
■ビタミンやサプリメントなどを販売するGNCが7月末、モールなどに展開する店舗を最大900ヶ所閉鎖することを発表した。8月に入ってもチェーンストアによる大量閉店のニュースは続いている。
ドラッグストア大手チェーンのウォルグリーンは6日、不採算店などを中心に200店を閉鎖することを発表した。スクラップされる店舗は全体の3%にも満たないが、毎日1店舗以上を出店していた頃とは隔世の感を覚えるだろう。
ドラッグストアチェーンにとってもチェーンストア理論による多店舗出店によるメリットが享受できなくなっているのだ。
ウォルグリーンと競合になるCVSヘルスも閉店こそしないが、出店戦略を変更せざる得なくなっている。
今年5月に46店舗の不採算店の閉鎖を発表したCVSでは今年100店舗を出店する計画があるものの来年は50店舗の新規出店と出店数の大幅なペースダウンを行うという。数年前まで新規で毎年300店を出店していたCVSも「店舗最適化」を持ち出して出店減速を計っているのだ。
再建中のシアーズも6日、シアーズ21店舗とKマート5店舗の追加閉鎖を発表した。閉店セールは今月中旬から開始され、10月までには26店舗すべてが営業を止める。6日に倒産した老舗デパートメントストアのバーニーズ・ニューヨークもシカゴやラスベガス、ロサンゼルス等にある15店舗の店舗を閉鎖を発表している。
パーティグッズ専門店のパーティシティは5月、北米に展開する870店のうち45店舗の閉鎖を発表した。パーティシティでは8日、閉鎖店舗数を当初の45店舗から10店舗も引き上げて55店舗を閉鎖すると発表したのだ。パーティシティでは風船を膨らますヘリウムガスが世界的に不足していることを原因に挙げて、不採算店のスクラップをするのだ。
新規出店が少なくなっていることで、オープニング・パーティも減少しているのかもしれない。
チェーンストアなどリアル店舗による大量閉鎖は電子商取引の普及が拡大していることで起きている。今の消費者は店に行かず、アマゾンなどのオンラインストアで買い物をすることにより消費行動の地殻変動が起きているのだ。
スイスの金融グループUBSはEコマースのシェアが伸びることで2026年までにアメリカ国内の7.5万店が閉店するとの試算を発表。UBSの予想ではオンラインストアのシェアが1ポイント上昇する毎に8,000〜8,500店が閉鎖となる。
実店舗を閉鎖に追い込むのはECマーケットで圧倒的なシェアを誇るアマゾンだ。アマゾンなどのEコマースサイトが売り上げ全体の16%から2026年には25%になる。それまでに最大で7.5万店と閉鎖となるとみられている。
最もECの影響を受けるリアル店舗はアパレル店で2026年までに2.1万店が閉店となる。次に家電店で1万店を失い、ホームファーニッシングの8,000店、ホームセンターの1,000店がそれぞれの実店舗をたたむことになるのだ。食品もECシェアが現在の2%から10%に上昇することで、スーパーマーケット7,000店舗がスクラップとなる。
UBSではリアル店舗の生産性の分析も行っており、それによると2018年は店売上が伸びたことで生産性は改善されたものの、2019年は失速するという。この結果、翌年の閉店が加速すると予測しているのだ。
新学期商戦にハロウィン、年末商戦と書き入れ時が続く時期だが、大量閉店のニュースは続くのだ。
トップ画像:200店の閉鎖を発表したウォルグリーンの店舗。