2019年07月12日

【ベッドバス&ビヨンド】、客離れの加速で既存店大幅減!チェーンストア理論から脱却?

190712ベッドバス&ビヨンド
■ホームファーニッシング最大手のベッドバス&ビヨンドが10日、第1四半期(3月〜5月)を発表し減収に赤字、既存店ベースの大幅減に見舞われた。

売上高は25.7億ドルとなり前年同期の27.5億ドルから6.6%の減少となった。純利益は前年同期の4,400万ドルの黒字から3.7億ドルの赤字に転落した。

粗利益率は34.5%となり、前年同期の同35.0%から0.5ポイントの減少となった。34.5%の粗利益率は3月〜5月期で最低となっている。一般販売管理費率はITなどテクノロジー負担がかさみ前年同期の32.1%から34.7%と2.6ポイントの大幅上昇となった。のれん代など無形資産を計上したことで赤字も膨れ、純損益となった形だ。

既存店・売上高前年同期比は6.6%の減少だった。既存店ベース6.6%の減少はリーマンショック中に記録した5.6%減を超えたものとなっている。なお既存店ベースは9四半期連続して前年を下回っている。

 ベッドバス&ビヨンドは米国(50州)やカナダに995店(前期から1店舗増加)を展開。2012年に買収したコストプラスのワールドマーケットやコストプラス・ワールドマーケットは前期より横ばいの277店、クリスマスツリー・ショップは前期から変わらず81店、バイバイベイビーは前期から2店増加し126店、ハーモン・フェースバリュは前期から横ばいの55店となっている。

また2016年6月に買収した、家具や室内装飾品のワン・キングス・レーン(One Kings Lane)の実店舗も2店舗ある。ベッドバス&ビヨンドの店舗数は1,536店舗となっている。

 ベッドバス&ビヨンドは先月、物言う株主の要求を受け入れ、取締役会に彼らが押していた役員を選出した。新たに取締役員に加わったのはウォルマートやユニクロで役員を務めていたジョン・フレミング氏など4人。取締役会は13人体制となり、テマレス氏の後任を決定する。

今年5月にはアクティビストの要求からCEOのスティーブ・テマレス氏が辞任した。テマレス氏の後任には暫定CEOとしてCFOのメアリー・ウィンストンが就任。アフリカ系アメリカ人で女性のウィンストン氏はファミリーダラーやジャイアントイーグルなどでCFOを歴任し、ベッドバス&ビヨンドには5月1日に取締役員に就任したばかり。

リージョン・パートナーズ・アセット・マネジメントとマケルム・アドバイザーズ、アンコラ・アドバイザーズの3つの投資会社の影響力が増したことで、ホームファーニッシング・チェーン最大手の歴史的な改革が始まろうとしている。

ベッドバス&ビヨンド傘下の事業部の売却やスピンオフを検討する委員会が作られたのだ。

リストラの対象となる事業には2012年に約5億ドルで買収したコストプラス・ワールドマーケットや2007年に買収したバイバイベビー、3年前に2億ドルで買収したパーソナライゼーションモール、2003年に買収したクリスマスツリーショップも含まれている。

 改革が軌道に乗るまでには時間がかかるため当面は赤字や既存店ベースの減少が続くと見れている。

トップ画像:カラーコーディネーションが行き届いたベッドバス&ビヨンドの売り場も、そもそもお客がやってこないから意味がない。
190712ベッドバス&ビヨンド既存店ベースと粗利益率推移
ベッドバス&ビヨンド第1四半期(3月〜5月期)の既存店・売上高前年同期比は6.6%の減少だった。6.6%の減少はリーマンショック中に記録した5.6%減を超えたものとなっている。粗利益率は34.5%となり、前年同期の同35.0%から0.5ポイントの減少だ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ベッドバス&ビヨンドがダメになったのはチェーンストア理論に固執していたから。陳腐化した理論でも執着した理由はチェーンストア理論で大成功した企業だから。セブンイレブンのセブンペイもそうですが、長い間、うまくいっている企業ほど足元をすくわれやすくなるのです。ITリテラシーの低さは危機感のなさです。言葉を変えれば、成功体験で思い込みが強くなり、同時にバカの壁を高くしてしまい、変化に遅れてしまうのです。「セブンペイ問題が流通視察に突き付けたこと」に書きましたが、わざわざアメリカに勉強しにくる企業は大概、本業がうまくいっている企業です。ただ流通視察も流通ITに触れず、売り場だけみて回るような「形骸化」してしまいます。アメリカまでやってくる成功企業も思い込みのバカの壁からは逃れられません。喩えれば、アメリカの消費者はイノベーションの自動車に乗っているのに、流通視察では馬車を見て回っているのです。

⇒アメリカの流通最前線では、ストアアプリが買い物動線、消費動線に入っています。アプリを抜きに流通を語れなくなってきています。最も分かりやすいのがウォルマート。ウォルマートのシームレスショッピングにはアプリの存在が欠かせません。ピックアップタワーもストアマップ上での検索もカーブサイド・ピックアップやデリバリーもアプリで操作することを中心に据えて考えられています。ストアアプリで際立った小売りはニューヨーク5番街52丁目に昨年11月オープンした「ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000(Nike House of Innovaiton 000)」。ナイキの専用アプリが無ければ靴を買うことも、靴の試着もできない革新的な店舗です。アマゾンゴーもアプリがないと入店もできません。アメリカに視察にやってくる企業はITリテラシーが低すぎるため、そのことも知りません。ちょうど今のベッドバス&ビヨンドのようなものでしょうか。つまりベッドバス&ビヨンドの再建にはアプリ開発は不可欠になってくるのです。
 それ以前にベッドバス&ビヨンドは売却や閉鎖で店舗数を減らさなければなりません。チェーンストア理論の脱却はそこからです。