2018年11月02日

【アルバートソンズ】、食品スーパー内にネット専用のロボット倉庫!物流もインストア?


■食品スーパー大手のアルバートソンズは30日、既存のスーパーマーケットでロボットを使った小型物流センターのテストを始めることを発表した。ネット注文専用の物流施設を既存店舗に導入することで、急増するカーブサイド・ピックアップやデリバリーに店舗ベースで対応する。アルバートソンズはフルフィルメントセンター開発を手掛けるテイクオフ・テクノロジー(Takeoff Technologies)と提携し、最大でも300坪程度のオートメーション化された物流施設のテストを開始する。

AI(人工知能)を駆使したテイクオフeグローサリー技術では最大1.5万アイテムを収容し、1時間当たり900アイテムのピッキングを可能にするという。マニュアルピッキングでは1時間当たり60アイテム程度となることから、大幅に人件費を節約できるとしている。毎日2時間の稼働で週に最大3,500件の注文を処理するとアルバートソンズは期待しているのだ。

ネット経由で注文された商品は、このインストア・フルフィルメントセンターからピッカーに運ばれ、梱包されたのちにカーブサイド・ピックアップで渡されるか、デリバリーで宅配されることになる。

テイクオフ・テクノロジーはアルバートソンズ以外でもストップ&ショップやマイアミを中心に34店舗を展開する中南米系スーパーのセダノス(Sedano's)と提携しており、来年にはスーパーマーケット内(もしくは付属する形)で200〜300坪タイプのインストア物流がお目見えすることになる。

 大手チェーンストアはインストア&マイクロ・フルフィルメントセンターに着手している。ウォルマートは8月、ロボット物流企業のアラート・イノベーション(Alert Innovation)と提携し、カーブサイド・ピックアップ・サービス専用のフルフィルメントセンターをスーパーセンターでテストすることを発表した。

場所はニューハンプシャー州セイラムにあるスーパーセンター。スーパーセンター・セイラム店を560坪増床し、小型カートのようなロボット「アルファボット(Alphabot)」が動き回る物流倉庫を導入する。

このシステムでは、倉庫内で複数台のアルファボットが注文品をピッキング、4つのピックステーションに運ぶ。ピックステーションでは、カーブサイド・ピックアップ用のドライブスルーで利用者に渡せるようにスタッフが仕分けを行う。ロボット物流倉庫のオープン日は明らかにされていないが、今年末までに稼働させるとしている。

なおウォルマートではカーブサイド・ピックアップを利用した宅配サービスも拡大中だ。ウォルマートの宅配サービスは、カーブサイド・ピックアップでピッキングした注文品を、宅配サービス企業のドライバーに渡して宅配する。

ロボット物流も加速している。スーパーマーケット・チェーン最大手のクローガーは5月、イギリスのネット専業スーパー最大手のオカド・グループと提携したことを発表した。クローガーはオカドのロボット物流システムを同社のロジスティクスに導入し、ネットスーパーの効率化を図る。

オカドの独自技術「オカド・スマート・プラットフォーム」ではオンライン注文や決済、ピッキングからシッピングなどの配送管理などを含む。この提携によりクローガーは今年、アメリカ国内にロボットを導入したフルフィルメントセンター(ネット注文対応の物流倉庫)を3ヵ所建設するほか、今後3年で20ヵ所まで増やす計画。

詳細は明かされていないが、クローガーは新物流倉庫でそれぞれ600人を新たに雇用すると公表しているため、完全自動化となる倉庫を作るわけではない。倉庫内を動き回って生鮮品等をピックアップし、梱包等を担当するシッピング・スタッフにまで運ぶ、ピッキングロボットの導入と見られている。

 アマゾンがホールフーズを買収して以降、カーブサイド・ピックアップやデリバリー・サービスは全米のスーパーに波及している。アルバートソンズではEコマース売上が前年に比べて2倍以上となる113%の増加だった。インストア&マイクロフルフィルメントセンターへの投資は未知数だが、需要増加が売り場の負担となるどころかコスト高にもなってしまうことを避けなければならないのだ。

トップ動画:テイクオフ・テクノロジーのオートメーション化されたインストア&マイクロフルフィルメントセンターの紹介動画。テイクオフ・テクノロジーはアルバートソンズ以外でもストップ&ショップやマイアミを中心に34店舗を展開する中南米系スーパーのセダノス(Sedano's)と提携しており、来年にはスーパーマーケット内(もしくは付属する形)で200〜300坪タイプのインストア物流がお目見えすることになる。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。クローガーやHEBなど多くのスーパーマーケットでカーブサイド・ピックアップやデリバリー・サービスを導入しています。一方で大きな課題があります。スタッフが注文に応じて売り場でピッキングするため人件費がかさむ上に、他のお客に迷惑がかかってしまうのです。マニュアルのピッキングですから、ピッカーが間違えて注文品をピッキングすることもあります。また来店客の殺到による品切れ等で、ネット注文の対応に苦慮することもあります。いわゆる「代替品問題」です。アマゾンで注文して送られてきた商品が、注文したのではなく類似品の代替品だったら?と考えてみてください。極端な例を言えば、アイパッドを注文したのに他のタブレット製品が送られて来たら?と。まぁ、まず、ありえないでしょう。食品スーパーでも、例えばカゴメのトマトケチャップを注文したのに、デルモンテもしくはハインツのケチャップだったら?と考えるとわかります。

⇒利用者からすれば代替品があれば残念に思います。店側からすればカゴメ、デルモンテ、ハインツの味に大きな差はないと思ってしまいますが、注文者からすれば勝手に注文を変えられたというイメージになるのですね。しかも代替品は多くの場合、より質の良い、容量の多い、より高い価格の商品が選ばれます。これは店にとっては大きな負担です。悪いことに代替品について、利用者がその場で受け取りの拒否が可能です。商品によっては傷んでしまい、宅配後に破棄されることもあります。代替品が増える原因は、売り場がネット注文の倉庫と兼用になっているからです。ピッキングによる人件費アップと代替品のコスト増に対応するには、Eコマース専用倉庫を店に作るしかないのです。アルバートソンズの取り組みはウォルマートがアルファボットで実験するのと同じです。インストアで店内に物流倉庫を導入するのか、店に付属する形で小型の倉庫を作るのかの違いがありますが、どちらもオートメーション化されたマイクロフルフィルメントセンターです。
 パンを店内で焼くインストア・ベーカリーが流行っているように、インストア・マイクロフルフィルメントセンターも拡大の兆しです。