
■大手チェーンストアなどアメリカ小売業は買い物の利便性を高めるアプリ開発に注力している。アメリカ流通業のイノベーションはインストア・アプリに集中しているのだ。
ホームセンター最大手のホームデポでは来店客の半数がネットにアクセス後に店にやってくるという。ホームデポのインストアアプリで目当ての商品を確実に購入するため最寄り店のリアルタイム在庫を確認した後に店にやってくるのだ。
ホームデポのアプリにはリアルタイム在庫機能の他に2D/3Dマッピングやイメージ検索、DIY初心者向けのツールボックスなど多くの機能が入っている。
Eコマースで好調さを維持するウォルマートもイノベーティブ・アプリ機能がインストア・アプリに満載している。スーパーセンターに行くと、ウォルマート・アプリがストアモードに切り替わり、店内マップで商品検索が出来たり、プライスチェッカーで価格を調べられるなど、その店の情報を得られやすくなる。新しく追加されたARスキャナー機能を使うと商品を比較しやすくもなる。
店によってはアプリがないと買えなかったりする。ニューヨーク5番街52丁目に昨年11月オープンした「ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000(Nike House of Innovaiton 000)」ではナイキ・アプリが無ければ靴を買うことも、靴の試着もできない革新的な店舗だ。
ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000ではアプリがストアモードとなる「リテールモード(Retail Mode)」となり、マネキンの足元にあるQRコードをスキャンすることで、マネキンが着用しているそれぞれの商品情報を入手できる「ショップ・ザ・ルック(Shop the Look)」、店頭商品のバーコードをスキャンし、自分に合うサイズの在庫を確認し、スタッフにアイテムを試着室に送るよう依頼ができる「スキャン・ツー・トライ(Scan to Try)」、レジ行列に並ぶことなく購入できるモバイル・チェックアウト機能の「インスタント・チェックアウト(Instant Checkout)」などそれぞれの機能が利用可能となる。
ナイキがアプリに革新的な機能を加える。
ナイキが9日、モバイルアプリの新機能にカメラで足を撮影するとぴったりなサイズを教えてくれる「ナイキフィット(Nike Fit)」を追加すると発表した。
ナイキによると、ナイキフィットはコンピュータービジョンやデータ・サイエンス、マシン・ラーニング、人工知能(AI)、レコメンデーション・アルゴリズムを組み合わせた独自のスキャン機能だ。
使い方はアプリを起動し、スマートフォン・カメラで両足を撮影するだけ。ナイキフィットは1回のスキャンで足長や足幅だけでなく、甲の高さや足首など13ヵ所のデータを収集する。
左右の足それぞれの形状から体積まで完全に測ることで、ぴったりフィットするナイキ・シューズを選べるようになるのだ。
計測したデータは、ナイキ・プラス会員のプロフィールとして保存され、ナイキのオンラインショッピングや店頭でシューズを選ぶときなどに参照できる。
ナイキによると商品購入者の5人に3人となる約60%の人がサイズが合わない靴を履いており、北米市場においては年間約100万人が間違ったサイズの靴を購入している
。ぴったりフィットする靴を購入することができればブランド価値が上がるだけでなく、返品等のロスも大幅に抑えることが可能となるのだ。
なおナイキフィットは7月からアメリカ国内で利用可能となる。
流通におけるデジタル革命の多くがアプリに集約されており、アプリ・イノベーションの一つには個々に最適なパーソナライゼーションを提供することになる。アメリカ小売業界において革新的なアプリ機能の出現はまだまだ続きそうだ。
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