気にもならないのです。プライム会員に向けた10%オフやディープディスカウントで、ホールフーズの利用者を増やしながら、ホールフーズの割高なイメージ「ホールペイチェック(給料の大半が高額なオーガニック食品に消えるという意味)」を払拭します。ただし残念な方向としてホールフーズらしさはさらに薄まっていきます。
 プライム会員の特典を強化し、顧客体験を向上し、会員数を増やしながら高い更新率を維持していくのがアマゾンです。