2018年06月13日

【ホームデポ】、ラストワンマイルに1,300億円投資!アプリのBODFSがどう変わる?

180613ホームデポ
■ホームセンター最大手のホームデポは先週、向こう5年で物流センターなどサプライ・チェーンに12億ドル(約1,300億円)を投資することを発表した。ラストワンマイルのスピードアップは、ホームデポが昨年12月に発表した「ワン・ホームデポ(One Home Depot)」オムニチャネル戦略投資の一環。

111億ドル(約1.2兆円)の投資となる3ヵ年計画のワン・ホームデポでは、57億ドル(約6,100億円)を従来の投資に向ける一方、54億ドル(約5,800億円)はEコマースやラストワンマイルなどオムニチャネル拡充に配分する。

物流投資には工事現場やオフィスに直配される7つのフルフィルメントセンターの建設の他、コンクリートや鉄、木材などの建築資材を扱うフラットベッド・ディストリービューションセンター40ヵ所を含む計170の物流センターを建設する計画を含んでいる。サプライチェーンを拡充することで米国世帯の90%に当日もしくは1日程度で注文品が届くようにするとしている。

ホームデポは4月にもIT系スタッフを1,000人以上採用することを発表。大手チェーンストアが情報技術の分野で1年間に1,000人以上を雇用するのは異例である一方、IT人材を拡大しながらプロ客などのオムニチャネルショッパーに対応する。ホームデポは既にアトランタやオースティン、ダラスにある技術系部門に2,800人の従業員を抱えている。

ホームデポはEコマース等への投資で2020年度の売上目標を1,198億ドルとしているのだ。

 ホームデポによると昨年度のホームページやアプリ経由の訪問者数は18億人としており、売上の60%がネット訪問による影響がある。またオンライン注文の45%がストアピックアップとなるボピス客と明らかにしている。オンラインで注文した商品の返品では85%が店への返品になっていることも明かしている。

ホームデポではオンラインからオフラインへの流れが上手くいっており、ネット売上が店売上にプラスに影響しているのだ。昨年度売上の1,009億ドル(約11兆円)のうち6.7%がECとなっている。ホームセンター最大手のEC売上は前年から21%増加し、68.6億ドル(約7,400億円)となっているのだ。

 ホームデポが先月15日に発表した第1四半期(2月〜4月期)では売上高が249億ドルと前年同期比4.4%の増加となった。純利益は同19.4%となる24億ドル。既存店ベースは4.2%の増加となった。アメリカ国内の既存店・売上高前年同期比は3.9%の増加。過去数年間で最も低い伸びにとどまったのは、ホームセンターにとって繁忙期となる初春が例年より寒冷だったことを理由にあげている。
18年4月23日 - 【ホームデポ】、IT人材に1,000人雇用!ホームセンター最大手は5,800億円もIT投資?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社クライアントがスーパーや食品メーカー、卸、他の業界であろうが、ホームデポには必ず行きます。店内を視察するだけでなく、ホームデポ・アプリ機能の「イメージ検索」や「リアルタイム在庫」「3Dマッピング」「BODFS」などオムニチャネル・ワークショップを行うのです。オムニチャネル成功事例となったホームデポは優れたアプリ機能や戦略的なO2Oが参考になるだけではありません。オムニチャネル化の秀逸な手順(フレームワーク)が勉強になるのです。「いつでもどこでも顧客が好きな時に注文ができて、自由に決済方法を選び、都合のよい時に都合のよい場所で受け取ることができる」オムニチャネルの「イロハのイ」を学べるのです。多くの経営陣にとって分かりにくいオムニチャネル化で、最初に何を手がけるべきか等、ホームデポのケーススタディが手本になってくれます。多くのチェーンストアは誤解して、ITのTに走り過ぎる傾向があります。

⇒Technology(技術)が先行するばかりで肝心のI(Information)が後回しになってしまうのです。オムニチャネルの勉強会で後藤はよくクライアントに「すべての店がオムニチャネル化を実現したら、お客はどの店で買い物をしますか?」と問います。シームレスなショッピングやオムニチャネル化の実現が目標ではなく、手段であることを確認してもらうための質問です。答えは自分にとって好きなお店です。好きなお店とはどんな店かをもう一度考えてもらうのです。そのうえでオムニチャネル等のビジョンを描かないと技術が先行した店になってしまいます。競合がオムニチャネルでキャッチアップした暁には客離れが起こる可能性があるのです。ホームデポは「イロハのイ」をきっちり作りこんでいるから、ラスト・ワン・マイルに投資できるのです。ちなみにオンライン購入の選択肢に店からの宅配となる「BODFS(Buy Online Delivery From Store)」があります。アプリで見れば、BODFSに投資すべき理由が記されています。
 サプライ・チェーンに12億ドル(約1,300億円)を投資することで、ホームデポ・アプリの商品ページにあるBODFSがどう変わるか?も練習問題にしますね。ラストワンマイルのスピードアップだけではありません。