
■かねてから破産のうわさがあった高級デパートメントストアのバーニーズ・ニューヨークが6日、連邦破産法11条の適用を申請し事実上倒産した。
消費者の購買習慣の変化に加え、アマゾンなどオンラインストアとの競争やニューヨークの不動産賃料の高騰が足かせとなり経営が悪化していた。
バーニーズは1996年にも破産しており、今回で2度目となる。バーニーズは1923年創業の老舗。
シカゴやラスベガス、ロサンゼルス等にある15店舗の店舗を閉鎖する一方、ニューヨークのマディソン・アベニューの旗艦店を含め5店舗は営業を続ける計画という。
一部で営業を継続しながら身売り先をさがすため、ゴードン・ブラザーズとヒルコ・グローバルの2社から7,500万ドル(約80億円)の新規融資を受けるとしている。
一部報道によると、1993年にオープンしたバーニーズのマディソン・アベニュー旗艦店の賃料が今年1月、1,600万ドル(約17億円)から3,000万ドル(約32億円)に倍増した。賃料の高騰で数ヵ月前にはニューヨークの旗艦店を半分以上へ縮小し、9フロアのうち5フロアを手放す計画とも伝えられていた。
ニューヨーク・マンハッタンの家賃高騰は業界全体を揺るがすほどの大きな問題となっており、米国を代表するファッションブランドのポロ・ラルフローレンが2013年にオープンしたばかりの5番街の旗艦店を2017年に閉店したほか、老舗デパートメントストアのロード&テイラーが今年1月に5番街から撤退、ギャップやヘンリ・ベンデルなども撤退している。
これまでは5番街に旗艦店を構えることで店のブランド・イメージを高め、ブランディングやマーケティングに大いに役立っていた。
しかし、消費者がオンラインで買い物をする機会が増えたことで、家賃が大きな負担となる旗艦店の効果が薄れているのだ。しかもマンハッタンの家賃高騰で、イノベーション体験もなく店舗を単に広くしただけの旗艦店は経営の足かせにもなっている。
オンラインストアでの買い物で十分満足できる消費者が増えていることも小売店経営悪化の要因だ。バーニーズの中心顧客である富裕層らが、貴重な時間を使って店で買い物する機会もなくなっている。マンハッタンに出店しても以前ほどの集客さえ期待できなくなっているのだ。
バーニーズはマディソン・アベニューにある旗艦店の営業を継続しながら売却先を探すとしているが、足かせとなった店の買い手を見つけるのは極めて難しい。業界では企業清算の話も出ているのだ。
なおバーニーズ ジャパンはバーニーズ・ニューヨークとは資本関係がないため、破たんしても直接的な影響はない。
トップ画像:頭(Head)を砂(Sand)にうめる慣用句「ヘッド・イン・ザ・サンド(Head in the sand)」は「不都合な現実に目をつぶる」という意味になる。ダチョウは危険が迫ると、砂の中に頭を突っ込み、現実を見ようとしないといわれるところから来た表現。バーニーズ(他の小売チェーンも)もヘッド・イン・ザ・サンドだったわけだ。