2019年08月03日

【買い物時間】、15年で2時間も短縮!合言葉は「チェーンストア理論をぶっ壊す!」か?


■ビタミンやサプリメントなどを販売するGNCが先月、モールなどに展開する店舗を最大900ヶ所閉鎖することを発表した。

大量閉店のニュースは下半期になっても続いており調査会社のコアサイト・リサーチによると、8月2日までに発表されたアメリカ国内の閉鎖店舗数はトータルで7,567店舗に上っている。今年は昨年1年間で閉鎖となった5,864店を超えるペースで店舗閉鎖が起きているのだ。

コアサイト・リサーチでは今年の店舗閉鎖数が2017年の8,139店を上回る、1.2万店との予想をしている。

全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、直近のモール空室率はリーマンショック後、2011年第3四半期(7月〜9月期)にピークとなる9.4%と同程度の水準となる9.3%にまで上っている。

チェーンストアが大量に店舗閉鎖に踏み切っている原因には消費者の買い物行動の変化がある。スマートフォン経由でオンラインで買い物することで店に行かなくなっているのだ。

オンライン売上高は2003年第1四半期、小売売上全体の2%に過ぎなかった。Eコマースは現在、全体の10%にも及んでいる。

買い物行動の変化が実際に数字にも表現されている。

ビジネスメディアのクォーツ(Quartz)によると、国勢調査データから消費者の買い物時間が15年間で2時間も減少した。2003年の買い物時間は1ヵ月間で12時間だったが、2018年には10時間になっているのだ。

この数字はアメリカの国勢調査局が実施した「アメリカ人の時間使用調査(American Time Use Survey)」を基にしている。

買い物時間の短縮はワンストップショッピングを可能にしたスーパーセンターの拡大が一部に起因する。複数の商品をいくつかの店を回らずとも買い物ができる業態だ。

買い物時間の短縮は、アマゾンなどオンラインショッピングの隆盛が最も大きな要因だ。特にスマートフォンを駆使する若い層での買い物時間短縮が顕著となっている。

また近くに店がない田舎の住む消費者も買い物時間が少なくなっているのだ。ショッピングセンターなどわざわざモールに出かけなくても自宅で買い物ができるのでショッピングに使われる時間が短くなっている。

 カーブサイド・ピックアップやデリバリーなど食品スーパーによるネットスーパーも広がっており、買い物時間のシュリンクは今後も続く傾向だ。

トップ動画:ウォルマートのピックアップタワーで注文品をピックアップする参加者。ウォルマート・アプリにあるバーコードをスキャンして、わずか数秒でピックアップだ。ウォルマートでは買い物時間の短縮にITを積極利用している。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社がクライアントにお渡しするIT&オムニチャネル・ワークショップ日程表には、売り場などで行うカリキュラムを記載しています。フィナンテックなどITアクティビティを記しているのです。デジタル体験以外のカリキュラムには「チェーンストア理論の崩壊」と刺激的なテーマも盛り込んでいます。ショッピングセンターの視察では空テナントの多さを注視してもらっています。チェーンストア理論の崩壊とはズバリ、「買い物は売り場で行う」という大前提が崩れているから起こっているのですね。売り場に行かなくても買い物ができるオンラインショッピングがあるので、店を100店、500店、1,000店と増やしても以前のような規模の経済性がきかなくなっているのです。そもそも論として、お店に人が来ないのですから、チェーンストアによる暮らしの豊かさ楽しさは実現できません。ウォルマートも社名からストアを外している時代なんですよね。
 アマゾンの合言葉は「チェーンストア理論をぶっ壊す!」ではありませんが、結果的にチェーンストア理論は壊れてしまっています。